アンリミテッドは無理ゲーすぎる!   作:空也真朋

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 それは壮大な00ユニット評価試験
 佐渡島ハイヴ攻略戦!
 再び白銀武を主人公に新たな甲21号作戦が始まる!


第四十二話 佐渡島戦記 前編

 白銀武Side

 

 オレ、白銀武。ただいま佐渡島で絶賛戦闘中!

 この世界に来た頃はみそっかすでみんなの足を引っ張ってばかりのオレも、なぜか今じゃ先任を超えるぐらいガンガンBETAをぶっ殺している。なんでいつの間にこんなに強くなったんだろうな?長年バルジャーノンやってきたからか?

 

 オレ達はまず戦術機母艦で佐渡島に来た。上陸した頃は帝国軍が手際よくBETAを掃討してくれたお陰で戦闘はほとんどせず、目標地点にたどり着き部隊を展開。ここへ向かってくる純夏の乗る凄乃皇を待った。その間、ハイヴ突入部隊がハイブ侵攻作戦を決行。しばらくすると中層を突破したという報告が来た。

 

 このまま順調にハイヴ制圧かと思われたが、突如ハイヴに進入した全部隊からの連絡がなくなったとの報が届いた。そして大量のBETAがハイヴ内から沸いてきたとの報告が!かなりの大部隊が進入し、戦況悪化の報もなく進んでいたというのに一瞬で全滅させられたらしい。

 なんて奴だBETA!!

 

 そしてそのとんでもない大量のBETAはハイヴから溢れだし、そのままオレ達に襲いかかってきた!さらにそいつらの背後には大量のレーザー種がおり、これから来る純夏の乗っている凄乃皇を狙っているという!

 

 それを聞いたオレは部隊が一刻も速くレーザー種に向かえるよう、たった一機での陽動を志願した。我ながら無茶なことを言い出したもんだとは思ったが、自分に宿った強さを信じて決行した。結果としてオレは見事陽動をやり遂げて生還した。部隊はレーザー種をほぼ殲滅!そして純夏の乗る凄乃皇が到着すると戦況は一気にこちらに傾いた!

 

 凄乃皇とは00ユニットである純夏の乗る巨大戦術機であり、さらに荷電量子砲なんていうとんでもない威力のビーム兵器?っぽいものを搭載しているらしい。よくわからんが、この巨大な質量が宙に浮いているだけでもとんでもないものだとわかる。

 

 凄乃皇の放つ荷電量子砲が一撃で辺り一帯のBETAをなぎ払い、さらにハイヴのモニュメントをまた一発で吹き飛ばすと戦場は歓喜につつまれた!何故かオレは前の世界で冥夜とエロいことをしたことを思い出してしまったのはナイショだ。

 さらにハイヴ上部の大地に撃ち込み、大穴を開けた。このまま荷電量子砲でハイヴ深奥の反応炉を破壊するのが制圧失敗時の第二作戦だ。二発、三発と撃ち込み、わき出してくるBETAごとさらに深くハイヴを壊していく。ハイヴの壁というのはかなり固い材質らしく、圧倒的破壊力の荷電量子砲ですら五度も撃ち込まねば目標の地下800M地点を掘り下げることはできなかった。ここから地下800M地点に降りて足場を築き、そこから反応炉を破壊するのだ。

 

 ハイヴ壊滅も目前かと思われた矢先、佐渡島中に大量のBETAが現れた!予想はしていたので迎撃に動いたのだが、いくら倒しても何度も現れる!

 そして今現在五度目の増援を相手にしている。純夏の凄乃皇も作戦を中止して迎撃に協力してくれたが、BETAの増援は一回が5千を下回ることはなく、そして今又六度目の増援が現れた!

 

 (ヤバイな………。こちらの弾薬やエネルギーが持つ間になんとかできるのか?)

 

 

 

 『ヴァルキリーズ全員傾注!』

 

 伊隅大尉から隊全員に命令が来た。

 

 『我々はこれより凄乃皇と共にハイヴへ降下し、反応炉破壊作戦を敢行する!地上のBETAは友軍にまかせ、一切かまうな!』

 

 「な!東部が破られたんですよ!流れ込んでくるBETAを無視なんてできるワケがない!」

 

 『友軍は他の制圧地域を全て放棄し、ハイヴ周辺のみを守ることとなった。反応炉を潰せばこの戦いは終わる!友軍のためにも一刻も速く作戦を完了させるんだ!』

 

 なるほど、確かに弾薬に余裕のある今のうちに決めないとヤバイかもしれない。これ以上長引かせると戦い疲れして他の地域も破られるだろうしな。

 

 オレはハイヴ突入の第一陣に選ばれた。ハイヴ内の安全を確保する役目で、第二陣が凄乃皇の足場を築き、三陣が凄乃皇、最後が後方警戒の殿という具合だ。

 最もヤバイ役目にビビリながらも潜ろうと機体を傾けたその時。

 

 巨大な地響きが一帯を襲った!

 

 オレの体はこれが地震などではなく、途轍もなくヤバイものだとなぜか警告を発した。

 

 そして信じられないほど巨大なBETAが登場!後の観測結果によると前高、全幅176M、体長1800M?もの信じられないヤツだ。

 

 そいつは彼方の地面から逆さ瀑布の様に登場!そいつの出現した地点の機体を20ほどもまとめて吹き飛ばした!

 

 体表もとんでもなく硬く、一回突撃して劣化ウラン弾をくらわしてみたがまるで通らない!

 

 しかも体内から大量のBETAを吐き出し、集結した友軍を次々襲い潰していく!

 ヴァルキリーズも元二〇七訓練小隊A分隊の高原、麻倉という隊員が押し潰され死亡した!

 

 必死で戦線を守る中、伊隅大尉から新たな命令が来た。

 

 『たった今司令部より総員撤退命令が出た!巨大BETAを凄乃皇で撃破した後全力で脱出地点を目指す!凄乃皇の直援以外は退路を確保せよ!』

 

 伊隅大尉はそう言うが………これは完全に詰んだぞ。そう思った瞬間だ。オレの心はまるで知らないオレのモノに置き換わった――――――?

 

 

 

 

 

 『もう無理だよう茜ちゃん、こんなの!』『弱気にならないで!ここを凌げばきっと―――!』

 

 ここを凌げば?そんな遠い未来を話してなんになる?

 そんな夢見がちな彼女達の前面に群がるBETA共に突入。退路を作るならここが一番早い。

 そこで長刀を振るい2,3体殺し、1秒生きる空間を作り出す。次の1秒にここは無いのだからまた1秒生きるための空間を作る。その繰り返しだ。

 

 『白銀!なにやってんのよ!陣形を守りなさい!』

 

 「申し訳ありませんが中尉殿、そちらが自分に合わせてください。”陣形を保ちつつ退路を築く”では遅すぎる。」

 

 『バカ!なにいってんのよ!そっちにはレーザー種が……』

 

 ああ、いるな。だからここを選んだんだ。

 レーザー種の射線を開けるべく他のBETAが退いていく。だったらそこに飛び込めばいい。そこが次の1秒を生きられる場所だ。

 後退するはるかに狩りやすくなったBETAを狩りつつ、レーザー種に接近。

 後方から援護射撃も嬉しいくらいきてくれる。命令違反の生意気新任を助けてくれるとは優しい中尉殿だ。

 こちらの射程距離まで来たなら、温存していた突撃砲でこちらを向いているレーザー種を優先的に撃破。そうしてできた1秒生きられる空間を駆け抜け、レーザー種の群れに突撃する!

 あり得ないほど接近できたレーザー種の群れを思う存分狩っていく。終わったらホラ、でっかい退路の出来上がりだ―――――――

 

 

 

 

 一方、超巨大BETAには凄乃皇が相手をした。質量だけでなく体表は恐ろしく硬い物質でできているらしく、幾度も荷電量子砲に耐えた。

 

 八発、九発、十発………

 

 やがて体半分を溶かした所でやっと活動が止まった。やった!これで脱出が……

 

  ズウゥゥゥン………… 

 

 「純夏!?」

 

 超巨大BETAを倒した所で凄乃皇は墜落してしまった。純夏もとうとう限界を超えてシステムダウンしてしまったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 BETAの牙城ハイヴはやはり強固!
 反応炉破壊目前までいくも、超巨大BETAの出現に膝を折る!
 力尽きる凄乃皇!

 激動の後編に続く!

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