異聞 艦隊これくしょん~艦これ~ 横鎮近衛艦隊奮戦録   作:フリードリヒ提督

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どもー恐縮です! 天の声です!

青葉「私のセリフまねないでください!」

サーセンッフヒヒッwww

青葉「絶対反省してないですねこの人・・・。」

という訳で青葉さん自己紹介どぞ。

青葉「どもー恐縮です! 青葉です! 横鎮近衛艦隊司令部内に発行所を設ける横鎮広報部部長を仰せつかりました!」

という事なので今後天の声と青葉の2人態勢で冒頭はお送り致します。

青葉「では早速ですが、本日の解説事項をお願いします!」

うむ。今回は艤装と今回登場した2つの武器、演習についての解説だ。

まずは手っ取り早く演習の方から行こう。

この世界での演習は、大本営公認の同じ鎮守府の司令部へのカチコミ、つまり殴り込みだな。

まぁ多少の事務事項と決まりはあるが、それに関しては、メンバーは双方共に1個艦隊6人まで、訪問側は演習要請書の提出をし、応対側はこれを必ず受理する事、と言う感じかね。

使用弾丸は専用の演習弾限定、航空機も練習用の機体しか使用してはいけない、という事になっている。

後は決着するまで戦うのみ! とまぁこれがこの世界での演習になる。

これまでに比べて随分と簡潔だが実際こんなシステムだからしょうがない。

青葉「なぜこんなシステムが設けられたのですか?」

一言で言えば練度向上が目的だな、単純にそれだけと言ってもいいが、一種の競技と捉えている者もいる様だ。

青葉「ほうほう。」

では続けて直人の武器についてだな。


・デザートイーグル 14インチバレル仕様
使用銃弾:.357マグナム改(対深海棲艦用実包及び演習用実包)・.357マグナム
銃身長:14インチ(356mm)
全長:473mm(露出銃身長204mm)
発注元:IWI(イスラエル・ウェポン・インダストリーズ)社
装弾数:9発(標準マガシン)・13発(ロングマガシン)

紀伊直人が海自時代から所持していた護身用拳銃。
父親のつてを使い既に生産が終了していた、デザートイーグル用14インチバレルをIWI社に特注し取り付けた長銃身モデルで、射程はおよそ95m程。
局長が近衛艦隊司令部に来た後、直人がこの銃を使って特訓をつけていた所を目撃した局長が、既存の.357マグナムの装薬や使用素材を変更した改造弾を製作、.357マグナム改として使っている。
海自に居た頃この銃を使い一撃で深海棲軽巡を仕留めた実績もあったりする。
使用する銃弾は.357マグナムのホローポイント弾(弾丸の先端がすり鉢状に窪んでいる弾丸)と、.357マグナム改として製作された演習弾(硬質ゴム製ホローポイント弾)及び、造兵廠で作られた対深海棲艦用霊力弾芯を先端以外真鍮で覆った特別製のパーシャルジャケット弾を用いる。


・GAU-8-2 アヴェンジャー改

口径:30mm
砲身数:7本
銃身長:2.3m
使用弾薬:PGU-14/B 焼夷徹甲弾・PGU-15/B 練習用模擬弾
装弾数:7400発
全長:5.46m
重量:1950kg
発射速度:毎分3900発(毎秒65発)
銃口初速1087m/s
有効射程:1320m
装甲貫徹力
500mで75mm
1000mで44mm

KHY(局長が派手にやらかした)シリーズ第1弾。
アメリカ空軍ではこの時既に退役していたA-10 サンダーボルトⅡが搭載していた機関砲、GAU-8 アヴェンジャーを局長がどう言うつてでかアメリカから直輸入し、無理矢理人や艦娘が取り扱う用に改造を施したワンオフバルカン砲。弾薬は同じく局長がアメリカから入手したライセンス権を使い製造させた弾丸を使用する。
元々ドラムマガシンで装填していた砲だがそれを取り外し、代わりに30cm速射砲の大型弾倉を少し改造し人間規格に戻した物を両サイドに2つずつ連結させ、計4つ取り付け、装弾数を従来の約6倍強にまで増やした。
結果機構の重量が100㎏以上増えているが、それも含めて支えられる大型二脚を装着し、更に脚の先端にフロートを取り付ける事によって洋上でも射撃が出来る様になっている。また装甲貫通力・射程・銃口初速も若干ながら改良された。
用途としては、陸上では局所防衛用の移動砲台として用い、海上では後方からの支援射撃に徹することが前提となる。
またこの兵器は艦娘も使用することが出来るが、駆逐艦が使うと輸送は出来るが固定砲台になる為、ちゃんとした運用ができるのは軽巡以上だが、軽々扱うことが出来るのは戦艦組と空母の一部のみである。


まぁこんなところかの。KHYシリーズは今後ちょくちょく登場する筈なので、まぁ生暖かい目で期待しててくれや(´▽`*)

青葉「凄いスペックの武器ばかりなんですねぇ、でも模擬弾って艦娘に当たったらやばいんじゃないですか?」

あぁ、艦娘ってやっぱ艦だからさ、人間と比べりゃ丈夫なんですよね。なので演習弾とか模擬弾であれば余裕で耐えます。

青葉「ただし青あざは残る可能性はあると。」

ねーよ。当たり所が悪いと後でちょっと痛みが続く感じ。

青葉「ほうほうなるほど。」

後は艤装の補足説明だが、これは簡単な話だ。

 改造で艤装形状が変わる艦娘って結構いるけど、改造前と後で全く違う艤装になっている場合、その艦娘に装備が適応する限りその艤装は両方使えます。
例えば大鯨を例に取ると、潜水母艦の艤装と改造後の空母龍鳳の艤装は、艦娘自体を改造する訳ではないので二つ持ってても場合によってどちらでも使う事が出来る。
ちとちよに関しても、水上機母艦の艤装と空母の艤装は改造後でも両方使えますし、吹雪改と改2であってもその艤装は両方使えます。
 このシステム割と遠征と出撃での使い分けで便利だったりする。艦これがこれだったら大鯨を龍鳳にしたり龍鳳を大鯨にしたりって感じでスゲェいいと思う。改造はその段階開放的な感じにしてってすればいいんじゃないのかね。

誰得? 俺得ですよww

んじゃいい加減始めていきましょうか、今回は説明事項多くてすみませんでした、今後ここまで説明することは滅多にないと思いますのでご容赦ください。

ではどうぞ。


第7章~南西諸島解放作戦~

4月26日午後4時 執務室

 

 

提督「な・・・に・・・?」

 

執務中の直人が、その報告を聞いた瞬間凍て付いた。

 

直人の手に握られていたペンがするりと抜け落ち、机の上で乾いた音を立てる。

 

その直人の前で、凍て付くほどの衝撃を与えた元凶が言葉を発した。

 

加賀「航空母艦、加賀です。あなたが私の提督なの?まぁ、それなりに期待はしているわ。」

 

4月26日、加賀着任、日本黄金期の第1航空戦隊が揃った瞬間である。

 

提督「・・・あぁ。よろしく頼む。」

 

加賀「もう下がっていいかしら?」

 

と言うか下がらせろ、とその視線が主張していた。

 

提督「ん? あぁ、構わんよ。今日はゆっくりしていていい。」

 

加賀「そう、分かったわ。それでは。」

 

 

ドタドタドタ・・・

 

 

加賀が執務室を出ようとドアノブに手を掛けたその時・・・

 

 

出し抜けにドアが開いた。

 

 

赤城「加賀さんが来たと聞いて。」

 

加賀「赤城さん・・・!」

 

提督(・・・まぁ、来そうだと思ってはいたがマジで来たな。)

 

赤城「お腹減ってません? 食堂行きましょう!」

 

加賀「そうね、行きましょう。」

 

そういやもうすぐ夕飯時・・・にはまだ遠い、たっぷり2時間はある。

 

提督(どんだけ食糧食いつぶす気だ赤城は・・・ハッ!!)

 

この時、直人は悪寒にも似た直感で一つの結論に至っていた。

 

「このままでは食材の在庫が破滅する。」と・・・。

 

提督「・・・。」

 

大淀「・・・?」

 

木曽「ん? どうした、提督?」

 

加賀建造の殊勲艦である木曽が問いかける。

 

提督「いや、なんでもない。よくやった。」

 

木曽「あぁ、礼は妖精達に言う事だ。俺は資材量を考えて運んだだけだしな。」

 

謙遜した風に言う木曽、今回は資源投入量を木曽に一任していたのである。が、この金星である。

 

提督「フフ、まぁそれもそうだな。だがよくやってくれた。これで我が艦隊の戦力はまた充実した訳だ。」

 

大淀「おめでとうございます、提督。」

 

提督「ありがとう。だが、これから戦闘が激化する事を考えると、更なる充実を図る必要が出てくる。資源の方はどの程度ある?」

 

大淀「はい、燃料が7千弱、弾薬が6500ほど、鋼材が5000程度にボーキサイトが3千強と言ったところです。」

 

提督「そうか・・・ふむ・・・。」

 

直人が暫し考え込む。

 

大淀「・・・明後日の出撃編成、ですね?」

 

提督「まぁそうだ。予定外のタイミングで加賀が来てしまったし、と思ってな。」

 

少々唸りながら思案に耽る直人であったが、それに大淀が割って入った。

 

大淀「加賀さんとどなたか、入れ替えますか?」

 

提督「流石大淀さん、話が早くて助かるよ。そうさな・・・取り敢えず赤城を編成から外しておこう。南西諸島にはそこまで強力な敵はいないと聞いている。赤城の助勢が無くても、呉鎮守府と俺達で何とかなるだろう。」

 

大淀「分かりました、ではその様に伝えておきますね。」

 

提督「あぁ、悪いな。」

 

直人が少し申し訳なさそうに言うと、大淀は微笑みを浮かべてこういった。

 

大淀「いえ、今はまだこれ位しか出来ませんし、これが仕事ですから。」

 

大淀の献身的な姿が自らの経験の記憶に重なり、息苦しさを覚えていた直人にとってその言葉は痛いほどありがたかった。

 

提督「・・・ありがとう。」

 

大淀「どういたしまして。さぁ! 提督も仕事仕事!」^^

 

提督「ハハハッ、こりゃ参ったな。まぁ、すぐ終わらせる事にしましょうかね。」

 

いつもの調子に戻る直人、それを見届けた大淀は執務室を去っていった。

 

大淀の発言はいつも決まって裏表がない。だからこそ直人も全幅の信頼を置いていたのだのだが、その姿はかつての自分と重なるところがあった故に、彼は息苦しさを禁じ得なかった。だが、大淀のあの一言を受けた直人は、その後30分で書類を全て片付けたのだった。

 

 

 

4月27日午前11時 食堂棟2階・大会議室

 

 

提督「それでは今から、明日の出撃編成を発表する!!」

 

金剛「やっぱり私が総旗艦デスカー?」

 

提督「それは勿論だ。第1水上打撃群の旗艦も兼ねてもらうぞ、金剛。」

 

金剛「OK! お任せ下サーイ!」

 

金剛はこの日も元気である。

 

提督「では第1水上打撃群、これに関しては前回の防衛戦の編成を引き継ぐ。が、今回赤城には外れてもらい、代わりに加賀に入ってもらう。」

 

赤城「・・・分かりました、提督の指示とあらば、致し方ありません。」

 

赤城はこう言ったが加賀が異議を提言する。

 

加賀「ですが、いきなり私が編成に加わる事で、作戦の失敗は考えられませんか?」

 

これはつまり、経験が不足の加賀を編成に組む事で艦隊運動に連携性を欠き、それが致命的なミスに繋がる事を懸念した意見だった。

 

提督「自信が無いなら私が君の直衛艦として随行してもいいぞ?」

 

直人は真剣な面持ちでそう言った。しかし言葉を返せばそれは、練度不足の加賀の育成を実戦に於いて育成するリスクと釣り合うの作戦であるという事でもあった。

 

加賀「・・・いえ、御心配には及びません。私の子達は、皆優秀ですから。」

 

そう言って加賀は遠回しに断った。

 

提督「結構。第1艦隊の編成についてだが、これは第1水雷戦隊に改編し、よって扶桑と飛鷹は新編の艦隊に移動してもらう。扶桑の代わりに筑摩、飛鷹の代わりに雷を編成する。旗艦も神通に変更だ。」

 

神通「水雷戦隊は軽巡1ないし2に駆逐艦ですよね?」

 

神通の指摘は最もであるが、直人は渋面を作っていった。

 

提督「駆逐艦が少ないんだ、察してくれ・・・。」

 

神通「―――そうですね、つかぬ事をお聞きしました。」

 

扶桑「その・・・新編の艦隊、とは?」

 

先の直人の言に疑問を覚えた扶桑が直人に問いかける。

 

提督「あぁ、それは第1艦隊を第1航空艦隊として新しく作り直そうと思ってな。旗艦は扶桑、君に任せようと思う。」

 

扶桑「本当ですか!?」

 

提督「無論だ。扶桑も瑞雲が使えるから、適任だ。編成は今回出撃しないしあくまで仮編成だが、扶桑、赤城、妙高、千代田の4隻を当面配属する事にする。頭数がそろい次第再編する事にし、今回は第1水上打撃群を主力に、第1水雷戦隊がそれを護衛すること。」

 

「「「はい(おう)!」」」

 

2艦隊の12人が返事を返すと、直人はさらに続けた。

 

提督「今回の攻撃目標は南西諸島、特に敵の補給拠点となっている沖縄本島と、中国沿岸に最も近く、深海棲艦の停泊地となっている尖閣諸島だ。これら一帯の敵を掃討し、南西諸島の島々を奴らの手より解放する事が今回の01号作戦の目的だ。」

 

加賀「敵の陣容の方はどの程度いるのですか?」

 

提督「良い質問だ。当該地域には戦艦級18、正規空母級26、軽空母級が41、だが何れも各諸島に分散しているとのことだ。また敵は律儀にも6隻1部隊で行動しているらしく、それぞれの島ないし諸島におおよそ5個の部隊がいる様だ。艦隊各員に命ずることはただ一つ、これらを虱潰しにして貰いたい。」

 

続いて大淀が補足事項の説明を行う。

 

大淀「今回の作戦に於いては、呉鎮守府より当方の支援の為に2個艦隊が出撃します。呉の支援艦隊は敵が集結している鹿児島県に属する範囲を攻撃して大規模な陽動殲滅戦を実施、我が艦隊は沖縄県側に行動して、敵を排斥すると共にその退路を断つ事になっています。」

 

初春「ふむ、ではわらわ達の側は比較的戦力が少ない訳じゃな。じゃが他の方面から増援が来ることは考えられぬかの?」

 

提督「そうだな、今回も鋭いご指摘、恐れ入るよ。」

 

直人は一呼吸置いて続けた。

 

提督「敵増援の出撃元として考えられる場所は台湾とフィリピン北部だが、このエリアに関してはマニラ基地の連中が良くやってくれているらしく、敵の勢力の矛先はマニラ基地攻撃に向いているそうだ。また台湾の敵もフィリピン方面に出かけており防備の最低限の戦力しかいないとの報が入っている。作戦部隊は安心して任に当たって貰いたい。」

 

初春「そう言う事であればわらわにも異論はない、この上は敵を叩き潰すのみじゃ。」

 

提督「頼りにしている。では本日はここまでだ。解散してもいいぞ。」

 

そう言うと提督は足早に会議室を去った。

 

 

 

大淀「提督。」

 

提督「ん?」

 

執務室に戻る途中で大淀が話しかけてきた。

 

大淀「提督はなぜ金剛さんに総旗艦を任せたんですか?」

 

提督「うーん・・・まぁ、初期艦だったのが一つ、もう一つは、何か天啓の様な物を感じたんだ。」

 

大淀「天啓・・・ですか・・・?」

 

大淀が首を傾げた。

 

提督「あぁ。金剛と初めて会ったとき、彼女に何か底知れぬ才覚の様なものを感じた。彼女と俺は出会う定めの元に生まれ、今こうして同じ場所で戦っている。俺達は深海棲艦を倒す為に、艦娘達はその剣としてここに居る。だが金剛とだけはそれだけの様には思えない、そんな気がしたんだ。そして彼女ならば艦隊をきちんと正しく纏め上げてくれると確信したんだ。」

 

大淀「成程・・・。」

 

提督「勿論俺の気のせいかも知れん。だがなにより、金剛は一番年長者だからな。経験豊富な艦娘に頼むのは当然と言えば当然だよ。」

 

大淀「そうですね・・・。」

 

大淀はまだ何かしら追求したそうな表情だったが、結局諦めたようだった。

 

提督「今は何よりも明日の前処理だ、行くぞー。」

 

大淀「は、はい!」

 

提督は思考をささっと切り替えて執務室へと戻り、以降籠りっぱなしで書類を片付けていましたとさ。

 

 

 

同日夕方・鎮守府裏ドック

 

 

夕日が差す司令部裏のドック、その海向きの縁に座る直人は、一人思案に耽っていた。

 

提督「・・・。」

 

沈黙を保つ直人、辺りを支配するのは波の音のみ。

 

金剛「oh! 提督ゥー、何してるんですカー?」

 

提督「ッ!!??」ビクゥ

 

素で飛び上がる直人。

 

金剛「アハハハハハッ! ど、どうしたんデース?」

 

提督「い、いやいや、少し考え事をしててな。」

 

自分を落ち着かせながら言う直人。どこが少しなのか。

 

金剛「ドコが少しデスカー? 声を掛けただけで飛び上がってましたヨ?」

 

提督「それは・・・あー、うん。まぁ・・・そうだな。」

 

目を泳がせて言う直人。

 

金剛「ねぇ提督ゥー。提督がここに来た理由ってナンデスカー?」

 

提督「!」

 

直人はその問いに一瞬驚いて見せ、再び思考に入った。

 

金剛「何か理由とか、あるんデスカー?」

 

提督「うーん・・・今は・・・よく分からない。俺がここに来ることになったのも命令によるものだったし・・・。思えば何か明確な目的があって、来た訳じゃなかったな・・・。」

 

金剛「そうなんですカー?」

 

提督「うん・・・。」

 

その直人に金剛が諭すような口調でこう言った。

 

金剛「・・・提督ゥ、何か困った事や悩みがあれば、いつでも私の所へ来て下サイ。力になってあげマース。」

 

提督「まだ知り合ったばかりなのに悪いよ、それは・・・。」

 

金剛「ノンノン! 水臭い事を言わないで下さい! あなたは一人じゃないのデス。一人で抱え込まないで下サーイ。」

 

提督「でも・・・。」

 

まだ言葉に詰まる直人、そこに金剛がもう一声かける。

 

金剛「それに、提督のテンションが低いままダト、皆が動揺しマース。落ち込んでる姿はらしくないのデース。何かあれば、何でも話して下サイ。」

 

提督「―――ありがとう、少し気が楽になったよ金剛。」

 

金剛「フフフッ。」^^

 

金剛の言葉に励まされ、直人が立ち上がろうとした、その時だった。

 

局長「オヤオヤ? コンナ時間ニナニカト思エバ、提督ヲ口説イテイルノカナ? 金剛?」ニヤニヤ

 

ワール「おー、アツいアツい。」

 

提督「げっ!」

 

金剛「ナッ!? ナナナナニヲイッテルンデース!?///」

 

思いきり茶化しにくる局長とワールウィンド―――

 

「あらぁ~、いい雰囲気だったじゃな~い?」ニコニコ

 

―――ともう一人。

 

ワール「あら、遠慮しとくとか言って結局来るんじゃない、『荒潮』。」

 

荒潮「だって~、面白そうだったから♪」

 

ワール「あぁそう。」

 

その気まぐれ加減に若干うんざり目に言い放つワールウィンド。

 

朝潮型駆逐艦『荒潮』、局長がどこからか拾ってきた敵艦の残骸を鑑定した結果着任した駆逐艦娘である。

 

ただ正規のルートで得た艦では無い為局長の預かり、つまりゲスト扱いとなり、今は技術局薬品研究科と生体管理科を局長のフラル改から任されているようだ―――適任かは兎も角としても。

 

まぁ艦娘の体調管理と薬品研究を統括していると思って貰えれば十分と思われる。

 

実は荒潮自身はとんでもなく強いという噂もあるが、その真意は定かではない。

 

金剛「私ガ提督ヲクドクナンテマダ早スギルノデース///」

 

局長「口説イテイルヨウニシカ見エナカッタガ?」

 

提督「おいおい、お前らあんまり茶化してやるなよ?」

 

直人がフォローに回っている所へ・・・

 

「フフフフ・・・偶然戻ってみればこれはスクープですね・・・♪」

 

突如クレーンの上から漏れ聞こえた声、その声に金剛と直人は戦慄した。

 

提督「そっ、その声はっ!!」

 

金剛「間違いナイデース。」

 

提督&金剛「青葉(サン)!」

 

おっとこれは一大事、横鎮一のブン屋青葉にまで見つかっていた。

 

青葉「フフフッ、面白い写真を頂きましたよ。1面見出しで来週分の横鎮新聞に載せてあげましょう。『横鎮付属艦隊司令、金剛に惚れ込む!』とでもしましょうか。」

 

金剛「ちょっ・・・!?」

 

普通逆にしないだろうか。

 

提督「・・・。全く、金剛、それ位で慌てんなよ。」スタッ

 

狼狽する金剛にそう言いつつ座っていた姿勢から一気に立位になった直人、その表情は笑っていたが、戦を喜びとする武人のそれであった。

 

普段の笑みではなく、目が異様に吊り上がり、口元は笑みを湛え、その眼光は正に獲物に迫る鷹の如し。

 

一同「!!!」

 

その威圧感と覇気に、その場の全員が凍りついた。

 

青葉「さ、さて逃げるとッ!!!」スタッ

 

飛び降りて逃げようとした青葉は、その瞬間白金千剣の白金剣に囲まれていた。

 

動けばその刃先が体に触れるほどの距離である。そしてその内の1本は、青葉の首筋に突き付けられていた。

 

提督「逃げて? どうするつもりだったのかな? 逃がさないけどね。」

 

余裕を見せる直人。

 

青葉「くうっ・・・」

 

青葉はこの時負けを悟った。というよりこの提督を甘く見すぎていたと気づいていた。

 

提督「カメラを渡してもらおう。」

 

青葉「・・・はい。」

 

小さな声で返事をし、青葉は提督にカメラを手渡し、直人はそれを手慣れた手つきで操作し当該写真をすべて消した。

 

提督「ほれ、返す。言って置くが、今度こんな事をしても俺は必ずお前をその時に見つけ出す。スクープなんぞくれてやらんからな?」

 

青葉「・・・それは、私への宣戦布告、という事でいいですね?」

 

提督「何とでも思え。じゃぁな、お前らも早く帰るんだぞー。」

 

そう言い残して直人はその場を去った。

 

一同「・・・。」

 

それを全員黙って見送る。

 

その沈黙を破ったのは青葉だった。

 

青葉「提督って、お強いんですね。」

 

ワール「ま、これであなたにも分かったでしょうね。あの男の強さが。」

 

金剛「・・・。」

 

金剛などは唖然としていたが。

 

局長「マァ、アイツハ規格外ダカラナ。」

 

荒潮「そうみたいねぇ~。フフフッ・・・」ギラリ

 

人知れず眼光を鋭くする荒潮である。

 

局長「ドウシタ金剛? オ前モ部屋ニ戻レヨ。」

 

金剛「オ、OKデス。」

 

局長「?」

 

局長は金剛が言葉に躓いたことに怪訝な顔をしたが、そのままその場を去った。

 

 

金剛「・・・。」

 

思い思いに立ち去る局長たちの背中を見送りながら、金剛はある一つの結論に至っていた。

 

金剛(提督は色んな面でお強い・・・であればこそ、提督は着任間もない司令部で皆をまとめている・・・。私は総旗艦、本来提督に代わって皆をまとめるべき艦、でも私にはまだ力が足りない、色んな面で・・・。)

 

この時金剛は今一度、この司令部で頑張ろうと、心に決めたのだった・・・。

 

 

明けて4月28日午前7時、直人は出撃する艦隊を見送る為、司令部裏のドックに来ていた。

 

金剛「今回は来ないのデスカー?」

 

その言葉に直人は

 

提督「あぁ、すまないな。俺も色々とやる事があるもんでな。」

 

と言う。

 

金剛「ノープログレム! 私たちは必ず帰ってきマース、期待してネー!」

 

提督「フフフッ、何時にも増して無遠慮だな金剛、まぁ、期待させてもらおう。」

 

金剛「帰ったら飛び切りの紅茶を御馳走するネー。」ゴニョゴニョ

 

提督「・・・! フッ、そいつは楽しみだ。」

 

直人がそう言いながら笑みを浮かべる。

 

金剛「フフッ、さぁ! 皆さん行きますヨー!」

 

「「はいっ(おう)!」」

 

そうして、金剛達は出撃して行った。

 

提督「・・・。さて、俺も仕事をs「提督!こんなところにいらしたんですね!」あっ、やべっ。」

 

やって来たのは大淀だった。

 

大淀「少し目を離せばすぐにいなくなってしまわれては困ります! 何をされていたんですか?」

 

提督「やだなぁ・・・金剛達の見送りだよ。」

 

頭を掻いて言う直人であったが、そこへ大淀がきつい口調で言った。

 

大淀「そんな事をしている暇があるなら執務に専念してほしいものですがね。まだ執務を始めてさえいないではないですか。」

 

提督「―――『そんな事』だと?」

 

大淀の一言に直人は目を剥いた。

 

大淀「えっ?」

 

大淀が珍しく、地雷を踏み抜いた瞬間である。

 

提督「俺は見送りの一つ無しに彼女達を死地に送るつもりには到底なれん。ましてそれ位なら前回の様に俺自ら武器を取って彼女達と出撃するだろう。俺は司令官だ、身の安全を図るのは当然であるが、安全な所から指示を出すのは本来俺の性分じゃないんだ。」

 

大淀「はっ、はいっ。先程の失言、申し訳ありませんでした。」

 

大淀が地雷を踏んだ事に気付いて頭を下げると、特段怒っている風でもない直人は言葉を続けた。

 

提督「まぁ、彼女たちが無事に帰ってくるかが心配でな。生還を祈っていたのさ。」

 

大淀「―――提督は、お優しいのですね。」

 

大淀がそう言うと直人は遠い目をしてこう言った。

 

提督「なに、昔俺も無茶をしたからな、それを艦娘達にやらせるのかと思うと、ね。」

 

大淀「・・・そうですか。」

 

提督「―――さて、俺も支度するか・・・。」

 

大淀「え? どちらへ行かれるのですか?」

 

『何も聞いていませんよ?』と大淀が訊くと、直人は嫌さ加減満々でこう言った。

 

提督「査問会さ。」ハァ~

 

露骨に嫌悪感を漂わせ、あまつさえ溜息さえつく始末である。直人はお説教(受け)や尋問は嫌いなのだ。

 

大淀「査問会!?」

 

提督「あぁ、局長たちをここに置いてる事を上が嗅ぎ付けたらしくてな、それでめでたくお偉方の質問会にお呼び出しだよ。」

 

大淀「あ~・・・そう言う事ですか。」

 

事実として理由としては単にそれだけであった。が、それを口実に直人を反逆者扱いしたい向きも一部には働いていた。

 

提督「なーに、多分すぐ帰れるさ。」

 

と直人は楽観的だったが。

 

大淀「私も副官として、お供します。」

 

提督「うん、元から連れて来いと言われてた。」

 

大淀「そっ、そうだったんですね・・・。」

 

そうだったんです。

 

提督「あ~あ、面倒臭えが大本営まで呼び出し食っちまったって訳だ。」

 

大淀「その大本営ってどこにあるんですか?」

 

提督「旧横浜ランドマークタワー、横浜です。」

 

大淀「案外近かったんですね・・・。」

 

若干驚き交じりに言う大淀である。

 

この頃になると横浜ランドマークタワーは、日本沿岸への深海棲艦の攻撃により半壊していたが、廃墟も同然だったそれを国が買い上げ修繕、改装した上で、艦娘艦隊大本営(軍令部)として機能させている。

 

その機能は深海棲艦による被害を受けた、みなとみらい21の各所に分散されており、光無線通信を用いたネットワーク網で情報やデータなどのやり取りは殆どタイムラグなく出来るようになっている。

 

そして査問会の会場として指定されていたのが、その旧ランドマークタワー、現大本営本庁舎である。

 

提督「というか大淀さん、大本営の場所知らなかったん?」

 

大淀「私、防衛省から直接鎮守府に来たので・・・。」

 

あー、そゆことか。

 

提督「納得した。まぁいきますか。」

 

大淀「え、行くって何でです?」

 

大淀が素朴な疑問を口にした。

 

提督「車。」

 

直人はそっけなく返す。

 

大淀「迎えが来るんですか?」

 

提督「いや? 俺が運転する。」

 

大淀「えっ、提督、車運転できたんですか!?」

 

提督「・・・。」

 

些か傷付いたというような面持ちで大淀の顔を見返す直人。

 

大淀「・・・ごめんなさい。」

 

大淀が事のまずさに思わず素に戻る。

 

提督「いや、いいさ―――ちゃんと免許持ってるんだぞー、引っ越すときも俺の車で来たんだぞー。」

 

大淀「御見それいたしました。」

 

提督「うむ。」

 

満足したようにニコニコとして頷き、直人は大淀を伴って司令部を出て、提督官舎のマンションの駐車場に向かった。

 

 

 

4月28日 提督官舎駐車場

 

 

提督「~♪(リパブリック讃歌)」クルクル~

 

直人はキーを回しながら口笛を吹いて歩いていた。

 

大淀「そんなに気を抜いてていいんですか?」

 

直人「気を張ってたらそれこそ誘導尋問に引っかかっちまうからな俺は。」

 

それに、幹部会の一人にあの土方海将もいるしな。と語ったところで、直人の車の所へ辿り着いた。

 

直人の愛車、それは赤の日産ラフェスタ ハイウェイスター(4WD)であった。

 

なおこの車も父親が使っていたものをそのまま家族から譲り受けた物で、日産側の協力を取り付けエンジンなどを換装したワンオフモデルである。(まぁ40年以上前の車だから普通ならとっくの昔に廃車である。)

 

なおそこへ直人がさらにチューンを施しており、時速160kmを最高速とし、100kmまで5秒あれば加速可能、タイヤは普通のタイヤだが時代の流れに伴って自然と高性能化してきているので問題はない。

 

大淀「いい車ですね・・・。」

 

大淀が言うと提督はこう応じた。

 

提督「親父の形見の一つなんだ、でも7人乗りだから一人で乗るには広くてな、普段は荷物運搬の時にも使ってるんだ。」

 

大淀「そうなんですね。」

 

提督「ま、好きなとこ乗ってよ、ちゃちゃっといくぞー。」スッ

 

そう言いつつ運転席に滑り込む直人。

 

大淀「あ、はい!」

 

2列目の左側に大淀も乗り込み、直人達は横浜へと向かった。

 

横須賀鎮守府の艦隊司令部群は、横須賀市の沿岸部に広く存在するが、横鎮近衛艦隊司令部の在地は、提督官舎からおおよそ1.7km程離れている。

 

八島入江の位置がそれに該当するが、その場所は時系列を遡り現代で言うところの観音崎公園である。

 

観音崎公園を含む観音崎一帯には、旧防衛大学校(老朽化により建物が解体間近)や複数の学校、住宅地などがあったが、第1次対深海戦争で超兵器級深海棲艦の攻撃を受けてその過半を消失し、観音崎公園などは地形が変わり、小さな入り江が出来た。

 

多数の攻撃痕で変貌した地形は当初複雑であり、そこに木々が生い茂り、またその攻撃から10数年経過したことによる水底や入り江の侵食崩壊によって複雑さがかなり緩和され、東西160m、南北51m、観音崎灯台跡から北に30m程の位置に入り口を持つ仮称「八島入江」が出来上がった。

 

この一帯は攻撃による荒廃を理由として唯一横須賀沿岸では司令部建設区画には指定されず、崩壊した旧防衛大学校の跡地を使い、隣接する横鎮馬堀地区の提督官舎が作られたのみに留まった。

 

旧観音崎灯台付近には造兵廠と大型艦用建造ドックが建造されたことは公表されていたが、その管轄は公には大本営管轄となっていたのである。

 

なお横鎮近衛艦隊の司令部施設から造兵廠までは歩きである。

 

因みに司令部施設は下から見る分には巧妙に隠されており、観音崎灯台跡の西側130m付近に居を構えている。またここに来る為には観音崎レストハウス跡に隠した秘密地下通路から観音崎公園内に出る必要もあったりなど、公然とした秘密基地でもある。

 

因みに道路に関しては国道16号が馬堀地区の司令部との連絡の為に復旧されており、只今16号を横浜方面に爆走中である。

 

 

 

~運転中のお話~

 

 

提督「~♪」

 

大淀「運転お上手なんですね・・・。」

 

提督「まぁねー。」

 

まんざらでもなくそう返す直人。

 

16号上り線とか(このご時勢では)まず混んでないから100kmは余裕で出せます。(現在85km)

 

提督「そういや大淀さんって、好きな料理とかあるん?」

 

と直人は少し聞いて見たかったことをこの機会に聞く事にした。

 

大淀「えっ? あぁ―――そうですね、だし巻き卵とかアサリ汁とかでしょうか・・・。」

 

おや、意外にシンプルだった。

 

提督「意外とシンプルなんだね・・・」

 

と口に出してみる。

 

大淀「あまり凝った料理には慣れてなくて・・・。」^^;

 

提督「あー、成程ね。」

 

普通軍艦でそんな手の込んだ料理とかは出さないから当然か。

 

提督「じゃぁそうさな、嫌いな食べ物とかは?」

 

大淀「うーん・・・どうでしょう、そう言えば好き嫌いはあんまりない方ですから・・・。強いて言うならニラでしょうか。」

 

提督「ニラかぁ~・・・美味しいけどなぁ・・・」

 

大淀「あまり好きでは・・・ないですね。」

 

ニラがダメなら、と直人はこんな事を聞いてみる。

 

提督「ニンニクは大丈夫なの?」

 

大淀「それは大丈夫です。後で口の匂いとか気になりますけど・・・。」

 

提督「違いない、ハハハハッ!」

 

大淀「提督は好き嫌いとかないんですか?」

 

逆に聞き返された。

 

提督「毎日同じもんばかり食べさせられなきゃ基本的には無いです。ゲテモノは勘弁ってとこかね、蜂の子とか。」

 

大淀「成程。それは鳳翔さんが喜びますね。」

 

笑顔で言い切る大淀さん。

 

提督「ん? なんで?」

 

大淀「ご存じないんですか? 鳳翔さん結構お残しには厳しいんです。」

 

提督「・・・マジで?」

 

ちょっと意外だった件。

 

大淀「この間天龍さんが、出された青椒肉絲のピーマンだけ抜こうとしたのを鳳翔さんが見つけてお説教した挙句渋々食べたらおいしかったので平げた、なんて話もありますし。」

 

提督「・・・あの天龍がピーマン嫌い(解消)か、フフフッ。」

 

微笑ましい事もあったもんだ。

 

大淀「あとは金剛さんが出された烏龍茶を、「苦手だから紅茶にして欲しい」とダダをこねたらこれまた「駄々を捏ねない!」と怒られて渋々飲み干したりとか。」

 

・・・うわー^^;

 

提督「―――これは俺も留意しとかないとな。」

 

大淀「そうされた方がいいと思います。」

 

と、他愛もない会話をしつつ、二人は横浜に到着した。

 

 

 

午前9時40分 横浜・大本営前

 

 

大淀「ここが・・・。」

 

提督「そう、ここが大本営だ。」

 

旧ランドマークタワー、今の大本営は、健在時の面影はどこへやら消え失せている。

 

なぜなら上から20層ごっそり無くなっている為である。今の大本営は70階建てではなく50階建てだ。(誤値であればお教え頂けると幸いです、外見の写真で判別しています)

 

土方「紀伊君!」

 

提督「あっ、土方海将!」

 

声を掛けて来たのは土方龍二海将であった。

 

土方「まだ忙しい時期なのに呼び出してすまんな、ところで、君が深海棲艦を匿っているというのは―――本当かね?」

 

土方海将は詰問ではなくただの質問をしたに過ぎない。

 

提督「えぇ、匿っていると言う表現には語弊はありますが事実です。」

 

それが分かるだけに諦めたように言う直人。

 

土方「ハハッ、そんな諦めの表情をせんでいいだろう、君を知っている人間からすれば最も君らしい采配だろう。だが他の幹部会の連中が、どうもそれを許せないらしい。」

 

提督「まぁ、私を知らない人間からすれば、敵を匿うなんて、それこそ利敵行為と見て然るべきですからね。ま、よくてキチガイ扱いですか。」

 

土方「そこまで自分を卑下する事も無かろう。それより早く行こう、査問会の時間は待ってはくれん、私もバックアップするから、君なりの正論を通してくれ。」

 

提督「えぇ、そのつもりでいます。」

 

大淀「あの、土方海将。」

 

提督「何かね大淀君。」

 

大淀「この一件で、提督が拘禁、という事は無いですよね?」

 

土方「それについては問題ない。深海棲艦が本土近海に闊歩する今この時期に、近衛艦隊の提督を拘禁するなど戦力ダウンも甚だしいからな。」

 

大淀「それを聞いて、安心しました。」

 

だがこの時直人は土方海将が、“まぁ、査問会の連中の気まぐれとさじ加減で、どうともなりうるが”と呟いたのを聞き逃さなかった。

 

提督「行きましょう、土方海将。大淀、暫く待っててくれ。」

 

土方「うむ。」

 

大淀「はい。」

 

3人は大本営に入り、大淀は1階のエントランスフロアで待ち、土方海将と直人は22階の査問会の会場に指定された部屋に向かった。

 

 

査問会の会場は、中央の床が一段下がっておりそこに査問を受ける者の椅子、その一段下がった床を囲む形で机を並べ査問を行う者達の椅子が置いてある形である。

 

そしてその机には、1席の空席を残し、査問官全員が揃っていた。

 

直人は静かに中央の椅子の横に立つ。

 

提督「本査問会にご出席の幹部会諸兄に於かれましては、わざわざの御足労誠にご苦労様で御座います。当司令部は現在作戦の途上にて、速やかなる帰還が望ましいと存じますので、早急に始めて頂く事を望みます、牟田口陸自軍幕僚長殿。いや、この場合牟田口議長と、お呼びするのが宜しいですかな?」

 

と、直人は皮肉らしさを込めつつ、その椅子の正面に座る査問会の主に言上を述べた。

 

年は50前といったところ、面構えは若干痩せているように見えるが、その体躯は痩せ型ではなくむしろ中庸というべき程度である。何かを見据えるような青みがかった黒の瞳が印象的であり、その表情は、どこか策動家を思わせる趣きがあった。

 

牟田口「ふむ、そうだな紀伊元帥。早急に始めることにしよう。かけたまえ。」

 

やんわりとした口調で告げる牟田口。

 

提督「はっ、では失礼して。」

 

直人はそう言われ椅子に座る。

 

牟田口「では始めていこう。早速本題に入るが、被査問者である紀伊元帥がその司令部に、深海棲艦の者を置いている、というのは事実か否か。」

 

牟田口は口調こそやんわりとはしているが、その声は冷たく、針のような鋭利さで直人をえぐろうとした。が、直人には通用しなかった。それはひとえに彼の胆力の強さを象徴する一幕であるといってもいい。

 

提督「事実です。我々は先の横須賀防衛戦時、交戦した敵艦隊の総旗艦とその主力艦の1隻を捕虜とし、現在は我が鎮守府のゲストとして招聘しております。」

 

嶋田「ゲストだと!?」

 

声を荒げたのは海上自衛隊の海将補で幹部会の序列2席目である嶋田秀一郎(しまだ しゅういちろう)である。

 

小柄であるが横に広く、その顔つきや体躯から猛将に見えるが、裏を返すと冷静沈着なのが一定の定評を受けている男である。

 

短く刈り揃えた灰の髪には少々白髪が混じっている。

 

嶋田「んんっ、貴様は敵である深海棲艦を捕虜ではなく客人として置いているというのか? 何の手も講じずに?」

 

一度咳払いをして問うた嶋田に対して提督はこう返した。

 

提督「私は当初彼らを、申し上げた通り捕虜とし、尋問をするつもりでいました。ですが彼らは自らの立場を鑑みて我々に協力を願い出、私もまた協力を申し入れた間柄にあります。この状況で向こうが危害を加えてくることを、懸念こそすれ危惧する事こそ、ナンセンスだと思いますが。」

 

嶋田「何だとッ!?」

 

嶋田がいきり立つがそれを宥める人物がいた。

 

来栖「まぁまぁ嶋田海将補、落ち着き給えよ。それにしても敵である筈の深海棲艦と協力を申し出あうというのもまた奇怪な話だな。過去の歴史を紐解けばそのような例は多いが、しかし何故そのような事になったのだ?」

 

幹部会序列第3席の来栖良助(くるす りょうすけ)は空将で年は54、少々痩せ形ではあるが肩幅が広く、卑屈っぽい表情が何とも言えぬ印象を与える人物である。近頃髪に白髪が目立ち始めたらしい。

 

提督「理由の一つとして、相互利害の一致があります。我々は深海側の技術を欲し、また彼らも我々の技術を欲する、ただそれだけの事です。それにそうして手元に置いておけば、如何なる時にでも聞きたいことを聞く機会が生じ得ます。あえて敵と通ずることで、双方が互いに利用しあうという事です。何がいけないのでしょう?」

 

相互利害の一致、と言う点には欠点がある。それは局長がもしその人類の技術を深海に持ち逃げしたらと言う点である。だがその点について直人は何の憂慮も無かった。その意志の無い事は確認済みであったからだ。

 

来栖「だがそれなら更に上級の個体を捕縛して尋問すればいいのではないのか?高々戦艦級では得られる情報も限られてくるのではないかね?」

 

提督「それはまるで、今我が司令部に招いているゲストを放逐せよと、仰られている様にも取れるのですが。」

 

来栖「ご明察だ、君の私見はどうかね?」

 

提督「我々は相互の利害一致によって交友を得ている間柄なのです。それをみすみす壊し敵に回したとあっては、交友の機会は永久に失われるでしょう。それにあなた方は御存じないと思いますが、ゲストとして招いているのは超兵器級のオリジナルです。上級の知能体としては、相応しいと思いますが?」

 

来栖「ううぬ・・・。」

 

来栖は最早唸るしかなかった。

 

牟田口「成程、敵と意思疎通を図り友好関係を深め、様々なことを問いただす機会を作る、か。だがその為に我々の技術を与えるとはどういうことかね?」

 

提督「敢えて申し上げると、我々の技術は彼らにはないものばかりではありますが、手に入れても退嬰的なものでしかありません。ですが深海には、我々の知り得ない未知の技術が確かに存在する。それらを融合すれば、我々が超兵器級にも対抗しうる兵器を作りうる可能性を見出した、それだけであります。」

 

嶋田「その可能性の根拠は何かあるのか?」

 

先程直人に一杯食わされた嶋田が巻き返しを図る。

 

提督「我々ヒトと言う生き物は過去にも、個人の独創に於いて古い物と新しい物を組み合わせ、より良い技術を生み出してきた例が幾つもあります。我々が頭で考え、手足で実行する生き物だからこその芸当です。その先例に倣う事の何がいけないのでしょう?」

 

そこへ人知れず戻ってきていた幹部会序列第4席の土方海将が私見を述べた。

 

土方「確かに、深海棲艦はビーム兵器を初め、肉眼でミサイルを落とせる等、尋常ならざる敵である事は事実です。あくまで私見ではありますが、手段はどうあれ我々人類の勝利に繋がるのであれば、それが最善であると考えます。」

 

ううむ・・・と言う唸りが一瞬部屋を支配し、その後査問官が声を潜め互いに話し合う。

 

提督「・・・。」

 

それを腕と足を組んで待つ直人。

 

提督(下らん、こんな精神的リンチに、俺が屈すると思うのか?)

 

その頃・・・

 

 

 

南西諸島東側海域 午後1時過ぎ

 

 

金剛「全砲門、ファイヤー!!」

 

 

ドオオォォォーーーン

 

 

加賀「・・・別の艦隊を発見、攻撃隊、出します。」

 

金剛「お願いしマース。」

 

沖縄本島付近で制圧戦闘を行う横鎮近衛艦隊の面々は、同島にいた深海棲艦と交戦していた。

 

神通「1水戦、突撃します、私に続いて下さい!」

 

1水戦メンバー「はい!」

 

神通を先頭に、雷達駆逐隊が突撃する。

 

その前で、金剛の先制砲撃1斉射で3隻まで数を減らされた深海棲艦が狼狽する。

 

雷「雷の出番ね。」

 

綾波「ここで、負けられません!」

 

雷&綾波「突撃します!」

 

雷と綾波が突出する形で前進する。

 

愛宕「援護するわ!」

 

神通「お願いします、筑摩さんは周辺に別の敵がいないか偵察を!」

 

筑摩「はい。」

 

神通が的確に指示を飛ばす。その間に加賀は攻撃隊の発艦をほぼ終えていた。

 

蒼龍「良い編隊飛行ですね、加賀さん。」

 

加賀「皆、優秀な・・・自慢の子達ですから。」

 

蒼龍「そうね。」

 

加賀は最後の1本を番え、放つ。

 

赤松「おかん! 戦果期待して待っとれ! ガハハハハハ!」

 

加賀制空隊長妖精赤松貞明、後で紹介するが、腕は確かである。

 

加賀「調子に乗るのも程々にね、慢心しちゃダメよ。」

 

赤松「わーっとるわい!」

 

赤松の零戦も先行する攻撃隊と合同し、敵を目指し飛んでいった。

 

蒼龍「・・・相変わらずですね、松ちゃん。」

 

加賀「―――そうね。腕は確かなのだけれど・・・。」

 

豪快すぎる所が玉に瑕である。

 

蒼龍「そう言えばなんか加賀さんの周りにいると何故か暖かいんですが・・・。」

 

加賀「気のせいですっ。」ピキッ

 

蒼龍「そ、そうですよね。」アセッ

 

だが実際暖かい。

 

金剛「そうですカー? やたらと暑い気もしますがネー?」

 

ブラックジョークが好きな辺り流石英国からの帰国子女であろうか。

 

加賀「砲撃しますよ?」

 

金剛「それはノーセンキューデース。」^^;

 

流石に焦る金剛であった。

 

神通「金剛さん、こちらは撃破しました、次に行きましょう。」

 

金剛「OK! 行きマスヨー!」

 

 

~査問会室~

 

提督(あいつら、よくやってるのかね・・・。)

 

こんな状況でも皆を心配している直人であった。

 

嶋田「紀伊提督。」

 

提督「・・・なんでしょう。」

 

嶋田「君の実力は確かだと聞いている。だがもし、もしもだ、その二人が裏切ったら、その時はどうするのかね?」

 

提督「・・・この期に及んでそんな事を聞く必要が、あるのですかな?」

 

ギラリと鋭い眼光を向ける直人。それに恐れをなした嶋田は一瞬言葉に詰まった。

 

嶋田「ね、念の為に聞かせて欲しいのだ。」

 

提督「その場で始末します。何の為の艤装なのでしょう?『あの計画』の提唱者であるあなたにあの艤装の目的が分からない筈がないでしょう? 最も、そんな真似が出来るとはあの二人も思ってはいないでしょうね。私の強さを“よく”知っている筈ですから。」

 

実際は“よく”では無く“身を以て”なのだが敢えてそこは控えめに表現したようである。彼自ら戦ったとも言えないのもあったろう。

 

査問官A「紀伊元帥、君は目上に対して礼を失しているのではないかね!?」

 

幹部会以外にいた二名の査問官の片方が声を荒げて詰問する。

 

提督「貴官の階級はどうあれ、海自と艦娘艦隊の将官とでは階級基準がまるで違う。それを弁えて頂こう!」

 

嶋田「落ち着き給え紀伊元帥。」

 

初めの方で自分から怒鳴りつけておきながら、今度は怒鳴りつけた側を宥める羽目になったのは、痛烈な皮肉であっただろう。

 

嶋田「それで、出来るのかね?」

 

提督「言われるまでも無く身命を賭してやります。」

 

牟田口「そうか、それを聞いてこちらも安心出来るというものだよ。」

 

どこかあざ笑う様に―――少なくとも直人にはそう聞こえた―――言う牟田口。

 

牟田口「退室を許可しよう。君への嫌疑はこれにて不問とする。」

 

提督「・・・そうですか、ではこれにて。」

 

そう言って提督は席を立ち、査問会の部屋を後にした。

 

 

 

午後2時過ぎ 大本営本庁舎1F エントランス

 

 

エントランスのベンチで、大淀は直人が戻ってくるのを不安げに待っていた。

 

 

コツッコツッコツッコツッ

 

 

大淀「・・・?」

 

顔を見上げてその足音の方を見ると、歩み寄って来たのは直人ではなく土方海将だった。

 

土方「大淀君、やはりここか。」

 

大淀「あの、提督は?」

 

土方「査問会は今終わったところだ、多分トイレだろう。」

 

大淀「長かったですものね・・・。」

 

かなり端折りはしたが午前10時頃から行われていたのだ。

 

その提督、直人はというと・・・

 

 

大本営本庁舎1F 東側男子トイレ

 

 

提督「う~ん・・・」

 

 

ポトン

 

 

提督「ふぅ・・・」

 

土方海将の想像こそ当たってはいたが、まさかの小ではなく大だった。

 

 

 

土方「大淀君、君を紀伊元帥の所へと遣わした身として、一つ聞かせて欲しい。」

 

大淀「はい、なんでしょう?」

 

土方「君は提督の傍で任に当たる者として、本来このような事態を、査問会となる前に止める義務があった。だが、大淀はそれをしなかった、なぜかね?」

 

大淀は少し考えた後、土方に対して、限りなく確信に近い程強い口調で強く言った。

 

大淀「土方海将、仰る通りです。ですが、私は提督を信頼しています。提督ならどんな状況でもその挽回策を知っておいでだと感じました。ですから敢えてお止めしなかったのです。・・・おかしい、でしょうか?」

 

土方「・・・フッ。」

 

大淀「?」

 

大淀はこの土方の反応に、「ひょっとしてダメだったのであろうか」という思いも芽生えたが、それに対する土方の答えは、大淀の想いが杞憂である事を証明した。

 

土方「いや、紀伊の想いを洞察したのだな?」

 

大淀「おおよそは・・・。」

 

土方「ならば、それで良い。紀伊は敵味方の区別なく、慈悲を与える事が出来る貴重な人材でもある、それだけ視野が広いのだ。君を遣わしたのはどうやら正解だったようだ、これからもよく彼を補佐してやってくれ。」

 

大淀「は・・・はい―――!」

 

提督「んん~~っ、ふぅ~スッキリした。」

 

そこへ大きく伸びをしながら呑気にやって来たのは直人であった。

 

大淀「提督、お疲れ様でした。」

 

提督「ありがとう、全く査問官共め、おかげでトイレを我慢する羽目になったじゃないか。」

 

重大事を終えてきた事に比べればどうでもいいようなことをぶうたれる直人である。

 

土方「ハハハッ! まぁ致し方あるまい。それで? こうなる事も予見済みだったのか?」

 

提督「・・・。」

 

直人は提督という視点から、目を閉じ瞑目してから答えた。それは、全てを正確に貫く回答でもあった。

 

提督「恐らくは、鎮守府内、それも艦娘の中に幹部会と通じている者がいると見ていいでしょう。まさかあなたがそんな真似をするとは、思いませんがね。」

 

土方「その予想は正しい、恐らくは嶋田か牟田口議長だ。私は何もしていないし何も聞かされておらん。だがそれでいて証拠も何も無いから、君の力にはなれそうにない。すまんな・・・。」

 

提督「―――こういう時に、貴方は嘘をつきません、そのお言葉を聞いて安心しました土方海将。いや、土方『提督』とお呼びすれば宜しいですかな?」

 

そう言う直人の目は少し笑っていた。

 

土方「おいおい、提督は勘弁してくれ、もう8年前の話だからな。」

 

土方海将は、8年前の深海棲艦と日本の戦いの時海将に昇進し、横須賀基地の全護衛艦を率いて戦った身であり、その事から提督と呼ばれる事もある。

 

提督「ハハッ、そうでしたね―――それでは。」ザッ

 

土方「今日は本当にご苦労だった。」

 

互いに敬礼を交わす直人と土方。

 

二人が交わす眼差しには、ただの『部下』と『上司』であったとは思えぬような温情がこもっていた。

 

提督「さぁ、帰ろうか大淀。」

 

大淀「はい!」

 

 

午後2時半、彼らは帰途に就き、提督官舎付近に来る頃には既に5時頃になっていた。横浜の街で少々買い物をしていたのが原因であったが。

 

この日は生憎昼頃から曇り出し、夕日は見えなかった。

 

提督「うーん、今日は夕日は見えんか。」

 

大淀「ですね。」

 

そう返事してから大淀はふと思ったことを質問した。

 

大淀「夕日、お好きなんですか?」

 

提督「ん? あーいや、好きと言うほどではないがな・・・色んな事を思い出させてくれるから、嫌いではない、かな? となりゃ若干なり思う所はあるってことだな。」

 

大淀「そうですか。」

 

そんな事を呟いている頃、一つの出来事が、起こるべくして起こった。

 

 

 

その時金剛達は、敵の残党狩りをほぼ終えている所であった。

 

神通「撃て!」

 

神通に続いて金剛が砲撃態勢に入る。しかしそれを狙う影が一つ―――

 

金剛「これで、フィニッシュデース!!」

 

加賀「―――! 金剛さん、下がって!」

 

金剛に向けて砲撃姿勢を取る敵を見つけ、危険を知らせようとする加賀。

 

金剛「ノープログレムデース!」

 

しかし金剛はその言葉を聞き入れず、目の前の敵に砲を指向する金剛。金剛は左正面の敵影に一切気付いていないのだ。

 

筑摩「っ! 危ない、金剛さん!!」

 

筑摩も気付いて呼びかけるが、意気上がる金剛の耳に、それは届かない。

 

 

ズドドォォォー・・・ン

 

 

摩耶「金剛!!」

 

羽黒「金剛さん!!」

 

金剛「なっ・・・!!」

 

金剛とその他二人がその事に気付いたときには既に、手遅れであった。

 

金剛の死角から既に敵深海棲重巡リ級Flagが、一斉砲火を放っていた・・・

 

 

カッ・・・

 

 

綾波「金剛さあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・ん!!!!」

 

 

ドガアアァァァァァァァーーーー・・・ン

 

 

綾波の絶叫と共に、金剛に砲撃が直撃した・・・。

 

 

 

提督「・・・無事に帰ってこいよ、お前達・・・。」

 

大淀「―――はい、無事に帰ってくるといいですね・・・。」

 

そう念じずには居られない二人。

 

しかしこの事を、まだ直人らは知る由もない。

 

 

 

~グァム棲地~

 

 

「・・・ソウカ、沖縄ハ壊滅シタカ。」

 

「次ハココニ来ルト思ワレマス。」

 

「イツデモコイ、相手ニナッテヤロウ。忌々シイ艦娘ドモメ・・・!!」

 

深海棲艦の西太平洋における根拠地であるグァムでは、泊地棲鬼の指揮の下で、迎撃態勢が取られていた。

 

その身に持つ使命を忘れたまま、その身の運命を知らぬまま・・・

 

 

 

 

 

~次回予告~

 

 

 

艦娘達の南西諸島方面作戦と、提督の査問会と言う、二つの戦いは幕を閉じた。

しかしながら艦娘達は少なからざる傷を負って帰途に就く。

それは艦娘としての宿命でもあった。

そして査問会の理由とは? 深海側の思惑や如何に!?

 

次回、横鎮近衛艦隊奮戦録第8章、「戦いの終わりと・・・」

艦娘達の歴史が、また1ページ・・・




艦娘ファイルNo.24

加賀型航空母艦 加賀

装備1:零式艦戦21型(赤松隊)(対空+8 回避+6 命中+4 索敵+1)
装備2:99式艦爆(牧田隊)(爆装+6 命中+2 対潜+1 索敵+2)
装備3:97式艦攻(北島隊)(雷装+8 命中+3 回避+1 索敵+2 対潜+2)

木曽の初建造における大戦果で建造された正規空母。
特異点らしい点はあまり見られない。赤城と仲がいいが提督の指示は素直に聞く。誰に対しても疑問をズバッという事の出来る性格の持ち主でもあり、また偏見の目を向けること無く艦の実力を洞察できる貴重な才能をも持っている。
赤城に比して殲滅力で劣るが制空能力に秀で、特に赤松隊の制空戦闘機隊は、問題行為も目立つがその戦果も確かなものがある。

零式艦戦21型(赤松隊)
ステ:対空+8 回避+6 命中+4 索敵+1

隊長妖精赤松貞明率いる加賀制空隊。
隊長赤松貞明は酒にたばこ、女に喧嘩好きと問題行動が目立つが、。あと鳳翔制空隊長柑橘類と同様普通に喋れる。
性格は豪放磊落かつ無遠慮。また仲間思いな一面もあり、その事から部下達からは篤く慕われている。
常に煙草を携帯しており相当吸っているようだ。


司令部ゲストメンバーNo.3

朝潮型駆逐艦 荒潮 担当:薬品管理研究科

局長がどこからか拾ってきた深海棲艦の残骸をドロップ判定にかけた結果できた艦娘。正規ルートの入手では無い為に技術局スタッフとして局長の下でのんびりしている。
その正体はこの世界における某鎮守府の荒潮であり、艦娘であるが戦闘方面に才を発揮しなかった(出来るがしていない)為に覚醒はしない、が、次元の違う力を秘める上隠れ戦闘狂。
生体管理科の仕事は後に雷に譲る事になる。
なお夜戦知識のみはそこそこあるが経験はなし。何の事であるかは紳士諸君であればわかる筈だ。(キリッ

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