不死身の不死物語   作:貧弱戦士

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壱 魔法と意地

皆様お久しぶりです。今でも何気に生きている右京です

 

まぁ、あれから俺はネギ……あぁ、俺を呼んだ子の名前だ。その子の元に今住んでいて、お世話になっていやがるんですよ

 

 

 

「右京さん、ただいま~」

 

「おう。おやつは机の上に置いといたから。外出るから、留守番よろしく」

 

「うん!」

 

 

 

と、俺は小さな木の家から出て目的の場所へと向かった

 

このネギというのは、どうも不思議な子である。何故だか知らないが、こんな小さいのに親が居ないという点

 

ここ一ヶ月居たおかげで現地の人と仲良くなって、こないだそれを聴いてみた

 

どうやらネギが今より小さいころ、ネギの父親がこの村の親戚に預けて出て行ったらしい

 

しかもその父親、今じゃ伝説の魔法使い並らしく中々会えない。俺もネギのために情報を集めたが何処にも……

 

手がかりを残そうとしない。何処の強化系のお父さんだよ……

 

ふと、溜息をしだす

 

今日はいい天気だ。顔を上げ、目の前の青い空を眺める

 

一応この村の大人たちはネギの事情を知っていて、よくめんどう見てくれている

 

 

 

 

 

 

けれど…………例外も居る

 

 

 

 

 

「よく来てくれましたね」

 

「これでも約束は守る男でね。なぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               ネカネさんよ」

 

「…………………」

 

 

 

こういう奴は大抵居るんだな。過保護すぎるお姉さん体質は

 

目の前に金髪美少女が居るが、俺はそんなのどうも思わない。こいつはただの俺の『敵』だからだ

 

鋭い目つきで俺を睨んでいる

 

そう――出会いは一週間前であった。ネギのことをよくめんどう見てくれた奴が、今村に帰っていると聞いたので一目見ることになった

 

ネギに引っ張られ、村の中心に行ったらそこは人がわんさか溜まっていた。どうやら、この集まりの真ん中に居るらしい

 

静かに脚を進め、ネギは先に会いに行っている。俺はどんな人だろうと思い、期待を胸に抱いて見始めた

 

 

 

『ネカネおねえちゃん! お帰り!』

 

『えぇ。ただいま、ネギ』ニコッ

 

 

 

まるで絵に描いたような人物だった。その光景はとても美しく、村の男性も見とれていた

 

すると、その金髪の女の人と目が合ってしまった

 

そう、目が合った………それだけで

 

 

 

『!?!?』

 

『どうしたの? そんな青い顔して?』

 

『ネギ…! 『あれ』……は、なに…?』

 

 

 

『あれ』か……。酷い言われようだな。指で差されて、いい気分ではなくなった

 

まるでその表情は、俺がこの村の人と初めて会った時と同じ顔だった。そう、恐怖の顔だ

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここ一週間見張らせてもらったけど、一体あなたは何がしたいわけ」

 

「おもに、お宅の子を世話しているだけだが」

 

「嘘よ。あなたみたいなのが、ネギに何かをしようとしているわ」

 

 

 

またも酷い言われようだった。今度は指ではなく、杖で俺を差している

 

俺はそんな様子を見て、ちょっと混乱してきた。別にここで死ぬとは思っていない

 

ただ……

 

 

 

「ネギの話では召喚されて出てきたようね。目的はなに? ネギの暗殺? それとも誘拐? 答えなさい!!」

 

「答えてって言われても。俺はただ目的もなく、こんな所に呼ばれたわけで別にそんな事『ビュン!』?!」

 

 

 

杖の先から光る何かが飛び出してきた。それは俺の頬を掠り、そのまま直行して消えた

 

ゆっくりと血が流れ始める

 

 

 

「次はその汚い顔に入れるわ。さぁ、本当のこと言いなさい」

 

 

 

おいおい、誰が汚い顔だってチクショー。俺は頭の中で考えた。この場合はどうするか……

 

まぁ、答えは決まっているけれど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バァーカ」ニヤリ

 

『バァン!!!!!!!!!』

 

 

 

直撃。その瞬間だった

 

俺はもろに顔にあの光る奴をくらい、そのまま後ろから倒れた

 

 

 

ネカネside

 

なんなの、あの増幅する力は…

 

最初に会った時は、一見普通の人に見えた。どうやらこの人がネギのめんどうを見ているらしい

 

お礼を言おうとして、顔を見た瞬間だった

 

『化け物』の姿で、こっちを見ていた………

 

世界が停止したような感じだった。すぐさまスタンさんに彼のことを聴いたら……

 

 

 

『たしかに最初はそう見えた。あれは人の皮を被った化け物じゃと』

 

『なら、一刻も早くネギから遠ざけなければ!!! 今のネギはそういう奴らにとって、的になっているんですよ!?』

 

『けれどなネカネ。右京はそういう奴ではない。むしろ……『人間』らしいんじゃよ』

 

 

 

スタンさんはそう言っていたが、どうも信じられなかった

 

だから私が動く。何としてもネギや村の人たちを守るために

 

そして……今、それが終わった

 

 

 

「防止用の魔法です。殺傷性はないものの、威力はかなりあります。これに懲りて、二度とネギには近づかないでください」

 

 

 

………気絶しているんでしょう。私は何もなかったように、この場所を去る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待てよ……!!」

 

「!?!?」

 

 

 

今この瞬間で聞こえるはずのない声が、私の耳に届いた。後ろを振り向くとまだ倒れている

 

けれど

 

 

 

「俺は……例え…誰が、言おうと…! ネギからは…はな…れ、ねぇ」

 

「くっ! 相当タフなんですね。だけど、これならどうですか!」

 

『バァン! バァン!』

 

「がはっ!」

 

 

 

今度は二回放ち、二回も顔面に直撃した。奴は顔中から血が吹き出し、ヨレヨレになっている

 

それなのに……それなのに!!!

 

 

 

「ハァ………ハァ………」

 

「ッ! あなたの目的はなに!! なんでネギと居ようとするの!!!!」

 

 

 

ネギをこれ以上不幸にはさせない。私のかけがえのない家族だからだ。その思いが私を動かしている

 

けれど、こいつは何で動いている

 

千鳥足になりながらも、私に向かおうとしている

 

するとまた見える。あの『化け物』の姿がくっきりと。私は杖を握れず、離してしまった

 

 

 

「ハァハァ……なんで、あいつと…居るかってか」

 

「そ、そう…」

 

 

 

声に覇気が籠らなくなった。奴との距離が近くなり、ついにはほぼ接触するぐらい近くに

 

 

 

「友達だからだッ! あいつが俺を友達と言ってくれたんだよ」

 

「とも…だち……。そんな理由で「理由ならもっとある」」

 

「ネギは寂しかった……だから俺を呼んだ。ネカネさんよぉ…あんたはたまにし帰ってこねぇじゃねぇかよ」

 

「ッ!」

 

「あいつの家族じゃあ、もうほとんどお前ぐらいしか居ないんだよ!!!!! あいつは孤独になってしまう!!! これがわかるか!」

 

「あっ……あっ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつをこれ以上不幸にさせるのなら、俺はお前をぶっ倒す!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

その言葉は、このあたり全体を揺るがした。森がざわめき、雲が早くなり、鳥は飛びたって行く

 

私は……ネギを……。魔法学校に入ってから、年に数回しか帰ってこれなくなった

 

けれどネギは、いつも迎えに来てとびきりの笑顔をくれる…なのに、私はわかろうともしなかった

 

たしかにネギは一人だった。お父さんもお母さんもネギのめんどうを見てたけど、四六時中ではなかった

 

私はネギを家族として向かいいれ、ネギも家族として認めてくれた。けれど……

 

 

 

「ネギにとって姉は、アンタしか居ないんだよ」

 

「うぅ…ッ」

 

 

 

今、この人がネギを支えている。………私はただの自己満足で、ネギを不幸にしようとしてしまった

 

 

 

「ごめん…なさい」

 

「……………謝る相手、違う…ッしょ……」

 

『バタン』

 

 

 

そう言い残し、彼は今度こそ気絶してしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右京side

 

 

 

 

目が覚めれば、見知っている天井だった。なんだ、寝室から

 

上半身を起き上げ、部屋を見渡す。誰も居ない。まるで変な空間だな…

 

すると、机の上に手紙が置いてあった。あて先は俺だったので、中を開いてみると見たことない文字だった

 

これを解読せよと……無理ですね。ネギが帰ってきたら翻訳させようと思ったが、何故か文字を見ていると頭から声が聞こえる

 

この声は……

 

 

 

『どうも、ネカネです。先日はとんだご無礼をしてしまって、すみませんでした。ネギに全てを話したら、それは凄い険相で怒ってました。一応顔になんも症状が無いと医者も言ってたので、安心してください。私やネギも看病していたので、すぐよくなるでしょう。けれどこれを読んでいるということは、私はもう居ないでしょう。一週間も目が覚めないらしいけど、とりあえずごめんなさい。とりあえず医者の所に運んで、あなたをすぐ看病したあと帰りました。

もちろん魔法学校に。私もいろんな魔法を覚えて、いつかあなたを……倒したいと思います! そして、ネギを守って行こうと。だから、誰にも負けないでください。あなたが負けたら、私もネギもきっと……いえ、これ以上はいいません。では、また今度会いましょう……約束してください、ネギを守ると

 

              ネカネより』

 

 

 

とりあえず………なんだ、これは。変な感情が沸いてきた! って感じだな

 

俺はその手紙を綺麗に折りたたみ、机の中に居れた。そして、顔に張られた湿布や巻かれた包帯を解いて夕暮れの空の下を駆けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当、今日一日で色々ありました……」

 

 

 

ある金髪の少女は、魔法の学校へと帰るために友達の車に乗せてもらって近くまで送ってもらうもとに

 

少女は夕暮れの空を眺め、溜息とつく。すると、窓から奇妙な光景が

 

デッカイ木の下に、一人の少年がたたずんでいた。手には大きな紙を持っており、そこに大きな字でわかりやすく文字が書かれていた

 

 

 

「Leave it to me(俺に任せろ)」

 

「ッ!?」

 

 

 

文字は読めたが少年の顔を見えなかった。車はすぐさま通り過ぎ、変哲もない光景へと戻った

 

 

 

「……ふふっ。本当…『化け物』ね……。ふふっ///」

 

 




おまけ

「え!? もうぴんぴんなの!?」

「おうよ! 鍛えてますから」

「けど、まだ一日も経ってないし!?」

「……鍛えてますから」
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