千歌:ゆっくりこたつで…みかん!
一年が終わりに近づく、ある晴れた日。
静岡県は内浦にある旅館「十千万」の二階、千歌の部屋に「僕」はやってきた。
「ごめんね〜折角遊びにきてくれたのに、暖房がなくて…。もう、お母さんってば、『子供は風の子、寒いのくらい我慢しなさい!』っていうんだよ!いくらなんでもヒドくない⁈もう高校生なんだから子供じゃないんだし!」
千歌はほっぺたをぷうっと膨らませて、不満を漏らす。
そんな怒り方をするから、子供扱いされるのではないか…とも思ったけれど、なんと言うか、その子供っぽさが千歌の可愛い所でもあるんだよな…
「あ!そうだ!ちょっと待ってて!」
「僕」を残したまま、急に部屋を飛び出していく千歌。何か思いついたんだろうか?
しばらくして、何か大きなものを抱えて帰ってきた。
「エヘヘッ♡ジャジャーン!
ミニこたつだよ!これで少しは暖かくなるはず!」
2人でこたつを組み立てる。1人用の、少し小さめなこたつだったので、僕たちは向かいあってこたつにあたることにした。
「うわぁ…!すっごくあったかいね!そして…こたつと言えばやっぱりみかん!いっただっきまーす♡
うん!甘くて美味しいっ!」
やっぱり、この子はみかんを食べている時が1番可愛い。
っと、あまり見つめ過ぎていては変に思われてしまう。自分もみかんを食べることにしよう。皮をむき、みかんを口に放り込もうとすると…
「って、何スジとってるの⁈ダメだよ!みかんはスジに栄養がいっぱいあるんだよ!」
みかん好きの機嫌を損ねてしまった。
これではいけない。慌ててスジ付きのみかんを口に放り込む。
そうそうそれで良し、と腕を組んで頷く千歌。こんな意地っ張りな面もまた、可愛い。
ブルブルっ
こたつにあたっているものの、やはり上半身は寒いまま。思わず「僕」は震えてしまう。
「ちょっと寒そう…大丈夫?やっぱりこたつだけじゃ寒かったかな…よし!」
すると千歌は「僕」の隣へやってきて、「僕」に身を寄せて座り込んだ。
女の子特有の優しい香りが「僕」の鼻に届き、少しドキドキしてしまう。
「ちょっと狭いけど…これで全身ポカポカだね!エヘヘッ♡」
千歌は顔を「僕」の肩に乗せ、ふと思い出したように呟いた。
「今年もあと少しでおしまいかぁ…。今年はμ'sに、スクール出会って、Aqoursのメンバーに出会って…。そのおかげでアナタにも出逢えて…。ホントにあっと言う間の一年だった!
この一年、私たちのことを応援してくれてありがとう!来年もよろしくね!」