表裏二体の少女   作:ラーメン三郎

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最終回です。


23話 終わり

  ~クロア視点~

 

「やっと見つけた!」

 

 

私たちが、ロンを探し始めて、それなりに経ったとき、ようやく校庭で、ロンを見つけた。

のだが、

 

 

「ハーマイオニー、様子がおかしくないですか?」

 

 

なにやら、成人ぐらいの汚い男性と言い争っているように見える。

極力、彼らを見ないようにしながら、ハーマイオニーに付いて行く。

 

 

「ロン、スキャバーズが逃げてたわよ、それから、こちらの人は?」

 

 

「ハーマイオニー、クロア、もう大丈夫なのかい?この人は....だれかは知らないけど、ピーターを出せって、なんか危ない人っぽいんだ」

 

 

ハーマイオニーが、ロンにネズミを差し出しながら聞いている。

 

直後、ロンが消えた。

いや、どこから来たのかは分からないが、巨大な犬に、噛みつかれて、引きずられるように、連れていかれた。

 

いつの間にか、さっきまでいた、汚い身なりの男性は消えていた。

 

私もハリーもハーマイオニーも、呆然と立ち尽くす中、ロンの叫び声が、残響していた。

 

 

「お、追いかけなきゃ!」

 

 

ハリーが、慌てて叫ぶ。

 

ハーマイオニーも頷いて、ハリーと、犬が消えた方向に向かう。

私は、どうしたらいいのか分からず、呆然としていたが、置いて行かれたくなくて、ハーマイオニーに付いて行く。

 

犬の消えた場所、暴れ柳と呼ばれる木の根元を見てみると、隠し通路のようなものがあった。

 

 

「この中に消えたのでしょうか」

 

 

「そうみたいね、入ってみましょうか」

 

 

ハリー、ハーマイオニー、私の順で、通路を進んでいく。

 

通路の先は、ボロい屋敷につながっていた。

不気味な声もするが、私たちは、すでにそれどころではなかった。

 

 

「ロン!」

 

 

ハリーが叫ぶ。

 

ハリーの視線の先には、遠く離れた場所に、

ロンが倒れていて、もう一人、おそらくさっきの汚い身なりの男性であろう人物がいた。

 

 

「ロンを返せ!」

 

 

ハリーが杖を構えたままそう叫ぶと、汚い身なりの男性は、こちらにゆっくりと振り返る。

 

 

「こいつはすぐに返そう、だが、ピーターを見つけてからだ」

 

 

先ほどから話にあがるピーター、と言うのは誰だろう。

 

おそらく、この様子だと、私達を傷つけるつもりはないのだろう。

距離は十分にある、これなら会話もできるだろう。

 

 

「名前を聞いてもいいですか?」

 

 

私は、今までの経験だと、成功率が極端に低い説得を始める。

 

 

「シリウス、シリウス・ブラックだ」

 

 

やはり、こちらに害意は無いのだろう、男は素直に答える。

これなら、何とかなりそうか?

と、思っていたが、

 

 

「お前が....お前がシリウス・ブラックか!」

 

 

ハリーが憤怒の表情を浮かべて、ブラックを睨んでいた。

なぜ怒っているのだろう、ん?シリウス・ブラック?どこかで聞いたような気が....

 

 

「お前が、僕の両親を裏切ったせいで!」

 

 

必死に思い出そうとしていた私の横で、怒りのボルテージを上げていくハリー

 

ハリーは杖を持っているという、リーチの差を使い、離れたところから、魔法を使い、ブラックを攻撃している。

が、ブラックは、さっきの巨大な犬に変身して、ハリーの魔法を(かわ)しつつ、ハリーの前に移動すると、器用に、口でハリーの杖を奪う。

 

そのまま、人の姿に戻る。私の近くで、

 

即座に、ハーマイオニーが私の視界を塞ぐ。

 

私とブラックの間に立つハーマイオニーの背中に、小さくお礼を言うと、ハーマイオニーも杖を構える。

 

 

「ハーマイオニー、彼に害意はありません」

 

 

「クロア、あなたは知らないかもしれないけど、シリウス・ブラックは、アズカバンを脱獄した、大量殺人鬼よ!」

 

 

あ!どこでシリウス・ブラックを見たか思い出した、いつかの新聞で見たのだ。

早口で、私にそう言ったハーマイオニーは、シリウス・ブラックに対して、魔法を使う。が、ハリーと同じように、躱されて、

 

そして、蹴り飛ばされる。

 

 

「ハーマイオニー!」

 

 

気絶しているハーマイオニーに、ハリーが叫ぶ。

 

目の前で、私を身長差のせいで見下すように立つ、シリウス・ブラック....シリウス・ブラックか?

どことなく雰囲気があの男に似ているような気がする。

....記憶....今なら、ほとんど鮮明に思い出すことが出来る。

ああ、そうだったな。

私はこんな風にあの男に、暴力を振るわれていたな。

私はこんな風に身体が痛かったな。

でも、これは記憶のはずだ。

もう同じ間違いだけはしたくない。

 

そして、

再生された記憶の中の拳が振り落ろされる。

 

一回、二回、三回、四回、五回、六回、七回、八回、九回、十回.....回.......回..............回.......................回.................................

 

再生された記憶の中で、やけに鮮明に空気が、私の鼓膜を震わせる。

 

なんでおまえがいるんだ おまえがいなければ さっさといなくなれ ひとごろし

 

そして、いつか、私の鼓膜を震わせるモノは、

肺から、空気を絞りだすような音と、骨と骨がぶつかるような音、苦しそうな呼吸の音、空の木箱に、ナニかが激突するような音だけになった。

 

身体中を包む激痛、身体が満足に動く日なんてなかった。

決まって毎日のように、私を無言で殴り、蹴る。

 

私の中のナニカが壊れる音がした。

 

 

そんな、ハイイロの世界の中、私は思う。

 

これは記憶の中?夢の中?現実?関係ないじゃないか。

 

どれも......同じだ。

 

たとえ、それが夢でも現実でも、記憶だとしても、今の私は苦しい、辛い、なら、逃げたっていいじゃないか。

 

私はこんなのイヤだ、だから逃げる。

 

簡単だ、簡単な答えだった。

 

そして、その手段も、答えさえ分かれば、簡単なもので、困ったときは、人を頼ればいい。

 

不思議と、答えを見つけ、その手段を意識した時、記憶の再生はピタリと止まった。

 

 

「私を、殺してくれませんか?出来るだけ、苦しまないように」

 

 

口は勝手にスルスルと動く。

どうやら、目の前の男は大量殺人鬼らしい、なら確実に殺してくれるだろうし、もしかしたら苦しまないように殺してくれるかもしれない。

 

生への欲求が消えたからか、怖くも何とも無かった。

 

私と、シリウス・ブラックの視線が交錯する。

なかなか、殺してくれる気配はない。あまり使えない人のようだ、やっぱり頼れるのはハーマイオニーだ。

 

シリウス・ブラックを一瞥(いちべつ)すると、まだ、気絶しているハーマイオニーの元へ向かい、身体を揺すり、彼女の意識を戻す。

 

 

「ハーマイオニー、私を助けてください。まだ杖はあるのでしょう?私の物が、それで、私が死ぬまで魔法を使うだけです。どうやら頼れるのはハーマイオニーだけみたいなので」

 

 

きっと、優しいハーマイオニーならやってくれるはずだ。

 

なんて、信じていたのに、彼女は

 

 

「クロ....ア?何を言っているの?」

 

 

何を言っているの?って言われても、秀才のハーマイオニーが分からないはずがないのに、何で聞き直すのだろう。

 

 

「だから、私を助けてください」

 

 

「助けるって、でもさっき....私にあなたを殺せって」

 

 

何を言っているのだろうか、私が助かる方法なんてそれぐらいの物だろう。

 

 

「ル、ルーも、何やってるのよ、クロアを護りたいんじゃないの?クロアの意思より優先してでも!」

 

 

ルー?誰だろう。そんな奴、私の記憶にはいなかったけど....

 

まあいいか、ルー、と言うのが、誰だか分からないが、関係はない。

私は死ねればもうどうだっていい、死ねさえできれば....

 

 

「ハーマイオニーは、私を助けてくれないのですか?」

 

 

......私は逃げることさえ許されないのか。

..私が一体何をしたって....

 

 

「あっ....」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()気がする。

 

そして、私の中に、隔離されていた記憶が流れてくる。

 

それと、()()()()()()()()()もだ。

 

 

「あ.....ルー、と言うのはあなただったのですね。どうせ、消えていくのなら、私を殺してからにしてくれればいいのに」

 

 

「クロア、何を言っているの?ルーが、消えていく?ねえ、本当にどうしちゃったの?」

 

 

「どう....って、言われましても..答えを見つけ.......あ」

 

 

なにか、たった一つの記憶が流れてきて、全てがひっくり返った。

 

 

「あれ....私は..ルー....ダメ!待って、まだ消えないで!!」

 

 

その記憶で、全てが逆転した。

 

マズイ、ルーが崩壊している。

その記憶は、私にとっての私自身の価値も、ルーの価値も、逆転させる。

 

私は、急いで、精神の中に入る。

 

 

「ルー!」

 

 

そこにいたルーの姿は、いつか見たひびだらけのルーに酷似していた。

 

違いはただ一つ。その髪は、私の髪の様に真っ黒だった。

 

今崩れられるともう直せない。

 

 

「まだ、ですよ。まだ私は、あなたの事を()()()()()()()だから、勝手に逃げないでください」

 

 

自分でもどの口が、と思う。だが、それどころではない。

 

私に流れ込むルーの記憶が正しければ、

今の私に使えない理由は無い。

 

 

右手を顔の右半分に、左手はルーの頭に。

 

 

「『セパレーション!』」

 

 

()()()()()()()()()を私の中に隔離する。

 

気分が悪い、吐きそうで、精神的にも、苦痛を感じる。

だが、その苦労の分の成果はあったみたいで、ルーの髪は、もう真っ白だ。

やっぱりそうなるか、危ないところだった。

 

地面に座り込んで、ルーの様子を眺めていると。

 

ルーは、ハッとしたような表情で、私を見て、溜息を吐く、

 

 

「全部話してください。()()()()()()()()()

 

 

「うん、もういいよ。もう、私は疲れたし」

 

 

一応、私も大体は覚えているが、やはり、()()()の口からも聞いておきたい。

 

 

「やはり、諦めるのですね」

 

 

「うん、もう、大丈夫でしょ?私は疲れちゃったから」

 

 

「....それじゃ、話すよ」

 

 

ぽつり、ぽつりと、忘れるはずの無い記憶を語りだした。

 

 

 

 

「あなたの記憶は、多分()()()()()()だよね」

 

 

頷く。私が自我を持ったのは、五歳の時だ。それも、物心とかではなく自我だ。

 

 

「私は、生まれてから、五歳まで、ずっと虐待を受けてたんだよ、それが嫌で、もう耐えたくなくって。

そんなとき、私の..意志の魔法、セパレーションが使えるようになって....当時は意識して使ったわけじゃなかったけど。

私は、それで私を二つに分けて、()()()()()()()()()隔離したの。

それで、あなたを身代わりに、私は()()()()()()

そこからは、あなたも知ってるように、八歳の時にあの男が首を吊って、祖父に引き取られたんだけどね。

 

私は、()()()()()()()()()()()()()不思議だった。

その時は、あなたが、いるせいで出られないんだって、ずっと思ってた。

そして、トラウマを持っていて、祖父とコミュニケーションを取れないあなたを、()()()()()()()

でも、九歳の時....だったっけ?あなたがカチューシャを付け始めた時期だよね。

あの魔法具のせいで、私は、()()()()()()()と、あなたの正の感情を背負うことになった。

トラウマだけを私に植え付ける、なんてしたら私は私を保てないからね。

まあ、あなたにはその代わり、私の中の負の感情が行ったみたいだけど。

....私は、その時ようやく気付いたの、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に。

 

()()()()は、すごく後悔して、あなたの気持ちを考えずにあなたの事を憎んでた私を許せなかった。

 

だって、全部私が悪かったんだもん。

当たり前だよね、もともと同じものを分けた私たちが、それに追加でトラウマを持ってたクロアを押しのけて表に出られるわけがないのに。

それから、私は私の間違いに気づいて、私はどうするべきなのか、って考えてた。

 

本当は、今だから言えるけど、あなたが、男性に近づくだけでも怖かったし、寝る度に悪夢を見た。

私の心のよりどころは、あなただけだった。

 

あなたを護る、そんな目標さえが無いと、耐えられなかった。

全部私が悪いんだ、って自分を責めて、あなたを護らないといけないんだ、って自分に言い聞かせて、それでもなお揺れる心を無理に動かして....

 

でも、もう必要ないよね、私はもう、罪悪感すら薄れてきちゃったし。

もう、私はあなたを護ることに疲れちゃった......」

 

 

....概ね、私の知った事と同じだ。

そして、私の予想が正しければ、おそらくあと一つ、ルーは私に言ってない事があるだろうが、今は、別の問題がある。後回しだ。

 

 

「また、後でしっかりと話しましょう」

 

 

ルーは無言で私が精神の中から消えるのを待っていた。

()()()()()()()()()()()()()()

 

 

本当に、ルーは嘘が下手ですね。

 

 

 

意識を現実に戻した私は、周りの状況を確認する。

 

....あれは、ルーピン先生だろうか、いつの間にか、ルーピン先生とブラックが、ネズミを挟んで向き合っていた。

 

なにやら、仲良さげに話しているが、何を話しているのか、遠すぎて、私には聞こえない。

それから、いつの間にか、傷だらけのロンとハリーも近くにいた。

 

 

「ハーマイオニー、あれから、どうなりましたか」

 

 

ハーマイオニーは、なぜか、泣きそうな顔で私を見る。

....そういえば、さっきまで、私は『殺してくれ』なんて言ってたんだった。

 

 

「すいません、もう大丈夫です。私()、すべき事を見つけましたから」

 

 

「そう、なら、大丈夫そうね」

 

 

ハーマイオニーの私を見る顔に、

私は、自信をもって強く頷く。

 

 

______________

 

  ~クロア視点~

 

結局あの後、ロンのペットであった、スキャバーズが、実はピーターと言う中年のおじさんだったり、

大量殺人犯はシリウス・ブラックでは無くて、スキャバースことピーターだったり、

いろいろとあったが、それは置いといて......

 

 

「また、来ましたよ」

 

 

私は、精神の中にいた。

 

 

「どうしたの?もう私は話すことなんて無いと思うけど」

 

 

「あなたは、()()()()()()()()()()()()()しようとしていますよね。」

 

 

ルーの目が見開かれる。

 

 

「な、なんで....分かったの?その記憶に掛けた意志の魔法が弱まるはずがないのに」

 

 

「そうですね、別に、ただの予想ですよ。

あなたの言葉を借りるなら。

『ダメだよ、それは絶対に、許さないし、させないよ。

あなたが何を考えてるかなんて私が分からないわけがないの。

なんでそう思うか、予想もつく、でもね、それだけはさせない。』です。

言ったでしょう、『勝手に逃げないでください』と」

 

 

そう言うと、ルーは俯き、私から目を逸らす。

 

 

「でも、仕方ないんだよ、このままいけば私は....」

 

 

「崩壊して、あなたと私でトラウマが分かれる。別に大した問題じゃありません」

 

 

『正の感情があるから幸せになるのではなく、幸せだからこそ正の感情は生まれます。』いつかの私の言葉が頭をよぎる。

そもそもルーが正の感情とトラウマの二つを持っていたのは、バランスを取るためだ、正の感情が欠ければ、彼女は自我から崩壊していくだろう。

そして、彼女が持っていたのは、トラウマの()()だ。

ほぼ半自動的に負の感情も湧き続ける。

そうしてバランスを崩した彼女を襲うのは、崩壊だろう。

そうなれば、自我が消え、残ったのトラウマの記憶は、きっと、私が所有することになるのだろう。

 

 

「大した問題じゃない!?あなたは、幸せを知りながらこれを耐えられるの!?

そんなの、あなたは体験したことないから分からないだけじゃないの!?」

 

 

必死に叫ぶルー。

 

 

「体験は、今までに何度かしました、耐えられるか、など分かりませんが、それはあなたにすべてを負わせる理由にはなりません」

 

 

「体験?本気で言ってるの!?あなたに漏れ出てたのは、ほんの小さなカケラだけなんだよ!」

 

 

「それでも、それはあなただけに背負わせる理由にはなりません」

 

 

「そうだよ!私は!私は..もう耐えられない....だったら、もう終わらせればいい、私ごと終わらせれば、全部解決。そうだよね」

 

 

やっぱりルーも私も元が同じなだけある。結論はそこか。

 

 

「そうだよね。ではありません、何勝手に一人で終わらせようとしているのですか。

三度目になりますが!勝手に逃げないでください」

 

 

「あなたには関係無い!

......だって、私が壊れちゃったら、ずっと、この記憶が付きまとってくるんだよ?

今しか逃げられないの。お願い。もういいでしょ、あなたからトラウマさえなくなれば、私が私を許す。それでいいじゃん....」

 

 

ああ、もう、本当に

 

 

「何勝手に自己解決しているのですか?

もう、私とあなたは同等です!あなたは!いつまで私の姉のつもりですか!

『話すことなんて無い』『耐えられない』『関係無い』

私の事まで、さっきから....勝手に決めつけないでください‼

....あなただって、護ってほしいのではないのですか!?」

 

 

いつまで私の保護者気取りになっている!

 

 

「違う!そんなことないよ。

私は、大丈夫、もう....もう悩まない。

私はあなたに嘘はついてない、それに、私があなたを護りたいのは、本心からだから

 

だから、私はあなたを護るために、意志の魔法を使う!」

 

 

そう()()()()()()()()()()()()、叫びながら、自身を世界から消すために彼女は、()()()()()()()()魔法を使おうとする。

 

ここだ、ここが一番のチャンスだ。

 

 

「ルー、よく聞いてください。

私はもう、大丈夫です。あなたが、私を護る必要はない。

だって、私はもう、あなたを許しています。

ですが、逃げるのは許しません。

だって、私だって....あなたの事を、護りたいんです!」

 

 

このタイミングなら、一番効果的に攻撃できるだろう。

 

事実、首を横に振りながらルーは、

 

 

「ちがうっ、私は....私はあなたを護れさえすれば、もうそれでいいの、

だから私は、決心が鈍る前にはやく消えるっ

 

『セパレーション』!!

 

..........

......

..あれ....なんで....なんで..使えないの?....なん..で....」

 

 

呆然とつぶやくルーを見て、内心、胸をなでおろす。

 

全て賭けだった。

 

最近のルーには、私を護ることを自身に強制するような言動が多かった。

それと、同時期にルーの意志の魔法が弱くなり、意志の魔法が、使用者の意志を糧にしている。

そして、私のため、と言っておきながらも、ルーの方にも利益が大きな使用用途。

 

なら、そこに関係してくるものは、使用者の使用目的への意志、ではなく、使用者の意志だ。

 

つまり、意志の魔法の使用者が、朝ごはんに、パンを食べたいと強く思っている時に、米を出そう、と思い、意志の魔法を使うと、パンを食べたい気持ちを糧に意志の魔法が使用される。

 

と言うことだ、だったら、なんでもいい、ルーの強い願望、目標を、消す、または、妥協させればいい。

それだけで、すでに弱まってきていたルーの意志は、意志の魔法を使えなくなるまでに弱るだろう。

 

 

「それがあなたの返事ですよ。

あなたは逃げられないんですよ。

あの男からは....私だってそうです。

なら、助け合えばいいだけです。

私だって、その記憶で苦しんだ時も、それ以外の事で苦しんでも、ハーマイオニーや、あなたに助けられました。

だからこそ、私は困ったときは、誰かに助けてもらえばいい、と結論付けます。

ですがあなたは、誰にも助けてもらえなかった、それだけです。

あなたは知らない、たったそれだけ、それだけなんですよ。

だから、私が教えてあげます。

私が、あなたを助けます。

私が、あなたを護ります」

 

 

「....私を..助けてくれるんだったら、あなたも、使えるよね、意志の魔法、それで私に全部押し付けて私を消して」

 

 

ルーも私もやっぱり基本的な部分は同じだな。

 

 

「ルー....泣きたいときは、泣いても良いんですよ。そんな顔してまで、こらえなくても、いいんですよ。

.....あなたは私、私はあなた、根本的には同じです。

同じはずなのに、私は救われてしまった、あなたは救われなかった。

 

なら、私があなたに分けます。

私たちは、もう同等になります。

 

私が....あなたを、救います」

 

 

やっぱり、私もルーもあまり変わらない。

 

そう、思いながら、私は、涙をこらえようとして、こらえきれず、俯いたまま無言で涙をぽろぽろとこぼし続けるルーを、

しっかりと抱きしめ、頭に手を置く。

 

それだけで、ルーは大声で泣きだした。

 

私も涙を流していた、今更ながら気恥ずかしくて、でも何となく、どうでも良くなって、私も大声で泣く。

 

 

一人の身体で、二人だけの世界で、二人だけが泣いていた。




クロア 本作の主人公 背が低い 長めの黒髪に黒目 ホグワーツで出会った人や、出来事で、精神的に大きく成長した。

ルー もう一つの主人公 ちなみに、ルーが五歳の時にクロアが作られたから、僕の頭の中ではルーが姉

ハリー 守護霊のくだりを入れた理由は、無くても良かったけど、どうせ終わるなら、仲良く、のほうが良いかなって思っただけ。

ロン ハリーのお友達 結局最後まで口調が掴めない

ハーマイオニー 今作のキーパーソンだけど、同性なら別に誰でも良かった。 たぶん途中で口調が変わってる。

ドラコ これは、まあ特に最終回で関わらなかったね

ネビル いなかったね

大男 賢者の石しか出なかったね

ダンブルドア ついには会話すらしなかった

クロア? 途中でルーに改名しました。

クロアから見たハーマイオニー 信頼している。

クロアから見たルー 大事な家族

セパレーション オリジナル魔法 意志の魔法 隔離魔法 思ったより使用する機会が無くて、作中に出なかったの弱点がいくつかあったりする。

意志の魔法 オリジナル魔法 使用には強い意志が必要 効果は人それぞれ

ペル・サルス オリジナル魔法 ほとんど出番のなかった実質設定上の存在みたいな魔法

呼んでくださり、ありがとうございました。
今話で終わりですね。いろいろと書きたいことがあるのですが、それは活動報告で。
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