「ふぅ〜」
「はあ、はあ、」
「なんとか持ち堪えました」
雑魚の一掃に少し手間取ったものの、なんとか踏みとどまり、皆でマリーの元へ向かった。
「すみません、任せてしまって」
「いいえ、きにしなくてもいいわよ!」
では、とマリーがジャンヌへ向いて声をあげた。
「貴方は世界の敵、では、何はともあれ殺れた人々への鎮魂が必要不可欠、アマデウス、機械みたいにウィーンとやっちゃって!」
突然マリーが訳のわからないことを言ったかと思うと
「任せたまえ、宝具『
うるせぇええええええ!!!
突然鳴り響いた音楽
そして突然現れた男
「それではごきげんよう皆様。オ・ルヴォワール!」
そう言い捨てるとマリーは街の外へ向かって走り出した
オルヴォ?
「オルヴォわーる!」
姫様にならって一様タツキも言い捨てた。
「撤退って意味?何それ!」
マリーが走り出したので、それに続いて逃走に移ったタツキは武蔵に意味を聞いたが
「タツキ全然言えてない。」
と返された。多分武蔵も意味は知らないんだろうな
「仕方ないだろ!初耳だったんだから」
街を出たあとはマリーを先頭に走り続けていた。
「武蔵、ちょっと待て」
タツキが急に止まり武蔵を呼び止めた。
「え?何?」
「一つの案として聞いてほしいんだけどさ、ここに残って、近くで潜伏して、やつらの動きをみたいんだが」
「それは意味あるのかわからないわね、あいつらにはルーラーがいて、こちらの居場所がバレてるんでしょ?」
「それなんだがな、俺の考えだとその能力で、察知できる範囲がある程度決まっているんじゃないかって思うんだよ、そうじなきゃ、俺たちが街に入ってから急に襲ってきた理由がわからない」
「それもそうね、でも何で偵察?......あ。」
「そういうことだ、ある程度の範囲が決まっていて、俺たちが逃げたら、間違いなくあちらも偵察兵を寄越してくるだろ?」
「なるほど!それを叩くわけね!」
「そういうことだ!で、ロマンはどう考える?」
『いいんじゃないかな、偵察兵なら二人でも余裕を持って戦えるだろうし、藤丸くん達には僕から伝えておくよ』
「ありがとうございます」
「で、なんだけどさ、隠れるって言ってもどこに隠れるつもり?」
「ああ、それなら地に伏しているだけでいいさ、ここまで街の入り口から離れていればこっちに近づいてこなければ、バレることはないし、通り過ぎるのを待って後ろから奇襲ができる」
「なるほどね、なら少し離れましょうか」
作戦が決まり残った俺たちはその場所から少し離れた草原の地へ伏した。
「なあ、武蔵、お前の服さ何でそんな派手なんだよ。見つかりそうで怖いんだけど」
「えー、いいじゃない!」
と、武蔵は自らの服の袖など、鮮やかな色合いの着物をピラピラと振って見せた。
「まあ、可愛いんだけどさ、潜伏には向いてないなーって思っただけだ」
「可愛い!?うへへ」
何だこれ。何だこれ。何だこれ。
初めて見た顔だ。まさかこいつ、褒められるのに弱い?
「そう、可愛いと思うぞ!めちゃくちゃに可愛い!」
「なっ////」
顔面真っ赤だ。こいつやっぱ褒められるのに弱いんだな。
「突然どうしたの!?今日のタツキ変よ!死なないかしら!死の予兆ってやつじゃないわよね!」
「物騒なこと言うんじゃないって」
「めちゃくちゃ可愛いといえば、あの子!敵のセイバーの子!すごく可愛くなかった?」
突然ハアハアと目がおかしくなった武蔵に近寄られてドキッとしてしまった。
「敵のセイバー?ああ、可愛かったかな?あんま見れなかったけど」
「すごく可愛かったわよ!あの男の娘!」
「そうか......は?男の子?」
「ええ!男の娘!可愛かったわよねぇ!」
「待て待て!あれは女だろ!どう見ても!」
「馬鹿ねぇ!タツキ、この世にはね男の娘って言葉があるのよ?」
「男の子?」
「違うわよ、子が子供の子じゃなくて娘って字の方よ」
男の子→男の娘ってか?
「フザケンナ!あれは女だ!」
「タツキ目が腐ってるんじゃない?あれは男の娘よ!」
「いいか?そんなもんは実際はいないんだよ!夢の中での登場人物だ!」
「いるわよ!実際いたじゃない!」
「あの......」
「いないって!じゃあ次会った時に聞いてみるか?男ですか?女ですか?って」
「コホン......」
「いいわよ!聞いてみなさいよ!男って返答が来るだけだから!」
「貴方達はここで何をやって」
「ちょっと待ってて、今タツキと、とても重要な話をしてるの!貴方は後で」
「は?」
「お前の話なら後で聞く、今は武蔵に現実を叩きつけてやらねばならんのだ!」
ガランと手に持つ十字架を地に落とした
「今回はこっちでやりたい気分ですね」
手を合わせそれをゴキゴキと鳴らしている者がいた。
「だーかーらー!あれは男!」
「あの、そろそろ、いいですか?」
「馬鹿か!あんな可愛い男がいてたまるか!」
「衝動を抑えるのが限界です、まったく貴方達は人の話を聞けって言ってん
のォオオオオオオオオオ!!!!!!!!」
ドコォオオオオオンという爆音がタツキ達の真横で鳴り響いた。
「何ごと?!」
武蔵が咄嗟の出来事に瞬間的に後方へ跳躍し被害を回避したが、タツキはというと
「イッテテェエエエエエエエ!そしてうっセェエエエエエエエエエ!」
真横で怒鳴られた後に女が地を殴りつけたことで爆砕された土の塊を身体中にくらってしまっていた。
「タツキごめん、助けるの忘れてた」
「忘れるなってか!誰だこんなことしたやつ!」
転んでいたタツキが顔を上げると、青髪に修道服、青い瞳のお姉さん。
「あっ......どうもぉ〜」
「タツキこの人って......」
『タツキ君!何があったんだい!?』
「ええとですね、突然サーヴァントに襲われました、相手は暴力団員じゃないですかね?乱暴ですよ、乱暴」
『タツキ君達が無視したからだと思うんだけど』
「無視なんて......あ。武蔵テメェのせいだろ!」
「なっ!?違うわよ!タツキのせいでしょ!」
「貴方達はいい加減私を無視するのをおやめなさい!」
ズゴォーンとタツキと武蔵の目の前を空気の塊が通過した。
「うわ、凄い拳圧だな。」
青髪のサーヴァントが右の拳を振り抜いたことで起きた空気の塊
作戦変更だな。
「えーと君は何故俺らの所へ来たんだ?偵察なら俺らじゃなくてあっちだろ?」
「監視が役割だったのだけれど、あのヴラドを倒した貴方達を試したくなった。貴方達の敵は竜の魔女。究極の竜種に騎乗する、厄災」
「究極の竜種?なんだそれ?」
「それは教えることはできない、ただ、私ごときを乗り越えられなければ、彼女を打ち倒せるはずはない。わたしを倒しなさい、躊躇なく、この胸を貫きなさい」
なんだこの女。言ってることがやばい。何がやばいかって聞いてるだけなら自殺死亡者もしくは究極のドMだぞ。
「私の真名はマルタ、さあ、始めるわよ」
「えーと、ですね、自殺死亡なら藤丸たちの方へ行ってもらえません?というか是非そうして欲しいんだけれど」
「何故です?」
「いや、藤丸達にさっきの話してから逝ってくれない?俺たちだけその話しされてもさ」
「はあ、全く。わかりました。では失礼します」
「はいよ」
そう言い残し、マルタは歩いて行った。
「タツキあんなの藤丸達のところへ向かわせてもよかったの?」
「駄目に決まってんだろ!あんなやばいやつ向かわせられるか!」
「え?じゃなんで?ってまさかタツキあのサーヴァントを背後から襲うつもり?」
「せいかーい!流石武蔵だ、だってあんな発言絶対カウンター型の技持ってそうな発言じゃん?そんなもんくらったらやばいって、あの威力のパンチだぞ」
「そうね、その方がいいわね」
「じゃ、追跡と暗殺と行きますか」
「了解」
「暗殺ですか、物騒なことを、正々堂々と戦ってくれた方が安心して、逝けるのに」
「なっ!?」
「安心してって、殺されるのに安心なんてあるかよ」
「あるかもしれないわよ?」
「タツ......キ」
「ははは、変なことを言うなー、まあ、それはそいつがもし、この世から逃れたいと望んでいた場合くらいだろ」
「私は望んでる、聖女に虐殺とかさせるんじゃないってぇの」
「いつから武蔵は聖女になったんだよ!」
「タツキが今話してるの、私じゃなくてマルタ」
「知ってる。途中から気づいてた」
「全く、卑怯な男ね、背後から襲うだなんて」
「チッ!聞かれたか!てかお前なんで戻ってきてんだよ!」
「忘れ物を取りに来たんですよ」
ほら、とマルタが指差したのはデカい十字架。
そんなのもってきてたな。
「じゃもう面倒だからこっちから行くからさっさと勝ちなさい!」
マルタが急に戦闘態勢になり、拳を振るってきた
「おい、待てって!お前クラス何だよ!殴るとか、乱暴すぎんだろ!」
「えぇ!本来はライダーですよ?ですが貴方達はこの私を無視してくれましたからね」
「怒ってんのかよ!てかライダーのクセにパンチの破壊力馬鹿かよ!」
パンチを避ける度にズゴォという音が耳の隣で鳴っている。
「武蔵チェンジ、こいつの相手任せた!」
「させません!来なさい!タラスク!」
マルタがそう言うとゴウォオオオオオオオオという轟音が地から鳴り響いた後地面の中から、角が生え、背にはデカい甲羅を持った地龍が現れた。
「タラスク!そのサーヴァントの相手任せた」
「おい!待て待て!お前ライダーってまさかあれに乗ってんのかよ!」
「ええそうですが?」
「あっぶねー、俺あっちの相手だったら負けてたかも」
「へぇ、私に勝ったつもりですか?」
「いやそんなことはない、でもお前とならやり合えるだろうってな!」
「セェァアアアアアア」
「残念でした」
マルタの拳を避け、マルタから一歩退く、刀を抜いて斬り込んだ。
マルタの腰辺りを低めの姿勢から襲い、マルタの腰に刀がめり込んだ
タツキは続けて斬り返そうとしたが、そうはならなかった。
「キイッタッ!でもこれで避けられないですね」
とマルタがタツキの刀を手で握った、マルタの手からは血が溢れている
「おい、待てって、お前、俺の身体みたら、わかるだろ?そんな刀手放しても二本目があるんだっての!意味ないぞ?」
「離した瞬間にへし折りますよ?それでもいいのですか?」
「俺の話聞いてた?あるんだって!スペアが!」
「見た所、貴方の腰にはデザインが同じ鞘がはありません、もし、これが一本物だとするならば、最初に抜いたということは一番扱いやすいものなのでは?」
チックしょおおおおお!なんかバレてるんだけど!こいつ、マジ悪女だ!性格悪すぎるだろ!なんでそんなやつが修道服なんかきてんだよ!意味わからん
「図星、のようですね、では無視された分、きっちりもらって頂きますよ」
「タツキーー!!そんな刀折られたっていいでしょ!」
武蔵はそういうがなあ、あれが一番馴染んでるんだよな。俺の最初の刀だからってのが大きいけど
「セェァアアアアアア!」
ああもう!仕方ない!
「え?」
マルタの拳は空を切った。
「折ってくれて構わない、だが、この勝負はもらった」
マルタの拳を刀を手放して避けたタツキは二本目の刀を抜いていた。
《一刀 輪廻》
弧を描くような軌道の斬撃はマルタの体を大きな傷を与えた。
「悪いな。俺のその刀も大事なんだけどさ、ここでやられるわけにはいかないんだよ」
「ふふ、そうですね、これで私は終わり、最後に教えといてあげる。竜の魔女が操る竜に貴方達は絶対勝てない。あの竜種を超える方法はただ一つ。リヨンに行きなさい。かつてリヨンと呼ばれた都市に。竜を倒すのは古来からドラゴンスレイヤーと相場が決まっているわ。」
「ドラゴンスレイヤーか、ロマン聞いてたか?この話を藤丸達に伝えといてくれないか?あとリヨンも任せるって伝えといて」
『わかったよ』
「タツキだったかしら、これは返すわ」
マルタが俺の刀を返してくれた。
「折らないのか?」
「ええ、ただ、力を試しただけですので、刀を人質に取られて相手の言う通りにしているようなら、本気で倒しにいってました」
「本気じゃなかったってことか?」
「ふふ、それはどうでしょう?」
「次はまともに召喚されて、貴方達と出会いたいものです」
そう言いながらマルタは微笑み
タラスクと呼ばれた竜はグワッっと吠えた。
そして一人の聖女と地竜は光に包まれ消えていった。
「中々手強かったわね」
「お疲れ武蔵、地竜の相手はどうだった?」
「なんだか知らないけれど、あの竜、体の所々が拳型に凹んでいたわよ。」
「マルタってあいつやっぱ、やべーな。」
『タツキ君?』
「何ですか?」
『君たちはこれからどうするんだい?』
「近くの街に行きます、襲われていないとも限らないので」
『了解、藤丸君達にも伝えておくよ』
ふぅ。
とりあえず。
「武蔵ー疲れたわー」
タツキは地に背を預けた。
「タツキさ、戦うの好きでしょ?」
「好きじゃなきゃやってられねーって、相手はライダー語りながら拳で戦ってきたりするやつらだぞ?正気の沙汰じゃやってられん」
「それもそうねー」
「タツキ、寝てないで行くわよ、街の調査!ほら、立ちなさい」
「はいはいっと」
とりあえずは近くの街から見ていきますかね