更新が滞ってた内に、謎なプロットを考えたので前以上には更新が早くなると予想。
ランサーの槍は容易く、バーサーカーが持つ長槍状の鉄片を切り裂いた。
それもそのはず、バーサーカーが“魔力”によって物質を宝具にまで昇華させるならば、ランサーの持つ紅槍の“魔力を絶つ”という能力によって無効果されるのは道理である。
バーサーカーがアーチャーに対して優位性を持つように、いかなる魔力をも無効果するランサーの
一方、窮地を助けてもらったセイバーの顔は釈然としない。
おそらく、“騎士道”の事だろう。
誉れ高き騎士王は、同じく褒め称え合った騎士の手助けといえど簡易に認める事は出来ないようだ。
セイバーの様子の、その理由さえも考え付くランサーは、それでも槍を収めない。彼も言葉通り、セイバーとの正々堂々の決着を望んだが故の行動。
いくらかの葛藤はあったかもしれない。だが、ここでセイバーが礼節すら弁えぬ者の手で、不意をつかれてやられるような事はランサーには許せなかった。
ランサーのその切実な思いを感じ取ったか、セイバーもバーサーカーを睨み据え、すっ──、と不可視の剣を下段に構えながらランサーの隣に並び立つ。
「───ええ、救援ありがとうございます、ランサー」
「礼に及ぶ程の事でもないだろう。俺はただ、俺のやりたいことをしたまでだ」
マスターの言葉を思い出しながら、ランサーは返す。
軽く言葉を交わし、二人は得物の切っ先をバーサーカーに向ける。
対するバーサーカーには理性などあるはずもなく、二体一という苦境にさえ臆しない。そこだけ切り取ってみたならば、さぞや格好良く見える事だろう。
開幕は、セイバーの一刀。
音速にも達するほどのその一撃を、バーサーカーは身を薄くして避け、続いて放たれたランサーの槍も同じく身を翻すことで避けた。剣と槍の技の隙を互いに埋めるように放たれる連撃を、バーサーカーは避け続ける。セイバーもランサーもこの時ばかりはバーサーカーに賞賛を覚える。バーサーカーにまで堕ちながらも衰えないその武錬の冴えは、見事としか言いようがない。聖杯に託す願いこそが一番でありながらも、生涯を戦いに生きた彼らには惜しいと思えた。
だが、なればこそバーサーカーは危険だった。
狂化を受けていても戦闘に支障が出ないなど、番狂わせもあったものではない。謎ともいえるこのサーヴァントを今この場で仕留めきる必要がある。
思ったのは同時か、剣と槍の英霊は同じ瞬間に目配せをした。
───バーサーカーを仕留めうるだけの決定打を。
確かに二人は今日初めて出会ったばかりだ。だが、それが世に名を残す英雄で、互いに命を賭けた戦いをしたともなれば話は別となる。相手の動きを見極め、癖を見出し、それをどう攻め勝ち抜くか。この二人の英霊は、次の戦いがあったならば勝負が決するほどに相手の手を見尽くしていた。
だから連携が可能なのである。もはや、戦いを通し騎士として互いを認め合った二人に、異論などあろうものか。
セイバーが縦に斬りかかる。バーサーカーは容易く避けるが、予想の範囲内だ。分かっていたかのように合図を送る。
「ランサーッ!」
ランサーはその声にコンマほどの間も開けず───いや、セイバーが剣を振り上げた時点で既に槍を引き絞っていた。それは、セイバーの太刀筋から予想した寸分違わぬバーサーカーの逃げ道。そして、避けるバーサーカーは槍の迫る直線上。同時に、セイバーも次の一刀を振りかぶっていた。
三点における同時攻撃。まだまだ簡易な拘束だが、この二人の実力をもってすればバーサーカーが如何な
そう、それはバーサーカーの
不可視の剣の軌道を目測のみで読み、籠手の表面を滑らせるように受け流し
破魔の紅薔薇を折り曲げた膝で挟むように封じ込め
必滅の黄薔薇を、
「───これは……っ!」
ランサーの黄槍に赤黒い魔力が張り巡る。見間違いなど有り得ない。ランサーが黄槍を引き抜こうと重心を変えた時には、遅い。槍の総身が黒い魔力で染まり、必滅の黄薔薇の所有権がバーサーカーにと移り変わった。
バーサーカーが黄槍を振り抜く。
先ほどの戦闘では、セイバーの身に一切として届き得ずして露見していない必滅の黄薔薇の能力、治癒不可。それを一人、一番理解しているものが黄槍を見捨て後退した。
「狂戦士……ッ」
◇
思わず舌打ちが漏れる。
渾身の一突きだった。そうでなくとも、臨戦態勢に入った自分から武器を奪われるなどと、どうして考えられようか。驕るつもりはなくとも、自分は伝説に語られる英雄。絶え間ない鍛錬から裏付けされた自らの武勇を疑える筈もない。
ここでバーサーカーを仕留めねばならぬと、焦っていたのかもしれない。いや、焦っていたというならばその通りだ。この窮地でさえ、俺は戦いに集中しきれていないのだから。
ただ、マスターの姿が見えない事が不安でならなかった。レイラインで繋がり、お互いの位置も確かに分かるはずだというのに、主の居場所はここにいること以外靄にかかったかのように見えないのだ。
今すぐにでも戦闘を切り上げてマスターの安否を確かめたいと思っていた。
だが、それではセイバーを見捨てることになる。悩む暇は無かった。気づけば体が動き、バーサーカーに挑発ともとれる戦闘に介入していた。
後退した数十秒の間に、様々な思いが行き来する。この感情を抱いたまま、自己完結させる事ができれば、どれほど楽だろうか。主を探しに行けたならば、どれほど安心できるだろうか。
そんな思いが込み上がり、心の中で首を振る。己の選択を悔やんでいても変わらない。確かに、自分はセイバーの救援を望んだのだ。ちらと見れば、隣で佇む騎士王が、申し訳も立たないと空を握る左手を見ている。伝えなければいけない。これは決して、貴女が気負う事ではない、と。
「すまない、ランサー……私の一刀がもう少し速ければ──」
「言うな、セイバー。落ち度は俺にある。お前が気にすることも無い。それよりも気を付けろ、黄槍は呪いの槍。傷つけられれば、如何な治癒も意味は為さんぞ」
残る宝具の情報。
これを明かさずして、これ以上の彼女との共闘は望めない。勝手な行動だと咎められてしまうかもしれない。だが、これは悩んだ己への戒めだ。もう二度と騎士の道は違えない。必ずや、この騎士を助け、貴方と共に聖杯戦争を勝ち抜いてみせましょう。
己が騎士道に則って───
「バーサーカー、我が槍は返してもらうぞ」
声高らかに宣言するのだ。
◇
今、ランサーがセイバーを救い、皆の注目を一点に集めている時、どれだけの者がその出来事に気づいていたのか。
二人がバーサーカーを仕留め損ない、また、膠着状態が始まるのだろうかと考え始めたその瞬間に、
───キャスターと呼ばれたサーヴァントがバーサーカーの命を狙っていたことに。
目が眩むほどの輝きが、バーサーカーへと一直線に向かっていた。光を撒き散らしながら、微かに視認できたそれは、キャスターの金槍。
光が形を持ったかのようなその流星は、勢いを増して狂戦士の甲冑に穂先を触れ───
それを知覚した時、既にバーサーカーの胴は貫かれていた。
金槍はちょうどその直線上、攻撃の余韻によって大きく抉られたコンテナの壁面に突き刺さっている。
バーサーカーの悶絶する声が木霊する。
胴のおよそ半分ほどが、投擲によって消失していた。その傷は、バーサーカーがまともに現界する事すら許さなかった。あと、もう少しもしないうちに消滅する。それが狂戦士に残された不可避の運命である。
「uurr……」
マスターに命令されただけとは思えない執念で、バーサーカーはまだなおセイバーを恨めしく睨み付ける。もしかすると、令呪の強制が行われているのかもしれない。
槍を投擲したキャスターも無視して、セイバーを倒すために金槍に向かって手を伸ばす。
それを、キャスターは不敵な笑みで見ているだけだ。魔力で生成された武具は、具現化も、魔力に霧散させる事も可能となる。本人にその意思があるならば、途端に金槍は手の中に戻っている筈だろう。だが、キャスターはそれを行わない。もはや寸前にまで達しているバーサーカーの手が槍を握れば、ランサーと同じく、それは奴自身の宝具となってしまうというのに。見世物でも楽しむ観客のように、キャスターは傍観していた。
這いずるバーサーカーが槍を掴んだ。覚束ない足取りで、ゆらりと立ち上がる。
現界していられるその最後の瞬間までに槍を投擲できるように、流れるようにバーサーカーが槍の投擲体制をとる。無駄の無い完璧なその姿勢が、セイバーに照準を合わした。その瞬間と───
「終いだ」
キャスターの短く小さい呟きが重なった。
それが引き金だったかのように、バーサーカーががちん、と金属音を鳴らす。その音は、バーサーカーが、着込んだ真っ黒な甲冑の中で跳ねた所為。バーサーカーの投擲姿勢が崩れた。悶えて蹲るバーサーカーの魔力の密度が瞬く間に増していく。それは決して魔力供給ではない、その身が崩壊するほどの、許容外の魔力。這いつくばり、その身を歪ませながらも槍は離さずに、セイバーに追い縋る。
余人に判断できたのはそこまでだろう。
この稲妻の如き魔力が金の槍から放たれていることにも、バーサーカーが槍を離さないのでなく、離せない事にも、当事者であるキャスター以外に完全に理解できたものはいない。
「この槍は神から授かり受けた物。狂犬にくれてやるほど、安い物ではない」
金槍がキャスターの手元に戻った時、既にバーサーカーの現界は保たれていなかった。身を焼くほどの魔力は、もはや現界すら危うかった狂戦士の運命を。
キャスターが息を落ち着けるように目を閉じた時、空気は一触即発に成り果てていた。
サーヴァントが六騎揃った時よりも、その空気は数段張りつめている。元凶はキャスターが持っていた
張りつめた空気の中、ただ睨み合いが続く剣呑な気配のただ中を、ライダーがまたぶち破った。
「そこまでだ。睨み合いをしたいならよいが、余は興が削がれた。ああも立て続けに戦闘が中断されちゃあなぁ……。貴様らが、今宵はここでお開きにしようと言うのなら、余が差配を代わりでるが、どうだ?」
気の抜けた声がライダーの、うんざりだ、という心情を見事に表していた。
その口腔から出でたのは、停戦の誘い、であろう。セイバーとランサーは消耗しているが、ライダーはその戦車を走らせたのみ。先の二人よりもかなり余力を残している。今が攻め時なのは誰が見ても瞭然だが、ライダー自身からそう切り出したという事は、消耗した騎士達を攻め立てるような真似は、彼の矜持に反するという事なのだろう。
セイバーとランサーに異存はない。だが、一番の障害が健在だった。バーサーカーを不意打ちによって仕留めた、外道の存在が。
「……私も賛成だ。これ以上の闘争では三対一になりかねん」
その言葉で、サーヴァント達の肩から力が抜けた。とはいえ、キャスターからの不意打ちも有り得なくはないために、まだ目は厳しくキャスターに睨まれているが。この時点で、彼らの中で最も信用ならない輩としてキャスターが躍り出ているらしい。
そんな様子を諌めるように、ライダーが手綱を
「さて、くれぐれも余が退散しきるまではやめてくれよ? 一応、余が仕切ったんだから面目くらいは守らせくれ。……ハァッ!!」
ライダーが鞭を打ち鳴らすと共に、牝牛がいななきを上げて戦車を牽いて去っていく。瞬く間に上空に駆け上がり、それを目で追ううちに、すぐに稲妻が見える程度にまで距離が離れた。あの戦車も今でこそ移動に使われているが、そもそもは殲滅用の宝具であろう。蹄の雷撃と車輪の蹂躙。実力の測り知れなかったイスカンダルと名乗ったあの英霊も、油断ならない大敵だ。
ひとまず、これで安全が確保されたと思っていいのだろうが、場の空気はまだ釈然としない。ライダーこそ移動宝具でさっさと退散したものだが、他三人は霊体化なり、徒歩でなり帰らなければいけないのだ。それには自然時間がかかり、ランサーに至ってはマスター探しも後に残している。ここで早々に立ち去るのが得策と分かっていながら、行動に移すまでのタイムラグが彼らを行動不能にしていた。
「……魔力残量…………現界が危うい……?」
最中、キャスターが驚愕を隠せないかのように呟きを漏らした。
理解に一瞬要し、その急な言葉に
「何だこれは……事態が掴めない……一体どういう状況だッ!?」
鬼気迫る表情で、キャスターが虚空に怒声を張り上げる。
体を何度も回転させ、周りを見回しながらマスターに声を放つキャスターの顔には、ただ焦燥と困惑のみが浮かんでいた。“魔力残量”という言葉からでは、キャスターのそれを理解することはできない。なにしろ、本人にすら理解できていないようなのだから。
しだいに、英霊を現界させる魔力は綻び、虚空へと消えていく。その体の末端は既に無く、今はただ消滅を待つ他にない。
───本来ならば、それで良かったはずだった。
また一人、聖杯戦争の脱落者が出た、それだけの事だけのはずだったのだ。ただ───
空に散った魔力の中から、人が現れた事を除けば。
◇
「うームニャ…………ランサー、何?」
「主よ……」
突然だった。目を開けたと思ったら、ランサーの顔が間近に迫っていたのだ。俺の顔の間近に。
ほんの少し背筋にうすら寒いものを感じ、とりあえず、俺が起きている旨を伝えるべく声をかける。俺が体を起こすと、既にランサーは脇へと移動済みで、忠節の礼をとっていた。毎度毎度である。
「あら、アイリさんにアルまで……」
俺の視線の先、ランサーの背後には、鎧姿のアルとアイリさんの姿があった。疑問に思った弾みに首を傾げ、やっとここが間借りした畳数畳の和室でない事に気が付いた。
金属の箱に、淡い光を灯す明かり。さらには向こうに水平線まで見える。空はすっかり暗いし、しかも寒い。それに今は、戦いの途中だったのではないか?
「───っ! ランサーッ!!」
そうだ、今は戦いの最中じゃないか。こんな敵の真ん前で無防備に座り込んでるなんて考えられない。
反射的に立ち上がり、
身構えろ。
そう意図し名を呼んだランサーは、だが槍を下していた。
「ランサー、何してる!」
「主よ、その事なのですが……」
「……へ?」
◇
「なるほど。で、今日はもう刃はおさめてると。そういうワケ?」
「はい、我が主よ」
少し頭が痛くなった。何に、と問われれば、自分の緊張感の無さに。なんと俺が寝ていた間に、どうやら第一戦目は終わってしまったらしいのだ。
どうにも途中から記憶があやふやだが、俺が寝てから三騎のサーヴァントが戦いを荒らした挙句、騎士の決闘を踏み躙ったとかナントカして去って行ったそうな。セイバー、ランサー共に、そんな状況でまた戦える筈もなく、こうして俺の目覚めも待っていてくれたらしい。そしてここで注目すべきなのは、セイバーとアイリさんの優しさ。
「まさか、ミナト君がランサーのマスターだったなんてね。驚きだわ」
アイリさんが笑いながら言っている。いやこちとら笑って済ませられる話じゃないんだけど……とまぁ、そうは言い辛いので、感謝を述べておく。
「有り難うございました。その、やろうと思えばいつでも殺せたはずなのに」
「ライダーも停戦だって言っていたし、そういう事なのよ。気にしないで」
「加えるなら、寝込みを襲うなど、騎士の所業ではない」
セイバーが熱い目で俺に聞きたくもない理由を教えてくれる。生かしてくれたことは有り難いんだけど。というか、ランサーが脇で小さく頷いている。今すぐやめて。
「はぁ……。何だかアイリさん、殺し合いだっていうのにずいぶんフレンドリーですね」
「あら、君がそういうかしら。初対面の魔術師に声をかけるなんて」
「そう言われると反論できないですねー」
昼間は気付いてなかったから……仕方ないといえば仕方ない。
などと自分に良い訳しても意味はない。本当に緊張感がない、とその一言で一瞬である。
内心でブルーになっていると、アイリさんがくるりと振り返る。
「さて、セイバー。私たちも帰りましょうか」
「そうですね。車までエスコートしましょう」
帰る……? そうか、帰るといえば当然、家だ。俺達も早く帰らなければ。……はて、どこに?
おっと家が、ない。
そういえば、まだ宿なしだった。あんなに暇を持て余してブラブラしていた割に、宿の予約なんてしていない。つまり今夜も、野宿である。この寒空にである。嫌である。
「すっすみません! ぶしつけだし、厳しいとは思うんですけど、今晩泊めて下さいませんかっ?」
「へぇ?」
引き留めたアイリさんが理解できないと声を上げる。
「あーあのですね! 来日してから色々ありましてでして、宿無しなんです。実をいうと昨日も野宿でしてて、泊めて下さったら非常にたすかるりっ、というか」
やばい、しどろもどろだ。だけど、こっちも退けないんだよ。確かに、葉っぱベッドの寝心地は予想以上に良かったけど、この寒さだけはどうしようもなかった。寒さで冷えるお腹よりも、胸の奥の方が冷えていったのだ。
「ミナト君」
アイリさんの顔から、いつもの笑顔が消えていた。あくまでも冷静に、そんな真面目な表情である。
「それは、聖杯戦争の参加者として、私達に申し出ているのかしら」
えっ、どういう事。つまり、何? 俺にどうしろと。何で聖杯戦争の事が───
そこで、はっと気付いた。
『聖杯戦争』という単語。つまり、アイリさんは聖杯戦争の参加者同士、恩の売買に体裁をつけようといっているのではないだろうか。宿を貸してやるのだから、見返りをよこせ、と。
それならば、何も躊躇う必要はない。むしろ一番の気がかりは、迷惑をかけてしまうことだったのだ。年頃の女の子のいる家に一つ屋根の下とか、そこまでロマンに溢れてもいないが、女性の家に男二人が乗り込むなんて、危険な聞き心地よね。
「───我々からは、宝具の情報の開示を」
恰好つけてますが、これ、咄嗟に思い浮かんだのが一つしかなかっただけなんですよね。というか、こんな一日目から宝具情報明かしちゃっていいのか。そう思うのだが何故か、セイバーやアイリさんならば信用できるような気がするのだ。馴れ合いとは恐ろしい。
「ならば契約成立。……じゃ、とりあえずよろしくね、ミナト君」
「は、はいっ」
アイリさんの笑顔が輝く。見た時から思っていたが、本当に綺麗な人。これでホムンクルスだと言うのだから驚きだ。そこがむしろ人形らしいと言えばそうなのだが、こんなにも人間らしく、情緒豊かな人形がこの世にあるとは。時計塔でもお目にかかれないような精度、アインツベルンの錬金技術はどこまで水準高いんだ、って話である。
まぁ、ひとまずは、そんな魔術師めいた感慨なぞ投げ捨てよう。寝るなら早く寝たい。もう疲れた。
ランサーは霊体化を解かずに、実体化したまま俺の後ろを付いて来ていた。さすがに、敵陣営となるとセイバー相手といえど警戒するのだろう。それもこれも、俺の命を守るためだ。こういうランサーの存在も含めて、俺の緊張感の無さに繋がってるのかねぇ。
その後、素人目にも分かる高級車を移動用の玩具だというアイリさんに肝を冷やされたのは、良い思い出である。
手直ししなきゃですね