表裏二体の少女   作:ラーメン三郎

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タイトルをリアル鬼ごっことリアルかくれんぼ、予兆で悩んでのですが、
あいだをとって前兆にしました。


10話 前兆

  ~クロア視点~

 

 

深夜0時

 

賢者の石、どこかで聞いた気がするが、思い出せない。

というかなぜ今こんなことが聞かれるのだろうか。

 

 

「えっと、どこかで聞いたような気がします、確か誰かに狙われてる?

みたいな話を聞きました、それがどうかしましたか?」

 

 

さっきまで自身な下げだったクィレル先生が真剣そうな表情で何かを考えていた。

というか小声でブツブツと話していた。

注意して聞いてみると......念には念を?とか処理?とか聞こえてくる。

 

 

「あの、私、寮に帰ってもいいですか?」

 

 

「ま、待ってください、す、すすこし話があるのですが」

 

 

と言い私に近寄ってくる。

 

 

<やばくない?この人、嫌な予感しかしないんだけど>

 

 

同感だ、目つきがやばい、獲物を狙う猛禽類の目つきをしている。

 

 

「あ、あの、私眠いので明日でお願いしますっ」

 

 

早口で告げると速足で逃げるように離れ、角を曲がった瞬間に走って逃げる。

後ろから追いかけてくる足音がする。

寮の女子部屋には入れば逃げきれるだろう、上に向かおうとして

 

 

<ダメ、寮に着く前に追いつかれる。下に逃げたあと朝まで隠れたほうがいいと思う>

 

 

と言われ、ハッとして、下に降りる。

すぐ後ろで階段を駆け上がる音が聞こえる。

危なかった

だが、おそらくグリフィンドールの寮付近に隠れて待ち伏せをしているだろう。

本格的に朝まで隠れることになりそうだ。

起きてられるだろうか。

 

 

<どうする?どこで隠れる?>

 

 

(どこにしましょうか、図書室は論外ですね)

 

 

さすがにこの状況で読書にいそしめるほど私の神経は図太くない。

本当ならどこかの寮には入れればいいのだが、合言葉など知るはずもない。

 

 

<女子トイレとかは?>

 

 

(そこで朝まで隠れ続けられるのですか?)

 

 

<でも、あのおっさんは寮の前から動かないと思うよ?>

 

 

(いえ、私が寮に帰ってこないと気づいたら探しに来ると思いますが)

 

 

<そ、それもそうだね>

 

 

(私は地下の廊下がいいと思います。

地下なら音が響きますから一方的に場所が把握できます)

 

 

<なるほど、でも探すときに音なんか出すかな?>

 

 

(分かりませんが、他に候補がないので仕方ありません)

 

 

<分かった、なら急ごう>

 

 

できるだけ音をたてないように地下に降りると、

空き部屋に入り、出入り口から死角になる位置に腰を下ろす。

 

 

 

深夜1時

 

(起きてられますかね)

 

 

<眠くなったら私に代わってくれたら頑張って起きるよ?

って、さっき危険なことをしないでって言ったのに....

ねえ、頭痛に変化ない?>

 

 

言われて考えてみると少し悪化しているような気もする。

どうやらさっきの話は事実らしい。

 

 

(すこし悪化していますが、多少の頭痛なら慣れたので大丈夫だと思います)

 

 

<そうじゃなくて、さっき言った通り、それは壁が壊れていってる証拠、この状況はかなりまずいんだって>

 

 

(分かっていますが、どうにもできません)

 

 

どうにかできるならさっさとしている

 

 

<そうだけどさ......>

 

 

今さっきまで一切変化しなかった頭痛が少しずつ悪化している気がする。

 

 

(具体的にどこまで頭痛がひどくなったらマズいですか?)

 

 

<んー、私には何とも言えない、今の私はあなたと痛覚を共有してないからね>

 

 

(そうですよ、というか、あなたもあまり分かってないのによくあそこまで断言できましたね)

 

 

<うっ、まあ私のあれも全部予想だけどね>

 

 

(.............)

 

 

<い、いやちゃんと自信はあるよ?

それに、危険になった時に頭痛がひどくなってるでしょ?>

 

 

(確かに現在進行形で悪化していますね)

 

 

<ほんとに?結構まずいかも、最悪寝るのもアリかも、

多分寝てる間は悪化しないと思うし>

 

 

(嫌ですよ、こんなところで一人で寝るなんて)

 

 

<一人じゃないじゃん>

 

 

(....そうですね)

 

 

不愉快だが

本当に独りぼっちだとかなり寂しいだろう。

その点は感謝できる。

不愉快だが

 

 

深夜2時

 

(そろそろ探し回ってますかね)

 

 

<どうだろうね、探し始めるならもう始めててもおかしくないと思うけど>

 

 

(そうですよね)

 

 

ずっと同じところでじっとしているからか、だんだん眠くなる。

 

 

(しりとりをしませんか?)

 

 

<しりとり....眠いの?>

 

 

(眠くないです、暇なだけです)

 

 

<そうですかそうですか>

 

 

明らかに眠いからしりとりをしようとしていることに気づいてて煽っている。

腹が立つ。

 

 

(しりとり)

 

<リサイクル>、(ルームメイト)、<トロール>、(ルーク)、<クール>、(ルーム)、<ムニエル>、(ルームシェア)、<アマガエル>、(ルーマニア)、<アルコール>

 

(..........)

 

 

<ん、負けを認める?>

 

 

楽しそうな声が聞こえてくる。

 

 

(あなたって割と性格が悪いですよね)

 

 

<ふふーん、賢いって言いなさい>

 

 

(賢いですね、本当に....ルール)

 

 

<へ、ルー....ル?>

 

 

(ほら、どうしました、私は今さっきあなたの事を賢いと思ったのですが、

勘違いでしたか?)

 

 

<うっ、パ、パスってあり?>

 

 

(無しです、負けですか?)

 

 

<あなたもなかなか性格悪いよね>

 

 

(切り札って、最後に出すものですよね?)

 

 

深夜3時

 

あれからいろいろと時間をつぶせることをしていたが、

身体が一つしかないという都合上、できることは限られる。

 

 

(頭の中まで共有していれば、チェスとかもできたのでしょうけどね)

 

 

<まあそれでチェスをしても相手の策を全部読めるから面白くないと思うよ?>

 

 

(そうですね)

 

 

本格的に眠くなってきて、話が続かなくなる。

 

 

(今何時でしょうね)

 

 

<たぶん4時か5痔ぐらいだと思うよ、体感だけど>

 

 

せめて地下じゃなければ窓から外を見て時間を予測できたのだが....

 

 

<ねえ、今....>

 

 

(外にいましたね、足音が聞こえました。思っていたより遅かったですね)

 

 

<たぶん、この時間に来たってことは、上から順に片っ端から見てきたんだと思うよ>

 

 

(つまり?)

 

 

<この階を片っ端から探す、代わろうか?

私ならそんなに眠くないから起きてられるよ?>

 

 

確かにそれなら....と思ったが

 

 

(無いですね、あなたの事ですし、あなた自身の欠陥ぐらい知ってるでしょう)

 

 

<そうだね、でも寝るよりはマシだと思うよ?>

 

 

(考えておきま「ガラッ」)

 

 

入ってきた?

かなり近くからドアが開く音がした。

見つかったら殺される?

さっきまでのゆるい雰囲気が嘘のように、背筋がゾッとする。

恐怖で身体が震えるのが分かる。

 

 

<お、落ち着いて、えっと、大丈夫だから。

大丈夫、きっと見つからないと思う。

深呼吸して、わ、私がいるから>

 

 

身体の震えは収まらないが、心に少しだけ余裕ができる。

 

 

(あ、あなただって落ち着いてないじゃないですか)

 

 

<わ、私は落ち着いて「ガタン」....出てった..かな?>

 

 

身体が緊張から解放され、ようやく気付く

 

 

(あの、頭痛が....ひどいのです..が)

 

 

<え....そっか..もうそこまで..大丈夫?

身体を動かすのに支障が出るんなら代わるよ?>

 

 

(大丈夫です。どのみち眠気はきれいに取れましたし、動く必要はなさそうです。

多分ですが、ここには私はいないと考えていると思いますから、

今頃別の所を探してると思います)

 

 

<そう、なら大丈夫そうだね>

 

 

(はい、私の想像通りに運べばいいのですが....)

 

 

深夜4時

 

一度安心したからか、すさまじい睡魔が私を襲う。

危うくつむりそうになっていた目をこすって頭を振る。

 

 

(まずいです、頭痛が気にならないほど眠いです)

 

 

<うーん、私もいまちょっとまずいかも、頭痛がない分余計眠い>

 

 

....私を護るんじゃないのか..

 

 

(どうしますか?ここで寝たらかなり危ないですが、

今ならもしかしたら寮に戻れるかもしれませんよ)

 

 

<たしかにこれだけ探したんだし、あきらめててもおかしくないもんね>

 

 

私ならまず諦めて、次の日にでも適当な理由を付けて呼び出すだろう。

だから、私達は寮に戻ろうとした。

 

 

 

 

それが眠気から来る『希望的観測』だと気づかずに。

 

 

______________

 

 

  ~クロア視点~

 

眠たい、まっすぐ歩けない、裏も話しかけてこなくなった。

ぼんやりと歩いていると、壁に頭をぶつけた。

額をこすりながら目を開けると、壁もこちらに振り返っていた、

というかそれは壁ではなく人だった、それもいま一番会いたくない感じの

 

つまりクィレル先生と目が合う。

私は機能停止しかけていた頭をフル回転させ、現在すべきことを考え出す。

 

『寮に逃げなきゃ』

 

幸い、あまり寮は遠くない。

 

 

<代わって‼私が逃げる、私なら魔法が使えるからあなたより逃げられる>

 

 

私が頭をフル回転させたことにより、裏も目が覚めたらしい。

 

 

(いえ、ダメです、先ほどと同じく、あなたにあなた自身の欠陥がある以上、

この場で身体は任せられません)

 

 

<....ごめんね、護るって言ったのに、こんな時に役立たずで>

 

 

ああ、本当にこの欠陥には悩まされる、これさえなければ....いや、今は目先の事のほうが優先だ。

 

談話室の絵画が見える。合言葉を叫ぶと、そのまま談話室に入る。

すぐ後ろにクィレル先生がいるが振り返る暇はない。

とりあえず女子寮にさえ入れば私が逃げ切ったことになる。

 

もう少しで..『ステューピファイ‼』呪文が聞こえ、

振り返ると杖をこちらに向けつつも、こちらに向かって走るクィレル先生の姿、

そして、その杖から放たれた光が眼前に迫ってくる。

ダメだ、よけられない着弾して、私は失神して、捕まって、殺される?

嫌だ...

 

 

 

 

 

『ペル・サルス‼』

 

 

頭の中で声が響くと、私に向かって飛んできていた魔法が消失する。

私もクィレル先生も何が起こったのか分からず立ち尽くす。

 

 

<早く‼逃げて‼>

 

 

その声にハッとして、女子寮に逃げ込む。

自分の部屋に入り、ドアに背を預けて、座り込む。

 

 

(何を....したん..ですか?)

 

 

<魔法、トロールの時と同じ>

 

 

(そう..ではなく、あの時私は....杖を..持っていま..せんでした。

いえ、今は..いいです。それ..より、あり....がとうございました。

あれが無かった..ら私は逃げられ..ませんでした)

 

 

この際、どうやったかなどは、どうだっていい、

私は助かった、これが重要なのだ。

 

 

<いや....その、どういたしまして>

 

 

なのに、すこしバツが悪そうに返され不安になる。

そういえばさっきから頭痛がひどい、正直このまま寝られるとは思えない。

 

 

(何..かあるので..すか?あなたの..態度が変ですが)

 

 

<ごめんね、多分あの魔法はまずかったと思う。

あの時私が魔法を打てたのは魔力に無理に干渉したから

私のあの魔法はもともと杖を必要としないの

でも魔力は身体にある、それを無理に引き出した、

一つの身体に歪んでいる二つの精神が無理に入ったせいで、

たぶんかなりまずいことになったと思う>

 

 

なるほど、だがまあ、死ぬよりはマシだろう。

それより、頭痛がひどくてうまく話せない。

 

 

(ま..ずいこ....と、とは?)

 

 

大方予想できるが、一応聞いておく

 

 

<壁が壊れた>

 

 

(やは..りですか....)

 

 

<本当にごめんなさい、あの時は焦ってて....>

 

 

(いえ、もう..過ぎたことですし、別に間違って....はいな..いと思いますよ。

......助かりま..した、それに壁..が壊れたとし..ても、助け..てくれる..ので.............)

 

 

そこで私の意識は途切れた。

 

 

 

  ~ハーマイオニー視点~

 

嫌な予感がして、早くから目が覚めた。

寝ぼけた頭で、ベッドから降りる。

昨晩はクロアは部屋には帰ってこなかったな。

と思い図書室に起こしに行こうとしてドアに向かい何かに足が引っ掛かる。

 

 

「ドアの前に荷物なんてなかったと思うんだけど」

 

 

などとつぶやきながら足元に目を向けると、

そこにはクロアがいた。

身体の中からサッと血が引いていくのが分かった。

最近のクロアは少し様子がおかしかった。

たまに何もない時にペンを落としたり、頭を押さえて顔をしかめていた。

もしかしたら、何か悪い病気にでも侵されていたのだろうか。

急いで床に倒れているクロアを抱っこすると、医務室に向かう。

よく見ると、いつも彼女がつけていたカチューシャにひびが入っていた。

 

何もないといいけど......




クロア 結構寂しがりや 今回ので、裏の事をかなり信用した

クロア裏 少しずつ秘密が明らかに

クィレル先生 ストーカー

カチューシャ クロアが身体のコントロールを握るのに必要なもの

ペル・サルス 杖を必要としない防御魔法

頭痛 壁が壊れかかっていることが原因

文が上手く伝わっているといいな。

壁が壊れ、意識を失ったクロアはどうなるのか。

次回、賢者の石はささっと守って、賢者の石編を終わらせます。
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