城下町のダンデライオン 長男坊陽の日常   作:鳥王族

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第2話

 

 

日曜の昼間から俺たちは親父に指示されたデパートに来てみれば…

 

『サクラダファミリーニュース特別編!』というめんどくさそうなタイトルがでかい電光掲示板に流れていた。そして、周りには無数のカメラと国民。

 

「テレビ出演があるとは聞いてたけど外でしかも生放送かよ」

「陽くん、そんな文句言わないの。これも私たちに大事なことなんだから」

「まあ、そうなんだけど。編集なら茜のシーンを極力減らすこととか出来たんだけどな」

「陽ちゃん!ありがとう。私のために」

「その分、アピールしたい奏やテレビに写りたい光に回せるし俺が修より身長を高く見せるように編集できて一石三鳥だったのに」

(((最後のが一番の目的だな)))

「もう、陽くん。そんなことしてもみんな陽くんが修くんより小さいって知ってるよ」

「くそ、で、結局何したらいいんだよ」

「それは…」

 

葵が俺の質問に返せなくて俺らが困っていた時、またもや電光掲示板から映像が流れ始めた。

 

『国民の皆様こんにちは。今回のサクラダファミリーニュースは王家の御兄弟全員に来ていただきました』

『皆さんご存知の通り王族の皆様には特殊能力が備わっています』

『今回はあるゲームに挑戦していただき皆様の力を国民にその力を披露していただこうと思います』

 

「えっ!そんなの聞いてないよ!」

 

葵に隠れながら茜が叫ぶ。だが、そんなこと画面の向こうの司会者に届くはずもなく。司会が続ける。

 

『『そのゲームの名は危機一髪、ダンディくんを救え』』

『屋上に人と見立てた人形ダンディくん、そしてそれを制限時間内に多く回収し、下に用意してある籠に入れてもらうシンプルなゲームです』

『国王から、激励の言葉も頂いてます』

 

画面が王切り替わり親父が出て来た。

 

『皆、存分に力を発揮し国民の皆様に自分たちのことを知ってもらえるように頑張って欲しい。ちなみに一番成績の悪かったものには城のトイレ掃除をしてもらう』

『それでは、制限時間は60分スタートです!』

 

そして、ゲームがスタートした。その瞬間輝が飛び出した

 

「僕はこの壁登ります!」

 

輝は能力を発動しロッククライミングのように壁を登り始めた。

 

『四男輝様の能力は怪力超人(リミットオーバー)。ものすごいパワーを発揮し壁をよじ登っていきます』

 

しかし、順調に登っていた輝だが、力を入れすぎて壁を壊し落下してまた、登ってを繰り返していた。

 

「おい、大丈夫か?あいつ」

 

続いて光が動き出し木の上に登った。

 

「あまり無理しないでね」

「大丈夫だって」

 

葵の心配をよそに光は能力を発動させ木を急成長させた。

 

『五女光様の能力は生命操作(ゴッドハンド)。生命の成長を操ることができます』

『考えましたねー樹木を急成長させ屋上へ一番乗りです』

 

確かにいい作戦なんだが…結局成長させすぎて屋上を通り過ぎて降りられなくなってしまった。

 

「何やってるのよ」

「本当にな。光も輝も能力のコントロールがまるで出来てない」

「でしたら、お兄様が教えてあげたらいいじゃないですか」

「…気が向いたらな。で、奏お前は動かないのか?」

「動きますよ。でも、自分が上に登るのって効率悪いですわね」

 

奏は能力を発動させドローンを五体ほど生成した。

 

『次女奏様の能力は物質生成(ヘブンズゲート)。あらゆる物質を生成することができます』

 

まあ、その説明で合ってるんだが奏のこの能力は生成したものと同等の価値の金額が口座から引き落とされるんだよな。

 

「国民も酷なことするよな。お前の貯金がどんどん減っていく」

「別にどうってことありませんわお兄様。国民の皆様がこれで私たちのことを理解してくださるなら」

「そうかよ。で、いくらくらいなんだ?」

「200万くらいかしら」

「まじかよ…」

 

俺はあまりの金額に軽く引いた。

 

「私も頑張らなくっちゃ」

 

今度は岬が動くか。

 

『四女岬様の能力は感情分裂(オールフォーワン)。最大で七人の分身を生むことができます』

 

「頼んだわよみんな!」

 

そして、岬とその分身たちは動き出した。

それと同時に栞が消火栓と話していた。

 

「そうなんだ。でも、ごめんなさい。わからない」

「栞、何を話しているの?」

「消火栓さんが屋上までの近道を教えてくれたんだけどわからなくて」

「うーんと、どうやっていくの?」

 

栞は葵に説明した。

 

「あっ、それならわかるわよ。一回見学に来たことがあるから」

 

そうして、葵と栞は二人で建物内に入っていった。

 

『六女栞様の能力は物体会話(ソウルメイト)。生物だけでなく無機物とも会話することができます。そして、長女葵様の能力は完全学習(インビジブルワーク)。一度覚えたことは決して忘れません』

 

「んじゃ、俺も。ずっと写りっぱなしなのもあれだから」

 

そういうと、修は能力を発動させ一瞬にして屋上へとたどり着いた。

 

『次男修様の能力は瞬間移動(トランスポーター)。ご自身とご自身が触れたものを一瞬にして移動さすことができます』

 

「修も動き出したか。じゃあ、俺も参戦と行くか」

 

俺は能力を発動させ壁を垂直に駆け上がった。

 

『長男陽様の能力は百獣王者(ビーストスピリット)。動物の能力をご自身の体に付与することができます』

『壁を垂直に走っていることから今、付与させたのはヤモリでしょうか?』

『そして、あのスピードはチーターのスピードでしょうね』

 

俺は能力の使い方を特訓し最初は一つまでしか出来なかったが今では最大3個まで重ね掛けが可能だ。

 

そして、俺は屋上にたどり着くとダンディくんを持てるだけ持ちまた壁を垂直に走って降りていき籠に入れてまた登り始めた。

 

『おーっとここで遥様にも動きが』

『三男遥様の能力は確率予知(ロッツオブネクスト)。あらゆる可能性の確率を知ることができます』

 

「姉さん」

「遥〜、どうしよう」

「とりあえず落ち着いて、このまま何もしないでいると姉さんが負ける確率は87%、同じく僕も74%。でも、二人で協力すればこの確率が25%まで下がる」

「別にビリでもいいよ。これ以上目立つの嫌だし別にトイレ掃除ぐらいなら…」

「姉さん、お城のトイレの数知ってる?僕も正確な数は知らないけどあの大きさだからね細かいところまで数えたら…」

「わかった。私、頑張って9位になる」

「じゃあ、二人で頑張ろっか」

 

『三女茜様の能力は重力制御(グラビティコア)。ご自身とご自身に触れたものの重力を操ることができます』

 

「あー、眠たい」

 

茜たちが飛び上がったのと同時に俺は降りて来て、光によって成長させられた木にもたれて大きなあくびをした。

 

「お兄様、国民の皆様の前でそんなこと言わないでください」

 

外面完璧な奏に注意される。

 

「眠たいんだから仕方ないだろう」

「そういう問題じゃありません。後、まだゲームは終わってないですわよ」

「あー、それなら俺はもう20点を取った。栞と葵は俺たちみたいに壁を超えたりできないから往復に時間がかかるから20点以上は取れない。今更動き出した遥と茜も20点は超えられないだろう。光はあの状態だし、俺のビリはなくなったから別にいいんだよ」

「そうですか」

「それより、あれ何してんだ?」

 

俺の指差した方には茜と遥が変な蛇行飛行していた。

 

「本当、何やってるんでしょうね」

 

そんな、状況をぼーっと見ていたが茜がついに制御を失敗したのか輝にぶつかり掛けた。そして、それを修が瞬間移動を使い輝を助けたのは良かったんだが…茜のスカートも一緒に移動させてしまい、茜のパンツが映像に流れてしまった。急遽、制限時間がまだ経ってないが終了しビリは光と茜になった。

遥はちゃっかり1ポイントだけ取ってやがった。

 

そして、ゲームの結果発表と同時に国王選挙の世論調査の結果が出た。結果俺は遥と輝の間の8位だった。

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