コロニー調査のために戦艦・メルビレスに乗艦したシン・ルナマリア・ジェイは、宇宙空間L6を航行していた。
エル「調査対象コロニーの名はコロニー・セブンティア。かつては産業地帯コロニーとして活用されていたが、ここは戦場として取り合った地でもあることからプラントにも地球にもゆかりがあるコロニーと言える。キラ隊長の報告では、今回の襲撃犯の根城にされていてもおかしくはないそうだ」
ジェイ「まず、我々の目的はコロニーが稼働しているのかどうか。そして、それを使用している者が何者でなんの目的で使用しているのかを探るということですね艦長」
エル「そういうことだ」
ルナ「エルブレッド艦長。そうなると少数人数でバレずに詮索をせよということですか?」
エル「今のところはな。だが、もしこのコロニーが軍事要塞となっていたとしたら」
シン「オーブとプラントの総力をもって処理する必要があるってことか?」
エル「そういうことだ」
ジェイ「では、メルビレスを拠点にモビルスーツ三機が散開して調査することが望ましそうですね」
エル「ジェイ君。拠点を置き次第、君が隊長となり三人で調査を行ってくれ。我々は、引き続きオーブ及びプラントと通信を続ける」
ジェイ「了解」
乗組員「まもなく降下します」
~コロニー・セブンティア到着
エル「総員、第二戦闘配備。モビルスーツ発進」
ルナ「ルナマリア・ホーク。コアスプレンダー行くわよ」
ジェイ「ジェイド・ワース・クロード。テンペスト発進」
シン「シン・アスカ。デステニー行きます」
エル「調査は、くれぐれも慎重に敵に遭遇したら直ちに撤退しろ」
三人「了解」
~プラント
その頃、プラントではキラとラクスがアプリディウスの本部に戻っていた。
イザーク「キラ遅いぞ」
キラ「ごめんイザーク」
シホ「すでに議員や軍部の人間が到着しております」
ラクス「分かりました。すぐに緊急の議会を召集します。キラ、イザークも出席してくだい」
イザーク「分かりました。我々以外の隊長階級にも召集をかけます」
ラクス「お願いしますね」
秘書「ラクス様、エルブレッド隊がコロニー・セブンティアに到着したと報告が」
ラクス「分かりました。シホさん、あなたは会議中は私の代わりに調査部隊からの報告をまとめてください」
シホ「わかりました」
キラ「ラクス?」
ラクス「最悪の状況だけは回避したいものですわ」
ラクスの顔には悲しそうな表情が写る。そんな彼女をキラがそっと肩を寄せる。
キラ「大丈夫だよ。僕やアスラン、イザークもディアッカもシンもみんな君と同じ平和のために戦っている。自信をもって」
ラクス「ありがとうキラ」
~最高議会~
議会には、政財界の人間と軍部の人間が一堂に集結した。
司会「これよりプラント評議会を始めます」
議員「ラクス様、オーブが襲撃を受けたのは誠ですか?」
ラクス「それについては、すでに皆様にも報告が行き届いているはずです。私が議会を召集したのはみなさんの真意と今後の対策を直に話し合う時だと思ったからです」
議員「単刀直入にお聞きしますが、ラクス様の甘い考えが今回のような小言の争いが絶えない原因ではないでしょうか?」
キラ「どういう意味ですか?」
議員「もちろん我々も戦争を望んでる訳ではありません。しかし、地球人と我々コーディネーターのいがみ合いは収まるところを知りません。核戦争にこそなってはいませんが、今回の襲撃事件を発端にまた核と核がぶつかるようなことになれば一大事ですぞ」
バル「しかし、それを軍に指示してきたのは、地球のブルーコスモス、プラントのパトリック・ザラ議長ら急進派が行い。それを支持してきたのはアンタらじゃないのか?
俺は、ラクス議長のような武力解決はあるべきではないという考えに異論はない」
議員「し、しかし、過去に二度も大きな戦闘がありながら介入しながら議長は防げなかったではないか」
?「あんたら少しうるさいぞ」
一人の若手議員がその場を諫める。
議員「なんか文句あるのかソニア・スターリン?」
ソニア「文句があるなら具体策をラクス議長に提示しろよ。結局、手を汚さずに得をしたいというあんたらの考えじゃ、この戦いに終わりはないぞ」
キラ「ソニアさん。あなたはどうお考えなんですか?」
ソニア「俺は、軍人じゃないから戦いのつらさはよくは分かりません。ですが、綺麗ごとを並べられないのもまた事実です」
イザーク「つまり、あなたは議長の考えには従えないと?」
ソニア「そんなことは一言も言っていない。ただ、ラクス様の考えが夢物語じゃないのを証明すればいいだけの話。それに彼女の顔を見る限り、すでに策は練っていると見受けられたのでお考えをお聞かせ願いたい」
ラクス「分かりました。イザーク隊長お願いできますか?」
イザークは、分厚い資料を基に今回の対応策を発表した。その一つがコロニー調査、未調査のコロニーを含めた統治政策における。軍と産業の分離を図ることが目的にあり過激派思想が軍事力に頼らないように製造可能区域を作り、なお警備部隊を配置し、規定量の武具の携帯を禁止する法案だ。議員たちには賛同する者、反対する者と半々だが、ソニア議員の一言が響き、反対派も結果を見て判断するということで合意した。
議会のあと、キラはソニアのもとに話に行った。
キラ「ソニアさん」
ソニア「これはキラ准将。お疲れ様です」
キラ「少しお時間いいですか?」
ソニア「かまいませんよ。私もあなたに少し興味があったので最高のコーディネーターと呼ばれし英雄が」
キラ「あなたの目的は何ですか?」
ソニア「ずいぶん唐突な質問ですね。20歳にして准将に上りつめた方らしい」
キラ「あなたは、ラクスの考えることに反対こそしないがどうにも多淫行儀であるように感じるのです」
ソニア「そんなに丁寧口調で言わなくていいぜ。同い年なんだからな」
キラ「??」
ソニア「俺は、軍事産業は嫌いだし議員共のような腰抜けにもなる気はない。ただ、振り回されることが一番嫌いなんだ。俺は、何も起こさなければ解決しないと考えているだけだ。では、失礼する」
彼は、去り際にキラの胸ポケットに自分の名刺を入れた。
キラ「ソニア・コーポレーション」
?「キラ殿、久しぶりだな」
キラ「レイエスさん」
彼の名は、ジェイド・レイエス。ジェイの父親だ。
レイ「ジェイは、どうかね軍人として」
キラ「立派にやってますよ。隊長としての素質も備えていますし」
レイ「お役に立ててない寄りだ」
キラ「そういえば、レイエスさんはソニアさんを議員としてバックアップしているとお聞きしたのですが?」
レイ「ああ、彼のことが知りたいかい?」
キラ「はい、彼の行動は軍の人間として少し気がかりなので」
レイ「まあ、疑われても無理はない。このわしでも彼の本心が分からなくなっておるのだから」
キラ「レイエスさんも」
レイ「ただ、彼の軍人嫌いと元地球出身者がわざわざプラントで議員をやるということは特殊な事情があるのだとわしは踏んでおる。元々、奴は難民を助けたくてビジネスを立ち上げた。今の会社は、一般の人を・・・いや、平穏に暮らす地球、プラントの人々が平和に暮らせる街づくりを目標に作った会社だ。悪いことに首を突っ込んでいないとわしは信じておる」
キラ「分かりました。レイエスさんの気持ちを僕も信じてみます」
レイ「ありがとう」
ディアッカ「キラ、キラ」
ディアッカが大慌てでキラを探していた。
キラ「どうしたのディアッカ?」
ディアッカ「急いで本部に来てくれ、なんかやばいことになってきたぞ」