柄間峠 頂上
宗介「………」
SKY「どうして、どうしてお前がいるんだよ」
宗介「SKYさん、場所を変えて話しませんか。麓のすぐ近くのファミレスで」
SKY「…わかった」
宗介「行こう、タクヤ。」
タクヤ「あ、ああ」
SKY「潤、お前も来い」
潤「は、はい」
麓 ガスト
SKY「さぁ、説明してもらおうか。ハチロクを降りたお前がなぜあそこにいたのか」
宗介「いた理由はタクヤが新しく走り屋になってそれのアドバイスとかをするためにいました」
SKY「そうかい、なら話を変えよう。なぜハチロクを降りた」
潤「え、SKYさん知ってるわけじゃないんですか」
SKY「ああ、こいつとは1度バトルした仲でウチのガレージの常連だった。だがある日走り屋をやめるとおれに告げて姿を消したのさ」
潤「そう、だったんですか」
タクヤ「どおりでおれにバトルでの駆け引きや色んなことを教えれたわけだ。車に詳しいのはおれも宗介も車が好きだからっていうのでわかるけど、どうしても一つだけわからなかった」
宗介「なぜ、あれだけ走りのテクニックをわかっているのに俺自身は走ってないのかってことだろ?」
タクヤ「ああ」
SKY「聞かせてもらおうか。なぜ降りたのかを」
宗介「………あれは5年前、まだおれが黒獅子や伝説なんて呼ばれてなかった頃の話だ。おれには一つ下の宗司(そうじ)って弟がいるんだが…」
回想
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宗司「兄貴!おれやっと免許取ったぜ!」
宗介「おお!やっとか!車は何に乗るつもりなんだ?」
宗司「それなんだけどさ。おれも兄貴と同じハチロクに乗ろうかなって」
宗介「いいじゃん!ハチロクはめちゃくちゃ乗りやすいし、素直だし、最高だぜ!」
宗司「早く金貯めて買いてー!!」
宗介「なら、運転とまではいかないけどおれの助手席乗れよ!峠行こうぜ!」
宗司「え、でもおれ就職試験の勉強が」
宗介「就職試験の勉強とハチロクに乗るの、どっちがいい」
宗司「ハチロク!」
宗介「ならついてこい!」
PM10:00 柄間峠
宗司「うわあああああああああ」
宗介「どうだ!すげえだろ!」
宗司「すげえけど怖ええええええ」
宗介「そのうち慣れるさ!ほら、次は2速のヘアピンだぜ!」
宗司「うわああああああ」
柄間峠 頂上
宗介「どうだった?宗司」
宗司「めちゃくちゃ怖かったけど、楽しかったぜ!」
宗介「だろ!2人でここの峠最速のコンビって言われるように頑張ろうぜ!」
宗司「ああ!」
宗介「そういえば宗司、お前どのハチロク乗るんだ?」
宗司「理想としては、兄貴が黒の3ドアトレノだから白の3ドアレビンにしようかなって」
宗介「オセロみてえになるなw」
宗司「ほんとにwでも早く就職決めて早く自分の車を買いたいよ」
宗介「なら就職試験のために今勉強頑張らないとな」
宗司「ああ!」
宗介「てなわけで下りかっとばしてササッと帰るぜ」
宗司「まじで!兄貴の下りめっちゃ早いって噂だからまじで楽しみ!」
宗介「よし!じゃあぱぱっと下るぜ!」
ギャアアアア
その日から1年後
宗司「兄貴!ハチロク買ったぜ!」
宗介「おっ!やっとか!」
宗司「就職決まってはや3ヵ月。やっと買えました!」
宗介「おー!!パチパチパチ」
宗司「我慢出来ねえよ兄貴!走りに行こうぜ!」
宗介「よっしゃ!いくか!」
そう言うと2人はハチロクに乗り込み柄間峠へ向かった
宗介「おれが後ろから見ててやるから走ってみな」
宗司「え、でも兄貴。おれ全然走り方わかってねえぜ?教えてくれよ」
宗介「宗司、テクニックってのは教えられて身につくものじゃないんだ。感覚で覚えな、感覚で。お前ならずっとおれの隣にいたから大体わかるはずだ」
宗司「お、オーケー」
宗司(兄貴に見られながらとかめちゃくちゃ恥ずかしいじゃん!でも、ワクワクドキドキして、胸の高まりが止まらねえ!)
宗介「宗司、ひとつだけ言うわ。危ないと思ったらすぐにブレーキを踏め。これは曲がれないとか直感でわかるはずだから」
宗司「わかった。死んだら元も子もねえもんな」
宗介「そういうことだ。よし、言っていいぜ!」
宗司「了解!」
宗司は宗介がハチロクに乗るを見てアクセル全開で行く
ギャアアアア
宗介「おーおー、飛ばすなぁ。でもそれはオーバースピードかなぁ」
宗司「うわっとと」
キキィー
宗司「今のは早すぎたか、次行くぜ次!」
宗介「楽しくて仕方なさそうだな。いいぜ!もっと楽しもうぜ!」
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宗介「思えば、あの時が一番あいつにとっても楽しかったんだと思う」
SKY「で、その先は?」
宗介「ああ、その後すぐにおれは黒獅子として色んな方面から注目された。無敗の男とか、色々言われてな…そして、やめる直前まであいつ一緒にずっと走ってたんだ…」
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宗介「ただいま〜」
宗司「ただいま〜」
母「まったく、いつもいつも走ってばかり。いつか捕まるわよ」
宗介「大丈夫だって!な、宗司!」
宗司「ん?ああ」
宗介「ん?どうした?なんかあったのか?」
宗司「いや、なんでもない」
次の日
宗介「よし!今日も走りに行こうぜ!」
宗司「うん」
柄間峠 頂上
知り合いA「すげえよ!宗介!相変わらず黒獅子は早えよな、」
知り合いB「ほんとに!今や宗介を知らないものはいねえもんな!」
知り合いC「宗司の方も早いけどやっぱり宗介だよな〜」
宗司「あ?なんだよそれ」
宗介「宗司?」
宗司「いっつもいっつも兄貴兄貴兄貴兄貴」
宗介「お、おい。どうした宗司」
宗司「だまれよ!!」
宗司「いっつもみんな兄貴のことしか見てねえ!おれのことなんて誰も見てねえじゃねえか!」
宗介「そんなことねえよ!おれは宗司のことを」
宗司「気休めを言うんじゃねえよ!!!兄貴はいいよな。負け無しでプロからも誘いがあって、黒の伝説とか言われてみんなから注目を浴びてるもんな。おれは違う、おれは兄貴の光に消されちまってんだよ!あんたがいるせいで!あんたと比較されて!おれは峠で居場所を失ってんだよ!」
宗介「そんなことない!お前だって充分早い!」
宗司「ならおれがあんたを超えれるか?正直に答えてみろよ」
宗介「そ、それは…」
宗司「ほらな?無理なんだろ…もういいよ、ならおれが走り屋でいる意味もないよな?」
そう言って宗司は自分のハチロクに乗り込み全力でコーナーへ向かう
宗介「お、おい!宗司!それだけはやめろ!宗司!!」
宗介も自分のハチロクに乗り込み、止めようと全力で走るが…
宗司「もうどうでもいいんだよ!!!うああああああああああ!!!!」
宗司の車はガードレールを突き破り傾斜を転がりながら下の道路に落ちた
宗介「宗司ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
全力で走り、一番早く宗司の元に駆け寄る
宗介「宗司!宗司!くそ!待ってろ!今救急車を呼ぶからな!」
知り合いA「おれが呼ぶ!宗介は宗司を」
宗介「宗司!宗司!」
宗司「は…は…いま……になっ…て…やっと……心配…かよ…ハァハァ……遅え…よ」
宗介「それ以上喋るな!宗司!」
・
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宗介「救急車が来たのは、10分後だった」
タクヤ「その、宗司はどうなったんだ?」
宗介「ロールバーを組んでたおかげで奇跡的に助かったんだ。でも足は粉砕骨折、あばらも砕けて、なにより……頭をうったせいで、記憶が……」
潤「そんな…」
宗介「それ以降、おれはあの車に乗る度に、宗司の言葉を思い出すようになった…」
宗司(あんたがいるせいで!居場所を失ったんだよ!)
宗介「だからおれは、走り屋をやめることにしたんだ。おれが走ると、あいつが頭の中に出て罵詈雑言を浴びせてくるようになったから」
SKY「そうかい、そんなことがあったのか」
潤「確かに、そんなことがあったら走りを、やめてしまいますね」
タクヤ「宗司は今はどうなんだ?」
宗介「宗司は今は骨折とか、外傷はすべて治ってる。でも記憶だけがどうしても…」
タクヤ「そうか…」
しばし、4人の間に沈黙が流れる。だがその沈黙を最初に破ったのはタクヤだった
タクヤ「宗介、なら今度一緒に宗司に会いに行こう!」
宗介「え、なんで…」
タクヤ「今はショックで記憶を失ってるかもしれない。けどお前があの時のことをしっかり謝れば、記憶が戻るかもしれない!」
宗介「そんなことあるわけないだろ」
タクヤ「わからねえだろ!そんなこと!お前ら兄弟は、時間が止まっちまってんだよ!2年前のその日から!動いてないんだよ!先に進めてねえんだよ!宗介、お前おれに言ったよな?峠で勝つのはいつも相手の前にいるやつだって!ならお前が!前に出ろよ!兄貴として!先にお前が走り出してやれよ!」
潤「そうですよ!じゃないと本当に後悔したままになりますよ!」
宗介「でも…」
SKY「やるしかねえんじゃねえか?ここまで来たら」
宗介「SKY…」
SKY「また、走り出して見せろよ。お前はまだこんなところで終わるたまじゃねえはずだ」
宗介「………そうだな。行くよ、おれ。あいつの、宗司のところに!そして、止まってた時間を取り戻してみせる!」
To be continued
今回やっと宗介の過去が明らかになりましたね〜
ここからやっと物語が動きます!