とりあえず、先生の話によると今日は相談者が一人来るらしい。
相談者が来る時、多くの場合平塚先生からの連絡が入る。平塚先生は生徒からの信頼も厚いため、相談に来る人も多いのだとか。
俺はもてなしの為に部室へ向かう途中、自販機でMAXコーヒーを二本買う。相談を聞く間にMAXコーヒーを布教する。これが俺スタイル。
………でだ、部室に来たのは良いが、一向に来ない。しばらくすると急に扉が開かれた。
「すまない比企谷、今日相談すると言っていた生徒は間違えて奉仕部に向かって行ってしまった様だ。」
どうやら平塚先生の手違いで俺は無駄骨を折ってしまったらしい。まあ、たまにある事だ。このぐらいで怒るほど小さくは無い。惜しむのはMAXコーヒーを布教できなかったことぐらいだ……ヤベェ怒りが湧いてきた。
大丈夫と言う意志を伝え帰り支度をしていると、不意にノックの音が教室に響いた。どうやら相談者らしい。俺は仕事モードへと切り替え、一言。
「どうぞ。入ってくれ。」
開け放れた扉から入ってきたのは一年生であろう女の子だった。
俺はというと、その少女に少し見惚れていた。
別段美人というわけでは無い。いうほどスタイルが抜群というわけでも無い。ただ、強い瞳をしていた。強い意思のある瞳。俺は、その瞳から目を離すことが出来なかった。
が、それも少しの間。相談を聞く為に椅子に座るように促し、話を切り出した。
「ようこそ夢描き部へ。俺は部長の比企谷八幡だ。あんたの名前は?」
話し合いのためには名前を聞くことは必須である。名前が分かるのと分からないのでは会話のリズムがかなり変わる。大事なことだ。
「私は一年の土屋千夜(つちや、ちや)です。友達からこの部活のことを教えてもらい来ました。見た所帰り支度をしていたようですが、大丈夫ですか?」
どうやら気を使うことが出来る子のようだ。そういった所は好感が持てる。
まあ、俺が好感を持った所で通報されるのがオチだがな。
「ああ、問題ない。正直来るはずの相談者が来なくて消化不良だったんだ。むしろ歓迎するさ。」
ジロリと隣に居る平塚先生を睨むとグッと唸っていた。
「まあ、子供達に任せることにしよう。先生がいない方が話せる話もあるだろう。」
そう言い平塚先生は出ていった。あれ?逃げたんじゃね?あれ逃げてるよね?
まぁいいか。それよりも目の前の相談者だな。
「それで?相談したいことって何なんだ?」
土屋は少しの間言い淀んでいたが、意を決したように相談を口にした。
その相談は、俺がこの部を作って以来、比較的重い相談だった。
「私の将来の夢の話なんですが、聞いてくれませんか?」
やばいな、1000字書くのもしんどいな。
短い話やけど、やるからには頑張ってみる。