戦刃むくろ【其ノ二】
──かくして苗木と戦刃の共同生活が始まったのであった...のだが
苗木「戦刃さん...その服は?」
戦刃「なんかよくわかんないけど、ゴスロリってやつらしいよ」
苗木「いや知ってるけど。なんでゴスロリ?」
戦刃「盾子ちゃんがこれで行ったら苗木君が喜ぶって言ってたから」
苗木「...いや、まあ似合ってるけどさ」
戦刃「ありがと///」
部屋にゴスロリ少女(軍人)がいるという異様な状況だが、できるだけ平常に過ごそうと躍起する苗木であった。
苗木「そういえば、寝る時とかどうするの?」
戦刃「護衛としてドアの前で見張ってるよ?」
苗木「1晩中?」
戦刃「うん」
苗木「それはダメだよ!」
戦刃「えっ?」
苗木「いくら護衛と言っても、睡眠は取るべきじゃないかな」
戦刃「そ...そうかなでもどこで寝ればいいの?床?」
苗木「年頃の女の子が床で寝ちゃダメだよ。僕のベッド使って。僕はソファーでいいからさ。」
戦刃「それこそダメだよ!部屋の主はベッドで寝なきゃダメ!...そうだ、一緒にベッドで寝ればいいんじゃないかな?」
苗木「ええっ!?」
戦刃「苗木君は私と一緒に寝るのいや?」
苗木「い、いやそんなことはないけど」
戦刃「よかった。じ、じゃあ一緒に寝よ?///」
苗木「う、うん。」
苗木(まずい...勢いで押し切られちゃったけど...理性保てるかな)
苗木少年は中性的な容姿ではあるが性欲は人並みにあるようで、夜まで悶々と過ごすほかなかった。
──そして夜
苗木(なんか柔らかいいいいいい)
戦刃「あはっ。なんかこういうの、照れちゃうね///」
苗木「なんでそれなりに広いベッドなのに密着してるの!?」
戦刃「えっ。...いやなの?」
苗木「い、いやじゃないけど」
戦刃「なら大丈夫だよ!あったかいし。」
苗木「そ、そっか。」
苗木(細身なのに何でこんなに柔らかいんだ...だめだ...煩悩は捨て去らないと...無心だ無心)
戦刃「ところでさ、苗木くん。」
苗木「ん?何?」
戦刃「霧切さんの事どう思ってるの?」
苗木「!!??な、なにいきなり!?」
戦刃「いやその...気になって」
苗木「そ...そうなんだ。うーん、霧切さんはミステリアスなところがあるけど意外とお茶目な所とかもあってとても魅力的な女性だと思うよ?」
ギューッバキバキッ
戦刃「ふーん、そうなんだ」
苗木「戦刃さん!?関節決まっちゃってるよ!!痛い痛い痛い!」
戦刃「あ、ごめんつい。」
苗木「つい!?」
戦刃「それはそうと苗木くん、わ、私のことはどう思ってるのかな?///」
苗木(これは...どう答えるべきだろう?下手に答えたら僕の関節があらぬ方向に曲がってしまう恐れがあるな...無難に行くか)
苗木「戦刃さんは...軍人らしい強さと女性としての魅力も兼ね備えてるとても良い女性だと思ってる」
ギュギュギューッッバキバキバキバキッ
戦刃「そ、そうなんだ///嬉しい///」
苗木(これは...死んだな)
戦刃「で、でね。次は...」
その後もいろいろと質問しては関節を決めて来る戦刃だったが、意外と早くに眠りについてしまった。──苗木を抱きしめた体勢のままで
──朝
戦刃「ふぁ~〜ぁ。よく寝たー!あれ?苗木くんなんか眠そうだね?」
苗木「...おはよう戦刃さん。残念ながらぼく女の子に抱きしめられたままで寝れるほど図太い神経はもってないよ...」
戦刃「そ、そっか。でも私も男の子と一緒に寝たの初めてだよ!お揃いだねえへへ///」
苗木「そ、そだね」
いろいろ言いたいことはあったが、満面の笑みを浮かべる戦刃を前にして文句は言えなかった。
護衛だと言い張りつつ腕を組みながら食堂へ向かう途中で自称エスパーこと舞園さやかと遭遇した。
舞園「あ、おはようございます苗木くん。」
苗木「おはよう舞園さん」
舞園「戦刃さんとエッチなこととかしてないですよね?」
苗木「な、何言ってるんだよ!してないよ!」
戦刃「そうだよー。ただ一緒に寝ただけだよー。」
苗木「ちょっ!?戦刃さん!?」
舞園「...苗木くん。敢えてつっこみませんでしたが自然に腕を組んでますよね...」
苗木「あっ...こ、これはその...」
舞園「...いいんですいいんです今は。あの薬さえ使えば苗木くんは私だけのものになるんですから」ボソッ
苗木「えっ?」
舞園「なんでもないです♪」
戦刃「むっ。なんかよくわかんないけど苗木くんは渡さないよ!」ギューッ
苗木「ああ...僕の関節...」
舞園「そろそろ食堂に向かいましょうか。遅れてしまいます。」
苗木「そうだね。戦刃さんは何食べるの?」
戦刃「うーん。レーション定食?」
舞園「ないですよ間違いなく。」
戦刃「じゃあ苗木くんと同じやつがいい」
苗木「分かった。何がいいかな...」
朝食を思案しつつ歩く苗木、護衛という名目で苗木に抱きつく戦刃、そんな戦刃を警戒しつつもう片方の腕を狙う舞園の3人は食堂へと向かった。