異聞 艦隊これくしょん~艦これ~ 横鎮近衛艦隊奮戦録   作:フリードリヒ提督

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どうもおはようこんちわこんばんわ。天の声です。

青葉「どもー恐縮です、青葉です!」

サンベルナルディノの悲劇、如何でしたでしょうか。今まで書いたことのない尺の戦闘パートを書き上げてしまい書いた本人も困惑しておるようですwww

青葉「あらまー。」

まぁ駄作者の事は置いといてですね。

青葉「駄作者言いますか・・・。」

いいのいいの。

作者(よくねぇわ馬鹿野郎。)

今回はウラズィーミルの補足と補給についてです。

まずはウラズィーミルから。

第5章におけるウラズィーミルの解説に、「爆発で霧状に散布されその最高温度は、この爆薬の最高濃度半径で、一瞬だけとはいえ数千万℃に到達し」と言う説明がありますが、この爆発時の温度はこれだけ高い温度であるだけにこれを叩き出せるか否かは大気条件に依ります。

主に次の3点がその条件ですね。
1.大気の湿度
2.風の温度
3.天候

湿度8%未満・気流の温度16℃未満・雲一つない晴天、これを満たす事が出来れば到達の「可能性はあります」。大抵の場合は1200万℃がせいぜいですので。

ウラズィーミルに使用されるサーモバリック爆薬「G326」の欠点として、燃料気化爆弾とサーモバリック爆薬の合いの子である事から重量がかさみ、また爆薬を混合して貯蔵/充填できない為さらに重量が増すという悪循環がある。

また本来こういった燃料気化爆弾やサーモバリック爆薬は、装甲物を破壊することが非常に困難な事も欠点として挙げられる。

これはごく単純な話で、固形爆弾は爆圧(爆発した時の圧力)と衝撃で装甲物を破壊することが可能であるのに対し、気化爆弾は純粋に爆圧だけで敵を屠る為、装甲物相手では固形爆弾に比べ衝撃が不足していることが原因である。衝撃波と衝撃は別物であると御理解頂きたい。

ならなぜ深海棲艦に通じるか? 生き物だからだよ。

湾岸戦争の折、燃料気化弾が砂漠に潜むイラク軍に対して使用された事があるそうで、その際塹壕や戦車内にいたイラク軍兵士は、気化爆弾の巨大火球によって蒸焼き/焼死体にされるか衝撃波で目立った外傷なしに圧死した。深海棲艦にしたって限定的な装甲を持ってるからって所詮生き物だからね、仕方ないね。(現実は残酷である。)

青葉「・・・米軍えげつない。」

全く以て同意。あと燃料気化爆弾の場合使われる材料ってか燃料は酸化エチレンや酸化プロピレン、これ、当然人体に影響を及ぼす毒なので燃え残りが地面に散布されるだけでも相当にヤバイ。それでも広域地雷原除去にアメリカ軍はホイホイ使うそうです。

青葉「米帝パネェ。」

曰く「最も効率が良い」だそうです。(ウィキより)

青葉「アカンこれ。」

うむ。まぁこんなとこですかね、若干脇道へ逸れましたが。次は補給に行きましょう。

青葉「まぁ、想像には難くないかと。」

せやな。はっきり言おう。メシだメシ。アニメの設定通りとはちと悔しいがな、2次創作の大半はこんな様な設定だし致し方なし。

青葉「鳳翔さんの料理や間宮さんの作るスイーツは絶品です!」

さいですか、それは何よりなんじゃないですかね? まぁこれで大抵の設定についてはおおかたやったのだが、まだなんかあったかな? 次章からはこの世界の設定に移る予定だが、艦これのシステムでまだ説明してないんじゃないかと思うものがあれば教えてほしいと思うんだぜ。

青葉「それだっ! と思ったものは章の初めでまた解説するとのことです!」

青葉「章の初めの所でコメ返しもしたいんだそうです、ご協力して頂けると作者さんが喜ぶと思います!」

それじゃぁ本編、行ってみましょう。

青葉「10章、スタートです!」


第10章~北マリアナ方面殲滅作戦参加命令~

~あらすじ~

 

 大本営からの極秘命令により、フィリピン方面の敵艦隊掃滅に向かった横鎮近衛艦隊と紀伊直人。そこで待ち受けていたのは、膨大な数の敵艦隊と、超兵器戦艦「播磨」のクローンと、量産型超兵器級深海棲艦「レ」級であった。

敵艦隊の不意打ちで雪風が、レ級に赤城が、そして播磨の凶弾に飛龍が斃れる中で、サンベルナルディノ海峡から撤退を開始した彼女達は、大損害を被りつつも誰一人欠くことなく敵を振り切ると言う奇跡を成し遂げた。

 アパリ沖まで逃げおおせた彼女らを追う形で襲い掛からんとする播磨と無数の深海棲艦、迫りくる黒き波濤を前に、直人は一人殿として残り敵を食い止める事を決意し、彼女らの元へ必ず帰る事を約して播磨と交戦する。

 直人が播磨に止めを刺さんとしたその時、降り注ぐ播磨の凶弾によって、彼はその戦闘力の過半を削がれ、彼の命脈も断たれたかに見えた。しかしそこへ馳せ参じた摩耶と夕立によって命を繋がれた彼は、残された主砲で播磨を撃ち抜き、打倒する事に成功した。

傷付きながら生き永らえ、摩耶に肩を借り帰途に就く直人。司令部に帰り着いた彼は、乗せられた担架の上で気を失い、そのまま技術局の病棟に運び込まれたのであった。

 

 

 

 

5月6日(月)11時03分 技術局・病室

 

 

ピッ、ピッ、ピッ・・・

 

 

金剛「・・・。」

 

病室の一つで、不安そうな顔で見守る金剛、その病室のベッドには金剛達を率いるべき提督―――紀伊直人元帥―――が横たえられていた。

 

提督は未だ目覚めてはいなかった。金剛が付きっきりであったが、気を失ったまま目覚めない状況が続いていた。

 

提督が気絶した後、妖精さんによる手術で骨折や内臓損傷は治療することに成功していたが、意識が回復しない。

 

術後経過の良し悪しは当人の回復力によるところもある。

 

だが意識喪失状態では食事が出来ず、食事が出来なければ回復力が低下し、治癒速度が低下する。しかし食事が出来なければ回復力も戻らぬし、そうなれば回復力は低下の一方という悪循環に陥る。

 

その最後に待つのは『死』である・・・。

 

金剛「提督・・・起きて下サーイ・・・皆が・・・待ってますヨ・・・。」

 

金剛がそっと呼びかける。

 

金剛「デートにも連れて行ってくれないまま、私を置いてヴァルハラに行ったら・・・許しませんから・・・。」

 

 

・ ・ ・

 

 

・ ・

 

 

 

 

提督「う・・・どこだ、ここは。暗い・・・。」

 

気付くと彼は、全周暗黒の謎の空間に立っていた。

 

「お目覚めか、紀伊。」

 

提督「っ!? 誰だ!」

 

突然聞こえる謎の声、しかし姿は見えない。

 

ヴィンテル「私の名は、フィンブルヴィンテル。」

 

提督「フィンブルヴィンテル? 原初の超兵器―――?」

 

ヴィンテル「よく知っているな。」

 

フィンブルヴィンテル、第2次大戦の折、ドイツ第3帝国が繰り出そうとした最終超兵器であり、超古代文明が遺した唯一の超兵器。かつて人々の意に背き、超古代文明があったとされる北極大陸を丸ごと消し去って眠りについたと、とある文献は告げる存在。

 

提督「ここはどこだ。私は皆の元へ帰らなければならない。」

 

ヴィンテル「ここは私の精神界、そなたの体を離れた意識を呼び出している。」

 

提督「無粋な真似をする―――で? その原初の超兵器・・・“マスターシップ”が俺になんの用だ。」

 

ヴィンテル「力が・・・欲しくはないか?」

 

提督「!!」

 

その言葉に直人は息を呑む。

 

ヴィンテル「そなたの艤装は壊れたまま、直すのには時間が掛かるだろう。ならば今ここで、そなたの新しい力を手に入れてみないか? 全てを滅ぼす、究極の力を。」

 

優しい口調で説くフィンブルヴィンテル。

 

提督「・・・。」

 

直人は考える他無かった。

 

フィンブルヴィンテルの力はあらゆる超兵器をも一瞬で葬る事が出来るとされる。そればかりかその主砲、反物質砲は、チャージして放てば大陸を一つ消すだけの力をも有すると言う。モノに出来れば値千金、いや、万金でも済まされない無限の力である。

 

ヴィンテル「さぁ、どうする?」

 

提督「・・・断る!」

 

ヴィンテル「!!」

 

直人ははっきりとそう言った。

 

提督「超兵器であるという事は貴様は深海棲艦なのだろう。フィンブルヴィンテルの力は強大だ。であるからこそ、その力は人の身に余りある。私は深海に与するつもりは毛頭ない、あくまで人に与し人々の為に思考し動く。それで尚と言われるのであれば、この身粉砕して後とせよ!!」

 

毅然とした態度でそう告げる直人の目に曇りはない。

 

ヴィンテル「・・・。これだけの時間いると言うのに、侵蝕が跳ね付けられている・・・。」

 

提督「さぁ、現世に返して貰おう。」

 

ヴィンテル「・・・ここは私の内的宇宙、よってそなたに拒否権などないのです。」

 

提督「―――なに?」

 

直人は言葉を継ごうとしたがそれを遮ってフィンブルヴィンテルが突き付けた言葉は痛烈だった。

 

ヴィンテル「播磨と戦い分かった筈だ。模造品相手でも死にかねないと。」

 

提督「―――それは・・・」

 

ヴィンテル「私の全能力を顕現する術を授けよう。使いこなせるかは、そなた次第だ。」

 

提督「何を言って、ぐっ、ぐああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」

 

直人の体に力が流れ込む、苦痛に顔をしかめ膝を突く。

 

ヴィンテル「そなたはいずれ私の元へ辿り着くであろう。その時私を倒せるか否か、それは私と同じ力を持つそなた次第・・・。」

 

提督「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・」

 

再び意識が遠のいていく。

 

 

 

(ピロリーン♪)巨大艤装紀伊のステータスが更新されました。

 

 

 

5月6日 18時37分 技術局・病室

 

 

金剛「・・・。」ウトウト

 

提督「う・・・うう・・・ん?」

 

金剛「んん~・・・?」

 

提督「ここは・・・」ムクリ

 

直人が起き上がる。

 

金剛「ウウ・・・。」ジワァ

 

金剛が涙を滲ませる。

 

提督「・・・ん、金剛?」

 

完璧に寝ぼけている直人。

 

故にこの次の行動を回避できなかった。最もしなかったであろうが。

 

金剛「提督ゥー!!!」ボフッ

 

提督「うおっ!?」

 

直人の首筋に抱き付く金剛、一発で目が覚め「どうしてこうなった」と状況を精査する。

 

提督「こ、金剛・・・。」

 

金剛「よかった・・・目覚めてくれて、よかったデース・・・!!」

 

涙を零しながらすがるように抱き着く金剛、それで状況を把握した。

 

提督「俺は・・・そうか―――ごめん金剛、心配かけて。」ギュッ

 

直人も金剛を抱きしめる。自分がしたことをそっくりされている事を悟ったからだ。

 

金剛「いいんデス。こうして帰って来てくれましたから。」

 

提督「そうだな・・・。」

 

金剛「提督・・・約束通り、紅茶、ご用意しておきますネ?」

 

直人は金剛の両肩を掴んで自分の体から遠ざけさせ、その眼で金剛の瞳を見据えてこう言った。

「・・・あぁ、楽しみだ。」

と。

 

そして、二人の唇は、意図したかのように重ね合わせられた。

互いに互いをむさぼる、長いキスの中で、直人の中で恋愛に対する迷いとか不安とか躊躇いとかそう言ったものが混じった“何か”が完全に吹っ切れた。

 

 

 

 

――――で、

 

 

ここまでくれば皆さんもお察しのあの人が来ています。

 

 

 

青葉「スクープ! スクープですっ!!」カシャカシャカシャカシャ(鼻血タラー

 

局長「アァ、大スクープダナ。マサカコウナルトハ。」ニタニタ

 

まぁ、その、なんだ、そんなこんなでグルってました、青葉と局長。

 

面白ければ何でもいいのかあんたは。

 

青葉「金剛さんも結構大胆、まっ、まさか【長文かつかなり卑猥な表現であるため自主規制】しちゃうのか!? 提督童○卒業してしまうのか!?」ΦωΦフゥー、フゥー

 

なぜか青葉が発情しかけている件。ゴシップの最たるモノを手に入れて興奮しているのか単に目の前の情事に参加したいだけか、後者ならとんだ痴女だがそんな事は無かろう、多分。

 

局長「ン? アイツ童○ダッタノカ?」

 

青葉「恋人いない歴=年齢『だった』そうですから。」

 

『だった』←ここ重要。

 

局長「ホーウ。」

 

如月「そこまでよ? お二人さん♪」

 

青葉&局長「!!!!」

 

二人の肩に手を置きながら言う如月。

 

直人が眠っている間にドロップ判定で着任した艦娘だが、技術局に入って生体研究科統括になった艦娘である。

 

如月「提督の恋路を邪魔する人は、例えあなた達でも許さないわよ?」

 

既にゴールしている気がするが気のせいか?

 

青葉「あ、・・・いや・・・これは、その・・・」

 

局長「フ、二人ヲ、見守ッテイルノデアッテ・・・」

 

如月「カメラ、渡して貰えるかしら・・・?」ゴゴゴゴ・・・

 

青葉「ッ!!!?」

 

表情が笑ってても目が笑ってない如月さん恐るべし。その眼光、戦艦級に付き。

 

局長も如月から見えない所で脂汗をかいていた。

 

青葉「・・・はい・・・。」(´・ω・`)

 

渋々カメラを渡す青葉さん。

 

青葉のゴシップ写真取得戦争第3ラウンド、完全敗北★

 

そして金剛、完全勝利☆

 

青葉(まだだ・・・まだ諦めないわよ・・・。絶対に提督のゴシップ写真を・・・!!)

 

だがこの時青葉は、後に待ち受ける運命を、知る由も無いのである。

 

何はともあれ二人のプライバシーは守られ、二人の熱く濃厚な一夜は、こうして去ったのである・・・。

 

因みに後日談だが、直人と金剛、出来なかったそうです。(何がとは言わない。察してくれ。)

 

まぁ元々艦娘の艤装側でそう言った方向にはリミッターが掛かってて、現役の艦娘とシても自動的に出来ないんだそうです。なおこのリミッター弄れるのは妖精さんだけ、あと退役した場合外してくれるんだそうです、マジか。

 

まぁ現役艦娘が損傷してもいないのに長期間前線に出られないって問題だからね仕方ないね。

 

 

 

5月7日 10時過ぎ

 

 

ほんの3日で肋骨骨折が完治していた直人であったが、病室で“行為”に及んでいた事について、即刻この日の朝見に来た雷&白雪+荒潮の3人に露見する事となったが、心の内にしまう事にしてくれたのでした。3人ともGJ。

 

荒潮「フフフ、昨夜はお楽しみだった様ねぇ♪」

 

提督「!!」ギクリ

 

荒潮「別に秘密にしてあげるけど、腰痛めちゃダメよぉ~?」

 

暗に皮肉られた直人でした。言われてみればと病室の天井の隅を見れば、見事に監視カメラ(技術局独自設置)がありました。バレててもしゃーなし。

 

で、経過観察の名目(実際は局長のデータ収集への強制協力)で病室に監禁されている直人の元に、意外な来訪客があった。

 

 

コンコン

 

 

提督「ん~、誰~?」

 

 

ガラガラ・・・

 

 

土方「私だよ。」

 

提督「ひ、土方海将! し、失礼しました!!」バババッ、ビシッ

 

慌ててベッドから跳ね起き直立で敬礼をする直人。それを思いきり笑い飛ばす土方海将。

 

土方「ハッハッハッハッハッ! それだけ素早く動けるという事は、もう傷はほぼ治ったらしいな。」

 

提督「はっ、おかげさまで。と言うよりどうやら、局長が私のデータを取っているだけのようで、言わば監禁状態ですな。」

 

土方「ハッハッハ! と言う事は完治しているのか、ま、災難だな。」

 

笑って言う土方海将、冗談ではないと言いたげな直人である。

 

土方「ところで、先の作戦では大変だったそうだな。」

 

提督「今一歩のところで、落命するところでしたがね。悪運強く私は元気ですよ。」

 

土方「それについては、ここに来た時大淀から聞いた。摩耶君や夕立君からもだ。」

 

提督「そうでしたか。大本営、いや軍令部も無謀な命令を出してくれるものですよ。」

 

直人がそう言うと土方海将は渋面を作って言った。

 

土方「あれのしている事は旧帝国軍の大本営軍令部と余り変わっておらん。たった一月ばかりで大規模作戦が出来ると思い込んでおるからな。」

 

提督「前線の練度の向上は、上が思っているほど早くはないですからねぇ。ま、義務感に乏しい者が多いからでもあるのでしょう。」

 

土方「確かに、急に徴用して来て、国家の危機だから頑張ってくれと言われたところで義務感は湧くまい。むしろ夢見心地になる。夢から覚め現実を見た時、正気でいられる者が何人いる事やら。」

 

この重大な問題は暫く後になって、現実のものとなって現出する事となるが、それはまだ先の話である。しかもその問題の根幹は、この頃の大本営が無差別的かつ無分別に提督を徴用した事に端を発していただけに、尚のこと性質が悪いと言わざるを得なかった。

 

提督「我々近衛艦隊司令官は、その現実を知る数少ない人材である、ですね?」ニヤリ

 

土方「そういうことだ。しかし、お前も少し明るくなったか?」

 

提督「え、そうですか?」

 

土方「前と比べて遠慮が無くなった。」

 

提督「そうですか? とすると、艦娘達と出会った事で自分の中で何かが変わったのかもしれませんね。」

 

土方「自分が変わる転機になったか、それなら大いに結構だがね。」

 

提督「仮にそうならですけど。ところで、今日はお見舞いに来てくれたんですか?」

 

直人がそう問うが、答えはノーだった。

 

土方「生憎だが違う。君に作戦指令書を届けに来たんだ。」

 

提督「作戦指令、ですか?」

 

土方「そうだ。軍令部からのだ。」

 

提督「また大本営か・・・。いっぺん大本営の連絡官をこっちに派遣してくれ。うちの実情がよく分かるだろうに・・・。」

 

土方「・・・。」(また始まったな、紀伊の上司への愚痴が。)

 

提督「あっ、すみません、つい。」

 

土方「いつもの事だ、気にしとらんよ。」

 

提督「それで、内容は?」

 

土方「あぁ。来る5月16日、艦隊司令部総動員でのハワイ諸島オアフ島にあるパールハーバー棲地に対する奇襲/総攻撃が行われる事が決まった。」

 

提督「なんですって!?」

 

直人は心底から大本営、軍令部を呪っていた。

 

提督「出鱈目だ、無茶苦茶だ! そんな作戦を今この時期に決行しても成算は半々がいい所だと言うのに・・・!!」

 

土方「そう、軍令部もそれは予期している。近衛艦隊への過信は別としてもだ。」

 

その点は覚悟の上なのだろうと直人も悟った。

 

提督「ふむ・・・それで? 我々に何をせよと言うのですか?」

 

嫌々ながら聞いてみる。

 

土方「これは全近衛艦隊へ発令された命令文である事を念頭に入れて聞いてくれ。『各近衛艦隊はその持ちうる最大戦力を投じ、北マリアナ諸島グァム棲地に対する攻撃を敢行すべし。』これが今回の命令書の概要だ。」

 

提督「・・・!!」

 

土方「この命令書は今頃各近衛艦隊司令官に手渡されている所だ。」

 

その当の直人の表情は、怒りを通り越して呆れに変わっていた。

 

提督「海将、摩耶達と話したなら見たでしょう。我々がサマール沖で負った損害の大きさを。飛龍は大怪我をしたってのに、俺までこの様だから見舞いにも行けないんですよ。」

 

そう、飛龍はあの砲撃をモロに受けており、艤装全壊どころかあわや轟沈という所でダメージコントロールが功を奏し、奇跡的に生還しただけであって、雪風の様な幸運にも恵まれていた訳ではなかったのだ。

 

そして彼は―――直人は決して非戦派ではない。深海棲艦は『ある程度その力を削いでおくべき』と考える者の一人だ。その割に削ぐべき力は余りにも大きいのだが。

 

提督「大淀からの報告もつい50分前に聞いたが、損傷を修理する為の資源も補給に費やしたが為に尽きており、補充分を修理に回せば今度は修理ドックのリソースを上回る有様。これでまた前回のような作戦をやれば今度こそ轟沈艦が出ますよ。」

 

鋼材さえ尽きている今の有様では修理などおぼつかぬ事は明らかである。

 

土方「確かに。だが大本営としては正否は問わないそうだ。」

 

提督「何・・・!?」

 

その言葉にこそ、彼は慄然となった。“成否は問わない”、それは事実上4個近衛艦隊合同とは言えど、敵棲地突撃に成否を問わぬと言うのでは、事実上“死ね”と命じる事と同じだ。棲地と言えば敵の重要拠点である、そこへ『近衛艦隊のみによる突入を仕掛けろ、成否は問わぬ』と命じてきた訳である。

 

提督「・・・一つ聞きましょう、各鎮守府長官とお会いになられましたか?」

 

土方「いや、会っとらんが・・・。」

 

提督「・・・成程。つまり艦隊ごと俺を消すつもりなのか。」

 

つまり幹部会は、横鎮近衛艦隊を全滅という形で消すつもりなのだ。いや、むしろ幹部会が直人が負傷したと聞き、直人を消す為に命じてきたものであろう。

 

纏めれば、直人に対し『我らを侮辱した罪を死で贖え』と言ってきたのである。彼がその意図を悟った時、憤怒の炎が胃を焼き尽くそうとちらつき始めたのを、覚えずにはいられなかった。

 

土方「名目上は真珠湾攻撃から敵の目を逸らす陽動とある。成功すれば生死を問わず『真珠湾奇襲攻撃の陰の立役者』、失敗しても同様の評価だろう。」

 

提督「敵陣へ“単身”殴り込む以上、死んでも不思議ではない訳か、クソッ!!」ドン

 

直人が手近な壁を全力で殴りつけた。そうでもしなければ落ち着かなかったのだ。

 

土方「いや、他の近衛艦隊も―――」

 

提督「アンタ騙されてるよ!!」

 

直人の口から憤怒が溢れ出るのに、それ程の時を要しなかった。これまで幹部会の醜悪な意図を何度も垣間見た直人だったが、これはその中でも特級のものだったのである。

 

土方「―――!」

 

突然の口調の変化に土方は驚いた。今まで彼の事を「アンタ」と呼びつけたことは一度も無かったからである。

 

提督「俺を殺すつもりならば、グァム棲地攻撃の成算を上げる様なことはすまいさ、単身突撃して華々しく戦って散れという事だろう!! 牟田口ィ・・・そうはいかんぞ・・・!!」

 

彼の眼は余りに苛烈な憎悪の炎で彩られていた。そしてそれは幹部会、ひいては牟田口個人に対して向けられている事、疑う余地は無かったのである。

 

土方「紀伊君・・・。」

 

提督「―――っ、すみません海将、口調が乱れました・・・。」

 

慌てて非礼を詫びる直人。

 

土方「いや、いい。となればこの命令書は他の司令部にいっていないという事になるな。」

 

提督「―――それについてはご心配なく、私が直々に応援要請を出しておくので。」

 

土方「そうか、では私も密かに手を回しておこう。」

 

提督「それでは土方海将のお立場が・・・」

 

土方「なに、私だってかなりコネはあるんだ、任せておけ。たまには上司を頼ってくれても、いいんじゃないかね?」

 

元上司の気遣いの言葉に、直人は甘える事にした。余り上司の好意を受けると言う事の無い直人だったが、そう言う機会が無い事も熟知している彼なればこそ、その差し伸べられた手を、無碍に払う様な事はしなかった。

 

提督「・・・そうですね、お願いします。後、頼るついでに一つお願いが。」

 

土方「どうした?」

 

提督「紀伊修理用の鋼材を融通して欲しいんです。何とか間に合わせて実戦に出したいので。あと、恐らく16日に攻撃をかけるのでなければ無理でしょう。作戦指令書には12日となっていますが。」

 

たとえ死ねと命ぜられても簡単には死なじ、である。

 

土方「心得た。なるべく万全の態勢で挑んでもらいたい。」

 

そうして土方は直人に命令書を手渡すと、もう2つ3つ話をして病室を出て行った。

 

土方は幹部会のあり方を快く思ってはいなかったが、彼の知らぬ所で同じ幹部会の牟田口や嶋田が暗躍している事は、許せない事でもあった。

 

直人は土方と協力し幹部会を解体しようと目論むが、それはまた後の話である。

 

直人は、どちらかというと警官だとか憲兵隊だとか、そう言った職業に適性がある。つまり彼は、洞察眼や直観力、推理能力が並に比べて何段も、並の刑事の何倍も鋭い。とは言うもののそれは戦略面に於いて、類まれな千里眼じみた秀才ぶりを見せる彼の能力の、ほんの一端に過ぎない。

 

彼はこの時、その裏にある陰謀をも、うっすらであるが洞察していた。それに自分や、水面下にコネクションを多く持つ水戸嶋が“邪魔”となるであろうことも、全て。そうなってくると彼は自らの命以前に、友の命を救う為にも、率先して動かなくてはならなかった。自らの命が失われれば、水戸嶋を守れる者は誰もいない、そう思ったのだ。

 

最も土方海将ある限り杞憂ではあるのだが・・・。

 

提督「全く・・・。」

 

土方海将がいなくなってから、彼はひとりぼやいた。

 

提督「何ともえげつないことをしてくれる。まぁ、せいぜい幹部会の奴らの目論見を粉砕しますかね。」

 

棲地直接攻撃とはつまり、超兵器がいる可能性が高い場所へ自ら突っ込む、自殺に等しい攻撃手段でもある。

 

本来ならば、錬度が未だ低い近衛艦隊を全て集めた所で成功の可能性は低い。

 

幸いというか災いというか、近衛艦隊には巨大擬装が例外無くある。これに加えて紀伊の未知の力もある。これらの要素が、数少ない勝算の一つだった。

 

提督(それにしても妙だ。前回の命令は確かに増援が来たから発せられたものだ。であるなら敵の陣容を書くべきだがそれがなかった。超兵器級の存在はいずれ露見するであろうことだったのに。そもそも超兵器級の情報それ自体がここまで流布されていない、これは情報統制されているとみていい。つまりこれは・・・。)

 

至った結論は至ってシンプルであった。

 

提督「フィリピンにせよ今回にせよ、どちらも言うことは俺に死ねというだけか、幹部会の連中もやることだけは悪辣な・・・。」

 

ならば散々生き残ってやろうと考える直人であった。

 

 

当然傷が殆ど完治しているのに病室に閉じ込められている状況を看過し得ず、強☆権★発☆動で無理やり出てきた直人が真っ先に向かったのは、旧毒嶋艦隊の8人のところであった。

 

向かう先は中央棟の一階、提督仮眠室の真下の仮泊室である。

 

提督「では手続きは完了済みなのだな?」

 

大淀「はい、横須賀鎮守府からの正式辞令も出ています。」

 

提督「・・・まさか俺のハンコ使ったな?」

 

大淀「な、なんのことでしょうか・・・(焦)」

 

提督「・・・フッ。」

 

大淀「な、なんですか?」

 

提督「大淀、あーた嘘が下手なのな。」

 

大淀「ど、どういう・・・」

 

提督「大淀は嘘をつく時目尻がピクピクしてるぞ。」

 

大淀「―――ッ!?」バッ

 

慌てて隠してももう遅い。

 

提督「フフッ、まぁいい。今回は非常事態だったしな。」

 

そういうと直人は仮泊室のドアノブに手をかけた。内側からは話をする声が聞こえてきた。

 

 

ガラガラッ

 

 

提督「よっ!」

 

割と軽いテンションの直人、軽く手を上げながら部屋に入る。

 

皐月「あっ、司令官!」

 

提督「おう、すまん、待たせちまったな。」

 

皐月「いいよ別に。怪我してたんでしょ?」

 

直人はその皐月の反応を聞きとっさに大淀をきつい目で見たが、是正は無理と諦めすぐに戻す。

 

菊月「司令官、改めて三日月を救ってくれた事、感謝する。」

 

提督「なに、提督として当然の義務を果たしたまでのことだ、そちらにも事情があったとはいえ、このような形で転属という事態になってしまった、許せよ。」

 

長月「許すも何も、あの毒嶋とかいう司令官はとことん気に食わない奴だった。むしろ感謝したいくらいだ、だから詫びないでくれ。」

 

提督「そ、そうか・・・。」

 

 

(作者)ここまで提督たる者がぼろくそに言われるのもどうかと思うがなぁ・・・^^;

 

 

三日月「ありがとうございました、司令官。この上はこのご恩をお返しするつもりで、精進させて頂きます。」

 

提督「期待は・・・してよさそうだな。」

 

望月「あー、私はゆっくりできればそれでいいよ~。」

 

多摩「こたつか布団に入っていられればそれでいいにゃ。」

 

提督「それはそれでまた困るんだが・・・。まぁ改めて自己紹介をしておこうか。俺は紀伊直人。階級は元帥だ。」

 

皐月「じゃぁボクも。皐月だよ、よろしくなっ!」

 

菊月「菊月だ。」

 

長月「長月だ、駆逐艦だと思って侮るなよ。」

 

三日月「三日月です。どうぞお手柔らかにお願いします。」

 

望月「んー? あぁ、望月でーす。」

 

文月「あたし、文月っていうの。よろしくぅ~。」

 

球磨「球磨型軽巡洋艦の1番艦、球磨だクマ。よろしくだクマ。」

 

多摩「軽巡、多摩です。猫じゃないにゃ。」

 

提督(なんだか艦隊の空気が激変しそうな気が・・・しないわ十分すぎるほど現状でも濃い・・・。)

 

実際濃い。(現実は非情である。)

 

金剛に扶桑姉妹、新米潰しの一航戦に夕立荒潮如月と、代表格が既に濃すぎる。(作者談)

 

提督「みんな、よろしくな。」

 

八人「よろしくお願いします(にゃorクマ)!」

 

大淀「部屋を割り当てますか?」

 

提督「あぁ、任せる。」

 

そう言って後の処理を大淀に投げた直人は、さっさと執務室に向かうのでした。

 

 

 

午後4時 中央棟2F・提督執務室

 

 

提督「(書類が)意外と少ないな。」

 

金剛「私が出来るだけ処理しておきマシター!」エッヘン

 

提督「それは、すまなかったな・・・。」

 

金剛「これも仕事デース!」

 

 

(ピロリーン)金剛のデスクワークスキルがランクアップしました。

 

 

提督「あぁそうだ、俺が眠っている間に着任した子たちを全員ここに集めてくれ。」

 

金剛「了解デース!」

 

勢い任せに飛び出していった金剛だったが、戻ってくるのに20分を要した。ダメじゃん。

 

 

 

という訳で。

 

 

霧島「初めまして、私霧島です。」

 

大井「重雷装艦、大井です。」

 

時雨「僕は白露型駆逐艦、時雨。これからよろしくね。」

 

電「電です。どうか、よろしくお願いします。」

 

如月「如月と申します。よろしくお願いしますね?」

 

提督「よろしくお願いする。早速だが如月以外の4人には次の作戦に参加してもらう。それも並大抵のものではない危険な作戦だ。まだ練度が低いのは承知の上だが、よろしく頼む。」

 

霧島「あのー、金剛お姉様は参加されるのですか?」

 

提督「金剛は修理が間に合ったし、榛名や比叡は特に大きなダメージを負っていないから、第3戦隊は総出で出撃できるだろう。夕立は無傷だったしな。」

 

時雨「そうみたいだね。」

 

如月「私は技術局に入っちゃったし、作戦には、出られないわねぇ。」

 

提督「勝手に参入しておいて今更何を言う。それに手空きの時だけだからな? 技術局にいていいのは。」

 

如月「うふっ、そうね。」

 

電「あの、響ちゃんや雷ちゃんは大丈夫だったんでしょうか?」

 

提督「雷は残念ながらまだ修理が出来ていない。が、間に合わせるから心配するな。」

 

電「それなら、いいのですが・・・。」

 

不安げな電である。

 

提督「多少強行スケジュールで演習をこなして貰わなければならんのだが、今日はもう休んでいい。明日から、しっかり頑張って貰いたい。」

 

4人「はい!」

 

如月「頑張ってね、電ちゃん?」

 

電「あ、はい。頑張るのです!」

 

提督「よし、その意気だ。頑張れ。」ナデナデ

 

電「んっ、は、はい、頑張るのです。」

 

提督「呼びつけてすまなかったな。今日はもういいぞ。」

 

霧島「では失礼します。」

 

その言葉を最後に5人が執務室を去ると、すれ違って金剛が入って来た。

 

金剛「フフッ、第3戦隊、全員集合デース!」

 

提督「あぁ、おめでとう金剛!」

 

金剛「フフン、私たちの力、存分に見せてあげるデース!」

 

提督「期待して、良いんだな?」

 

金剛「勿論!」

 

提督「では期待させてもらおうか!」

 

金剛「腕がなるのデース!」

 

第3戦隊、士気十分、15日夜半の出撃に向けて万全の備えを整えつつあった。

 

直人も明石に自らの艤装を託し、デスクワークに精励することにしたのであった。

 

明日修理完了だと言う。

 

提督(まぁ、あの力を試しに使う必要もありそうだ。なんにせよ明日帰ってからだな。)

 

そこまで考えてから直人は目の前の仕事を一挙に片付け始めたのだった。

 

 

 

2052年5月8日午前8時 厚木基地駐機場

 

 

つい20数年前に官民共用となった厚木基地には、直人御自慢、というより近衛艦隊司令官の権限全開のあるものが停めてあった。

 

彼の為に突貫作業で仕立てられた機体は、機体後部(水平/垂直尾翼含う)3分の1が赤く、残りは明灰白色で塗られ、斜めになっている色の境目には黄色い稲妻がペイントされていた。

 

左右両翼に1基づつ取り付けられた2基のエンジンは、レシプロのターボプロップエンジン。

 

この機体の名はサーブ340B、近距離用双発旅客機である。

 

提督「土方海将、お手間を取らせてしまいすみませんでした。」

 

土方「なに、別にこのくらい造作もない。というよりこれが私の仕事の一つでもある。水戸嶋は機械いじりが好きだったな。呉鎮司令長官じゃなくて良かったと思っているよ。」

 

提督「確かに、色々作りたがりそうだし、大変でしょうね。」

 

土方「ところで紀伊君、航空機操縦できるのか?」

 

意外そうに土方海将が訊く。

 

提督「実は軽い気持ちでパイロット資格取ってまして。(汗)」

 

土方「ハッハッハ! 5年の間にそんな事があったのか。」

 

色々な事があった直人ではある。

 

提督「海保の上司が融通の利く人でして、給料はやるが仕事はないぞ、なんて冗談を言われてたりしました。」

 

土方「実際のところは?」

 

提督「哨戒艇長です。」

 

土方「成程、あれはつい1年前に出来た新部署らしいな。」

 

提督「それまでは海保の航空機を使えるようにと、その上司にパイロットの養成学校へ行かされまして。」

 

土方「成程な、お前さんも大変だったと見える。」

 

提督「おかげさまで。」

 

二人「ハッハッハッハッハッハッ!!」

 

土方「それにしても廃棄直前の機体を譲り受けるとは、またすごい手段だな。」

 

提督「そんな機体、そんな都合よくないと思ってたら、あるんですし。」

 

実は目の前のサーブ機は、海保で以前使われていたものだったのだが、廃棄される事が決まったその翌日に譲り受けたのだ。

 

大抵の欲しい物は手段を選べば手に入る、近衛艦隊の特権である。

 

提督「ではそろそろ行って参ります。」

 

土方「お前も気を付けてな。広島西も話は付ける。」

 

提督「あとは高速のボートも。」

 

土方「心得ている。お前も、気を付けてな。」

 

提督「はい。それでは。」

 

そうして直人は自分の物となったサーブ機の操縦席に座り、広島西飛行場へと飛んだ。

 

 

 

2052年5月8日午後2時 広島沖洋上

 

 

広島西飛行場は、元は閉鎖されていた空港で、ヘリポート機能のみが残存していたものの、2045年4月10日の本土一斉大空襲によってヘリポート機能を喪失したが飛行場が使用可能であった。

 

しかし、海自や米軍などの軍事施設はあらかた潰されていた為に、残存した飛行場を使って海保が臨時基地として使っている。

 

とはいっても4~6機程度しか駐機されていない閑散とした飛行場に、直人のサーブ機が舞い降りてきていた。

 

 

~機内にて~

 

夕立「ぽい~・・・むにゃむにゃ・・・」

 

時雨「夕立、起きて。」ユサユサ

 

天龍「ったく。なんで俺ら18戦隊が護衛任務なんだ、戦わせろっつの。」

 

龍田「提督をお守りするのも、立派な任務よぉ~?」ニコニコ

 

天龍「チッ、わーってるよ。」プイッ

 

蒼龍「瀬戸内海の景色、なんだか変わったなぁ。」

 

榛名「あれから100年を隔ててますし、仕方無い事じゃないでしょうか?」

 

蒼龍「そうだけどねぇ・・・昔が懐かしいなぁ・・・。」

 

榛名「夏草や 兵共が 夢のあと、平和な日本になって、もう100年なんですね。」

 

蒼龍「私たちの頑張りは、無駄じゃないってことかぁ~。」

 

榛名「そうであればいいんですけど・・・。」

 

電「着任してすぐにこんな事になっちゃうなんて・・・びっくりなのです。」

 

雷「他の鎮守府を見るのも一ついいんじゃないかしら?」

 

電「そ、そうですね・・・。」

 

という訳で1個艦隊艤装付きで御案内。

 

一応約40人は乗れるのだが、シートの数を18席に減らしてもらい、残りを貨物スペースに当てた結果、客室後方は結束バンドで固定された艤装で一杯。

 

なお直人の艤装は予備に取ってあったストライダーフレームの脚部艤装(スマートなほう、普段使ってるのはブロウラーフレーム)だけ。

 

紀伊の装備の損傷が激し過ぎた為、直人の装備はDE2丁(マガシン12)と極光、ワンオフカスタムのヘッケラー&コッホ(H&K)社製自動小銃『G3』(マガシン7)だけ。何とも寂しい。(本来の人間式に立ち返ったとも言う。)

 

このG3も父の形見の一つで、主に弾数と精度に重きを置いたカスタマイズであり、その為か原形を留めている。

 

提督「“え~、まもなく広島西飛行場に着陸しまーす。寝てる奴起きとけー。”」

 

投げやりアナウンスありがとうございますww

 

時雨「ちょっ、夕立起きてってば!」ユサユサユサユサ

 

夕立「ん~・・・ふあぁぁ~・・・時雨ちゃん、おはようっぽいー。」ムニャムニャ

 

時雨「やっと起きた・・・。」

 

ここまで惰眠を貪るんじゃない、年取った犬か。(砲撃ドーン)

 

という訳で広島西飛行場へ到着。

 

海保隊員「お待ちしておりました。整備と補給の方は済ませておきます。ボートも用意が出来ています。」

 

提督「手間をかけたな。」

 

海保「いえ。」

 

提督「よーしお前ら艤装着けて進水しとけー。」

 

お前も進水しろと言ってはいけない。紀伊は極秘の存在だからだ。

 

ということで。

 

ブオオォォンブロロロロロロロロロロロロ・・・

 

提督「野郎のとこまでぶっ飛ばすぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

呉基地沖合 午後2時8分

 

 

提督「あの赤煉瓦(=司令部施設)の場所って確か工作関係の施設の場所だったはずだな・・・。」

 

今回彼らが来た場所は呉鎮近衛艦隊司令部、正式名称を、呉鎮守府付属近衛第2艦隊という。

 

司令部があるのはかつて海上自衛軍呉造修補給所工作部(深海側の大空襲によって壊滅)の施設があった場所で、小さいながら(と言っても1棟だけという意味だが。)高度な設備を誇る造兵廠が付随している。

 

横鎮近衛艦隊の司令部にもある停泊用ドックは、修理用クレーン付きの岸壁という形で付随している。

 

榛名「あれが・・・呉鎮近衛艦隊の司令部なのですね。」

 

 

 

同刻 呉鎮近衛艦隊司令部外周岸壁

 

 

「フッ、来たか。」

 

落ち着き払った雰囲気で言う男。

 

赤城「えぇ、来ましたね。」

 

その隣で矢筒に手をかけているのは赤城。ただ、横鎮近衛艦隊の赤城と比して、矢筒の掛け方、甲板を装備している場所、弓を持っている手などが左右逆である。

 

北上「おーおー、そうそうたる面々だね。」

 

「確かに。だが8隻だけか。」

 

北上「それ、最初から18隻で挑もうとしてる私達が言えるセリフじゃないと思うよ。」

 

「敵が多ければ実力証明、こちらが多ければ蹂躙、ただそれだけの事さ。」

 

北上「えげつないねぇ~。」

 

「それが戦争というもんさ。そうだろう?」

 

赤城「えぇ。戦う以上、情けをかければ負けです。」

 

「そういうことだ。では、お手並み拝見と行こうか。最も、勝てるとは思わないがね。」

 

 

 

時雨「提督。正面に艦娘が。」

 

蒼龍「・・・まって、お出迎えムードではないみたいよ。」

 

時雨「え!?」

 

榛名「・・・確かに。数18、岸壁沿いに2列単横陣に展開、そこから魚鱗陣に再編しつつあります。」

 

提督「レーダーで分かるっけ?」

 

榛名「偵察機です。」^^

 

提督「 い つ の 間 に 。 」

 

ほんとに気付かなかったよ。

 

榛名「何かあるといけないと思いまして。」

 

提督「そうか、だがGJ。」

 

しかし魚鱗陣とはな・・・当たり方に依っちゃ被害がでかいな。ま、簡単に攻略できますが。

 

夕立「・・・演習、っぽい?」

 

提督「そのようだな。」

 

天龍「ヘッ、腕がなるぜ。」ジャキィン

 

龍田「死にたい船は、どこかしら?」ヒュン

 

電「はわっ!? た、戦うのですか!?」

 

雷「演習よ! 早く!」

 

電「は、はいなのですっ!」

 

提督「流石に蒼龍を戦列に組む訳には行かん、蒼龍は俺と後方へ待機して艦載機を。」

 

蒼龍「あくまで進水はしないおつもりなんですね・・・。」

 

提督「俺が絡んだら勝負にならんからだよ。あと揺れが心地いいしな。」

 

蒼龍「あー、はい・・・。」

 

提督「力試しにゃちょうどいいだろ、天龍や夕立にも存分に暴れて貰いたいしさ。」

 

蒼龍(この人って案外頭いいの? それとも逆?)

 

提督「鋒矢陣形成! 最先頭夕立、右翼は雷・龍田、左翼は電と天龍、中央列は順に榛名・時雨・蒼龍と俺の順だ。」

 

鋒矢陣(ほうしじん)というのは、戦国時代に使われていた陸戦陣形の一つで、部隊を矢印状に展開する。

 

この場合は矢印の頂点に夕立、その斜め後ろ左右に電と雷、天龍と龍田が構え、中央の一列に榛名、時雨、蒼龍の順で並ぶ形になる。

 

この鋒矢陣は突破に適した陣形で、関ケ原の合戦に於いて島津軍(兵3千)が敵中突破での退却を図る際に用い、本多忠勝を落馬させ、松平忠吉・井伊直政に傷を負わせ、更に大幅に打ち減らされつつも退却に成功していることからも、その突破性の高さが窺い知れようと言うものである。

 

一方で数の少なさをごまかす効果もあり、その為少数の軍勢が大軍を相手取る場合にも使用される。最も今回の場合その効果は疑問が残るが。

 

榛名「でも確かこの陣形って、陸戦の時の陣形ですよね?」

 

提督「まぁね。だがそりゃあっちも同じことだろうよ。」

 

榛名「そ、そうですね・・・。」

 

さて、一戦始めるとするか。

 

提督「突破!!」

 

7人「はい!」

 

蒼龍「援護します!」

 

提督「頼んだ!」

 

 

 

14時10分、呉基地沖で、極秘艦隊同士の演習が開始された。

 

 

仮想敵編成は以下の通り

赤城加賀龍驤(最後列中央)

 

五十鈴鳥海利根(最後列左翼)

 

妙高足柄羽黒(最後列右翼)

 

那珂電初霜(中段右)

 

川内神通深雪(中段左)

 

時雨北上木曽(先頭)

 

 

 

提督「敵の先陣に砲火を集中させつつ肉薄せよ! 敵雷巡に魚雷を撃つ隙を与えるんじゃないぞ!」

 

夕立「私の出番っぽい!」ザザザザッ

 

魚雷を投擲する夕立を先頭に砲撃が開始される。

 

蒼龍戦闘機隊は、数十倍もの敵に果敢に挑みかかる。

 

提督(蒼龍航空隊は敵の気を引ければ十分、頼むぞ・・・。)

 

電「突撃するのです!」

 

雷「突撃するんだから!」

 

榛名「榛名、全力で参ります!」

 

 

 

「やはり突撃か。よし、左右に分かれろ。」

 

 

赤城「左右に分散、急いで!」

 

旗艦赤城を通じて指示が飛ぶ。

 

北上「分かれてどうするのさ・・・あぁ、なるほどね。」

 

利根「あ奴の指揮に無駄はあるまい。」

 

 

 

提督「左右に分かれるか、よーし、進路を変えて左翼に食らい付け。右翼の敵には魚雷を!」

 

腹の探り合いが始まる。

 

榛名「“はい!”」

 

蒼龍「右翼が回り込んできたらどうするの?」

 

提督「考えてあるさ。」

 

時雨「“なんだか自分を撃つのって、複雑な気分だね。”」

 

提督「だが演習であっちにもいるし仕方ないさ。」

 

相当気楽な交信が為されている様だ・・・流石と言うべきなのか。

 

 

 

呉鎮近衛艦隊左翼に砲火が集中すると同時に、こちらも動きがあった。

 

妙高「“敵がこちらに猛攻を加えてきます!”」

 

「よし、反対側の部隊に側面を突かせろ!」

 

だがただでは済まされない、鋒矢陣の突撃力は甘くない。

 

初霜「“木曽さんと時雨さんに撃沈判定出ました!”」

 

「くっ・・・流石だな。」

 

 

 

夕立「“木曽撃沈っぽい!”」

 

電「“時雨撃沈、なのです!”」

 

その電の手にはアンカーが、まさかとは思うがまぁいい。

 

提督「よし、全艦一時後退、楔を撃ち込んで牽制しろ。」

 

夕立「わ、分かったっぽい!」

 

素直で宜しい。

 

率直に言えばここまでは想定の範疇であった。この陣形と正面衝突を避けるのは当然であるからである。でなければ10分と持たず攻勢が破綻するだろう。

 

蒼龍「航空隊破られました。敵機来ます!」

 

クソッ、分かってはいたがもう抜かれたか。

 

提督「対空戦闘!」

 

 

 

「下がらせるな、この機に乗じて航空隊と共同して突撃!」

 

北上「よーし、やっちゃいましょ!」

 

右翼先頭北上が意気込み、それに連なって各艦が突撃を仕掛ける。

 

赤城「攻撃隊、突撃!」

 

足柄「よぉーし、やっちゃうわよー!!」

 

 

 

提督「まずい、敵艦隊も来るぞ、榛名、三式弾を! 夕立、敵の突出してくる艦を牽制!」

 

榛名「“はい!”」

 

夕立「“分かったっぽい!”」

 

榛名が8門の主砲から、三式弾を一斉に放つ。

 

晴れ空に8個の大きな花火にも似た火箭が輝く。

 

急降下に移ろうとしていた彗星12甲型の編隊がこの一撃で灰塵に帰した。

 

夕立はやたらめったらにも見える乱暴さ(実はとんでもない正確さ)で主砲を放つ。が、回避され当たらない。魚雷も攪乱効果はあったが命中はない。

 

足柄「当たれええぇぇぇぇぇ!!」ドドドォォォーーーン

 

提督「うおっ! 電、敵弾だ、回避!」

 

電「ええっ!? はにゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

提督「あっ。」

 

中破判定で留まる電、しかし次の瞬間、様子が一変した。

 

電「痛いじゃないですかぁ~・・・。お仕置きしないといけないみたい、なのです。」ゆらぁ

 

天龍「お、おい、どうした・・・?」

 

提督「ヘ?」

 

唐突な変化に驚く一同、その実攻撃に対する反撃という本能が表に出ただけの単純なものであった。

 

電「突撃するのです。」ビシュッ

 

とんでもないスピードで敵に向かう電、そのスピードは駆逐艦という範疇を逸脱していた。

 

提督「ちょっ!?」

 

完璧に頭の中が漂白される直人、突撃した先には妙高ら第5戦隊の姿が。

 

夕立「電ちゃん!?」

 

 

電がアンカーを構える。

 

電「なっ!」

 

 

ドグシャァッ

 

 

羽黒「ああっ・・・!?」

 

脇腹クリティカル。

 

電「のっ!」

 

 

ドッ

 

 

足柄「カハッ・・・!?」

 

鳩尾一閃。

 

電「ですっ!!」

 

 

ズドムッ

 

 

妙高「ああああっ!!」

 

もう1発脇腹クリティカル。

 

 

ザバァァァーーー・・・ン

 

 

提督「・・・ええぇー・・・。」

 

唖然となる直人。因みにさっき電を中破させたのは足柄の砲弾でした。バトルマニアが出しゃばらなかったらどうなってたのか。

 

 

敵艦隊一同「・・・。」

 

全員血の気が引いた様子。

 

提督「電、戻ってこい。」

 

電「あ、分かったのです!」わたわた

 

さっきのあれはどこへやら。

 

提督「榛名、斉射3連!!」

 

榛名「はっ、はい!」ドオオォォォォーーー・・・ン

 

 

 

その戦意喪失はすぐさま呉鎮近衛艦隊を率いる彼にも分かった。

 

「まずい、一旦後退。駆逐艦を前に、空母を下げろ! 巡洋艦はその中間を繋ぐように動け。」

 

北上「うああああっ!!」

 

北上、撃沈判定(榛名の斉射)

 

赤城「“は、はい!”」

 

利根「んなぁっ!?」

 

利根、大破判定(昼戦なのに何故か時雨の主砲主砲魚雷夜戦カット直撃)

 

鳥海「このままでは・・・!!」

 

鳥海も必死の射撃を続けるが、勝敗は目に見えて明らかであった。

 

 

 

提督「チッ、駆逐艦が来るぞ、天龍! 龍田!」

 

天龍「オウ、任せとけ!」ゴゴゴゴ・・・

 

龍田「私達が相手よ? 子猫ちゃんたち?」ゴゴゴゴ・・・

 

第18戦隊、その気迫がやばい。

 

この後、かなりお察しな事に。(深雪・電・初霜尽く斬り捨てられました。)

 

 

 

「やはり抑止にならんか。赤城、加賀、砲戦へ参加せよ!」

 

加賀「“了解。”」

 

赤城「“ですがそれでは私達が・・・。”」

 

「最早艦がそれほど残っていない。頼む。」

 

赤城「“・・・分かりました。”」

 

 

 

提督「赤城と加賀まで砲戦に突っ込むか。勝利は近い、総攻撃だ!!」

 

7人「はい!!」

 

時雨「っ! 蒼龍さん、右舷雷撃機!」

 

蒼龍「えっ!?」

 

提督「マジでってか俺も!?」

 

気付かぬ内に加賀の流星改が肉薄していた。(ついでに直人も強襲したが余裕あり。)

 

蒼龍(間に合わない!)

 

 

ドォォォォーーーー・・・ン

 

 

蒼龍「ぐ・・・。」

 

蒼龍、大破判定

 

提督「おおおおおおお!」ダダダダダダダダダダッ

 

直人に向かった敵機全機撃墜、なんだこの技量。

 

 

ドドォォォォオオオォォーーー・・・ン

 

 

電「あああああっ!! は、恥ずかしいよぅ・・・。」

 

電、撃沈判定

 

撃ったのは加賀の20.3cm砲、元戦艦の面目躍如である。

 

提督「榛名、あの空母を撃て!!」

 

 

 

このあと榛名が赤城と加賀に撃沈判定を出させたところで、相手側の提督から降参してきたため演習は終了した。

 

横鎮近衛艦隊の一方的な勝利であった。

 

 

 

提督「久しぶりだな、氷空。」

 

呉鎮近衛艦隊司令官 水戸嶋(みとじま) 氷空(そら)、階級は元帥、年は直人と同じ21歳。

 

直人とは同じ土を踏み、中学まで同じ学び舎に通い、家も隣同士、誕生日はひと月違い、そして誰より気の合う親友であり、今もそうである。

 

自衛隊批判の急先鋒であるジャーナリストを父に持つことから将来の夢はジャーナリストだったが、その父の意向(というより水戸嶋の祖父の遺言)によって、陸自高等工科学校に進み自衛官となった経歴を持つ。

 

顔立ちも整っており、上から下にスッとすぼむ感じのスマートな輪郭に、細く長く釣り気味の、髪色と同じ黒のまゆと同じく釣り気味で少し細い目、瞳は黒と灰色のオッドアイ。

 

常に微笑を浮かべるその表情は少々冷淡さを匂わせるものの、クールな彼の性格を表に出しているといっていい。

 

氷空「あぁ、1年ぶりか。」

 

提督「もうそんな位になるか、早いものだ。」

 

氷空「あぁ、そうだな。まぁ入れ、中で話そう。」

 

提督「そうだな。」

 

 

 

16時2分 呉鎮近衛艦隊司令部中央棟2F 提督執務室

 

 

司令部の建築規格は統一されてるからどこも同じような建て方だったりする。

 

近衛艦隊みたいなことは他の司令部ではないが。

 

提督「にしても手荒い歓迎だな、氷空。」

 

氷空「なに、(けい)が日頃から研鑽を怠っておらぬか、確かめさせてもらっただけのことだ。」

 

提督「言ってくれるなぁおい。」

 

氷空「フフ、まぁ結果はあの通りだった訳だが、卿の指揮統率能力も相変わらずだな。」

 

素直に称賛する氷空だったが直人はいやいやそんなと言う具合に言葉を返す。

 

提督「それにしちゃぁフィリピンでは惨敗したがね。」

 

氷空「その件については呉鎮司令部経由で聞かせて貰った。播磨を、沈めたそうだな?」

 

提督「這う這うの体だったがね。」

 

氷空「それでも大したもんだ、そうだろう?」

 

提督「まぁな・・・手柄といえば、そっちもレ級を沈めたそうじゃないか。」

 

直人は話題の矛先を変える。

 

氷空「そうだな。まぁ、卿の尻拭いだが、卿らが露払いとなってくれたおかげで比較的損害も出ずに済んだとはいえ、大本営の情報不足で損害が大きい。」

 

提督「拭わせるつもりはなかったんだがな。」

 

直人が眠っている間に、フィリピン方面の残敵掃討の為に呉鎮近衛艦隊に出撃命令が下っており、その際レ級を含む残存は尽く水底に帰したという話を、直人は土方から聞いていた。

 

氷空「そっちは飛龍と雪風が沈みかけたそうじゃないか。」

 

提督「沈む寸前で食い止めた感じだがね。俺もあと一歩で死ぬところだった。」

 

氷空「そうか、帰ってきてくれて何よりだ。」

 

提督「摩耶と夕立のおかげだよ。」

 

氷空「そうか・・・。それで? わざわざ卿直々にここに来るということは、何か重要な案件なんじゃないのか? 少々のことなら無電ないし手紙で済ますお前のことだ。そうだろう?」

 

提督「参ったな・・・お見通しか。」

 

氷空「俺達が生まれてこの方の付き合いだろうが、卿の思っていることはおおよそ分かる。」

 

提督「そうか。では本題に入る。お前のところに大本営からの命令書は来ているか?」

 

氷空「大本営から? いや、そんなものはないぞ。」

 

提督「やはりか・・・。」

 

幹部会は本気で直人を殺す気だった訳だと、これではっきりした。

 

氷空「何か、あったのか?」

 

提督「ハワイ作戦のことは聞いてるな?」

 

氷空「無論だ。だが失敗の公算が大きいと聞いている。」

 

提督「そこで俺の元に、他の近衛艦隊と共同しグァム棲地へ陽動攻撃を行う旨命令が届いたんだ。」

 

本題に入った直人であるが、氷空は疑問を呈した。

 

氷空「グァムか、あの時以来の攻勢だな。だが他の近衛艦隊と共同するのであれば、俺のところにも来るはずだが。」

 

この疑問は直人も予想済みであった。

 

提督「あぁ。恐らくは俺の艦隊を俺ごと潰すつもりだろう。」

 

氷空「あの査問会の一件か。」

 

提督「なんでおめーが知ってんだよ。」

 

氷空「裏のコネというやつだ。」

 

提督「ハッ、お前らしいな。」

 

この辺りは流石だと思う直人ではあった。

 

氷空「それで? 俺にどうしろというのだ?」

 

提督「こいつがその作戦命令書なんだが、グァム棲地攻撃への参加と、他の近衛艦隊の応援を取り付けて貰いたい。」

 

氷空「成程な。お前が行っても快諾はせんだろうしな。」

 

提督「悔しいことにな。」

 

氷空「まぁ、任されるとしよう。ところで・・・」

 

提督「?」

 

氷空が周りを見渡してから言う。

 

氷空「イイ関係の艦娘の一人や二人は出来たのか?」

 

提督「ブッ!?」

 

麦茶を口に含んだタイミングでの不意打ちに思いっきり吹く直人。

 

提督「ゲホッゲホッ・・・」

 

氷空「その様子だと居るらしいなww」

 

イイ関係、というのは超越しすぎている感もあるが。

 

提督「ま、まぁな。そういうお前はどうなんだ?」

 

氷空「まぁ、ボチボチというところか。」

 

提督「お前らしい答えだな。ところで、初期艦は誰だったんだ?」

 

氷空「あぁ、赤城だ。」

 

提督「赤城か・・・消費がきつそうだな。」

 

氷空「夜な夜な資材倉庫の資材をつまみ食いしようとしているな。」

 

提督「フッ、暴食艦とは苦労するな。」

 

うちの赤城は実力行使(ガチ)で大人しくなったが。

 

氷空「そうだな。そういう卿は誰なんだ?」

 

提督「うん、金剛だ、逆アホ毛の。」

 

氷空「ハハハハッ! そりゃぁまたすごい特異点だな。」

 

さらっと笑い飛ばす氷空、お前の赤城も利き手逆だろうが。

 

提督「今日は留守居役だけどな。」

 

氷空「まぁそうだろうな。」

 

提督「俺が鎮守府を離れている間の防御指揮をな。俺の艦隊も、フィリピン沖で大分痛めつけられたからな。今日にしたって修理の間にあった艦だけ連れて来たって有様だ。15日夜の出撃に何隻間に合うか。」

 

氷空「成程、攻撃は16日の夜明け前、か。まぁ陽動攻撃なのだから、そうだろうな。だがお前の艤装もだいぶやられたと聞いたが、修理は間に合うのか?」

 

その質問に対して直人は言った。

 

提督「あぁ、今日中には終わると言っていた。土方さんが資材回してくれたおかげでな。後、うちのゲストがなんか本気出してる。」

 

氷空「そうか。では俺も艤装を装備し出撃しよう。だが佐世保や舞鶴の連中の手を借りる事は無い。」

 

提督「?」

 

氷空「俺達で奴らを叩く。」

 

大言壮語する氷空、だがハッタリでもなさそうである。

 

提督「・・・やれるのか?」

 

氷空「なに、やりようにもよるさ。」

 

提督「・・・分かった、それで行こう。」

 

ここまでくれば直人も腹をくくる。

 

氷空「うちの艦隊は平均的な練度水準で言えばそれなりに高い、まぁ大丈夫だ。最もそう楽観できる相手でもなさそうだがね。」

 

提督「そうか、ではそれに僅かながらでも期待させてもらおう。」

 

氷空「全幅の期待では、ないのか?」

 

提督「俺だって楽観できていないのさ・・・。」

 

氷空「―――そうか・・・。」

 

普段は自信ありげな直人でさえこの有様であるから、棲地攻撃を今の時期することの危険性は理解に難くない。

 

それこそ墓穴を掘ることになる。

 

提督「さて、そろそろ帰るよ。処理せねばならん書類が山積みだろうしな。」

 

氷空「おいおい、執務もせずに来たのか?」

 

提督「朝一でな。」

 

氷空「何をやってんだ、大淀に叱られるぞ。」

 

提督「正式に許可貰ってるんで、御心配には及びません♪」

 

氷空「フッ、お前らしい言い草だ。だが―――」

 

言葉を遮る形で赤城が飛び込んでくる。

 

赤城「提督、敵襲です!」

 

氷空「なに!?」

 

提督「おいおいマジか・・・。」

 

今から帰ろうとしてたのに・・・と肩を落とす直人。

 

しかし氷空は違った。

 

氷空「いいだろう、来い直人。俺の新兵装を見せてやる。」

 

赤城「お持ちしておきます。」

 

赤城が立ち去る。

 

提督「新兵装、だと?」

 

彼が疑問を呈すると氷空は少し笑いながら言った。

 

氷空「まぁついてこいw」

 

提督「・・・??」

 

言われるがままについて行きました。

 

 

 

16時43分 呉鎮近衛艦隊司令部岸壁

 

 

提督「・・・で?」

 

氷空「ん?」ガコン

 

提督「随分でけぇな?」

 

氷空が持っているのは全長3m半、高さは1mと少し、というとてつもない大きさの砲だった。

 

氷空自身艦娘機関の補助付きでようやく持てるサイズ。

 

氷空「まぁな。」

 

提督「で? 威力の程は?」

 

氷空「まぁ見てろ。」

 

沖合には来襲した深海棲艦の一団、戦艦を含む約40隻ほどが。どうやら潜航して姿をくらましていた為警報が遅れたものらしい。

 

 

ドオオンドオオンドオオンドオオォォォォォォォォーーーーーン

 

 

提督「わっぷ!?」ブオオッ

 

ブラストで強烈な風が起こり、直人は思わず目を閉じ顔をそむける。

 

提督「どうなる?」

 

慌てて沖合に目を戻すと、凄まじい光景を目の当たりにした。

 

 

ドドドドォォォォォォォォォーーーーーー・・・・・ン

 

 

凄まじい轟音と共に、水柱と火球が同時にその場所に起こる。

 

提督「!?」

 

直人はウラズィーミルにも似たその爆発に目を見開く。水柱が立ち上る時点で違うのだが。

 

それが収まった時、敵艦の姿はこの世から掻き消えていた。

 

提督「何だ、今のは・・・。」

 

驚愕のあまり思わず問う直人、お前ウラズィーミル持っててそれを言えるのか。

 

氷空「90cm重砲撃艦専用速射カノン砲、弾頭はサーモバリック爆薬32%と固形爆薬68%だ。」

 

提督「90cm・・・まさか、それも艤装なのか?」

 

というのは、見た目が90mm砲にしか見えないからである。

 

氷空「あぁ。但し、水戸と同時運用は無理だ、デカすぎてな。だから局所防衛用として使っている。」

 

提督「そうなのか・・・。」

 

氷空「だがそれを補って余りある火力を持つことが、あれで分かった筈だ。」

 

提督「そうだな・・・、凄い。」

 

氷空「さぁ、帰り道も確保してやったぞ。気を付けてな。」

 

提督「あぁ、ありがとう。よーし、榛名、全員揃ってるな?」

 

榛名「あっ、はい、全員揃ってます。」

 

提督「んじゃ、帰るか。」

 

 

 

何事も無く帰りました(笑)

 

 

因みに書類が溜まっていると言うのは嘘、一日の運行処理に必要な書類は全て金剛他に任せていた直人であった。

 

 

 

22時26分 横鎮近衛艦隊司令部前

 

 

提督「ふー、着いた。」

 

夕立「zzz・・・」

 

直人が夕立をおんぶしてきていたのでした。

 

榛名「遅くなってしまいましたね・・・。」

 

提督「だな。」

 

「スー・・・スー・・・」

 

何故か夕立と別に近くから寝息が。

 

提督「ん?」

 

直人が周りを見ると・・・

 

金剛「スー・・・スー・・・」

 

金剛が門にもたれて寝てました、なにやってん・・・。

 

榛名「姉さん・・・。」

 

思わず額に手を当てる榛名。そりゃまぁ自分の姉がこんなとこで寝てたら目も当てられんでしょうな、俺だってそうだ。

 

提督「・・・榛名、任せていいか。」

 

多少申し訳なさそうに言う直人、夕立をおんぶしている為手が空いてないのが理由である。

 

榛名「任されましょう。」キリリッ

 

即答する榛名さんをその場に残して、一行は素早く宿舎に向かったのでした。

 

 

 

榛名「姉さーん、起きて下さーい。」ペチペチ

 

金剛「ウーン・・・」ムニャムニャ

 

案外こうなると起きない金剛さんと、姉相手でも普通にビンタで起こそうとする榛名さんでした。

 

 

 

5月9日0時06分 三島入江

 

 

提督「・・・うん、ちゃんと直ってるな。」

 

寝静まるのを見計らって艤装の修復チェックをする直人。

 

提督「・・・。」キョロキョロ

 

辺りにだれもいないかを確かめる。

 

提督「・・・よし。」

 

ヒュオオオオッ・・・

 

艦娘機関が出力を上げ、霊力の流れが気流を巻き起こす。そして直人と艤装は、紫の光を帯びる。

 

提督「“我汝に命ず、『我に力を供せよ』と。汝我に命ぜよ、『我が力を以て、全ての敵を祓え』と。我が身今一度物の怪とし、汝の力を以て今一度常世の王とならん。汝こそは艦の王、我こそは武の極致。我汝の力を以て、『大いなる冬』をもたらさんとす。”」

 

 

ゴオオオオオオオオオッ・・・

 

 

彼の体から紫のオーラが溢れ、彼に纏わり付いて行く。

 

 

パアァァァーーン

 

 

何かが破裂したような音と共に、そのオーラが吹き飛び、その内側から装いを新たにした直人の姿が現れた。

 

両腕に新たに現れた彼の腕より長いそれは、仮にその形を形容するならば「四角柱2つを底面で貼り合わせ、それを対角線で4つに割ったその一つ分に肉付けをした」かのような形状をしていた。

 

『大いなる冬』の名を持つその艦の船体をそのまま腕部装備として装着したかのようなそれは薄紫色で、赤紫の筋や斑点があちこちにあった。

 

両肩には円盤にも似た同じ色彩の装備が、これは正面から見ると3つの赤班がこちらを向いている様に見える。

 

そしてその船の特徴とも言える艦橋部分が、体の前面に積層装甲として存在していた。

 

そして変化は艤装である紀伊そのものにも現れている。

 

紀伊のバックパックからは紫色の粒子が漏れ出し、随所に赤紫色のラインで構成される文様が現れていた。

 

そして、直人の瞳は、紫の光を放っていた。

 

提督「これが、新たな力か・・・。っ・・・!?」

 

突然の頭痛に襲われ思わずよろめく直人、それと同時に、頭の中に何かが流れ込んでくる。何かのビジョンが頭の中で描かれていく。

 

それは『大いなる冬(フィンブルヴィンテル)』の在りし日の姿、そしてその内で芽生えた葛藤と、怨嗟の渦だった。

 

提督「くぅっ・・・精神的に辛い、いきなり使いこなすには程遠いな・・・。」

 

深海棲艦の力は、それが例えなんであれそれを扱う者の心を蝕む。故に精神的な疲労は計り知れぬものがあるのだ。もし仮にこれを使いこなさんとするならば、強靭な精神力を以って之を押さえつける必要があるのだ。

 

提督「・・・使う時までに、どこまで慣らせるか、だな・・・。」

 

 

シュオオオオオオオオ・・・

 

 

そう言いつつ変身を解く直人、長時間の変身はまだ不可能である事を知ったのであった。

 

提督「まぁ、この辺は慣れ・・・なのかなぁ・・・?」

 

そこはまだ疑問符でした。




恒例艦娘ファイル。今回ちょっと多いです。なんでか? 転属願いの受理がちょっと遅れてたからです。

艦娘ファイルNo.35

睦月型駆逐艦 皐月改

装備1:12.7cm連装砲
装備2:12cm単装砲(12.7cm連装砲に換装)
装備3:12.7mm単装機銃(後に電探系無いしソナー系に換装)

旧毒嶋艦隊第2艦隊旗艦、Lv22相当。性格は知っての通り明るい。
小笠原列島線哨戒任務中に毒嶋艦隊が全滅したことによりはぐれ艦隊となり、辛うじて八丈島まで落ち延びるも敵に包囲され、乾坤一擲の脱出を行った際に、彼女らの放っていた電文を受け出撃時間を繰り上げた横鎮近衛艦隊の総出撃に遭遇し、救助される。
その際毒嶋艦隊が潰滅している事と、近衛艦隊の姿を見られた関係上吸収する形で配属となった。
特に秀でた部分はないものの、様々な技能(無論戦闘技能も含む)が高い水準で纏まっている。ただその性能自体は覆りようも無い為主に控えや遠征組(第2艦隊)旗艦である。


艦娘ファイルNo.36

睦月型駆逐艦 文月改

装備1:12cm単装砲(装備2と共に12.7cm連装砲に換装)
装備2:12cm単装砲
装備3:7.7mm機銃(皐月に準ずる)

旧毒嶋艦隊第2艦隊所属艦、Lv20相当。
実は対潜探知/攻撃が得意な影のサブマリンキラー。
皐月指揮下で動いていたが横須賀防衛戦が起ってしまったために他の7艦と共にはぐれ艦隊になってしまう。その際島伝いに北に行くよう進言したのがこの文月だったりする。
なお作者の誕生月と同じ名前、あと可愛い。


艦娘ファイルNo.37

睦月型駆逐艦 長月

装備1:12cm単装砲

旧毒嶋艦隊第2艦隊所属艦、Lv9相当。
強力なリーダーシップを持ち、尚且つそれなりに実力もある・・・のだが、直人からは何故か弄られまくる。
楽天家で怠惰であった毒嶋の事を不快に思い、直人に対してそれをずけずけと言う辺り相当な肝っ玉である。


艦娘ファイルNo.38

睦月型駆逐艦 菊月

装備1:12cm単装砲
装備2:12cm単装砲

旧毒嶋艦隊第2艦隊所属艦、Lv13相当で艦隊の副旗艦。
戦術家の才を持ち、戦闘指揮で艦娘、特に駆逐艦や軽巡の中では一線を画す・・・のだが、副旗艦だったのは毒嶋の気まぐれによるところが大きく、才を見出された訳では無かった。


第2艦隊を最小限の被害で凌ぎきらせたのは菊月の軍才によるものである。
ただ、戦闘技能は今一つ。


艦娘ファイルNo.39

睦月型駆逐艦 三日月

装備1:12cm単装砲

旧毒嶋艦隊第2艦隊所属艦、同艦隊では最も新参でLv3相当。
基本的に前線に出る事は無く、後方勤務に精励することになる。
戦闘技能はあるが遠距離狙撃に特化している為、鎮守府防備艦隊に所属する。


艦娘ファイルNo.40

睦月型駆逐艦 望月

装備1:12.7cm連装砲
装備2:12cm単装砲(12.7cm連装砲に換装)

旧毒嶋艦隊第2艦隊所属艦、Lv19相当
基本非番の睦月型のだらけキャラ。
・・・と思いきや陰で頑張る事になる艦娘。
鍛えもせずだらだらしまくってるので舐めてかかると実はとんでもなく強い。


艦娘ファイルNo.41

球磨型軽巡洋艦 球磨

装備1:14cm単装砲
装備2:零式水上偵察機(搭載数:1)

旧毒嶋艦隊第2艦隊所属艦、Lv16相当。
鮭とイクラが大好き、語尾に「~クマ」と付き、大抵常に一定のテンションを維持している球磨型の長女。
必殺技(?)を持っており、更に戦闘技能もかなり高い。
あと木曽もなのだが料理が結構できる方。


艦娘ファイルNo.42

球磨型軽巡洋艦 多摩

装備1:14cm単装砲
装備2:7.7mm機銃

旧毒嶋艦隊第2艦隊所属艦、Lv13相当。
魚系大好き、一番好きなのは秋刀魚の塩焼き、たまに(たまに?)魚くわえてたり冬は炬燵 春/秋は布団 夏はシーツに大抵包まってる艦娘。
語尾に「~にゃ」とつくのも相変わらず、猫じゃらしで体が反応する辺りもう猫でしかない(本人曰く「猫じゃないにゃ!(激おこ)」)のだが実は陰で頑張る艦娘。


艦娘ファイルNo.43

金剛型高速戦艦 霧島改

装備1:41cm連装砲
装備2:41cm連装砲
装備3:一式徹甲弾
装備4:零式水上観測機

アパリ沖で皆拾ってることが判明(但し5つ除いてハズレ)した5つのドロップの一人。ズバリインテリヤクザ兼艦隊の頭脳(ネタ?)。
眼鏡が本体なんて事は無いが、眼鏡が無くても実は見えている。なのでレンズは度が入ってない。


艦娘ファイルNo.44

球磨型軽巡洋艦 大井改

装備1:61cm5連装酸素魚雷
装備2:15.2cm連装砲改
装備3:甲標的 甲

作者使用時の武装(将来像)で降誕した重雷装艦。
5連装魚雷発射管が脚部の4つしかないのだが、実はこれ5分おきに2連射全40射線の雷撃が可能という鬼畜仕様、殲滅力も空母に引けは取らない。


艦娘ファイルNo.45

白露型駆逐艦 時雨改2

装備1:12.7cm連装砲C型(火力+2 対空+1 命中+1)
装備2:12.7cm単装砲B型(火力+2 対空+1)
装備3:22号対水上電探
装備4(EX):バックパック型短砲身36cm連装噴進砲(火力+30(-25) 命中+10(-8) 回避-3(+3))

3スロなのに4スロという特殊な扱い方をされてしまった駆逐艦。
装備4はEXスロットである為ステは大半が元ステに織り込まれている。
この装備4のせいでかなり高い殲滅力を誇り、主力の1隻として戦場を駆ける事になる。
作者曰く、「背中の巨大連装砲をステータス化したかった」とのこと。なお弾頭は夕立の魚雷。


艦娘ファイルNo.46

特Ⅲ型(暁型)駆逐艦 電改

装備1:12.7cm連装砲
装備2:12.7cm連装砲
装備3:13号対空電探改
装備4:アイアンチェーンアンカー(火力+5 命中+7 対潜+3)

こっちはマジもんの4スロ、皆さんご存知プラズマさんです。●ヮ●(ゴゴゴゴ・・・
じゃないじゃないじゃない!みんなの大好きなあざとい系大天使電ちゃんです。(※なお多分に偏見が入っています。)
第6駆逐隊の最大戦力で、この鎮守府最強の駆逐艦、本気出すと夕立が一捻りにされるレベル。
秘書艦としてのスキルも申し分ないものがあり、非の打ち所がないように見える。
が、やはりドジっ子。だがそれがいい。


艦娘ファイルNo.47

睦月型駆逐艦 如月改2

装備1:12.7cm連装高角砲(後期型)
装備2:61cm3連装酸素魚雷
装備3:強化型艦本式缶

技術局生体実験部統括兼鎮守府防備艦隊所属の艦娘。
三日月と同じく基本前線には出ないが鎮守府が戦場と化した場合は戦う非常勤艦。
エッチぃ知識は誰より豊富であるが経験なし。
だがそれ故からか影から直人と金剛の行く末を見守り二人の縁が壊れないよう守っている。


艦娘ファイルNo.0

超巨大機動要塞戦艦 紀伊

装備1/2:120cm超巨大要塞砲(火力+110 命中+5 回避-20 射程:極長 速度:低速)
装備3/4:80cm3連装要塞副砲(火力+85 命中+6 回避-15 射程:極長)
装備5:51cm連装要塞砲(火力+40 命中+4 対空+9 回避-1 射程:超長)
装備6:五式15cm高射砲+ウルツブルグレーダー(火力+5 対空+20 命中+10 索敵+13 回避+2 射程:中)
装備7:三式高射装置(対空+4 回避+2)
装備8:特殊潜航艇「蛟龍」(雷装+16 命中+1 索敵+1)
装備9:三式弾改(火力+1 対空+8)
装備10:一式徹甲弾改(火力+12 命中+2)
装備11~15:機動バーニア(回避+25 速度:高速)
装備16(搭載180):震電改(西沢隊)(対空+20 命中+3 索敵+2)
装備17(搭載180):流星改(友永隊)(対空+5 雷装+17 索敵+3 命中+3 対潜+7)
装備18(搭載180):流星改(江草隊)(対空+3 爆装+16 索敵+2 命中+3 対潜+8)
装備19(搭載60):景雲改2(第四飛行隊)(索敵+15 爆装+9 対空+3 命中+4 対潜+5)
装備20(搭載270):五式中戦車改 チリⅡ型(第十一戦車連隊)
装備21:海軍特別陸戦隊+二等輸送艦
装備22:応急修理施設&乾ドック

EXアビリティ:大いなる冬

とある計画に基づき、超兵器級深海棲艦に対抗する意図で建造された艤装。
元は装備1~7・11~15と複数のバルジを擁していたが、呉鎮近衛艦隊の造兵廠で、艦娘との共闘を念頭に入れて改装が施された結果、妖精さん達が加わってよりハイレベルな武装になった。
適合者は紀伊直人(提督)。
サンベルナルディノ沖海戦後の修理と同時に、景雲改が機種転換され偵察爆撃機となっている。

アビリティ:大いなる冬 Lv.1

能力:マスターシップの力を顕現させる。
EX装備:反物質砲 レールガン 超怪力線照射装置 δレーザー 光子榴弾砲

『大いなる冬』の力を開放するアビリティ。
いずれのEX装備も、超怪力線照射装置でさえ通常の深海棲艦を一撃で屠り超兵器とも互角に戦える威力を持つ。また大いなる冬の艦橋部分が体の前面で鎧となりあらゆる攻撃をも防ぎ止める堅牢な積層装甲となる。
ただLv.1である為、反物質砲のチャージショットは撃てない、光子榴弾砲の10連射が3連射になど弱体化している。
またこの時点での連続変身時間は長くて15分ほど。

スキル:魔刻の守護(ヴェスィオス)
 効果:数分間一定の威力以下の攻撃を無力化

『大いなる冬』の守護の元、敵の攻撃を無力化するパッシブスキル。
レ級クラスの攻撃までならあっさりと反射、戦艦棲姫/水鬼の攻撃は反射まで行かず無力化させるに留まるが、それでもその防御力は大概である。
直人はこの存在には気づいてはいるが、まだ力の発現が出来るだけであり、最大出力での発動は不可能。

スキル:???
 効果:???

スキル:???
 効果:???

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