拝啓。前世のお父様、お母様。貴方達の息子は今
「おはようございます。イッセー様、ヴァーリ様」
「「おはよう、理彩」」
メイドをしています。
「お食事の準備が整ってますのでどうぞ、リビングへ」
メイドといっても女装とかではない。『俺』は転生をして『私』になったのだから。
「(本当、なんでこんなことになったのやら)」
ーーーそう、あれは今から10数年前ーーー
「目覚めたら知らない天井どころか知らない場所だった」
「意外と冷静だな。オイ」
うん?なんか見知らぬオッサンが……
「オッサンちゃうわ!まだまだ若いわ!」
「え?俺の考えてることわかんの?ナニヤダ。この人コワイ」
ハハハ、まるでよく二次創作の転生モノに出てくる神みたいじゃないか。
「そうだ。私が神だ」
「え?なに?じゃあ俺って死んだの?マジで?」
「マジだ」
ああ、マジで死んだのか……俺。
「で?俺はこの後転生でもするのか?」
この神にとっても話は早い方がいいだろうからな。
「うん、話が早いのはこちらとしても助かる。でだ。お前にはこれから転生してもらうのだが……」
神がそう言ったのと同時に俺の身体は謎の光に包まれる。その光が収まるとそこには
「は?なんですか?コレ?」
今までの俺ではなく、謎の黒髪ロングの美少女の姿が
「それが転生後のお前の姿だ。お前には女として新しい生を受けてもらう」
「は?!なんだよ、それ!」
てか、声も変わってる?!
「異論は認めん。さっさと転生しろ!」
「は?!ちょっ?!」
ふざけんなぁ!!
で、転生した後の私は
「理彩?どうした?食わないのか?」
「早くしないと遅刻することになるぞ?」
「はい。すぐに済ませてしまいます」
主に心配をかけるなんてメイドとしてダメだな。もっとしっかりしないと。思考をメイドモードに切り替えた私は素早く食事を済ませ、メイド服からイッセー様やヴァーリ様と共に通っている駒王学園の制服へと着替えてしまう。そしてイッセー様達の準備が整うのを玄関で静かに待つ。
「お待たせ!」
「それでは、遅刻する前に出るとしようか」
「はい」
制服に着替えカバンを手にした主2人と共に家を後にする。転生前の記憶は殆ど無くなってしまっているけど、魔王の子孫のメイドなんていかにも面倒事に巻き込まれそうな立位置だし、今までは大きな面倒事に巻き込まれずに済んだけど今後もそうとは限らないからねぇ。面倒事に巻き込まれそうな気配がスゴイもの。
「(さあ、これからいったい何が起こるのやら)」