だけどもとりあえず頑張ってみます!
「なぁ比企谷、私の出した国語の課題はなんだったか?」
俺は今、職員室にて担任である平塚静と言う先生に呼び出しを食らっている。
「高校生活を振り返って。でしょう。超振り返ってるじゃないですか。特に後半」
正直に答えたところ、正解では無かったのか平塚先生の背後に某荒木先生の描く様な擬音が聞こえてくるんだが……
「あのなぁ、比企谷。そもそも後半しか振り返ってないのが問題なんだ!テストの記述問題は指定された文字数の八割は埋めろと言うが、必要の無い情報は要らん!」
なっ!これには少しカチンとしたぞ。反撃に出るには今しか無い!
「先生!それはおかしい!そもそも作文には正解なんか無いはずです!なら、前半が必要の無い情報と決め付けるのは早計では無いでしょうか?」
俺の読みではここでこの先生は突っかかってくると思うんだが……
「ほう、なら前半部分が如何に必要だったのか、私の納得のいく説明が出来るんだろうなぁ?」
……よし、食い付いた。なら後は俺のターン
「いいでしょう、なら、俺の作文が如何に正しいのか、説明しようじゃないですか……」
結果として失敗しました…いや、違うんだよ!?途中まではいい感じだったさ、でも、途中で結婚とかの話題が出ちゃって、グーが飛んできた。当たってはないけど。つぎ、当てる、言われた。
「まったく、君は地頭もいいし素行も悪くは無い。いい生徒だとは思うんだがなぁ。こういうウンチクを語る癖や死んだ魚の眼の様なものさえ無ければ胸を張れる良い生徒なんだが…」
ちょっと、ウンチクを語る癖は良いとしても、死んだ魚の眼って何だよ!どうしようもねぇじゃねぇかよ!そもそも別にウンチクを語る癖なんて無いしな!
「まあ、とはいえ、順調なのかねこの頃は。」
先生の声に雰囲気が出る。恐らくこっちが本題だったのだろう。なら、此方もしっかり答えるべきだろうな。
「ええ、まぁ。何人かは来てくれますね。達成出来てるのかは分かんないすけど。」
「そうか、しかし残念な事だ。折角私が顧問をしてやっているのに未だ部員が君一人とはな。」
「それには感謝しています。先生が居なければこの部活は作れなかった。でも先生、これは俺一人の方が都合が良いんですよ。<夢描き>ってのは人がいれば良いってものじゃ無いんですよ。」
夢描き、とは、俺がこの学校で行なっている部活(正確には一人なので部活では無いが)夢描き部というところでの活動だ。
人の夢への道を示す。ここだけ聞くと宗教の様にも聞こえるが、まあ、大雑把にいえば生徒の相談に乗ると言った内容である。
俺の言う、一人の方がいいと言うのも部員が多ければ多いほど参考にすべきものが多すぎて、まとめ難くなるって所もあるしな。
「ん、そうか。」
先生はそれだけ言うともう行きたまえと言いたそうな顔をしていた。
「うす、それじゃ今日も部活に行ってくるので、鍵借りて行きますね。」
そう言って俺はいつもの教室に向かおうとしたが、先生に声を掛けられた。
「そうだ、比企谷。今日も一人来るらしいからしっかり対応してやれ。」
お仕事の通知だった。しゃあない、今日は働くかぁ。
「了解です。先生。」
やっぱり難しい。
でも挫けず頑張ってみたい。