城下町のダンデライオン 長男坊陽の日常   作:鳥王族

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第6話

最近、光と遥が一緒にいる時間が多い気がする。別に俺たちはみんな仲良いし一緒にいてもおかしくないんだが、基本的に遥は岬と一緒にいるから意外な組み合わせだと思ったのは確かだ。そう思って聞いてみると一緒にいる理由は何かしらんが誤魔化されたし隠したいんだろう。

 

兄弟とはいえ隠し事の一つや二つ別にいいんだが一度気になった家族のことは片付けないと気が済まないのが俺の悪いところでついつい二人を尾行してしまった。

 

すると二人は少年漫画で見るようなタイヤを引っ張って体力づくりやカラオケに行ったり発声練習。それと、遥の部屋から作戦会議らしい会話にはアイドルがどうたらこうたらが聞こえてきた。

俺はさらに気になって現在リビングでソファに座り歌番組に出てるアイドルを見ている。

 

「アイドルねー」

「あっ、さっちゃんだー!」

 

俺がボケーっとテレビを観ていると茜がソファの後ろから乗り出してテレビを見ていた。

 

「意外だな。陽ちゃんアイドルとか全然興味ないいと思ってたから。しかもさっちゃんのファンだったなんて」

「さっちゃん?」

 

俺は聞きなれない名前について聞き返した。

 

「えっ、さっちゃん知らないで観てたの?」

「ああ」

「さっちゃんは今人気のアイドルだよ!岬と同じ中学生なのにすごいよね。実際は小学生の時から活動自体はしてたらしいけど」

「?小学生のアイドルもいるのか?」

「えっ、うん。そりゃいるよ。てか、陽ちゃんってアイドルにやっぱり興味なかったんだね」

「ああ」

 

興味がないもんはない。それより、これで繋がった。光はアイドルになりたいのか。でも、なんで遥がそれに付き合ってるんだ?まあ、それは今度聞きゃいいか。

 

とかそんなこと思っていたら光のオーディション当日になった。俺は休みということで昼前まで寝ていたら光と遥はもう出ていた。

 

「はあ」

「どうした陽」

 

朝ごはんを食べながらため息をついていると仕事が休みで新聞紙を読んでいた親父に心配された。

 

「ああ、少し気になることがあるんだがまあ大丈夫かな」

「そうか。あっ、そうだ。今日、光と遥が隠れるように家を出て行ったんだが何か知っているか?」

「あー、それについて何だが…たぶん、今日の午後ぐらいに光と遥から話があるから聞いてやってくれ。ていうかさせる」

「?そうか、わかった。子供たちのことほとんどお前に任せてすまんな。本当はもっと家族と過ごす時間を増やせればいいんだが」

「別にほとんど毎日顔合わして飯食ってるし気にすることないだろ。それにみんな親父が国王ってことはみんなちゃんと理解してるし。あと、面倒見るのは兄貴なんだから当たり前」

「そうか」

 

親父は公務で夜遅くに帰ってきたり、海外に行ったりで家族の時間が少ないことを心配してるらしい。確かに両親が家にいない日は多いけど、休みになれば旅行に連れてってくれたりしてるし上から目線だけど十分家族サービスしてくれてると思う。

 

で、遥と光が帰ってくると遥たちが連れてきたスーツ姿の男二人が親父を見るなり土下座した。

何でも、光の姿のままオーディションを受けたら正当に評価してもらえないと思った遥の作戦で中学生に変身した光を一般の女の子と思ってスカウトしそのまま普通の一般人と同様に扱ったことについての謝罪らしいが、別に気にしなくていいのに。

それと、光かアイドルの才能を持っているとわかったため正式にアイドルとして活動することをお願いしにきたらしい。

ま、親父の返事は…

 

「いいよ」

 

やっぱり、オッケーだよな。

 

「やったー、さすがパパ!」

 

めちゃくちゃ喜ぶ光、それを見て親父といつもと違う軽い感じに困惑するスーツの男たち。

 

「陽ちゃん、陽ちゃん。私、アイドルになるね」

 

光が話を聞いていた俺に大喜びで言ってきた。

 

「話は聞いていた。やるからには仕事だからな!手加減したり人に迷惑かけたりするなよ」

「うん、わかってる」

 

まあ、こうして光はアイドルになることになった。正体を隠して中学生の櫻田ライトとして売り出すらしい。そして、早速テレビでライトが出てるのでみんなで観ている。

 

「年齢を若くサバ読むのはあるけど上って珍しいわね」

「可愛い衣装着てるね」

「茜もアイドルやるか?」

「無理」

「でも、これって選挙活動で支持率上げるために始めたんだよね」

「うん」

「正体隠して意味なくない?」

 

遥の一言により光がしまったとばかり体が固まった。光は本当にあと一歩がダメだな。




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