触れるもの皆殺すマン   作:アストラ9

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 どうも。作者です。

 あらすじとか後から見てみると、結構酷いですね。なんだろう、疲れていたのかな……。

 それはともかく、本作を読むにあたって注意点があります。

・俺TUEEEE!! 的な要素。
・無双状態。ライバル? そんなもん存在せんよ。
・孤独の主人公。ヒロインなんているのか?
・人が頻繁に死ぬ。
・文章が多分おかしい。怪文になる可能性も。
・その他、欠点が判明しだい、追加します。

 ……以上となります。

 あ、それと中傷だけはおやめください。結構ヘコみますんで。

 それじゃこんなくだらない話はここら辺で。
 本編、どうぞ。






第一話 始まりは墜落現場で。

 

 始まりは唐突だった。

 

 目が覚めたら何処だか知らない森の中に居たんだ。

 ジャングルみたいに、つる草や大木が育ちきった植物がそこら中を埋め尽くし、太陽の光が所々からしか差し込まないような場所。

 此処が日本だなんて、到底思えなかった。

 

 意味が分からない。

 そもそも何故、自分がこんな所にいるのか。

 自分は根っからの地元派だ。外国には絶対いかねえ、日本に永住するんだと、ずっと思って居た。

 

 それがどうして、7◯時間極サバの収録地的な場所に来なきゃいけないんだ。

 まさか俺にサバイバルでもしろと言うのか? インドア派のこの俺に?

 

 頭が痛くなってきた。

 この意味不な現状が理解できず、頭を抱え込む。

 ああ、これが夢ならいいのに。そんな事を思っても、コレは夢ではない。

 その証拠に、先ほど鉄塊にぶつけた足の小指は未だにヒリヒリしている。

 

 そこで気が付いた。

 鉄塊? コレはつまり、文明品ではないか?

 よく見てみれば、それは何かの破片に見える。先が尖っていて、とても危なそうだ。

 これが指に刺さっていたと思うと、震えが止まらない。

 

 それはともかく。

 こんな文明品(の残骸)があるという事は、文明人がいるという事だ。俺のような遭難者を受け入れてくれるかもしれない。

 

 そして俺は、周りをキョロキョロと見渡してみる。

 前。居ない。

 右。居ない。

 左。テントとそれの何十倍ほどの鉄塊ガレキ(・・・・・)

 

 一瞬だけ、救いが見えた気がした。

 テントがある。それは化学繊維的な素材でできていそうな青色のテントだった。

 だから俺は思った。俺と同じ日本人がいるのではないか、と。

 すぐに向かおうと思った。

 思ったが……その横にあるガレキを見て、驚愕してしまった。

 それは大きな板にタルのような物を二つ付けた物体……詰まる所、飛行機の翼に非常に類似していたのだ。

 

 コレを見た瞬間、嫌な冷や汗が身体中を巡る。

 まさか、俺は……、と最悪のビジョンが脳裏に映る。

 それと同時に、自分も真下にある一際大きな影にも気が付いてしまう。

 大木によって出来ていたと思っていたその影には、木の葉の隙間が見えない。

 これが意味する事とは——!!

 

 嫌な不安を抱きながら、180度回転する。

 後ろを向いてはいけない、立ち直れなくなってしまう。

 そんな脳信号を無視して、振り返る。

 出来れば、俺の予想が外れてほしい。そう思っていた。

 

 決死の覚悟で振り返ると、そこにあったものは……頭と胴が分裂した、飛行機の残骸だった。

 

 

 ……なんだコレはドッキリなのか。

 

 

 そう思う程に、俺の思考はストップした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現状を確認しよう。

 

 俺が目を覚めると見知らぬ森の中にいた。

 周りに人はいない。

 真後ろにはぶっ壊れた飛行機がある。

 その周辺には乗客のものであろうキャリーバックなどが沢山落ちている。

 

 コレはつまり……飛行機が落ちて、遭難したという事か?

 いや、だとしたら他の乗客は何処へ行った?

 見た感じ、人らしい人は見かけなかった。誰かが張ったであろうテントも、同様だ。

 勿論、飛行機の中も探した。胴体も、頭部の方も。

 その結果分かったのは、客も、客室乗務員も、パイロットも(・・・・・・)居なかったという事だけ。

 

 客や乗務員が居ないのも意味が分からないが、パイロットすら居ないというのも意味が分からない。

 仮に生きている全員が逃げたとしても、少なからず死体があるはずではないか?

 見た感じ、飛行機は不時着でもしたんだろうし……そのせいで頭と胴が割れたんだろ?

 そんな衝撃があって死傷者ゼロはあり得ないのだが……ダメだ。考えてもラチがあかない。

 

 とりあえずこの件は保留にしよう。

 

 今は生き残る事が先決だろう。

 逃げるは恥だがなんとやら、ドラマでもやっていたことだが、地を這い蹲り廻ってでも生きる事が第一なのだ。

 武士道のような、戦いの中なら死ぬのは名誉なのだ! 的思想に囚われてはならない。

 第一、俺は死にたくない。仮に死ぬとしても、日本で死にたい。まあ生き延びるのが一番だがな。

 

 さて、という訳で早速、物資を漁ってきた。

 そこら辺に転がっていた木の棒やキャリーバック、機首にあった小品など、様々だ。

 数が多いので、全部とは行かなかったが。

 

 物資集めはバックなどを集めるだけだから順調に進んだ……と、言いたいところだが。

 

 そこで事件が起こった。

 

 いや、事件と言うよりは現象だが。

 順を追って説明しよう。

 

 まず俺は手始めに、キャリーバックを集めようと思った。

 ピンクや黒、青など、色様々だ。大きさも違う。

 よりどりみどりだぜ! と、息込んで近場のキャリーの取っ手に手を掛けたのだが……なんだかとても、軽かった。

 で、最初に俺が立っていた場所にキャリーバックを投げ捨てた。

 するとそこには先ほど拾ったピンクのキャリーが落ちて……はおらず、キャリーの取っ手のみが落ちていた。

 

 は⁉︎ って思ったね。ネタ的に言うならば、なんとかかんとか〜ちゃちなもんじゃねえ、か?

 いやだってキャリーバックを投げ捨てたと思ったら取ってしかないんだもん。

 慌てて付近を探してみるも、何処にもない。

 あれ? と思いキャリーを拾った場所に戻ると……あった。

 

 キャリーの取っ手から下半分全部(・・)がちゃんと落ちていたんだ。

 これだけなら、なんだ、取っ手との接合部が壊れてたのかな、とか思うけど。残念ながら俺には、そうは思えなかった。

 だってキャリーがバラバラに分解されてた(・・・・・・・・・・・)から。

 

 外殻は真っ二つにされていて、中身は全部外に出ていた。

 その中身も中身で、袋から出されていたり、フード付きの服は服とフードが別れていたり……etc。

 

 キャリーがポンコツ性能だったとか、そんなレベルじゃなかった。

 逆になんで此処までの惨状に出来るんだと、文句を言いたいくらいだった。

 

 フラッと、頭を抑えながら倒れそうになる。

 もうイロイロと分からない事、特に意味不明な事が多過ぎる。正直、この現状にイヤイヤしていた。

 そんな時、フラッとしていた時に近くの大木に寄りかかったのだが……浮遊感を感じた。

 その次に見えたものは……所々から太陽の光が見える、木の葉の大群だった。

 

 寄りかかったと思ったら地面にベットイン。

 ふざけている。そうとしか思えない。

 イライラしながらも、立ち上がって後ろを振り向いてみる。

 ムカつく事には変わりないが、何が原因なのか調べたくなるのが、人間である。それは俺も同じ事。

 で、後ろを振り向けば原因が分かったのだが……これまた意味不現象。

 3本に均等カットされたいる丸太が並んでいたんだ。

 しかもそれら全てを合わせた長さと、俺が寄りかかった木の高さは全く同じではない。と言うか増えていた。

 

 ここで俺の中で一つ、仮定が生まれた。

 つまり、これらは俺が起こしたものなのだと。

 

 勿論、理由もある。

 大木も、キャリーも、どちらも見た感じではしっかりしたつくりだった。それは倒れた大木の断面図をみれば、一目瞭然だ。

 それなのに、あんなにも脆く壊れるとは、考えられない。何か、アクシデントが起こらなければ、なるはずがない。

 

 しかし、そのアクシデントはあったのだ。俺がこれらの素材に触ると言う、アクシデントが、な!

 どちらも、俺が触って、ぶっ壊れたのだ。まあそれ以外に原因が見つからない、と言うのが最もな理由だが。

 あ、質量が増えた原因? そんなもん知らんよ。この意味不パワーを俺に与えた奴にでも聞いてくれ。

 

 と言うわけで、俺は軽く実験してみた。

 大木を手当たり次第にタッチしていったのだ。

 もしの俺の仮定が外れているならば、それで良し。俺が解体マスターの道に入っていない事が証明される。原因も解明されないが。

 逆に当たっている場合は……お察しください。

 

 で、気になっている結果だが。

 残念ながら、当たっちゃった。

 

 俺が触れた大木全部がバッキバキに折れて、綺麗にカットされた丸太に早変わりしていった。しかも大木の時よりも質量が明らかに増えて。

 

 ……俺、マジで何かに取り憑かれてるんじゃないかな。

 ただの一般人であった俺にこんな事、出来る芸当じゃない。というか人間には出来ないだろう。10秒掛からずに大木5本を丸太にするなんて。

 

 と言うわけで、俺には仮称、『解体マスター』という力が備わっている事が分かった。

 ……なんかダサいな。『エキストリーム・解体』とか『出張! 解体王』とかの方が良かったか?

 

 まあいいや。

 とにかく、俺には物を解体する力が備わっている事が分かった。理由は分からんが。

 この力があれば夢の、俺TUEEEE!! が出来る!! ……訳ではない。

 まあ力だけみればできそうなんだけどね。だがこの意味不パワーには、欠点が二つある。

 

 その一。動物には多分効かないこと。

 まだ動物に触れていないから分からないが、多分効かないだろう。動物を解体って、どんな力だよ。目の前で解体された動物見たくねえよ。

 

 その二。これが所謂『パッシブスキル』だと言うこと。

 木の実を掴めば即破裂。大木に寄りかかれば即解体。

 ああ、そう言えばちょっと前に飛行機の中を探したと言っていたよな? あの時にも飛行機が分解した(・・・・・・・・)んだよ。丸太同様、綺麗に3つにね。

 そしてこの意味不パワーが切れる事はない。つまり、俺はある意味危険人物だと言う訳だ。

 

 ……なんか泣けてきたわ。こんな意味不パワー貰っても、全然嬉しくないんだもん。

 だってあれだよ、俺家にすら入れないって事だかんね。解体しちゃうからさ。

 

 あ、でも解体しないで物を運ぶ方法を二つ見つけたよ。

 

 まず一つ目。解体した物を触る。

 俺の意味不パワーで解体された物は、何故かさらに解体される事は無かった。

 一回だけ解体するのか、これがギリギリの解体なのか、そこはよく分からん。

 なんで、丸太や木の枝とか、そう言うのなら運べた。

 

 次。間接的に持ち運ぶ。

 先ほど解体した木の枝なら持てると、そう言った。

 なら、それを使って持つのなら、どうだろうか?

 具体的には、キャリーの取っ手の部分の木の枝を突き刺す。

 結果から言うと、出来た。

 木の枝を引っ張ってならば、出来たのだ。

 

 理由は分からないが、木の枝ならば出来た。つまり、解体品ならば、持つ事もでき、俺の意味不パワーも貫通しない。

 この方法を駆使すれば、キャリーを集めるのも不可能ではない。

 

 という方針の元、1時間近くキャリーとか漁っていました。

 2、30個あつまったから、満足です。

 

 だが……

 

 

「このあとやる事、何もねえ」

 

 

 いや、結構マジで話で。

 人里の方に行ったら俺は村の施設とか解体しちゃうだろうし。

 かと言ってここに居ても何にもならない。

 何をすれば分からない。自由系RPGとかでよく起こる、何すればストーリー進むんだ? 状態だ。

 

 俺の苦難の日々は、ここから始まるのであった……。

 

 

「いや、始まんないけどね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、あれから1日が回った。

 昨日の夜食は飛行機内にあった機内食を物色しました。ちょっと不味かったのは内緒である。

 で、今日の朝食を調達しようと思って飛行機内を捜索して居たところ、面白い物を発見しました。

 

 

「俺のiPh◯ne5sが見つかったぜ」

 

 

 柔らかいプラスチックみたいなカバーに入った、裏面に斜めの傷が入ったスマホ。

 これはまさしく俺のスマホだった。

 

 何故機内食の横に置かれてるのか分からなかったが、恐らく俺はこの席に座って居たんじゃないかと思う。……普通はテーブルから滑り落ちるとは思うが。

 

 とりあえず電源をつけ、パスコードを入れる。

 6075。俺が自分のスマホに設定したパスコードだ。

 これを入力すればスマホは開くはずである。

 で、予測通りちゃんと開いた。このパスコードで開いたのだから俺のスマホという可能性は高くなった訳だ。

 

 訳だが。

 残念ながら中身はほぼ全て消え去って居た。A◯Pストアは無ければ、ゲームは無い。ようつべもないし、ニコニコもない。

 奇跡的に残って居たのは、カメラや時計、ミュージックなど最初から入っている物を始め、入れた事の無いいくつかのアプリのみだった。

 ゲームを消されたのは、自分的にはかなりショックだ。アプリを消した奴の顔、是非とも殴って踏ん付けてやりたい。

 

 この意味不な現状の中、更に意味不なアプリなど、碌なものではないだろう。

 とりあえず、そのほかのアプリに不具合がないか確認する。

 

 カメラ……映り・シャッターに問題なし。動画もちゃんと撮れる。

 ボイスメモ……正常に起動。

 ミュージック……全音楽、破損なし。

 時計……合っているか分からないが、等間隔で時は刻めているようだ。

 マップ……自分の周辺しか表示されない。

 天気……情報なし。

 コンパス……正常に起動。木の輪郭からもおおよそ合っていると判明。

 メモ……文字化けなし。日本語で書ける。

 Safari……ネットに繋がらず使用不可。

 設定……正常に起動。

 計算機……正常に起動。

 

 一通り起動してみて分かったのは、これだけだ。

 一部以外はちゃんと使えるようで、安心した。

 

 それよりも問題なのは、コッチだ。

 『破壊レベル』と『レギュレーション』という謎のアプリ。

 

 レギュレーションとは、アップデートのデータみたいなものだ。ゲームで言えば難易度調整とかがされたファイルの事だな。

 で、このアプリにあった『レギュレーション』というアプリ。コレは意味不明なものだった。まあこの森に来てから意味不現象ばっか起こってるから、いい加減慣れたが。

 で、何がおかしかったかと言えばだな……いや、言葉で伝えるより、実際に見せた方が早いな。

 このレギュレーションというアプリの中には『ver1.0.0』という謎のファイルがあって、それを開くと、こんなものが出てくる。

 

『ver1.0.0 内容

 

・主人の触れるもの全てを破壊(・・)します。

・常時使用します。

・一定のレベルに達したものの破壊を禁じます。』

 

 『解体マスター』の元凶、お前かよッ!

 みた瞬間、マジでそう叫んだからね。

 この意味不パワーの元凶が、この変なアプリなんだから、俺、結構イラっと来たよ。

 しかも何故か消せない。このアプリ、消去不可だったんだよ。

 で、これはレギュレーションである。つまり、更にヘンテコパワーが追加されるかもしれないのだ。

 

 勘弁してほしいね、全く。

 

 勘弁してほしいといえば、『破壊レベル』の方もそうだ。

 これは一言で言えば、"カウンター"だ。

 あ、敵の攻撃避けてからパンチしたりするアレでは無いぞ。測る方だからな?

 それでこのカウンターは一体何を測るのか、というとだな。読んで字の如く、破壊したもの全てだ。俺が破壊したもの全部。

 

 大木、キャリーバック、つる草、飛行機、……etc。

 俺が今まで解体して来た全てのものが載っていた。しかもご丁寧に解体した数もそれぞれカウントしてな。

 これが意味する事はつまり……俺、監視されてね? って事だ。

 

 機械が勝手にカウントしているという可能性もあるが、それでも他者が俺の行動を見張っていることに変わらない。

 俺の行動は全てこのアプリを開発した奴に筒抜けの可能性があるのだ。

 それはそれで、最悪である。まあMだったら話は変わるかもしれんが。

 

 と言うわけで、俺は意味不パワーの根源であろうアプリを発見した。ついでにそれに関係するアプリも。

 他にも色々探って行きたいところだが……

 

 

 ——ぐぅぅ〜〜

 

 

 ……残念ながら、腹の虫が収まりそうに無い。

 とりあえずは、朝食の探索に戻るとしよう。

 

 飛行機内での捜査を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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