異聞 艦隊これくしょん~艦これ~ 横鎮近衛艦隊奮戦録   作:フリードリヒ提督

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 朝の方はおはようございます、昼の方はこんにちわ、夜の方はこんばんわ、初めての方は初めまして。
 フリードリヒと申します。
 エブリスタにてDMMゲーム「艦隊コレクション~艦これ~」の2次創作たる本作を書いていた者です。今回執筆環境をこちらに移転し、執筆を続行させて頂く事にしました、宜しくお願いします。
 一応公式などの小ネタはある程度調べて使いつつ、独自の世界観やこれまで書いてきた事で培った独自のタッチ、下手するとキャラ崩壊もありますが、自分なりに自分が歩んできた私の艦これプレイの歴史を、ビックバン級の勢いで拡大してお届けしようと思っています。
 モノとしてはそうですね・・・近未来を舞台とし、艦これを叩き台にした、艦娘達が主役の『仮想戦記』と言う方が正しいです。
はっきりと言えば、ありふれた艦これ二次創作とは一線を画す―――とまでは言い過ぎかもしれませんが、気持ちだけは、それ位のつもりで書かせて頂くつもりです。
 艦これを知らない方には余りよく分からない内容になってしまいますので、艦これを知っていて、なおかつキャラの名前で脳内補完できる方のみ読んで頂ければ幸いです。
またこの作品では戦略的見地や戦術面の描写など、艦これのゲーム内では描かれない部分も取り扱います。出来る限り分かりやすく書くつもりではいますが、もしかすると分かりにくい部分もあるかも知れません、ごめんなさいm(__)m
 まぁ取り敢えず、そろそろ本編が読みたい方もいらっしゃると思うので、早速始めましょう。
私が思い描く艦これワールドを、楽しんで頂ければ幸いです。

注意

※大前提! この小説は作者が書くときの気分とその時即興で思いついたアイデアで構成されることが多々あります。

 この作品では、過激な表現や、残酷な表現が含まれる部分があります。
 この作品ではキャラのセリフを台本形式でお届けしております。ナレーティングに於いて「と、そこへ○○がこう言った。」と言った様な表記は多々ありますが、誰が何を話しているかを明瞭にする為(また作者の記憶を正確にする為)の措置であります。苦手な方はご了承ください。
 この作品ではキャラ崩壊の可能性が少なからず存在します。また、キャラの喋り方など、独自解釈が含まれる部分も少なからず存在します。
 作者は公式設定を最初から度外視しています。公式4コマも艦これ書籍も目を通したことは一度もありませんので、公式ネタなどにも基本疎いです。
 二次創作である事は勿論ですが、艦これとは姿と名前と体裁が同じの別物と考えて頂ければ幸いです。作者自身も艦これその物とは一線を引いて書いていますのでご承知おきください。
なお、コメントでの論争その他荒れる原因となるコメント投稿に関しては御自重願います。なお文中へのご指摘に関しましては即時対応致しますので、品質改良に御協力頂ければ幸いです。
 また艦娘登場の基準を独自に設けていますので『この艦娘を出して!』と言うリクエストはスルーの方向で行きますのでご注意下さい。(ただしこれはコラボなどを拒絶するものではありません。むしろ歓迎する方向で行きますのでご一報下されば対応させて頂きます。)
 最後に、この小説の文中内にある全ての内容は、現実の国家・団体・企業・宗教法人その他一切を誹謗する物ではありません。

以上の注意を反芻してまた飲み込む位読んで3回繰り返してしっかり頭に叩き込んだ方のみお進みください。

2015年3月9日 作者 フリードリヒ


プロローグ

かつて・・・この世界は危機に満ちていた・・・。

 

遡ること50余年前、突如として海底より出現した謎の存在。

 

人間たちによって『深海棲艦(しんかいせいかん)』と呼ばれたそれによって、既存の艦艇は、鉄屑と化した。

 

深海棲艦は人間たちの居住する沿岸を攻撃し、船舶を沈め始めた。その有様は余りにも“無邪気”で、“利己的”であった。

 

世界の人々がその時、国境と言う垣根を越えて団結していれば、彼らに勝利の可能性は残っていた。

 

―――――しかし、彼らはそれをしなかった。

 

 最初に出現したのはベーリング海中心部、この海域に近接する国家はアメリカとロシアであった。互いに大国でありながら、それ故に対立していたこの二国は、互いに自国の面子を保つことに固執し、独力を以ってこれを排除しようとした。しかし、これがこの戦いで最初にして最大の、“間違い”であった。

両国がその総力を結集した攻撃は、両国共に五次に渡り行われ全て失敗、終わって見れば、投入された戦力の内、損失率が実に8割に上ると言う惨敗を喫した。

 

 この報に接した世界各国は驚愕した。どの国家も初めは「超大国であるアメリカとロシアが行くなら」と安心しきっていたのだ。しかしそれが為す術も無く潰滅したのであれば無理もない。

 

 そして次に出現したのは大西洋の欧州側、ポルトガル西方700kmの海域であった。

この時ばかりはどの国家もその面子をかなぐり捨て、EUとアメリカ、南米諸国にアフリカ諸国は大連合を組んで総攻撃に臨んだ。

 

 しかし、人類軍にとってみれば全く以て不可解な生態を持つ、深海棲艦の変幻自在の猛攻を前に彼らは尽く敗走し、人類は深海棲艦に対し抵抗する力を失った。

人類はこの二度の、殆ど致命的とも言える敗北によって、西太平洋の一隅を除く全海洋の制海権を喪失、それは川すら遡り湖であろうと同様であった。

 

 だが人間達のその諦めの悪いことは、いつの時代でも同じであった。

人類は残された陸上兵力と、僅かに残存した海軍戦力を結集して決死の反攻作戦を全世界で敢行し、全湖畔と河川から、深海棲艦を放逐する事に成功した。如何に強力無比な深海棲艦と言えども、地上と言う地の利を得た人類を前にしては、太刀打ちする事は難しかったのである。

しかしその代償として、世界各地で戦禍に呑まれた人類総人口は3割の減少をきたし、更に世界的な荒廃に見舞われたことによって完全に余力を失った人類に、それ以上の攻勢を仕掛ける事は叶わなかった。

 その結果大戦果にも拘らずその後人類は守勢に立たされ、彼らがなんとかしてこの状況を打破しない限り、最終的に全人類が死に絶え滅び去ってしまうという現実が、生き残った者達の前に突き付けられたのだ。

 

しかし天は我々人類に、深海棲艦という試練を与えたとはいえ、決して人類を見捨てなかった。

 

 

 2050年前後から人類の前に救世主のように現れたのが、かつて東洋の新興国であった『大日本帝国』が生み出した艦艇の魂を受け継ぐ存在、『艦娘(かんむす)』であった。

 

 彼らは人類がどれだけ研究しても掴む事の出来なかった、深海棲艦への完全な対抗策と、それを倒すに足る力を持っていた。

彼女らの集まった日本国、その政府は、自らが辛うじて固持した日本領海の制海権を駆使し、幸運にも自衛戦闘を継続し得たアジア諸国の支援と協力を求めた。

政府は同時にそれら艦娘を指揮する、既存の軍からは独立した軍事組織『大本営』を防衛大臣直轄の元設立し、その下に直接指揮を執る『鎮守府』を設置、鎮守府が統括する『艦隊司令部』を多数設け、指揮官として後に『提督』と呼ばれる者達を民間より大量雇用した。

 

 2052年、こうして人類にとって2度目となる、深海棲艦との本格的戦闘が始まった。序盤こそ、圧倒的に物量と経験で勝る深海棲艦の勢い凄まじく、被害に比して得る所少なく、人類側にもかなりの被害が出た。

だが徐々にその勢力と実態が明らかとなるにつれて、艦娘艦隊は形勢を逆転、徐々に深海棲艦側から意志と良識を持つ者が人間側に与したことによって、敵対的深海棲艦はその数を減らし、最初の交戦から19年、最後の棲地(せいち)、北極棲地への総攻撃によって、敵対的深海棲艦は全滅した。

 

残った友好的深海棲艦の勢力は人類側との共存の道を採り、戦争は終結した。

 

そう、それがちょうど、三十数年前であった。

 

 

 

しかし、この本を取った皆さんはご存知であろうか。

 

この一連の戦争の陰で暗躍していた艦隊があったことを・・・。

 

一司令部であるにも拘らずその設備と技術、権限や単純な実力すら鎮守府に匹敵した裏の実力者達。

 

であるにも拘らず表舞台に出ることは無く、ただひたすら陰で暗躍し、深海棲艦を撃滅して行った艦隊があったことを・・・。

 

長い間自衛軍の最高機密として固くその存在を秘匿され続け、大本営の艦籍名簿・・・いや、裏艦籍簿(ブラックボックス)として記された彼女達とそれを指揮した4人の提督達。

 

今回この本を記した私はその存在を知ってから5年に渡る交渉の末、その極秘情報の一つを掴む事が出来た。

 

元政府閣僚のある方の許可を得た私は、その方の根回しを得て、この記録を、いや、正しくは『伝記』と呼ぶべきか、その取材と執筆を始め、今日皆様にお目にかかる事と相成ったという次第である。

 

出来ればこの本が世の中の人々の目に触れ、この事実を、伝説と呼ぶに相応しいこの艦隊の活躍の事実を、世間一般の人達に知ってもらい、また信じて貰いたいと、そう願っている。

 

数多の棲地を屠り、数多の超兵器級深海棲艦を海の藻屑と化した、彼と、彼女達の艦隊、その名は『横須賀鎮守府付属近衛第4艦隊』。

 

それを指揮した男の名は―――――『紀伊 直人』

 

 

この作品は、紀伊直人の遺した記録と、彼とその身辺への取材、そして極秘であった艦隊の活動記録を元に、彼の軌跡を辿る物語である。

 

 

――――これは、一つの英雄譚であり、伝説である。

 

それは、人一人が歩むには余りにも長く、遠い運命の道。しかしながらそれを、数多の艦娘達と共に踏み越えた、一人の男の物語。

 

全てを守ろうとし、しかして守り切れず、全てを救おうとし、しかして果たせず、その一切が、歴史の闇へと葬り去られ知られる事のない筈だった、一人の男の伝説的な――――しかし悲しき英雄譚である。

 

 

長きに渡るこのお話は2052年4月、艦娘が出現を始めた2年後から始まる。


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