このぼっち青年に冒険を!   作:100¥ライター

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6話 課金すれば悪魔に勝てると思った?

話を聞けばここにいるプリーストなどに頼んでも完治するのには少し時間がかかるらしい。それにプリースト達も魔力はとっくに切れていて、俺が治るのはかなり先になるとか。だがあの悪魔にもかなりの傷を負わせた。これをチャンスと判断して、もしゆんゆんとめぐみんが討伐しに行くなんて事態になれば危ない。

 

 

本来ならレックス一行とゆんゆん達があの悪魔を倒しに行っていたが、肝心なレックスは重傷のため、行くことは出来ない。俺はあまり気乗りしないが切り札を使うことにした。

 

 

「やっと見つけた。」

 

 

フラフラになりながらもなんとか見つけた。

 

 

「え?あんた誰?どうしたの?そんな重傷で…」

 

 

「貴方、アークプリーストですよね?俺の傷を治してください。」

 

 

そう、アクアに治してもらうことにした。アクアはアークプリーストとしては申し分ないどころか超優秀なのである。

 

 

「いや、悪いんだけどちょっと私も忙しー」

 

 

「治療代払います。」

 

 

「乗ったわ。私に任せなさい。その程度の怪我、すぐに治してあげる。」

 

 

治療代と言って、俺は高い酒を出した。誤解される可能性があるので言っておくがこの世界は酒やビールを買うのに規制というのはあまりない。幼い少年少女だとしたらさすがに無理があるが、ある程度の歳になれば普通に買える。18歳だろうと問題はない。20歳未満の人は酒が飲めない日本にいたこともあり、飲もうとは思わないが。

 

 

「さぁて、本当に治してあげたらそのお酒を貰ってもいいのよね?」

 

 

「はい。お願いします。」

 

 

「じゃ、早速やっていくわよ!ヒール!」

 

 

さすがアークプリーストの回復魔法は凄まじい。全身の傷があっという間に癒えていく。

 

 

 

 

「…っと、これで完璧よ!」

 

 

3分と経たないうちに傷は全てなくなってしまった。リザイレクションが使えることといい、相変わらずそのスペックはチート神器に匹敵する。

 

 

 

「すまん、ありがとうな…」

 

 

「いいのよ、これくらい!さぁ、頑張りなさい。」

 

 

その不意打ちの笑顔はズルいです。お酒を貰って上機嫌なのだろうが常にこの調子だったらもうちょい信者も増えるだろうに…何だか勿体無いような…俺は魔力を少しでも多く回復させるためにも急いで宿屋へ戻った。

 

 

「おい、駄女神。その酒はどうやって手に入れたんだ?」

 

 

「へへーん!これはね…今すぐこの怪我を治してくれ!って私に頼んで来た人が治したお礼にくれたの!あ、カズマにはあげないわよ?何てったってこれは私がー」

 

 

「返して来いよ!治療代をせしめんな!他のやつらはボランティアでやってるのを見たぞ!」

 

 

「嫌よ!日本でもあるでしょ!?有名なマッサージ師と普通のマッサージ師じゃ代金が違うとか!それよ、それ!私のヒールにはそれだけの価値があるってことよ!分かったらカズマも私に酒瓶の1つくらい献上し…分かったわ、取引きをしましょう。1杯だけ飲ませてあげるから!やめて!私のお酒を返しに行かないでよー!!」

 

 

この後アクアがカズマに取られる前に一気に飲んでしまったらしいがそれはまた別の話である。

 

 

<ゆんゆんside>

 

 

「大量のアイテムがあればあの悪魔にも勝てます!」

 

 

私の親友は突拍子もなくそんなことを言い出した。

 

 

「は、はぁ…」

 

 

「文明の利器というやつですよ!この世界にはモンスターを効率良く狩るためのアイテムが沢山あります!それらを駆使すれば!」

 

 

「で、でもそんなお金ないよ?」

 

 

私がユウヤさんと組んだのは比較的最近の話だったし、割と生活費に回したことや最近高報酬のクエストをあまり受けられなかったこともあり、アイテムを買うお金はなくはないがあんな悪魔を倒す程大量には買えない。

 

 

「それに第一ユウヤさんはあの時の重傷で今は戦えないし!」

 

 

あの悪魔との戦いでユウヤさんは重傷を負ってしまった。あの状態では街のプリーストに治療してもらってもすぐには戦えないだろう。

 

 

「要りませんよ!私の爆裂魔法があれば一撃です!姿隠しの巻き物だとかそれをサポートするアイテムがあれば…」

 

 

「だからそれを買うお金もないって言ってるでしょ!」

 

 

それらのアイテムは比較的高めである。特に魔法使い関連のアイテムだと主に紅魔の里で作られたものが性能の高さもあり、広く出回っている。それらのアイテムは里から仕入れているためやはり里で買うより値段は高くなってしまう。私はまだテレポートを習得していないので里へ戻って買うことは出来ない。

 

 

「だったらユウヤからお金を貰いに行けばいいでしょう!そのけしからんおっぱいは飾りですか!?それを使ってユウヤを落としに行けばいいじゃないですか!」

 

 

「や、やめてぇ!胸を揉まないで!ユウヤさんとはそんな関係じゃないし、そういう手段でお金を稼ぐのは良くないと思ー」

 

 

「ん?何してんの?」

 

 

ユ、ユウヤさん!?重傷のはずじゃ…!

 

 

<ユウヤside>

 

 

あれ?なんか幽霊を見たかのようになってね?あ、回復してもらったこと言ってなかったか。

 

 

「ユウヤ!?あの戦いでやられたはずじゃ…」

 

 

「あるプリーストに回復させてもらった。もう動ける。」

 

 

「これで金ヅルは確保しました。さぁ、アイテムの確保です。」

 

 

人を金ヅル呼ばわりすんじゃねぇ。

 

 

「金って言ってもせいぜい五百万エリスしかないが」

 

 

「…倍はあると思ったのに…使えないですね」

 

 

おいコラ、聞こえてんぞ。だが五百万で足りないと判断するのは悔しいが妥当ではある。

 

 

「いいです。私が稼いできます。切りたくなかった切り札を切ってきます。」

 

 

そう言ってめぐみんは何処かへ行ってしまった。

 

 

「ねぇ、ユウヤさん…もしかしてめぐみんは…」

 

 

「尾行してみるか…」

 

 

正しい未来ならめぐみんは仲のいい(?)アクシズ教のプリーストであるセシリーから一千万エリスを貰う予定だが…万が一の可能性が頭をよぎってしまい、胸騒ぎがしてきた。何も無ければ良いのだが…

 

 

今更だが潜伏スキルとは自分と自分が触れている仲間にかかるスキルで気配を断つスキルである。このスキルを使用して隠れていれば基本的には見つからない。ただし、完璧なスキルではないのでかなり一生懸命探せば見つけることは不可能ではないし、予め場所を知られている場合は意味を成さない。

だが、この場合めぐみんも一切警戒していないと思うので大丈夫…だと思う。

 

 

「怪しいやつと話をし始めたら奇襲する。いいな?」

 

 

「はい!」

 

 

尾行は基本的に相手の足元を見て、後を追うのがセオリーだがこの世界にはせっかく潜伏スキルがあるので俺達は近くの壁や樽などの障害物を盾に隠れながら、めぐみんの後をつけ始めた。ふと思ったが異世界ではストーカー規制法とかあるのだろうか。

 

 

そんなことを考えているとめぐみんは俺達も泊まっている宿屋へと入った。

 

 

「はわわわわ…めぐみん…本当に…」

 

 

「落ち着くんだ、ゆんゆん。まだ決まったわけじゃない。もし引き止めるにせよ、まだ後だ。」

 

 

セシリーがいる宿屋はここで合っている…合っているのだが…まだ最悪のケースの可能性が0になったわけではない。こんなことなら予めその隣の部屋を取れば良かったか。今更ifの話をしても仕方ないが。

 

 

「めぐみんが入った。俺達も入るぞ。」

 

 

「は、はい。」

 

 

さて、中へ潜入。めぐみんにバレないように距離的余裕を持って接近。本当はかなりいけないことだがめぐみんが入った部屋のドアから聞き耳を立ててみた。

 

 

話を聞く限りめぐみんがかつて約束した、悪魔を倒したら一千万エリス…という約束のお金を前借りに来たというもので間違いはない。

 

 

「問題はない。めぐみんはちゃんとセシリーから一千万エリスを貰った。」

 

 

「ふぅ…良かった。」

 

 

「急いで退散するか…」

 

 

 

早速ゆんゆんは一千万エリスで必要だと思うアイテムを全て買っていくことになった。俺とめぐみんは悪魔狩りを手伝ってくれる仲間を探している。

 

 

ー数十分後

 

 

「結局仲間は無理だった。当たり前だがみんなやる気が削がれてる。」

 

 

俺が候補にしていた二人組もギルドにはいなかった。

 

 

「そうですか…でもアイテムは沢山買えましたよ!」

 

 

「あっ、姿隠しの巻き物!あったんですね!ありがとうございます、ゆんゆん!」

 

 

「他にもマジックポーションとか!これなんか格安で売ってくれたんですよ!ユウヤさん!」

 

 

あれ?このマジックポーションってなんか嫌な予感しかしない…何だっけ…思い出せ思い出せ…あれは格安で売りでもしないと売れない品だ…絶対に理由がある…

 

 

「これできっと勝てますよ!」

 

 

「あ、あぁ…」

 

 

「では、今日はもう明日に備えて休みましょうか。」

 

 

 

「…ヤさん、ユウヤさん…」

 

 

こんな真夜中に誰だろうか。鍵は閉めたはずなのに誰かが近くで俺を呼んでいる。

 

 

 

「ゆんゆんか…は!?何でー」

 

 

何でここにいるんだ…と、言い切る前に彼女に口を塞がれた。

 

 

「静かにしてください。ユウヤさん、貴方にお願いがあります。」

 

 

待て。落ち着くんだ。裕也童貞十八歳。期待するな。これはきっと。

 

 

「明日のあの悪魔の討伐。私と二人だけで行ってくれませんか?」

 

 

やはりそうか。でもちょっとだけ期待しちゃった俺を殴りたい。

 

 

「今からめぐみんの部屋に行くのでついて行ってください。」

 

 

「お、おう。」

 

 

ゆんゆんの言われるままにめぐみんの部屋に行くとゆんゆんはある魔法を小声で唱えた

 

 

「『アンロック』…」

 

 

そう唱えた途端に鍵がかかった扉はあっさりと開いてしまった。これで俺の部屋に入ったのか。俺も解錠スキルとか早めに取るべきなのだろうか。

 

 

<ゆんゆんside>

 

 

「めぐみん、寝てるよね?」

 

 

決断は済ませた。覚悟は出来ている。あとはめぐみんがついてこないようにより深く眠らせるだけだ。その前に少しだけ自分の気持ちを整理するために独り言を言うことにした。

 

 

「めぐみん…めぐみんは凄いよ…あんな悪魔相手に逃げずに立ち向かうなんて…私じゃそんなこと到底出来ないと思う…」

 

 

「爆裂魔法1つで今まで色々な強敵と渡ってきためぐみんはとてもかっこいいよ…でも…本当は姿隠しの魔法で隠れてもあれだけ大量の魔力を放出したらバレることくらい首席だったし分かっているよね?」

 

 

「いくら何でも全く勝ち筋がない戦いに私の一番の友達を行かせることは出来ない。私なら大丈夫だから…ユウヤさんと一緒に戦ってくるね。」

 

 

「許してね、めぐみん。めぐみんは私が守るね。」

 

 

「『スリープ』…」

 

 

<ユウヤside>

 

 

「全ては終わりました。あれ?ユウヤさん?」

 

 

「すまないな、少し大事な話っぽかったんで席を外した。」

 

 

あれは流石に場違いだった気がしたので俺は失礼した。それくらいはマナーだと思う。

 

 

「そうですか。では、行きます。一緒にあの悪魔を倒しましょう。」




ついにアクアの登場です!
長かった…これでも結構飛ばしたのにスピンオフ3巻の時系列から始めてやっと1巻へ行こうとしています…
次回で上位悪魔ホーストとの戦いに決着!
それでは、最後まで閲覧していただき、ありがとうございました!
次回も見てくれると嬉しいです。
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