目が覚めたら巨人のいる世界   作:フリードg

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気が付けばお気に入りの登録者数が2000を突破してて…… ほんとに感謝です。
チキンはーとですし、あまり評価とか数で一喜一憂するのもなぁ…… と思って意識しない様にしてたんですが、、、やっぱりうれしいです。ほんとにありがとうです



と、言う訳で2000人突破記念に 最近シリアス? ばかりだったので番外編で、ちょっとエッチぃ話、R-17・5くらいになりそーな 展開のお話を~――――


はい。ただの妄想です・・・・・ 久しぶりにアニメ見てぺトラやクリスタが可愛かったので・・・ハイ


41話

 

 

――信じて。

 

 

 

 ぺトラの言葉がエレンの頭の中に渦巻く。

 そして、あの日の記憶が再びエレンの中に蘇ってきた。

 

 

 ぺトラが信じてくれとエレンに言うその表情は真剣そのもので、他のメンバーも似たものだった。その中でただ1人だけ 違った。ただただ笑っていた。

 

 

『ま、いきなり同じ班に入れられて、『ウッス! 今日からアンタたちは心の友です! よろしくです!』なーんて考えれる訳ねーとは思うがな?』

 

 カラカラと笑ってる。

 そんな風に笑うのは当然アキラだ。こんな状況ででも笑う事が出来るのはアキラくらいのものだろう。

 

『ちょっとッ! ひとが真剣に話をしてるって言うのにふざけないでよアキラっ』

『バーカ。別にふざけてる訳じゃねーよ。エレンとは昨日今日の付き合いも同然だっつーのってこった。まだまだ日も浅い状態でそんなあっさり『信じてますっ~』って言われたら、逆にオレは信じらんねぇわ。だからエレンは存分に悩んで考えろってことだ。ほれ それに盲目になっちまうのも正直ダメだろ? あぁ、因みにこうやってオレに教えたのはエルヴィンとリヴァイだからな』

 

 アキラは そう言うとエレンの頭の上にぽんっ と手を置いた。

 

 

『時間をかけてしっかり見極めりゃあ良い。――オレ達は死なねぇから それくらいの時間は余裕である』

 

 

 死なない、と言ったそのセリフ。普通だったら信じる事なんてできないだろう。

 

 あの日――、最初の巨人が襲撃してきた時。人間達の平和はあっさりと蹂躙された。

 そして、二度目もそうだ。訓練に訓練を重ね、同じ班として頑張ってきた仲間達も命を落とした。

 

 死なないと言う言葉程信じられない言葉は無いだろう。

 

 でも……、アキラの言葉には不思議な説得力があったんだ。

 

『ふぅーん…… なるほどね。……エレン。アキラの事は信じられるんだねぇ。あーっさり?』

『えっ!? そ、そんな オレは……』

 

 エレンは自分でも判っているだろう。

 アキラの事を信じてない訳がない、って事を。あの訓練時代があって、そして あの時の彼の背を見た者達が 彼の事を信じない者なんて誰ひとりいない、って事を。 

 

『なんでエレン相手にヤキモチ妬いてんだよぺトラ。そもそも付き合いの時間がアキラとオレらじゃ 全然違うだろが』

『うるさい! 黙っててオルオ!!』

 

 何処か楽しそうに言い争ってる様にも見える2人。

 

『ま、厳しい時は厳しいし、嫌ぁぁぁな時は嫌ぁぁぁなのが調査兵団って組織だけど、こんな感じもある。……徐々に慣れてけ。な?』

『は、はい!』

 

 多分――この瞬間から、調査兵団の皆を信じられる様になったのかもしれない。

 そう、エレンはアキラの事を信じている。そして アキラは皆の事を信じている。

 

 それだけで―――十分だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、思い出に浸る時間は終わる。残酷な現実がまた目の前に広がる。

 アキラが女型の巨人と戦い続けている。使命を果たそうと全力で……。ならば、自分はどうすれば良いのか。もう考えるまでもなかった。

 

「エレン!! 遅い!! さっさと決めろ!!」

 

 リヴァイの檄が飛ぶ。

 エレンの眼にはもう迷いはなかった。

 

「進みます!! 皆を信じて、ただ前を進み続けます!!」

 

 皆はエレンを見て、そして互いに頷き合い 手綱を強く握り絞めた。

 

 

 この時エレンは改めて思った。

 

 それは 新しい心の拠り所。アルミンやミカサと一緒にいる時は、自分が自分でいられた気がした。新しい信頼を得たかった。心からそう思いたかった。

 

 仲間を信じる事それは正しい事。

 

 綺麗事だと言われるかもしれない。それ程現実は甘くない事だって判っている。打算的に考えていた事だって当然あった。正しいと決めつけて、その方が都合が良かったと思ってた。

 

 でも今は違う。

 互いに信じあい、背を任せ合う事で乗り越えられる壁だってあるって事。其々が100%の力を出し切れば、きっと どんな事だって出来る。

 

 それを体験し続けてきたからこそ、リヴァイ兵長は『今は違う』と言い切った。そうエレンは思えたんだ。

 

 

 そして――エレンが心からそう信じたその時だった。

 

『他人を信じるっつーのも結構難しいんだ。なのにエレン。よく決断出来たな。それに信じてくれて、ありがとうよ』

 

 そう、聞こえた気がした。

 反射的に エレンは振り返った。アキラの方を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦い続けるアキラと女型の巨人。

 

 

 多分、誰の目に見てもアキラの防戦一方に見えてる事だろう。

 

 今まで殆ど当たらなかった攻撃が この巨大樹の中で戦いを続けていて何度も何度も当たった。巨人の攻撃がアキラに当たったのだ。死角が多く、立体機動装置を使えば更に人間側、アキラの方が有利に運べる筈なのにそれでもこの森の中での戦いでは何度も攻撃を入れる事が出来ていた。

 

 

―――勝てる。……あのひとを ……殺せる。帰る事が出来る。私は、帰らなければならないんだ! 故郷に。待ってくれてるから。

 

 

 確かな手応えを感じ取っていた。

 異常な力を持つアキラにも 攻撃が当たる。普通は即死するであろう攻撃を防ぐのも異常だが、血を流している。……つまり 決して不死身じゃないと判断出来た。

 

 

「ぎゃああああああ!!!!」

 

 

 だから、渾身の力を込めた。全ての力を脚に込めて、上手いと褒められたこの技で、目の前の人の命を奪う覚悟も改めて決めた。

 

 

――これまで 何人の兵士を殺してきても何も感じなかった。悪魔の末裔(・・・・・)だから、世界(・・)の為にも必要な事だと言い聞かせた。もう、引き返せない。あの日、あの壁を壊した瞬間から。

 

 

「あなたを、ごろ、す……!! わだしが、がえるだめに。わだじの、ごぎょう……ぎ!」

 

 脚に全ての力を籠めて振り放つ。

 脚を鋼の様に硬くし、光の様に早く 大木をも薙ぎ倒す蹴り。

 

 そしてそれが アキラに当たるその瞬間に、確かに訊いた。

 

 

『悪かったな。……確か お前は 手を抜く事が何よりも嫌いだったよな。自分が父親から教わった技術を披露する時が一番輝いてた。一番表情が変わってたんだし』

 

 

 もう一寸先。0.1秒以下の時間で当たる筈。声を聴く暇もかける暇もある筈もない時の狭間で確かに訊いた。

 

 

『故郷に帰るか。お前にも譲れないモノっつうのがあるんだろ? ……だが、悪いな。オレにもあるんだ。絶対譲れねぇもんが。……絶対に、失いたくねぇもんがよ……!』

 

 

 間違いなく聞いた。 

 そして聞いたその時、女型の巨人に戦慄が走っていた。今の今までの攻防の全てが……。

 

「しこたまオレに蹴り入れたんだ。それでチャラって事にしてくれよ。なぁ―――アニ(・・)

「!!!」

 

 攻防の全てが罠であると言う事に気付いた。

 

 そう気づいた瞬間にはもう蹴りは完全に止められていた。

 全ての力を込めた一撃が意図も容易くだ。

 

「無我夢中だったんで気付かなかったんだろ? わりぃな。でも手加減してたとは言わねぇ。これでも全力でやったよ。……全力で、お前を欺いていた」

 

 蹴りを止められただけでなく、脚が全く動かなくなっていた。引き戻す事が出来ないのだ。

 

「さて……」

 

 アキラは、腰に差している銃を持ち出し 空に向けて撃ち放った。

 凄まじい音が周囲に弾き出され、森中に響く。先程リヴァイがしていたものと同じ代物、音響弾だ。

 

 そして、それは当然リヴァイ達の元へも届いていた。

 

「来たか。……お前ら左右に分かれろ。そこの枝道だ!」

 

 リヴァイが指示をし、エレン以外の全員が即座に反応した。

 

「え、え! そ、それはどういう……」

 

 と進むか、それとも戻って闘うか、その選択の中 前を進み続ける、と誓ったばかりのエレン。そのせいか 横に逸れろと言う命令は少なからず違和感があり、それがブレーキをかけてしまうと言う結果になってしまったのだ。

 

「エレン!! こっち!!」

 

 それをフォローしたのはぺトラだ。

 強引ではあるが、手を伸ばして エレンの馬の手綱を強引に握って誘導。

 

「うわわわっ!!」

「ごめんっ! 振り落とされない様にしっかり捕まってて!」

 

 当然 エレン以上に 馬も突然の事に暴れそうになってしまうが、それでも何とか並走させる事に成功。リヴァイとオルオ、グンタが左側へ、ぺトラとエレン、エルドが右側へと逸れた。

 

 

 それを後方からしっかりと確認したアキラは 固く拳を握り固めた。

 

 

「アニ。……たとえどんな事があろうと、どんな事情があろうと、オレはオレの仲間を。……家族(・・)を傷つけるヤツを許さねぇ。……絶対に、許さねぇんだよ!!」

 

 

 握り固めた拳は、そのまま巨人の。―――アニの脚に当たった。

 女型の巨人――改め、アニはまるで今の自分よりもはるかに巨大な吊り丸太が直撃したかの様な錯覚に見舞われ、次の瞬間には 15mもある自身の身体が宙を舞っていた。 

 

 何度も何度も地面を転がり、道の行き止まり、巨大樹が密集している場所に叩きつけられた。攻撃の威力が強過ぎて直撃した脚部は太もも下までが無くなり、吹き飛ぶ過程で打ち付けられた手や反対の脚も抉れ、削れ 多大なる被害を被った。

 

「が……ぐっ……(こ、この、程度……で……!)」

 

 だが、うなじが無事であれば、そう、アニの身体、本体がいる場所に影響はなかった。巨人には再生の能力があり、たとえ重症を負ったとしても アニであれば数十秒程で重要部は完治する事が出来る。

 

「アニ。……これで 終わり。決着だ」

「っ!」

 

 問題ない筈なのに、数10mは離れているアキラを見た瞬間 全てが終わった思ってしまったのだ。

 

 そして、その感覚は間違っては無かった。

 

 

 

 

「撃てェェェ!!!」

 

 

 

 

 誰の声なのか、と考える暇もない。

 次の瞬間には 無数の槍が射出され、身体全体に突き刺さる。槍の先端には無数の返しが備え付けられており肉を抉り掴む。 身体全体に満遍なく突き刺さり、完全に身体を固定されてしまったのだ。

 そう、撃ち放たれた物は攻撃をする為ではなく捕獲する為の物。

 

 

 

 捕獲完了したのを確認したリヴァイはその場をエルドに任せて 女型の元へと向かった。エレンの存在を隠せと命令を下して。

 

 そして エレンはただただ唖然としていた。

 

「まさか…… 全部 罠……だったんですか? アキラ、さん。劣勢になってたのも、このポイントにまで誘導……して」

 

 

 目の前で起きた事を直ぐに理解するのは少々難しかった。だけど 現実としてあの巨人は完全に動きを止められている。アレだけ体中に刺さり、固定されてしまえば幾ら巨人でも振り払う事は出来ないだろう。

 

 

「あの巨人を――生け捕りに……!?」

 

 

 全てを理解したその時、湧き上がる思いを抑える事が出来なくなった。

 それに連動する様に 皆が騒ぎ出す。

 

「どーだ!! エレン! 見たか!? あの巨人を捕らえたんだぞ!?」

「これが調査兵団の力だ!! アキラだけじゃない。舐めてんじゃねぇぞバカ! どうだ!? わかったか!?」

 

 誰も何も知らされてなかったのは明白だったが、それでも最後までアキラの力、リヴァイの判断。……そう、調査兵団の全ての力を信じた結果だった。

 その結果を目の当たりにしたエレンは心の底から、腹の底から声を出した。

 

「は、はい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 完全に止められた女型の巨人。

 アキラにやられた傷こそは徐々に塞がっているものの、それ自体が更に自分自身を縛ってしまう結果にもなっていた。抉れた肉が槍諸共飲み込みながら修復されるから。

 

「……流石に、疲れたな」

 

 アキラは 枝上にまで移動し、縛られたアニを見下ろしながらそう呟いていた。

 

「よくやった。……アキラ。お前のおかげだ」

「あいつらにも声かけといてやれよ。……途中から あの巨人は 完全にオレを意識し出してたけど 最初は間違いなくエレンを狙ってた。半分は誘導してくれたってなもんだ」

「素直に受け取れねぇのか? お前は。最近じゃ褒められる事なんざ殆ど ねぇのによ」

「……リヴァイか。そっちこそ少しは労え」

 

 立体機動装置を使って枝上にリヴァイもやってきた。

 

「……後列の班達の奮闘もあるだろ。全員の戦果だ。……ヤられた奴らを含めてのな」

 

 頭をがりっ!と掻き毟るアキラ。

 被害の規模はまだ完全に把握した訳ではないが、少なくとも3つは アキラ自身が確認している。それらを忘れる事は出来ないのだろう。

 

「無論それも含めてだ。彼らが命を賭して戦い、そして アキラに命のバトンを繋げた。その結果、ヤツの捕獲に繋がっている。……本当によくやってくれた」

「あぁ。……受け取っとく。じゃねぇとヤられて逝った奴らに面目立たねぇからな……」

 

 アキラは手を上げて応える。 

 全ての兵士達に感謝を伝える様に。

 

 

 

 そして その時は来た。

 

 

 

「では、ここからがある意味本番だ。……こいつのうなじの中にいるヤツに会う。小便漏らしてなけりゃいいんだがな」

 

 

 

 

 本当に、ある意味本番だった。

 アキラの中では 十中八九……9割9分9厘、巨人の正体、中にいる人物は確定していた。ただ10割にならないのは 本人を見ていないから。それだけだった。

 

 

 

「ちっ……(……確かに色々と想定してた。……だが、想像以上にこれは堪えるわ……。やべぇ、わ)」

 

 




………リヴァイ班はだいじょーぶ!! ですよね? 苦笑


ただただ、この後の展開にちょっと悩み中です。原作通り共食い作戦で逃げるのか、或いはそのまま 「かたくなる」を使うのか・・・・・。

考え中ですw


でも、後者の場合・・・・・ 「壁は巨人でーしたー!」って言うシーンにどうやって持っていこうか、と新たな悩みも出てますね。……いろいろと大変ですが 頑張ります。

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