昨日の深夜に上げる予定でしたが寝落ちしてしまったので昼休みに頃合いを見て上げました。
これからも見てくださると嬉しいです。
心強い仲間ゆんゆんが加わったおかげで行くことが出来るクエストも増え、ソロ時代より経験値効率は上がった。
「経験値がこんなに…この調子ならめぐみんにも追いつける!」
「もう十分すぎるくらい追いついているどころか追い越していると思うけどな…これでも足りないのか?」
ゆんゆんの判断はほぼほぼ的確である。戦闘中俺が敵の位置を教えるだけでモンスターの弱点を的確に突き、倒す。さすが紅魔の里の学校を2位で卒業しただけはある。ちなみに首席はめぐみんらしい。どうしてここまで差が開いたのだろうか。
「すみません、ゆんゆん。新しい仲間が見つかるまでパーティーを…誰ですか貴方!!」
噂をすればなんとやら。めぐみんがやって来た。
「しょ、紹介するね。この人は私の新しいパーティーメンバーのコミナトユウヤさん。」
「盗賊をやっている。よろしく。」
「どうやってゆんゆんを垂らし込んだんですか!!貴方もあれですか!?恋人のフリをしてくれだとかアクシズ教に入らないか?とかゆんゆんの優しさに漬け込んで悪いことを企んでいるのですか!?」
人聞き悪っ!!俺の評価落としすぎだろ!!どんだけ俺が悪人に見えるんだよ!!
「待て、お前は誤解している。ぼっち盗賊ユウヤ…この名前に聞き覚えはないか?」
「え、えぇ…知っていますよ。受けたクエスト全てを一人でこなし、雑魚モンスターの群れも一人で全滅させたとか。ですが…」
自分で言っていて悲しくはなるが誤解を解くためなら仕方ない。
「それ自分で言ってて悲しくはならないんですか?」
「なるに決まってんだろ!!不名誉極まりない呼び名だからな!!」
お前はエスパーか何かか。俺が思ったことを読んだかのように言いやがって…
この後めぐみんの誤解を解くのに30分近く所要してしまった。
「ふむふむなるほど…ぼっち同士が仲間になったというわけですか…そういえば昨日ぼっちだった二人がパーティを組んで快進撃を続けているとか聞いたことがありました…まさかゆんゆんのことだったとは…」
「へ、へぇ…もう噂されてんのか…」
二人で組み始めたのは本当に少し前の話なのに情報が回るのは速いな… 実はSNSみたいなのあるんじゃねーのか?
「そうやって褒められるとなんだか嬉しいなぁ…」
「ちなみにぼっち組と呼ばれています」
『!?』
俺とゆんゆんは喜んだ矢先にそんなことを言われ、素直に喜べなくなった。
「で、めぐみん、お前何か用事があるって言っていなかったか?」
「あの…すみませんが昼ご飯を奢ってもらえないでしょうか?最近ご飯に行きつけてないのです…」
「分かった…俺が出してやるから食え。」
ゆんゆんに気を遣わせるのは悪いと感じ、俺のポケットマネーから出すことにした。
「そうです…私が新しいパーティメンバーを見つけるまで組みませんか?」
めぐみんの提案に対し、ゆんゆんは突然目を大きく見開き…
「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
何故かオーバーとも取れるくらいに驚いていた。
「どうした?そんなに驚いて…」
「彼女は昔からああなのでクラスから浮いていました。」
いや、それはお前達の常識に合わなかっただけだろ。普通ならまともな子のはずなんだがなぁ…環境とは怖いものである。
「だって、私が上級魔法を覚えたら決着をつけようって言ったばかりだし…」
「何ですか!?急に訳の分からないことを!知りませんよ、そんな約束!」
あ、やっぱり覚えていらっしゃらないんですか…確か爆裂魔法を撃った後で疲れていたからあまり聞こえなかった。とかだったはず。
「もう!めぐみんは何でそんなにすぐ忘れるの!?あの時約束したのに!」
「ゆんゆん、落ち着け…いや、落ち着いてくれ…周りの人、見られてるから…」
我に返ったのかゆんゆんは顔を赤くして、その場でうずくまった。
「ごめんなさい、ユウヤさん…迷惑をかけて…」
「いや、夢中になってならある程度は仕方ないが…あ、結局めぐみんは俺達のパーティーに入るのか?」
一番気になるのはやはりそこである。今ゆんゆんと組んでいるがそれでも良いのだろうか。
「はい、しばらくお世話になります。私の新パーティーが見つかるまでお願いしますね。」
カズマ、早く来てくれ。俺だとこいつは手に余りそうだ…
こうしてめぐみんも一時的にパーティーに加わることになった。
「で、クエストだが…どうする?本来なら悪魔の調査に行く予定だったが、このパーティー初だし、今日はやめといてちょっと簡単な場所で試すか?」
ゆんゆんはどちらとも組んではいるが俺とめぐみんは初だ。めぐみんはやることが爆裂魔法だけだからこそ難しい所へは行かせないべきだろう。
「いえ、むしろ行きましょう。上級悪魔だろうと我が爆裂魔法で消し飛ばしてやりますよ。」
「森の生態系乱す気か!」
冒険者カードには討伐したモンスターはきっちりと記録される。たとえ自分が認識してなくとも例外ではない。だから爆裂魔法をテキトーに撃ってあわよくばその悪魔に当てて、不意打ちで消してしまおうというプランなのだろうが…
「森で炎系魔法や爆発魔法などは使っちゃダメって言われたでしょ!絶対ダメ!」
「…分かりました。決して森では撃たないので悪魔調査に行きましょう。」
結局悪魔調査に行くことになり、道中現れたモンスターを倒しながら森のすぐ近くまで来た。
「つか守衛に名前覚えられてるのかよ。びっくりしたわ。」
「えぇ、ほぼ毎日必ず爆発魔法撃ってますし。」
日本出身であるせいかまだ爆裂魔法の音が聞こえるの慣れないんだが。不意打ちで聞かされるとマジでびっくりするからやめてくれ。時報みたいに決まった時間に撃ってくれよ、どうせなら。
「あれ?あそこにいるのって…」
ゆんゆんが指を指した先にいたのは一見可愛らしい見た目をしたつぶらな瞳を持つウサギだった。
「か、可愛い…」
お前の方が可愛いなどと今は口が裂けても言えないが、あいつの正体は…
「あれ敵感知に引っかかってんぞ。可哀想だが…」
「えぇ!?あの子を狩るの!?」
ゆんゆんが涙目になってやめてくれと言わんばかりにこちらに訴えかけてくる。やめろよ、そんな目で見つめられたらこっちまで狩りにくくなるだろ。
「えぇ、ギルドの職員に言われたのを忘れたのですか?」
俺もあれがただのウサギならもちろん狩らない。あのウサギには額に鋭い角が生えている。名前は一撃ウサギ(ラブリーラビット)。ギルドから特に注意するように言われたモンスターの内の一匹。
その愛らしい見た目で相手を油断させ、グサッと自慢の角で突き刺すのである。そして話によれば日本のウサギと違い、あのウサギは肉食なんだとか。不用意に近づくのは極めて危険である。
「ちょっとだけ…野菜スティックをあげにいったらダメかな…?」
モンスターに魅了されてんじゃねぇか。
「…許せ、ゆんゆん。」
「えっ?何をすー」
俺はゆんゆんの両目を左手塞ぎ、あのウサギに届く距離まで神器から光を伸ばし、突き刺して倒した。彼女には悪いがこのまま移動させてもらおう。
「あのウサギは逃げたんだ…それでいいな?」
ゆんゆんに聞こえない大きさで話し、めぐみんには俺が倒したことを隠してもらうことにした。
「は、はい…」
優しいことは本来悪いことではないのだが今回はその優しさがマイナスに働いてしまったと思う。あんなにせがまれたらあの手のモンスターはやりづらいな…
「あ、あのウサギが大量に!」
「は?待て待て…マジか…」
先ほど倒したはずのウサギが今度は群れをなして襲って来た。
「あ、あれってあのウサギに倒されたんじゃ…」
めぐみんが指を指した方向を見てみるとそこには所々に風穴を開けられた狼が横たわっていた。
「おいおい…噂は本当だったんだな…」
さすがにこれは動揺を隠しきれない。そんなにちっこくない狼のはずなのにあのウサギの群れにやられたとか恐ろしすぎるだろ…
ゆんゆんに至ってはもう既に泣きそうな目でこっちを見ている。
「やるしかないか…」
「『シャイニングアロー』!」
「『ブレード・オブ・ウインド』!」
俺とゆんゆんで徐々に数は減らせてはいるが、少し危ない。このパーティーにはタンカー…要するに戦士やクルセイダーなど敵の攻撃を防ぐ役割のメンバーがいないため、近寄られたらかなり危険だ。
「この大量のモンスターの数…私に任せてください…我が爆裂魔法で全員消し飛ばします…」
「おい、やめろ!お前が今ここで爆裂魔法を使ったら悪魔に対する有効打がなくなるだろ!」
「やめて!私が今めぐみんよりレベルが上だからって焦ってるの!?私とユウヤさんでなんとかするから!」
「ここはやむを得ません…火災になろうが多少巻き込まれようと今やらなければ全滅してしまいます。」
「いや、むしろお前の爆裂魔法で全滅しー」
「『エクスプロージョン』ーーッッ!」
爆裂魔法の吹き荒れる爆風が全てを吹き飛ばした。
「…はっ!どうやら気を失っていたみたいだな…」
めぐみんとゆんゆんは今何処にいるのだろうか。俺は一体どれくらい気を失っていたのだろうか。
「敵感知は…近くにはいないな…」
辺りを見回してみるとゆんゆんが近くで倒れているのを発見した。
「大丈夫か?」
ゆんゆんの頬を軽くペシペシと叩くとどうやら意識はあるみたいですぐ目を覚ました。
「あ、ユウヤさん…めぐみんは?」
そういえばめぐみんがいなー
「逃げてください!悪魔が…悪魔が来ました!」
先ほど爆裂魔法を撃ったはずなのに走っているめぐみんと遭遇。どうやら俺達はかなりの時間気を失っていたらしい。
「嘘でしょ!?悪魔が来た!?」
最悪の状況で悪魔と遭遇。
「はい、悪魔が喋ったんです!」
「お前疲れてるんじゃないか?」
現実逃避をしようとしたが、現実はやはり甘くなかった。
「ほら!あそこにいますよ!!」
「うわぁ…最悪…逃げるぞ!」
「ユウヤは確か光速移動が出来ましたよね!?それですぐ逃げましょう!」
めぐみんはそういうとすぐに背後からしがみついてきた。ゆんゆんも置いていくわけにはいかないので失礼して抱えていくことにした。
「あ、あのちょっー」
ゆんゆんが何かを言おうとしたがそれを聞く前にすぐにありったけの魔力を使い、光速とまではいかないが凄まじい速さで走った。
「酷い目に遭った…」
「全くです…」
この悪魔の情報を報告すれば情報料は貰えそうだ。
「じゃあ、今日は悪魔の報告をして終わりね。今度はしっかり準備してから行かないと…」
<1週間後>
ギルドがやたら騒がしいことに気づいた。
「何?遠足か?おかしは300エリスまでだぞ」
「私にケンカを売る気なら買おうじゃないか…全然違いますよ…」
「すまん、ふざけただけだ。集団討伐だっけか?」
どうやらあの悪魔を集団で討伐することになったらしい。
俺達が悪魔の報告をしたらすぐ森へは入れなくなった。
「まぁ、大人しく雑魚を狩り続けるなんて出来ないよな…」
「クエストも減りつつあって大変だったし…」
某ゲームで言うならはぐメタを狩れなくなったみたいなものである。
それに数少ないクエストの奪い合いで更に大変な事態になった。
このことに見かねて集団討伐になったのだろう。
「ユウヤは最近冒険者になったと聞きます。いいことを教えましょう。集団討伐では最後尾についていくだけで特に何もしなくてもお金が貰えるのです。」
せっこ。寄生すんなし。だが金が貰えるならとりあえず行っておくか。
「ユウヤさん!チャンスです!ここで活躍すればきっと色々なパーティーからスカウトされますよ!」
確かにそうだ。こういった場で実力を見せれば知名度も一気に上がるだろう。
「それに今回は魔剣を引っ提げたソードマスターがいるらしいですよ。」
あっ、そいつってもしかして…
「御剣響夜です。よろしくお願いします。」
やっぱ来たよ。チート日本人…こいつが最強戦力か。
「ミツルギさんが来た!これで勝てる!」
「悪魔だろうと楽勝だぜ!」
おいバカ、誰だ今言ったやつら。
「悪魔がなんだ!エリス教のクルセイダーであるこの私がぶっ殺してやる!」
ぶっ殺すとか相変わらずここの方々は物騒ですね…
「今回はウチの精鋭3グループには最前線に立っていただきます。」
ギルドのお姉さんは急にそんなことを言い始めた。3グループ?俺の記憶が正しいなら最前線に立つのは魔剣持ちのミツルギ一行とアクセル上位の大剣使いレックス一行の2グループだったはずだ。だったら残り1つは?
「コミナトユウヤさん、ゆんゆんさん、貴方方もお願いしますね。」
「え!?」
最後まで閲覧していただき、ありがとうございます。
今回は少し長かったでしょうか?
長いようなら次回からはいつも通り短くまとめます。
次回は集団で討伐しに行きます!
次回も見ていただけると嬉しいです。
レックスの職業と武器を間違えていたので修正槍は仲間でした。
今後はこのような大きなミスはないようにします。