前回や前々回を見てくださった方、ありがとうございます。
とりあえず必要最低限の防具を揃えるついでに今日は仲間を待ってみることにした。
「鎧は…ないな…ありえない。絶対に。」
鎧なんて着こなせる程のパワーは俺にあるはずがないのでとりあえずは盗賊の長所である敏捷性を下げない軽装備を探すとした。
この世界の盗賊のテンプレ装備がよく分からない。カズマだとか某死にまくるあの人のようにジャージで異世界行けば良かっただろうか。
どれが良いのだろうか。だがしかし、オススメを聞ける勇気がない。落ち着け…落ち着いて考えよう…俺がかつて元の世界で見た盗賊の姿を…ド◯クエⅢのあいつは…パンツで覆面、そして片手斧。
あ、ダメだわ…不審者感しかない。とりあえず無難に前にゲームで見たある盗賊団のボスのものと似ていた赤くて短いマントがあったのでそれを買って羽織っておいた。
「中々良いな…」
個人の意見だがこのマントは結構かっこいいと思う。紅魔族の服装も素晴らしい。紅魔の里に行けるなら1着買っておきたいぐらいだ。こういうのでコスプレみたいだとか思う俺はお気楽すぎるのかもしれない。
ズボンなども動きを縛らないものにして、軽さを重視した。受けに回ったらすぐ死にそうだが、中途半端に防御を上げようとすれば機動力が死ぬので気にしたら負けである。
「さて、仲間の候補は来てくれたりしないかなぁ…」
その日はクエストを行かずに待ってみたが仲間は来なかった。
<次の日>
「なんで?なんで仲間来ないの?俺のレベルがまだ低いから?アクセルが最初の町だからとはいえ、それでもその中の底辺だから?誰でもいいので仲間をください…」
エリス様…お金や宿泊先は援助してくれても仲間ばっかりは援助してくれないんですね…過去のエリス様にも会えていないし…エリス教の教会に祈りを捧げてくれば良いのだろうか。ある騎士は仲間が欲しいと毎日エリス様に願ったところある日、とある盗賊の女の子が仲間になってくれたという話があるらしい。だが…
「困った時だけ神様に祈るのは虫が良すぎるよな…」
しばらくはソロプレイするか…ある程度実力がある人がレベル上げを行う場合はソロプレイの方がレベルは上がりやすいと聞くし。
俺、元の世界では二人一組を作れない系の人だったし、バレーボールもペアが組めないから一人でサーブ練習してたし。陸上部だって一人でも出来るから選んだんだし。別に仲間がいなくたって…
嘘です。やっぱ仲間欲しいです。話し相手欲しいです。回復や支援してくれるプリーストや頼もしい攻撃魔法や補助魔法があるウィザードじゃなくていいから仲間ください。
そのためには精神的な傷を負うことになろうとギルドへ行かなくてはならない。
<冒険者ギルド>
とりあえず条件に合いそうなやつらを探そう。そういえばカズマ達は今はまだバイト中だったか。今仲間募集で張られているものを一通り見てみた。
【魔法使いとプリースト募集中。】
【クルセイダー、ランサーを募集中。】
【パーティメンバー募集中。募集職は魔法使い。】
【パーティメンバー募集中。当方、クルセイダーと盗賊の二人組。】
【前衛職募集中。耐久に自信がある戦士やクルセイダー求む。】
全然ダメじゃねぇか!と思わず叫びたくなったのを必死に飲み込み、抑えた。え?盗賊ってこんな需要ないっけ?確かダンジョン探索に必須なスキルを覚えるのに地味だからなる人が少ない。よって盗賊は需要が出るって感じじゃなかったか?と思いながら他の人のを見ていると…
【パーティメンバー募集中。盗賊求む。やる気さえあれば初心者でも歓迎。 当方、ソードマスター、プリースト、アーチャーの3人組です。】
お?お?来た?来たんじゃね!?俺が必要とされている!?これはいける。ん?まだ続きがあるぞ?
【魔王討伐を真剣に考えています。その気がある方だけどうぞ。】
「俺を仲間にしてくれるやつはいねぇぇのかよぉぉぉ!!」
上げるだけ上げられて落とされた。これは酷い。エリス様から依頼された時空管理局職員の正しい未来へと導くという仕事の都合上、カズマ達が行き先以外で別の場所へ訪れるのはほぼあってはならない。このパーティのことだ。恐らくアクセルは通過点に過ぎないはずだ。二度とここへは戻れないだろう。だからこのパーティには入れない…と、考えているとどうやら周りの人から痛い視線を向けられていることに気づいた。
恥ずかしくなったので神器の能力である高速移動を使ってその場から速攻逃げ、今日受ける予定だったクエストに赴いた。
<?side>
「はぁ…見てももらえなかったかぁ…さっきの人…仲間を欲しがっていたし、見た目的にも私とそんなに歳の差はないはず…思い切って話しかけたら仲間になってくれたのかなぁ…」
【パーティメンバー募集しています。優しい人、つまらない話でも聞いてくれる人、クエストがない日でも一緒にいてくれる人、前衛職を求めています。】
<裕也side>
すみません、話が違います。いや、俺が間違った知識を持っていただけかもしれないが…もちろん需要があるからというだけで盗賊になったわけではもちろんない。でもここまで来ないのはさすがに悲しい。残っていた募集の紙は見ずに来てしまったがただ傷が増えるだけだろう。だが恐らくその傷もソロを続ければいつか癒えるだろう。
今の季節は秋頃らしい。栗ネズミの駆除がクエストで来ていた。栗ネズミというのは主食は名前の通りの栗などの秋の味覚とされる食べ物。この時期に大量発生して秋の味覚を食い荒らすんだとか。サイズも日本のネズミとは違い、中型犬程。栗ネズミは報酬金ではなく、その柔らかくて美味しい肉がかなり稼げるらしい。
「敵感知で引っかかっただけでも十…いや、二十匹以上はいる…が…てめぇらで鬱憤を晴らしてやる!!」
神器の特性である魔力を光エネルギーに変える能力で射程を片手剣レベルに伸ばし、ただただここら一帯のネズミ共に行き場のない怒りをぶつけ、狩り始めた。
<1時間後>
途中で倍近く増えたがここら一帯のネズミは駆逐してやった。一匹残らず。下手に周りの物を破壊して弁償代を払わないように気を配りながらだったので時間は食ったが、この死屍累々をサービスで運んで貰えればしばらくは金には困らないはず。うん、ソロプレイはいいよ…うん、経験値独り占めだし、報酬金も気にしなくて良い。最高です。
<クエスト達成>
クエストを達成しても一緒に喜んだりする仲間がいるはずもなく、ギルドで一人でちょっと贅沢な夕食を頂くことにした。
ちなみにこの世界にはシュワシュワというシュワシュワしているとしか言えないような飲み物があるらしいがコーラなどの炭酸飲料はないらしい。
「はぁ…どっかに仲間になってくれるやついないのかな」
最後まで閲覧ありがとうございます。
このすばの小説なのにほぼオリキャラしか喋らなくてすみません。次回は原作を読んだことがあるなら知っているかもしれないあのキャラが登場します。
次回も見てくださると嬉しいです。