異聞 艦隊これくしょん~艦これ~ 横鎮近衛艦隊奮戦録   作:フリードリヒ提督

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今更ながら備蓄中に小説お引っ越しと言う事象の多忙さを思い知った天の声です!

ヤベェ! 忙しい! 17冬イベが迫ってる!(投稿時17年1月上旬)

頑張れ私!

基礎知識のとこにも書いてた艦種類別を主人公がいつもの癖で普通に呼んでたみたいですねー、なにしてんの。

ということで今日は艤装についてですね。

基礎知識のとこでは色々不足なのでここでもう少し詳しく説明するぜ!

改めて説明すれば、艦娘の艤装は彼女たち専用の艦艇型艤装だ。

金剛や大和のように、その艤装が自らの力を象徴するシンボルである場合も結構ある。

艦種ごとに積める装備が限定されているのだが、その範囲内であれば妖精さんが乗っけてくれる。今の金剛の艤装に設置された主砲は3連装になっている。


こっからは独自設定だ。


艦娘の艤装は大きく分けて脚部艤装・背部艤装とそれ以外に分けられる。

脚部艤装は進水する為に必要になる。これをつけていれば水面を走る事位は出来るが、艦艇の如く水上を疾走するには、背部艤装が必要となる場合が多い。背部艤装は艦娘機関と呼ばれる特殊なエネルギー供給ユニットを有した艤装のコアであり、脚部艤装を稼働させることができる。

無論雪風、島風の様に例外は存在するし、直人の艤装である『紀伊』や金剛のように背部艤装と兵装が一体化している場合もある。そういった艦娘たちは自分の霊力だけで脚部艤装を稼働させる事が出来る、或いは金剛らの場合エネルギーの伝達ロスが無い(少ない)と言うメリットもある。

先週終了した艦これアニメ(無かったとは言わせん)に於いて、艤装浮力という単語が登場していたがその概念は本作品でもある。これに関して解説すれば、艤装浮力とはその字の示す通り、「艤装によって発生させる水面に対する浮力」の事である。

これは背部艤装の有無を問わず常に発生しており、当然だが水面以外に対しては作用しない。

脚部艤装はこの艤装浮力の全てを持っており、艦娘一人一人に合わせた浮力で艤装と体を支えると言う様な役割を果たしている。積載許容限界もそれによって決まる。また被弾しても脚部艤装でない限り浮力減退はない。

また背部艤装と脚部艤装の二つが稼働している状態の場合、装備重量を軽減し、艦娘の機動力を底上げする『装備重量軽減』効果が発生する。これにより、艦娘達は身軽に動き回る事が出来るのである。

脚部・背部艤装とそれ以外の、それ以外というのは言うまでもなく腕部艤装等の兵装のことを指す事は言うまでも無い。

これら艤装の各部位は艦娘の兵装装備リソースであり、そのリソースの限界を超えた装備は、霊力伝達が滞る為、艦娘艤装に特有の「重量負担軽減」の効果が低下する。いやそれだけでは無く、霊力の伝達が遅れる事で兵装の攻撃速度そのものまで低下し、艦娘の身体そのものにも負担が大きいと言うデメリットを持つ。

とまぁこんな感じかね。


よくよく考えれば深海棲艦に関する解説やってないな。


主力で特異点持ち個体の場合や、超兵器級深海棲艦であった場合は初出の章の終わりで紹介する予定でち。

後お知らせですが、クエスト報酬艦ですが、作者は赤城とレーベを除き(枠の関係上保有艦の中には)全員いません。

あと実際の所鳳翔さんも鎮守府に居なかったりします。

なので鳳翔さんは次の戦闘が最初で最後の戦闘になるかも知れませんはい。

白雪と龍田に関しても、何らかの形で本章以降も登場するとだけお伝えしておきます。

まぁ鎮守府に居なくても着任する可能性は常にありまして、その辺り例えば初雪提督(読者の中にいるのか?)とか望月提督とかはまだ希望を持ってもいいかも知れない。

さて、そろそろ本編行きましょうか。今回はいよいよ『あいつ』が登場します。


第4章~イッコーセンの到着~

初の作戦行動から2日経った4月15日、大本営から1枚の連絡文が届く。

 

 

 

10時01分 執務室

 

 

提督「増派、だと?」

 

大淀「先程大本営から通信が入りまして、新たに艦娘4人を我が艦隊の所属とし、今日着任予定なんだそうです。追加で何か要望があれば返信する様にとも。」

 

それを聞き目を輝かせたのは金剛であった。

 

金剛「ニューフェイスですカー!? 楽しみデース!」

 

提督「ほう、随分と太っ腹だな。まぁ無理矢理に近い形で任命しているのだから、まぁ当然か。」

 

有無を言わさずこの職責を拝命した直人にとっては、納得の出来る話ではあった。無理矢理引き受けさせておいてむざむざ捨て駒にするような国民気質ではないからだ。

 

大淀「で、返信の方はどうなさいますか?」

 

直人は暫く目を閉じ考える。

 

提督「そうだな・・・。では、陸戦隊を1個連隊ほど、頂こうかな。」

 

大淀「陸戦隊って、例の対深海棲艦戦闘部隊ですか?妖精さんの?」

 

妖精さんによる戦闘部隊、通称「海軍陸戦隊」。本来艦娘の艤装として海に出る筈の妖精達が、様々な火器を用い武装していたことからこの名が付いた。偶然の一致と見るべきか、彼らもそう名乗っていたのであるが、大本営はこの扱いに困り果てていた。

 

なぜか、それは妖精であるから艦娘か元艦娘のスタッフを介さないと会話できないという事。そしてその人数である。優に七個師団(7万人とちょっと)程度いると言うのだ。

 

一つ一つは小さな集まりから3千人の連隊規模まで様々だったのが、塵も積もれば山となるの如く集まった結果そうなったのだと言う。

 

それを連隊1つ丸ごと貰うと言うのである。

 

提督「ま、いずれ役に立つ時も来るだろう。それに、カードは多いにしくは無かろう?」

 

大淀「は、はぁ・・・分かりました。ではその様に。」

 

提督「うん。」

 

大淀はその場を去り、提督と金剛は書類作業に戻る。

 

 

 

10時54分―――

 

 

カリカリカリ・・・

 

 

コンコン

 

 

提督「ん? どうぞ。」

 

綾波「あの~? お茶を入れてきたんですけど・・・。」

 

やって来たのは綾波。お茶の入ったコップ2つを乗せたお盆を持っていた。

 

提督「あぁ、丁度いいところに来たな、少し休憩にしよう。」トントン

 

直人は書類を纏める。

 

金剛「了解デース。」

 

綾波「はい、どうぞ。」

 

綾波が2人にお茶を配ると、それを一口飲む直人。

 

提督「ん・・・お、緑茶か。」

 

綾波「はい、如何ですか?」

 

舌は肥えている様である。

 

提督「うん、美味しいよ。」

 

世辞でも何でもなくそう言う直人。

 

綾波「良かったです♪」

 

提督(・・・綾波、笑うと結構可愛いな。)

 

その綾波の後ろで一人何とも言えないという表情を浮かべる金剛。

 

提督「ん? どうした金剛?」

 

金剛「ウーン・・・紅茶の方が飲み慣れているせいで、グリーンティーの味は・・・まだ馴染めてないデース・・・。」

 

提督「まぁその内慣れると思うよ。」^^;

 

苦笑しつつそう言う直人。

 

綾波「うーん・・・どうすればいいんでしょう・・・?」

 

提督「流石に日本のお茶は紅茶と違い過ぎる部分あるから、気にする事も無いと思うけどねぇ。」

 

と言うより、気にしても無理なもんは無理である。

 

綾波「うーん・・・そうですね。」^^;

 

提督「ゴク、ゴク・・・ふぅ~・・・。ありがとう綾波。」

 

綾波「いえいえ。」

 

直人が綾波にコップを返す。

 

その後ろで無理やり喉に緑茶を流し込む金剛がいた。

 

その時扉の向こうから、「ペタペタペタペタ・・・」と足音が聞こえてきた。

 

綾波「なんでしょう?」

 

提督「うーん?」

 

 

ペタペタペタ・・・

 

 

ペンギン「・・・♪」

 

現れたのは、開発に失敗した時に出て来たペンギンと綿雲だった。

 

綾波「わぁ! 可愛い!」

 

綾波がペンギンを抱き上げる。可愛いものに目がない様子。

 

ペンギン?【ちょっ、降ろして><】

 

3人「!?」

 

その唐突な念話に3人が驚く。

 

提督「こやつ、直接脳内に!?」

 

ペンギン【気づいたら念話が使えました♪】

 

提督(うそ~ん。装備に成り損ねた反動でこうなっちゃったのか?)

 

綿雲?【綾波さん、ペンギンさんを下してあげてくれない?】

 

綾波「あ、はい。」

 

お前もかい。

 

綾波がペンギンを下してあげるとペンギン達が喋り出す。

 

ペンギン【という訳で、見ての通り僕はペンギンです。】

 

右腕(腕?)を振り上げつつ言う。

 

綿雲【私は綿雲です。繊維の塊じゃないですよ?】

 

う、浮いている・・・だと?(作者)

 

提督「で、なしてここに来たん?」

 

ペンギン【気まぐれです。】キリッ

 

綿雲【ペンギンさんのお守です。】

 

提督「さいですか。」

 

『気まぐれで来られてもなぁ。』と本気で思う直人である。

 

そして綿雲は良い姉ポジと見た。

 

綾波「そう言えばペンギンさん達、あちこちで見かけますけど、お腹って空かないんですか?」

 

ペンギン【言われてみれば。空かないな。】

 

綿雲【私も空かないわ。】

 

綾波「そ、そうなんですね・・・。」

 

提督「ふーむ、妖精さんというのも、意外に謎が深い。」

 

実はこの後、開発棟主任の妖精に話を聞いたのだが、このペンギン達も成り損ねとはいえ妖精の一種であるようだが、ただテレパシー能力は妖精でも極稀であるらしい。と、通訳として連れてった大淀さんからは聞いた。

 

ペンギン【という訳で、この鎮守府が潰れるまでお世話になります。】

 

どういう訳だ。

 

提督「まぁ潰れはせんと思うがな。よろしく。」

 

綿雲【こう見えてペンギンさん、強いんですよ?】

 

提督「マジで?」

 

ペンギン【では証明までに1発。】コオオ・・・

 

提督「やめろ分かったから。ここ執務室だから。」

 

嘴から迸る黄色い閃光を見て慌てて止める直人、なんか嫌な予感がしたようだ。

 

ペンギン【分かって頂ければいいのです。】

 

提督(妖精さんってホント何者なの・・・?)

 

考えざるを得ない直人である。

 

ペンギン【そんじゃま、僕はこれで。】

 

提督「うん。今からどこに行くのかな?」

 

ペンギン【適当に歩き回るまで!】キリリッ

 

提督「あんまり変なとこ行くんじゃねぇぞ。」

 

直人がそう言うと綿雲さん(ほごしゃ)が念話で言う。

 

綿雲【私が行かせませんのでご安心を。】

 

提督「そいつは頼もしいな。」

 

ペンギン【ではこれにて。】

 

綿雲【失礼します。】

 

提督「おう、いつでも来いよー。」

 

2匹の妖精(?)を見送る直人。

 

綾波「あ、私も失礼しますね。」

 

提督「あ、うん。お茶ありがとね。」

 

綾波も見送った後、二人は再び書類仕事に戻ったのだった。

 

 

 

11時55分―――

 

 

金剛「提督~ゥ、マダデスカ~?」

 

提督「これでラスト・・・。」

 

この日はどうやら金剛の方が先に終わったようです。と言っても秘書艦には簡単な書類しか回してはいないが。

 

提督「よし、終わりっと。」

 

判を押し、書類を纏める直人。

 

金剛「そういえば大淀はどうしたのデース?」

 

言われてみれば今日余り姿見ない気がするな。

 

提督「さぁ・・・今日は忙しそうだったからねぇ。」

 

金剛「じゃぁ、この書類を無線室に届けてきマース!」

 

提督「あぁ、頼んだ。」

 

そう言って去る金剛である、無線室は中央棟の一階にあり、大淀が管理しているこの司令部の中枢である。まぁ、いずれ分かるであろう。

 

提督(何とも気が利くなぁ金剛は。紅茶ゴリ押しなのは分かるけども。因みに俺は日本のお茶だと緑茶派だな。)

 

そう思いながら直人は席を立たなかった。何故ならそろそろ横鎮本部から回されてくる新任の艦娘が来る筈だからである。

 

 

12時11分

 

 

大淀「・・・。」

 

提督「・・・。」

 

金剛「・・・。」

 

提督(・・・あれ?)

 

大淀「こない・・・ですね・・・。」

 

窓から正門の方を見つつ大淀が言った。

 

提督「綾波が地下通路の入り口にいるんじゃなかったっけ?」

 

この司令部へは隠匿された地下通路でしか入ることが出来ない様になっているのである。でないと秘匿性を維持出来ないからでもあるが。

 

大淀「綾波さんにはレシーバーも渡してあるんですが・・・。」

 

綾波「“大淀さん、11分オーバーですがまだ来る気配ありません!”」

 

マジで?

 

大淀「何かあったんでしょうか?」

 

提督「どうなんだろうな・・・。」

 

直人は真剣に疑問に思い始めていたが、それ以前に少し疲労を覚えていた。

 

綾波「“何かあったんでしょうか・・・。”」

 

大淀「うーん・・・取り敢えず、来たらもう一度連絡してください。」

 

綾波「“分かりました。”」

 

提督「・・・ふーむ。まぁ、着任遅延の言い訳は後でやってきたら聞く事として・・・さっきから何か訴える様な目線を飛ばしてくる金剛さん?」

 

金剛「な、ナンデスカー?」

 

寒い訳でも無かろうに膝を震わせてる金剛に、直人は大凡察しがついていた。

 

提督「トイレに行きたければ行って、どうぞ。」^^;

 

金剛「行ってきマース!!」ドタドタドタッ

 

大慌てで走って出ていく金剛。やっぱりトイレだったか。

 

大淀「執務前に済ませるようには言っているのですが・・・。」

 

提督「ハハハ・・・まぁいいさ。直るまで言い続けるしかないと思う。」

 

大淀「そう・・・ですね・・・。」^^;

 

大変そうだと直感で思う大淀さんでした。

 

 

 

10分後・・・。

 

 

提督「うーん・・・まだのようだね。」

 

大淀「そうですね。」

 

 

コンコンコン・・・

 

 

提督「入ってどうぞ-!」

 

投げやり気味に言う直人、待たされるのが嫌いな方である。

 

神通「失礼します。」

 

大淀「あら神通さん、お疲れ様。」

 

神通はこの日、鳳翔と木曽を伴って沖合の哨戒に出ていたのである。

 

神通「ありがとうございます。提督、只今戻りました。」

 

提督「ご苦労様。どうだった?」

 

直人が神通に報告を求めた。

 

神通「海は平穏そのもの、でした。ただ偶然偵察機を見つけたので、鳳翔さんの戦闘機隊が撃墜しました。」

 

提督「そうか・・・。敵に目立った動きはなし、今回は物見をしていただけってとこか。よし、今日は上がっていいぞ。あの二人にも伝えておいてくれ。」

 

神通「はい。では失礼します。」

 

そう言って立ち去った神通さん。なんか今日は忙しい。

 

 

 

更に20分後(12時31分)・・・

 

 

提督「zzz・・・」

 

紀伊提督、居眠りナウ。

 

大淀「・・・。」

 

大淀さんは待ちくたびれた直人の気持ちを察してか敢えて起こさずにいた。

 

そこへ・・・

 

綾波「“大淀さん、見えました!”」

 

大淀「“30分遅れね。では正門に到着次第執務室にご案内して。”」

 

綾波「“はい!”」

 

ようやく彼らが到着したようだ。

 

大淀「提督、起きて下さい。」ユサユサ

 

提督「うーん・・・ハッ、俺何時から寝てた?」

 

大淀「15分ほど前からですね。」

 

提督「そ、そうか・・・で、来たの?」

 

大淀「はい、間もなく綾波がお連れするかと。」

 

金剛「遅かったデスネー。」

 

ようやくかぁ~。

 

 

 

更に5分後―――

 

 

提督「さて、来たかな。」

 

 

コンコン・・・

 

 

提督「どうぞ!」

 

綾波「失礼します。お連れ致しました、提督。」

 

綾波が来た時直人は「やっとメシに出来るな」と本気で思っていた。

 

提督「うん、通していいよ。」

 

綾波「はい。どうぞ。」

 

そして案内されてきた4人が提督の前へ歩みを進める。

 

「ハァッ!!」ジャキィィン

 

ところが突然その一人が抜刀して襲い掛かった。

 

大淀「提督!」

 

提督「ほう。」

 

ガキィィン

 

しかし提督は苦も無く1本の剣で止めた。

 

しかもその剣は真っ直ぐ天を仰ぎ、何に支えられるともなく『浮いていた』。

 

天龍「俺の名は天龍。フフ、怖いか?」

 

提督「フッ、気迫と太刀筋は一人前だが、素直過ぎて読み易いな。」

 

直人、余裕の笑みである。

 

天龍「成程、どんなもんかと思ったが、頭が切れるだけじゃなく腕っ節も一流か、こいつぁ恐れ入った、許してくれよ。」

 

提督「俺が頭脳明晰だと誰に吹き込まれた?」

 

天龍「土方、とか言ってたな、そいつにだよ。」

 

提督「成程、土方海将(あのひと)か。」

 

直人は一応納得する。

 

「天龍ちゃ~ん? 初対面の相手にそれは無いんじゃなぁい?」

 

天龍「なに、寸止めはちゃんとするさ龍田。それよりその剣はどうなってやがる?」

 

その質問を直人は軽く躱す。

 

提督「ま、手品の一種とだけ、言って置こうか。」

 

天龍「ほーう? まぁ、そう言う事にしておいてやろう。」ニヤリ

 

提督「それはさておき、自己紹介をしてくれるかな?」

 

毅然とした口調でそう言う直人であった。

 

 

 

今回着任したのは・・・

 

 

天龍「改めて、軽巡天龍だ。よろしく頼むぜ、提督。」

 

近接番長にでもするか。

 

龍田「あたしが軽巡、龍田だよ~。」

 

口調がゆっくりでナンカコワイ。

 

白雪「特型駆逐艦、白雪です。よろしくお願いします。」

 

後方勤務も真面目にやりそう。(小並感

 

赤城「航空母艦、赤城です。空母機動部隊を編成するなら、私にお任せを。」

 

自信満々なのはいい事だ。

 

提督「我が艦隊は4人を歓迎しよう。ところで、だ。30分もの遅刻の理由を聞こうか。」

 

その質問に白雪が答えた。

 

白雪「それが・・・赤城さんがお腹が空いたと言って聞かなくて、近くにあった食堂で昼食をとってたからなんです。本当にすみませんでした。」

 

提督「赤城、以後気を付ける様に。」

 

赤城「はい、すみませんでした。」シュン・・・

 

提督(うーん・・・お財布が寒くなりそうだな・・・。)

 

直人は赤城の燃費の悪さを知っていた訳ではない。が、その様子から何となくその事を察していたのであった。

 

提督「ま、食い意地が張ってること自体はいい事だと思うが度が過ぎるのはね。とりあえず今日はゆっくりして、明日以降に備えるといい。」

 

4人「はい(おう)!」

 

ぐうぅぅぅ~~・・・

 

提督「え・・・」

 

赤城「あの・・・お腹・・・空きました・・・。」

 

提督「・・・。」

 

直人はため息を一つついてからこう言った。

 

提督「綾波、食堂に案内してあげて。」

 

綾波「は、はい。」

 

赤城は綾波に連れられて去り、他の3人も各々執務室を後にした。

 

提督「上も随分と大盤振舞だな、正規空母とは。」

 

大淀「そうですね、まぁ戦力の拡張が出来ただけ、いいのでは?」

 

直人がその言葉にうなづくと、今度は金剛が

 

金剛「また艦隊編成し直すのですカー?」

 

と言った。

 

提督「まぁ、当然だな。」

 

大淀「ですね、これから更なる激戦も予想されますし。」

 

そうだなと呟き、提督も食堂へと向かったのだった。

 

 

 

中央棟西側・食堂棟1階 食堂

 

 

赤城「mgmg・・・」

 

鳳翔「・・・。」^^;

 

提督「あっ、鳳翔さ―――ん!!??」

 

直人も絶句したその視線の先には、山盛りというより塔という方が正しい縁から40cm程積み上げられた丼飯と、それを一気に掻き込んでいく赤城の姿があった。

 

提督「鳳翔さん・・・これは一体・・・。」

 

当惑した様子の直人が、鳳翔さんに質問を飛ばす。

 

鳳翔「それが・・・噂通りの大食いだった、としか・・・。」

 

提督「まぁその噂は知ってるけど・・・ここまでとは・・・。」

 

(直人の心の声)これはやばい、かなりやばい。

 

綾波「いい食べっぷりですねぇ・・・。」

 

(心の声再び)そこー、感心してる場合とちゃうw

 

提督「補給にここまで消費するとは・・・。」

 

鳳翔「あ、提督も昼食ですか?」

 

提督「そうですね、頂きます。あ、いつもの量でいいんで^^;」

 

鳳翔「はい。」

 

笑いながら返事をする鳳翔さん、実は直人直々に厨房を任されていたりする。

 

鳳翔さんの料理の腕は確かなもので、食堂はいつも好評を博していた。

 

赤城「あっ、提督! 鳳翔さんの炊き込みご飯、美味しいです!」

 

丼に積まれてるのは具沢山の炊き込みご飯です。味付けは醤油メイン。

 

提督「釜一つ空ける真似はするなよ?」

 

赤城「分かっています。」

 

(心のry)嘘こけ。

 

 

その日の午後、直人は皆と談笑して過ごし、何事も無くその日は終わるかに思われた。

 

 

 

23時30分 資材倉庫前

 

 

煌々と輝く月明かりの元、一人の人影が資材倉庫へと向かっていた。

 

足音を抑えるように歩き、忍び寄るその人影は、明らかな意思を以って第2資材庫の戸を開けて忍び込んだ。

 

資材庫の中は、明り取りの窓と、開いた扉から差し込む月明かりを除けば漆黒の世界、しかしその影の本人にとっては、明るさなど問題とはしなかった。

 

提督「何をしているのかな?」

 

その開かれた扉の所に立つ直人。

 

「!!」

 

人影が直人の声にビクつき止まる。

 

「いや、その・・・見回りです、提督。」

 

提督「物騒にも完全武装で、か? しかも私は誰にも見回りを頼んだ覚えはないし、出撃命令や指示無くしての艤装持ち出しは軍紀違反だぞ? 1航戦1番艦、航空母艦赤城よ。」

 

赤城「ぐっ・・・!!」

 

多分お察しの通りだったと思うが、赤城である。

 

提督「私がいる以上、ここの資材は無駄に食わせはせんよ?」

 

艦娘達が扱う資材は、非常時にはそのまま摂取する事も出来る艦娘専用の非常食でもあった。但し、後に伝え聞く所には「大して美味しいものではない」らしい。

 

赤城「フフ・・・」

 

不敵な笑みを浮かべる赤城。

 

赤城「提督が如何に凄かろうと貴方は『人間』です。『艦娘』の私を止められるとお思いですか?」

 

提督「俺を甘く見てもらっちゃ困るなぁ。俺はただの人ではないと言うのに。」

 

実際はそんなちゃちなものではないがこの際どうでもいい事である。

 

赤城「フフフッ、そうですね。ですが見られたからには提督とて容赦はしません、お覚悟を。」

 

提督「ほう―――いいだろう、一芸披露仕る。“呼集(コール)”。」

 

直人が1本の剣をどこからか“呼び出す”と一挙に間合いを詰める。

 

 

ザンザンザンザンズバァッ

 

 

赤城「ぐっ・・・かはっ・・・。」ドサァッ(大破)

 

目にも留まらぬ五連撃を前に赤城は為す術もない。

 

提督「もうお手上げか~? ん?」

 

呼び出した剣を消しながら問う直人。

 

赤城「そん・・・なっ・・・。」

 

提督「慢心ダメ、絶対だ。さぁ妖精さん達、入渠ドックへ連れてってあげて頂戴よっと。」

 

そう言った途端、周囲の資材保管棚の陰からわらわらと妖精さん達が現れた。直人にはこういう事が起こるであろうことも全てお見通しだった訳である。

 

妖精さん達は全員入渠棟の妖精である。全員で赤城を担ぎ上げて連行して行った。

 

提督「バケツはぶっかけなくていいからなー。」

 

資材倉庫防衛のミッションを、鮮やかにコンプリートした提督 紀伊直人は、執務室の隣の部屋に持ち込んだ布団で眠りに就くのであった。

 

 

 

同刻 硫黄島

 

 

ル級改Flag「ホウ? “フラッグシップ”直々ノ掃討命令カ。出動ノ理由モ出来タ訳ダ。デハ―――行クトシヨウカ。」

 

リ級改Flag「了解シマシタ、“モンタナ”サマ。」

 

闇夜の中で動き出した影が一つ。

 

モンタナ「ワタシガ一部ノ兵力デ海岸部ヲ攻撃スル。残リノ全戦力ヲ以ッテ一挙ニ敵ノ本拠ヲ潰ストシヨウ。ソノ指揮ハオ前ニ任セルゾ、“サンフランシスコ”。」

 

リ級改Flag「ハッ!」

 

影は次第に大きくなり、やがてその海域一帯を覆い尽す黒い大波へと変わる。

 

彼らの目的地は既に定まっている。しかしまだ、直人達の知るところではない―――。




艦娘ファイルNo.12

天龍型軽巡洋艦 天龍改

装備1:14cm単装砲
装備2:14cm単装砲
装備3:21号対空電探
装備4:天龍刀(火力+5 回避+2 装甲+2 命中+1)

大本営より送られてきた艦娘の切込み役。
弱い提督には従わない主義を持っていたりするが何より特異点持ち。
天龍のシンボルとも言える刀が装備になってしまっている様だ。
その近接戦闘技量を買い、司令部防備艦隊に所属し陸戦隊1個大隊を預かる事になる。なおこの時点では眼帯を着用していない。


艦娘ファイルNo.13

天龍型軽巡洋艦 龍田改

装備1:14cm単装砲
装備2:14cm単装砲
装備3:61cm3連装魚雷
装備4:龍田槍(火力+6 回避+1 装甲+1 命中+3)

大本営の増援組二人目で、天龍の妹、同じく特異点持ち。
どちらかというと諜報に長けており、後にその方面を担当する隠密艦隊に配属されることになる。
また天龍と揃って陸戦隊1個大隊を任される。


艦娘ファイルNo.14

特Ⅰ型(吹雪型)駆逐艦 白雪 (後技術局医療科所属)

装備1:12.7cm連装砲
装備2:61cm3連装魚雷

大本営からの増援3人目、戦闘技能に乏しい反面頭脳明晰な吹雪型2番艦。
この艦隊に於いては専ら後方勤務と司令部防衛を兼ねることになる。
更に後に設置される技術局の医療科で、アシスタントをすることにもなる。
(なおアシスタントであり医療科自体もそんなに仕事が無い為基本暇で後方勤務で書類と格闘。)


艦娘ファイルNo.15

赤城型航空母艦 赤城

装備1:零式艦戦52型(板谷隊)(対空+9 命中+2 索敵+2 回避+2)
装備2:彗星11型(千早隊)(爆装+8 対空+1 対潜+3 索敵+6 命中+2)
装備3:天山12型(村田隊)(雷装+15 対空+1 対潜+6 索敵+4 命中+2)

大本営から送られてきた増援組最後の一人、後の横鎮近衛艦隊第1航空艦隊旗艦。
後に配属される他の空母航空隊とと互角以上の技量を持った航空隊を持つという、素晴らしい特異点を持つ一方で、燃費がご存じの通り馬鹿にならない。
さらに他の母艦隊と比して、機種転換が最初からランク2になっている特異点も持つ。
この赤城は増援組の中でも群を抜く殲滅担当で、「雷撃の神様」村田少佐の的確な雷撃を自慢とする。


~深海棲艦紹介~(今回は遅まきながら硫黄島深海側拠点の幹部クラス)

ル級改フラッグシップ「モンタナ」

艦種:深海棲戦艦

装備:17inch3連装砲×2 電探 偵察機青

硫黄島に拠点を置く深海艦隊旗艦、配下に超兵器級深海棲艦1隻を持つ。
通常艦では珍しい知能体であり、主砲口径が1インチ大きい。
人間、特に彼らが持つ技術に興味を示す一面を備えるが、その興味心から硫黄島という彼らの言うところの“辺境”に送られる。


リ級改フラッグシップ「サンフランシスコ」

艦種:深海棲巡洋艦

装備:ゲーム内遵守

深海艦隊硫黄島分遣隊副旗艦であり、モンタナの右腕。
特に何の変哲もない装備であるが、こちらも知能体であり、モンタナの言い分に共感を示している。


紀伊提督の魔術の説明

白金千剣(読み:しろがねせんけん)

属性:無し(物理)
ランク:A+

紀伊直人の固有魔術であるが、魔力消費量も馬鹿にならない為、普段はリミッターを掛けて限定的な行使に留めている。
基本は言うなればソードファンネルと言えるもので、敵を切るのではなく刺突することを基本用法とする。
直人の持つ空前の強大な霊力によって、深海棲艦や仮に艦娘を相手にしても4つに組んで五分以上に戦える能力も有するが、それはあくまで副次的効果である。

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