城下町のダンデライオン 長男坊陽の日常   作:鳥王族

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第9話

 

「もうちょっと、可愛い服ないの?どれもパッとしないんだけど」

「貸してあげてるんだから文句言わないの!」

 

休日のある日、部屋で勉強していると岬と遥の部屋から言い争っている光と岬の声が聞こえたので一旦切り上げて二人のところに向かった。

岬と遥の部屋に行くと岬のクローゼットやタンスが全開にしてあり岬の服が散らばっていた。

 

「お前ら、昼間っから何を言い争っているんだ?」

「陽ちゃん!ちょっと聞いてよ!」

「陽兄!光にちょっと言ってやって!」

「落ち着け!」

 

俺が少し大きな声を出すとヒートアップしていた二人は一旦落ち着いた。

 

「岬、原因はなんだ?」

「えっと…光が櫻田ライトの時に着る服は今も私が貸してるんだよね、ライトは中学生だし。でも、光ったら貸してあげてるのに私の服が地味とかいちゃもんつけてくるんだもん」

「ライトはアイドルなんだよ!普段から可愛い服着てないとダメなの!」

「十分可愛いじゃん!」

「ううん、岬ちゃんの服は地味だよ!」

 

やべ、どうでもいいと思ってしまった。でも、女にとってはやっぱり重要なことなのか?

 

「はあ、理由はわかった。光、貸してもらってるのに文句は言わない」

「だって…」

「だっても何もない。お前も自分の服をけなされたら気分が悪いだろ」

「…うん。岬ちゃんごめんなさい」

「まあ、趣味が違うから仕方ないよ」

「はあ、じゃあこの件はお終い。てことで、お前ら服買いに行くぞ」

「「えっ?」」

「「えっ?」じゃないだろ。これから櫻田ライトとして活動していくとしたら毎回毎回光が岬の服を借りるより光自身がライト用の服持っていた方がいいだろ。特別に買ってやるから行くぞ」

「陽ちゃん、それ本当!?」

「こんな嘘つくか!」

「えっーと、陽兄なんで私まで?」

「そら、俺と光で中学生サイズの服を買うのは変だろ」

「じゃあ、ライトになって行ったらいいじゃん」

「まだ、活動して数週間のライトにもうスキャンダルはダメだろ」

「あっ、そうだね」

「お前は後で何か奢ってやるから」

「わかった」

 

話がまとまったので一旦自分の部屋に戻り財布などを持ち再度岬の部屋を訪ねると…

 

「へっ」

「何だ、着替えてたのか」

 

岬は着替えの途中で上半身は下着姿だった。確かにさっきまで部屋着だったし着替えるのは普通か。

 

「陽兄!入るときはノックしてよ!」

「あっ、悪い」

「てか、なんで真顔なの!」

「?面白くもないのに笑えない」

「いや、そうじゃなくて照れるとかあるでしょ!」

「一緒にお風呂入ってたのに今更照れないだろ」

「それ幼稚園児とかの話でしょ!」

「いや、岬は岬だろ?」

「……もういい。いいから出てって」

「わかった。玄関で待ってる」

「はい」

 

なんであんなに騒いでるんだ?まあ、玄関で待ってるか。俺は玄関に向かうと光はもう待機していた。そして、五分ほど待つと岬が降りてきて俺たちはショッピングモールに向かった。

 

そして、ショッピングモールに着くと早速光は一つの店に入り服を見始めた。やっぱり、岬と光は趣味が違うのか岬は岬で違う店に入って行った。小学生の光を一人にするのもあれだから俺は光が入った店に入って行った。てか、それなら岬連れてきた意味ねえじゃん!まっ、いっか。

 

「ねえ、あんまり聞いたことはないけど陽ちゃんはどんな服着てる子が好きなの?」

「ん?あー、あんま考えたことないな。うーん、やっぱり清楚系かな男はやっぱり白のワンピースの女の子とか憧れるな。まあ、似合ってれば何でもいい」

「んー、あっ白のワンピース見っけ!陽ちゃん、着てあげようか?」

 

イタズラな笑顔で取ってきたワンピースを自分に合わせるように持つ光。

 

「いや、無理してきてくれなくていい…」

「?陽ちゃん?どうしたの?」

「光、ちょっと一人で見ておけ!」

「えっ!ちょっと陽ちゃん!」

 

俺は少し感じたことがあったので光と別行動をすることにした。

 

そして、目的を果たした俺は光のとこまで戻り光の服を買ってやり岬を探し、合流した。

 

「ほれ、岬。約束だ。これプレゼント」

「えっ!?、ありがとう!」

「開けるのは帰ってからな」

「わかった!」

 

そして、俺たちは帰った。家に帰ると葵におかえりと言われたのでただいまと返すと光と岬は早速俺が買ってやった物を開けるために部屋へと向かった。

 

「陽ちゃん、一体何買ってあげたの?」

「普通に服。光は自分で選んだけど岬のは俺が選んだからな。俺に直接文句は言わないと思うから葵、岬が今日のことでなんか行ってきたらこうアドバイスしてやれ」

 

俺は岬に伝えたいことを葵に託し部屋に戻った。

 

その夜、コンコンと何というか自信なさげな小さなノック音が聞こえた。

 

「誰だ?」

「あの陽兄、入っていいかな?」

「いいぞ」

 

許可を出すとゆっくりとドアが開くとそこには今日ショッピングモールで光が持っていたワンピースを着ていた。俺があの後岬のために買ってやった。髪型は岬の分身の一つライオと同じようにしている。

 

「やっぱり似合うな」

「本当?葵姉に髪型とかいじってもらったんだけど」

 

照れてるのか、顔を赤くして聞いてくる。ちなみに髪型の支持は俺が葵に言ってあったので実質俺が指示した。

 

「俺がこんなことで嘘ついたことはあるか?」

「…ない」

「よろしい。やっぱり買ってよかった」

「…ありがとう」

 

もう一段階ほど岬は顔を赤くすると逃げるように部屋を出てった。

それにしても、いい買い物したなー。

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