表裏二体の少女   作:ラーメン三郎

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最初のほうの話を見てみたら文字数すっくねえな。
2000字で目を剥いたわ。

頑張って前書きをかきました マル


17話 ルーの錯乱

  ~クロア視点~

 

「は?冗談はよしてくれ。ジニーがそんなことするわけないじゃないか」

 

 

「でも、私は見たのよ、彼女が日記をもって、バジリスクに蛇語で指示を出してたところを」

 

 

私たちは、ロンに昨日見たことを話していた。

 

 

「見間違いか何かだろ」

 

 

「なら、ジニーが日記を持っているか確かめればいいじゃない」

 

 

「....そう、クロアに言われてるのか?」

 

 

ん、私?

 

 

「クロアがそういえって命令してるのか、お前に」

 

 

......そういえば私がドラコと仲良くするようになってから、ロンは明らかに私を避けていたような気もする。

嫌われていたのか、そういえば前に『裏切者』って呼ばれたっけ。

 

 

「クロアがそんなことするわけないじゃん!

むしろバジリスクから守ってくれたわよ、クロアに守ってもらわなかったら今頃私はここにはいないわよ」

 

 

「正確には私が守ったわけではありませんが」

 

 

私じゃなくてルーだろう。

 

 

「それならむしろクロアが怪しいだろ、なんであのバジリスクから守れるんだ、

全部ジニーを犯人に仕立て上げるために仕組んだんじゃないのか?

ドラコか?ドラコにそうするように言われたのか?」

 

 

「なんでそうなるの?バジリスクから私を守ってくれただけじゃない!」

 

 

「ならどうやって守った?言ってみろ」

 

 

「それは、確かバジリスクに噛まれるギリギリで魔法を使ってくれたのよ」

 

 

「ギリギリなのは、来るのを分かってたからなんじゃないのか?

そもそもそんなタイミングで杖を出してることのほうが怪しいな」

 

 

「杖を使わない魔法よ」

 

 

「ふん、なら今ここで使ってみろよ。バジリスクが本気でクロアに向かって攻撃したのかを確かめてやる」

 

 

確かにそれなら確認できるだろう、ただロンがバジリスク並みの攻撃力を持っているとは思えないが。

 

 

(ルー、出来ますか?)

 

 

<ふぇ?で、できるよ。たぶん....>

 

 

(何か問題でもあるのですか?)

 

 

<えっと、ロンが近づかなかったら問題はないと思う>

 

 

ロン?ルーの弱点はロンなのか?

 

 

「ロンが近づかなければ問題なく使えるようですよ」

 

 

「そう、だったらロン、あなたは遠くから魔法で攻撃でもして確かめてね」

 

 

「ふん、いいさ。なんで近づいたらいいけないのかは、聞かないことにしてやるよ」

 

 

(それでは、お願いします)

 

 

「『セパレーション』で、できたよ」

 

 

やはりルーはロンが怖いのだろうか。上擦(うわず)った声でそう言ったルーは、

左手でハーマイオニーにしがみついて震えながら、右手で顔の右半分を押さえている。

 

 

「ど、どうしたの、ル..クロア」

 

 

ハーマイオニーが心配そうに声をかけるが、顔を押さえるのに必死という様子で、聞こえてない。

怯え方が尋常じゃない、まるで傷に刃物でも突きつけられているかのような雰囲気だ。

 

 

「『インセンディオ』、『エクスペリアームス』、『ステューピファイ』、『ディフィンド』....ああもうめんどくさい、バジリスクは魔法なんて使ってこないだろ」

 

 

魔法が膜に触れると消滅して、効果を示さないことに苛ついたのか、ロンこちらに歩み寄ってくる。

 

 

「や、やめてっ」

 

 

私の口から洩れる小さな叫び。

 

 

「ロン、約束が違うわ!近づかないって言ったじゃない」

 

 

それにただならぬ雰囲気を感じたハーマイオニーがロンに抗議する。

 

 

「でも、バジリスクの攻撃を耐えられるほどの強度があるかは物理攻撃じゃないと分からないだろ」

 

 

そういって拳を振り上げるロンが、視界に写ると、

 

 

「いやあああああああああああああああああっ」

 

 

悲鳴を上げ、ルーは頭を両手で抱えて床にうずくまる。

当然、顔から手を離したことで膜は消え、私の身体はハーマイオニーにしがみついてた位置から床に動いたため、

私のいたあたりを殴ろうとしたロンの拳はハーマイオニーを直撃する。

 

 

「え....」

 

 

ロンもまさか膜が消えるとは思っていなかったようで、

床にうずくまったまま、小さな声で「やめて、いやだ」と、うわごとの様につぶやき続けるルーと、殴られた箇所を押さえながら床に座り込むハーマイオニーを見て、

ようやく現状を理解したようで、顔がみるみる焦燥に染まっていく。

 

その様子を見た生徒が集まり、いつの間にか、私達の周りに大勢の気配がする。

 

 

(ルー、代わってください、今のあなたは正気ではありません)

 

 

と代わるように要請しても、ルーからの返事はない、さっきからずっと錯乱したまま震えている。

 

ハーマイオニーがルーに呼びかけても変わりはない。

そんななか、

 

 

「ウィイイイイイイズリイイイイイイイイイ‼」

 

 

ドラコの憤怒に染まった大声がする。

 

 

「クロアに何をしたぁ!」

 

 

ルーはいまだに床にうずくまったまま目をつむっているため、私が外の情報を得る手段は視覚以外だ。

 

 

「ち、違う、急にこうなったんだ。ぼ、僕は....」

 

 

「ふざけるな!明らかに様子がおかしいだろっ」

 

 

「ドラコ、落ち着いて。私から見てもここまでなるの怯える理由は無かったはずなの

........ドラコ、クロアから彼女の事、どこまで聞いてる?」

 

 

ルーの事を遠回しに聞いているのだろう。

 

 

「ルー?だったか、そいつの事なら聞いたぞ」

 

 

「そう、今クロアの身体を動かしているのはルーよ、私もクロアも、ルーの事はあまり知らないけど、たぶん、別の理由があるんだと思うの」

 

 

ドラコの舌打ちが聞こえた。

 

 

「本当だな?とりあえず僕はクロアを医務室に運ぶ、その間にそっちの問題も解決しておけ」

 

 

そういうと、私に近づく足音がする。ドラコだろう。

 

 

______________

 

  ~ドラコ視点~

 

床にうずくまって、小さな声で何かをつぶやき続けるクロアを見る。

一瞬、クロアと初めて会った時の様子を思い出すが、よく考えれば違う雰囲気だ。

しゃがみこんで、クロアをそのまま抱き上げる。

ハロウィーンの時も思ったが、見た目以上に軽い。

そして、その表情が見えた瞬間、ゾッとする。

()()()()()は何も映さない完璧なまでの無表情に、光を映さない真っ黒な目だったが、

左半分は、むしろ、異常なまでに何かに怯えたような顔をしていた。

その何も映さない片方の目と片側の顔が恐ろしくて、つい目を逸らしそうになる。

 

医務室に着くと、マダム・ポンフリーに、医務室から追い出されたので、

仕方なく廊下で待つが、クロアの小さな声が、医務室の中から聞こえてくる、

いや、これはさっきからずっと聞き続けていたせいで、耳に残っているだけか?

 

『いやだ』『やめて』『いやだ』『やめて』『いやだ』『やめて』『いやだ』『やめて』

 

うわごとの様に繰り返され続けていた言葉だ。

何があったのかは僕には分からないが、尋常じゃないことは分かる。

それにしてもルー、か()()()()()()()()()()()な。

クロアの言ってたような性格には見えなかったが....まあ錯乱してたからかもしれないか。

 

______________

 

  ~クロア視点~

 

 

医務室に運ばれてから、どのぐらいたっただろう。

 

 

<ごめんなさい>

 

 

(落ち着きましたか?)

 

 

<うん....ごめん。本当にごめんなさい>

 

 

一口目に謝ってくる。

 

 

(謝るぐらいなら、何であんな事になったのか、教えてくれると助かるのですが)

 

 

<ごめんなさい>

 

 

教えてはくれないようだ。

 

 

(まあいいですが、もともと教えてくれるとは思ってませんでしたし。

それより、次からは無理しないでくださいよ)

 

 

<......ごめんなさい>

 

 

いつの間にか私が身体を動かせるようになっていた。

 

 

マダム・ポンフリーに一言告げて、医務室を後にする。

今は......夜か、探せばハーマイオニーやロン、ドラコはいるだろうか。

 

 

「クロア、もう大丈夫なのか?」

 

 

まさかずっと待っていたのだろうか。

私たちがロンと話していたのは確か昼だったはずなので....およそ6,7時間は待っていたことになるのか?

いや、ずっと待っていたとは限らないだろう。もしかしたらさっき来た、とかなのかもしれない。

 

 

「はい、大丈夫です。それと、医務室まで運んでくれてありがとうございます」

 

 

今思い出すとなかなか恥ずかしい、ルーのせいだ。

 

 

「いいんだ、それよりごめんな、僕が助けるって言ったはずなのに、何もできなかった」

 

 

「いえ、あの時は私ではなくルーが表に出てたので、

ルーは助けられなかったかもしれませんが、私は助けられました」

 

 

事実、あそこから医務室に運んでくれたのは、助かった。

恥ずかしいが。

 

 

「そうか、ならよかったが、....それで、何があったんだ?」

 

 

「私にもあまり分かりません、ルーに聞いても教えてくれませんでしたし。

これは予想ですが、ルーはロンに対してかなり怯えていましたから、

私が記憶を失う前に何かあったのかもしれません」

 

 

「そう、か、それじゃあ、今日はもう遅いし、寮に帰るか。送るよ」

 

 

「そうですね、助かります」

 

 

______________

 

  ~クロア視点~

 

談話室にも部屋にもハーマイオニーはいなかった。

というか、歩くたびに周りの視線が痛いので、急いで部屋に帰った。

 

することもないので、とりあえず、溜まってる本を読むことにする。

 

 

――ゴースト、あまり詳しくは分かっていないが、ゴーストになるには、死んだ時点で、現世への強い未練と、死への恐怖が必要らしい。身体を構成するものは魔力に似た霧状の謎の物質

 

つまり死後のみしかなれない様だ。

 

 

ふと、ハーマイオニーの話を思い出す。

日記、確か会話ができるんだったか。

どうなっているのだろうか、もし日記自体に魂が組み込まれていて、それと会話するのなら、

私の魂を何かに入れれば、この身体から出て、別の器で過ごすことはできるのだろうか。

 

なら日記の入手も一応の目的の一つかな。

 

 

「あらクロア、いたの?」

 

 

ん、ハーマイオニーか。

 

 

「遅かったですね、何してたんですか?」

 

 

「先生と、ちょっとね」

 

 

まああれだけ大事になったのだ、教師を交えてのお話会は当たり前か。

それと気になることがもう一つ。

 

 

「ロンとはどうなりました?」

 

 

「一応、謝ってはくれたし、クロアにもごめんって伝えてくれ、とも言われたわ」

 

 

一応、とついているあたり、本心は分からないのかもしれないが、

 

 

「ジニーの事は?」

 

 

「先生の前では話してないわ」

 

 

やはりそうだろう、というかバジリスクの話をそもそも信用してくれるのだろうか

 

 

「大体は分かりました。ですが、こちらの方は全く分かりません。ごめんなさい」

 

 

ルーも教えてくれてもいいだろうに。

 

 

「ううん、それは分かってたからいいの、それよりクロア自身は大丈夫なの?」

 

 

私自身?どういうことだろう

 

 

「ああ、えっとね、ルーが表にいたから様子が分からなかったから、

一応聞いてみただけよ、平気なら別にいいの」

 

 

ああ、別に私自身が暴力を振るわれたわけではないし、別に問題はないだろう。

それを言うならむしろ、

 

 

「ハーマイオニーの方こそ大丈夫なのですか?

ごめんなさい、私のせいで殴られてましたよね」

 

 

「全然平気よ、マダム・ポンフリーにもらった薬で(アザ)も残らなかったわ」

 

 

......それはつまり痣にはなった、と言うことだろうか。

 

 

「ほら、そんな事より、見てよこれ」

 

 

ハーマイオニーが手に持っているものを私に見せる。

なんだろうか、

 

 

「パイですか?」

 

 

「うん、クロアは昼からずっと寝てたなら夜ご飯、食べてないんでしょ?」

 

 

そういわれて、空腹を認識したら止まらなくなる。

首を縦に振って頷くと、ハーマイオニーからパイをもらう。

 

パイを食べてる最中、ずっとハーマイオニーに見られていたが、

極力気にしないように食べる。

 

 

「ごちそうさまです。それと、ハーマイオニー、見られてたら食べづらいですよ」

 

 

「ごめんなさい」

 

 

楽しそうにそう言われる。反省の色はない。

ため息をつく。

 

 

「ごめんって、だってクロアのパイを見た時の表情がすごいキラキラしてたからつい」

 

 

つい、って......まあいいや、空腹を満たしたら眠くなってきた。

 

ささやかな仕返しに、ベッドに行き、枕をハーマイオニーに投げつけて、そのまま腕を枕にして寝ることにする。

 

 

「おやすみなさい」

 

 

「おやすみ」




クロア 達観系女子 なんというか、一人称視点の文が上手く書けない座衛門

ルー 錯乱系女子

ハーマイオニー ちょっとSっぽくね?

ロン ハリーもロンも出番無かったから今までほとんど描写してなかったけど、ロンはクロアの事を裏切者扱いしてます。

ドラコ ウィイイイイイイイイイイズリイイイイイイイイイイイ これ超好き ちなみに授業以外はずっと医務室の前でした。

寝る前の会話 ほとんど文字稼ぎついでの日常描写

もうそろそろ秘密の部屋が終わりそうやな、短いね。
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