表裏二体の少女   作:ラーメン三郎

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2話と3話の文字が少なかったけど
今回多いから良いよね
許されましたね


4話 ハロウィーンとトロール

  ~クロア目線~

 

ハーマイオニーに押し倒されて気を失ってから半月ほどたった。

結局あの後、ハーマイオニーが適切な対処をしてくれてたらしい

やはりハーマイオニーは天才だと思う、いや天才よりは秀才の方が近いか。

普通ならまず暴力沙汰になるだろうが被害者である私が否定したため注意で終わった。

 

 

そして今日だが、ハロウィーンだ。

 

パーティー前最後の授業を終えると、大広間へ向かうが、

ハーマイオニーの姿がどこにもない、

先ほどの授業での彼女のパートナーに聞こうと思い、誰が彼女のパートナーだったか考えていると、

ハリーが後ろから呼び止めてきた。

ハリーの方を向き続きを待っていると

彼は言いにくそうに

 

 

「クロアにも聞こえてたかもしれないんだけどね、

ロンとハーマイオニーが喧嘩しちゃって、

それでハーマイオニーがどこかに行っちゃったんだ、多分クロアはハーマイオニーを探すと思ったから、一応言っておくね」

 

 

と目を泳がせながら言ってきた。

 

 

「何故それを私に言うのですか?」

 

 

と問うとしどろもどろになりながらも

 

 

「えっと、多分ロンが言いすぎたのが悪いと思うから......」

 

 

との事らしいが、全く答えになっていない、

そんなハリーの態度にイラついて、

 

 

「つまりあなたは、ロンを悪いですが、責任は代わりに私が取ってください、

そう言うことですね、あなたという人間の事ががよく分かりました」

 

 

と、怒りを感じながら告げる。

つまりこの男はロンの前ではロンの仲間のフリをしつつ、その実ロンに非があるとわかっているにもかかわらず、ロンではなく私にハーマイオニーを慰めてくれ、と言いたいのだ。

こんな話はするだけ時間の無駄だ。

ハリーとの会話を切り上げてハーマイオニーを探しに行く事にする。

 

 

 

ハーマイオニーは地下のトイレですすり泣くようにして個室にこもっていた。

 

 

「ハーマイオニー、すいません。

遅くなりました。」

 

 

「ク..ロア?」

 

 

と、半月前ほどに聞いた涙声が聞こえる。

 

 

「はい、私です」

 

 

「何..でここに?パーティーはどうしたの?..........いえ、ありがとう」

 

 

と私がパーティーよりハーマイオニーを優先した事に気づきお礼を言ってくる。

 

 

「どういたしましてです」

 

 

とドア越しの友達に対し、出来るだけ明るい声で言おうとして、

いつも通り平坦な声しか出ない自分が少し嫌になる。

 

 

「ごめんなさい、私のせいで....」

 

 

いいんですよ、と答えようとしてふとここに来る前に見た怪物を思い出す。

 

 

「..そう言えばですが、ホグワーツってトロールを飼ってるんですね。

ここに来る前に見ましたが、とても臭かったですよ、それに今も臭いがします。」

 

 

「え....」

 

 

ガチャ、とハーマイオニーが個室のドアを開けると、非常に焦った様子で手招きをしていた。

とりあえずいつになく焦ったハーマイオニーの様子に気圧されて入る。

 

 

「どうしました?」と聞いてみるが、彼女は何か考え事で上の空という感じだ。

そんなことより、トロールの臭いがどんどんきつくなっていっている

 

 

やがてハーマイオニーが口を開く

 

 

「よく聞いてクロア。

ホグワーツはトロールなんて飼ってない。

それが何故かここにいる、いくら何でも危険すぎる。

トロールが遠ざかるまでここで待機しておきましょう」

 

 

と言う。

確かに普通ならトロールなんてものここに居るはずがない、冷静に考えれば緊急事態とも取れるだろう。

この辺りのハーマイオニーの頭の回転は羨ましい。

 

 

「分かりました。

それにしても判断が早いですね。

羨ましい限んっ....」

 

 

急にハーマイオニーに口を塞がれる。

口元に人差し指を立て、静かにしろ、

と伝えてくる。

少し息苦しいため首を強く上下に振り

了承の意を示すと、ハーマイオニーは開放してくれたが、

おそらく状況は最悪だろう。

トロールの気配はトイレの中から発せられている、

トイレに入ったトロールに個室に居ることがバレたら間違いなく殺されるだろう。

出来るだけ気配を消しつつトロールが出るのを待っているとトイレの出入り口の扉の鍵の音とハリー達の嬉しそうな声が聞こえる。

 

本当にやってくれたな、あいつら....

ここで取れる選択肢はおそらく2つ

1つはここで隠れながら教師を待つ

2つ目は何とかしてここから逃げる

 

1つ目だがおそらくそう長くは持たないだろう。

何せトイレという狭い空間の中だ、一介の子供にすぎない私達が気配を殺したところですぐにバレるだろう。

とはいえ2つ目もできる見込みはない。

私は魔法の実技は苦手だ。

さらに運動もあまりできない私では鍵のかかったドアを開けてから逃げる。

などまず不可能だ。

 

どうすればいい

どうすればいい

どうすれば......

 

 

<私が、護ってあげようか?>

 

 

突如頭に響く声に驚き、目を見開く、

何で....

 

 

(何であなたの方から私に干渉できるんですか)

 

 

<ごめんね、ホントはいつでもできたんだけど、あなたが嫌がるかなって....>

 

 

いや、そんな事より今は

 

 

(そんな......いえ、それより先ほどの発言の意味は私たちを護る、と言う意味ですか)

 

 

<そうだよ、知ってるでしょ、私とキミの違い

まあ本当はあなただけのつもりだったけど、一人でも二人でもあまり変わらないしね>

 

 

ああ、そういう事か、それなら確かにうまくいくかもしれないが

 

 

(はい、よく知っていますよ、あなたが欠陥品だと)

 

 

<....今だけでいいから私を頼ってくれないかな、絶対に何とかするから、

お願い、今だけでいいから....>

 

 

冗談じゃない、リスクが大きすぎる

 

 

(ダメに決まっています。

そもそも、そんなことをしたってあなたに利点はない、

信用出来ません)

 

 

拒絶するが、まだ食い下がってくる。

 

 

<で、でも、でもそれじゃああなた達が危ないじゃん....

お願い!私を信用して!じゃないと....>

 

 

その先の言葉が出ないのか、言葉に詰まった様子

そこでおびえた様子で私の手を握り震えているハーマイオニーが目に入る。

いつも私を気にかけてくれている繊細だが優しい頼り甲斐のあるどこか抜けている少女

その彼女が冷静さを失いかけている、

と言うことに気づいて、私も冷静さを失いかけていることに気づいた。

心の中でため息をつくと、頭の中を整理する

この状況での最善は恐らくこいつを頼ることだ

やはりこの手しかないか

 

 

(分かりました。あなたの事を今回だけは仕方なく信用する事にします。

ですが、その代わり絶対に私の身体とハーマイオニーを守ってください)

 

 

<うん、任せて!>

 

 

と少し安心したような声にイラつくが

気持ちを落ち着けて、ハーマイオニーの耳元に口を近づける。

 

 

「ハーマイオニー、今から私のカチューシャを渡します。

そしてこのトイレから逃げます。

ここから出て安全を確認したら直ぐに私の頭に戻してください。

良いですね」

 

 

とだけ告げると戸惑うハーマイオニーを尻目にカチューシャを外すと

急激に重くなっていく腕でハーマイオニーに手渡す

 

 

 

 

  ~クロア?目線~

良かった、この子が私を頼ってくれて

これなら奥の手を使う必要はなさそうだ。

前にこの子がとても大切なものだ、

と言っていたカチューシャを急に渡されたからか

戸惑っているハーマイオニーに

 

 

「ほら、逃げるよ」

 

 

と手を引っ張って無理に個室の外に連れ出す。

ハーマイオニーはトロールを認識した瞬間、思い切り悲鳴をあげた。

明らか取り乱していたが、ハーマイオニーの手を強く握ると彼女も幾分か落ち着きを取り戻す。

緩慢な動作で手に持っていた棍棒を振り上げると、私たちに向かって振り下ろすが、

私はハーマイオニーと繋いでない方の手に持っていた杖を一応振るうと

 

『ペル・サルス‼︎』

 

と一番護りたかった時にこの子を護れなかった呪文を使う。

予想に反して潰れなかった私達に驚愕しているトロールの隙をついて鍵のついたドアの前に行く、

振り返り、トロールの追撃に備えると背中の向こうにいるこの子の大事な友達に

 

 

「ハーマイオニー、ドアを‼︎」

 

 

と叫ぶと「わ、分かったわ」返事が返ってくる。

 

『アロホモーラ‼︎』

 

と少し間違えた発音が聞こえる。

ダメだ、焦って発音に失敗している。後ろをチラ見すると、

顔を真っ青にして何度も間違えた発音を唱える少女が見える。

間違いを指摘しようと思ったが、こちらもあまり余裕はない。

きっとこの子が頼った人なら大丈夫だろう。

ならば私は私の仕事をしよう、この子との約束だ。

この身体とハーマイオニーだけは絶対にこの魔法で護ってみせる。

再び固く決意すると、私だけの私が嫌いな魔法を行使する。

 

『ペル・サルス‼︎』

 

 

 

  〜ハーマイオニー視点〜

何で!

何で鍵が開かないの?

呪文は唱えてる、杖もちゃんと振ってる

何で、何で開かないの

ナンデ?

ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ

ダメだ、焦れば焦るほど思考が纏まらない。

今までは1人でたいていのことはできた。

できないことなんてほとんどなかったのに。

いつもは1人でちゃんと出来てたのに

なぜかできない。

何で出来ないのよ‼︎

恐らくもう30を超える回数は

杖を振っているが開く気配がしない。

あああああああああああ

こんな所で私の生涯を終えるのか

つい強く握った手に痛みが走る。

痛みの原因を見てみると、そこには黒いカチューシャが握られている。

それを認識すると同時に、狭まっていた視界が広がるのを感じる。

そうだ、私は1人じゃない、

今の私には失敗しても取り返してくれる大事な大事な友達がいる。

私が落ち込んだ時、いつも隣に立っていてくれる少女

今も後ろで私を守ってくれている。

チラリと後ろを見ると、丁度彼女も同じタイミングでこちらを見ていた。

彼女が優しい微笑みを浮かべながら頷いてくれる。

私も笑顔で頷き返す。

そっと手の中のカチューシャを握り直すと、

大きく深呼吸して今度こそ、と唱える

 

『アロホモーラ‼︎』

 

手応えを感じ開いたことを伝えようと後ろを振り返り、

大きな声で「開いた!」と言うと

彼女は振り返ると大きく頷き出口に向かって走る。

私も外に出て、彼女のためにドアを開け放つと、直ぐに彼女も出てきた。

彼女が出ると直ぐにドアを閉め鍵を掛ける。

隣には魔法の使いすぎによる疲労からか床にへたり込む私の友達

私自身も正直立っているのもきついが、彼女からの借り物を返さなければならない。

重い体に鞭打って彼女の所に向かいカチューシャを手渡すと、彼女はカチューシャを少し寂しげに眺めると頭につける。

 

やはり彼女のカチューシャには何かありそうだ。

 

いつもの表情でに戻ったクロアが、私の後ろを見ながら言う

 

 

 

「はぁ、もう一歩も動けません、死ぬかと思いましたよ。

今更ながら遅れてヒーローの登場のようですね」

 

 

と言われ振り向くと、マクゴナガル先生を連れてこちらに走ってくるハリー達を見つける。

 

 

 

  〜クロア視点〜

 

「遅すぎませんか?」

 

 

と言うが、ハリー達はなぜ私達がここに居るのか分からないようだ

いや当たり前だ、彼らは私達がトイレの中にいたことを知らなかった。

ハリーに皮肉を言おうとして、頭が全然回ってくれない

疲労のせいで考えるのも億劫だ。

ハーマイオニーに説明を任せると、

私は地面にへたり込んだまま、壁を眺めていると、ふと思い出す

ハーマイオニーには多分、言ったほうが良いだろう、

彼女のことだ、恐らくある程度気づいている。

 

 

「ハーマイオニー、今日のことで話があるので、後で少し話しましょう」

 

 

と、その場から少し離れた所でハリー達に説明をしているハーマイオニーに言う。

彼女は説明中にも関わらず器用に了承した。

見ればハリー達の顔が段々と青ざめていく、

自分のしでかしたことに気づいたのだろう、ハーマイオニーの説明中、

ずっとアワアワしていたが、

説明が終わった瞬間にロンが、いきなり土下座をした。

 

 

「本当にごめんなさい、僕達のせいで....

授業の時も、

何でも簡単に出来るハーマイオニーに嫉妬してつい言い過ぎてた、

今まで悪いとは思ってはいたけれど

なかなか自分からは謝れなくて....

今回も本当に悪気はなかったんだ。

ただハーマイオニーもクロアもパーティーに居なかったから、

トロールが居ることを伝えなきゃ、

て思って探してたらトロールを見つけて、

閉じ込めたら安全になるって思い込んでて......本当に、ごめんなさい」

 

 

ハリーもそれを見て隣で土下座を始めた。

ハーマイオニーが急に土下座を始めたロン達を見て慌てている。

 

 

「わ、私はもういいわ、そこまで怒ってないし、

私の方も少し上から目線だったかな

ってちょっとは反省したしね、

それより、クロアに謝ってあげて、

あの子がいなかったら私はもうペチャンコよ」

 

 

許された事にほっとした顔を上げたロンは私を見ると、

顔を強張らせながらこちらに走ってくる。

そういえばロンとちゃんと話したことはない殆ど無い気がする、

大体はハーマイオニー越しに話を聞くくらいだった、

恐らく彼は私のことを全然知らないのだろう、

緊張した様子で、なんて言えば良いのか分からないのか、

目を泳がせていた、少し面白いが話が進まないので、こちらから切り出す。

 

 

「あの、私も別にハーマイオニーが許したのなら別に良いです、

そんな事より寮まで運んでくれませんか?

歩けるには歩けるのですが、フラフラなんですよ」

 

 

と言うと、組み分けの時の教師、マクゴナガル先生が怖い顔をしながらこちらに歩いてくる。

 

 

「いえ、貴方は寮ではなく、医務室です。

全く、おとなしく私達が来るのを待っていれば良かったものを....」

 

 

と言うが、恐らく個室にこもらなかった理由はハーマイオニーから聞いているはずだ、

単純に心配してくれているのだろう。

 

 

「すいません、

それなんですが、私はまだうまく足が動かないので....」

 

 

「分かりました、ミスター・ウィーズリー、ミス......クロアを医務室に連れて行きなさい」

 

 

私にファミリーネームがないことに気づいたのか、気まずそうに言う。

 

 

 

  〜ロン視点〜

 

まさかハーマイオニーとの喧嘩がここまで大惨事になるとは思わなかった。

ハリーとハーマイオニーはまだ先生達と話しているが僕はクロアを医務室に連れて行く様に言われたから、

クロアを背負って、医務室に向かっている。

僕には妹がいるがクロアと同じぐらいの身長だ、

背負う前はなかなか気恥ずかしかったが、今では平然としてられる

 

 

「そういえばさ、どうやってトイレから出たの?」

 

 

とふと思った疑問を口に出す。

 

 

「ハーマイオニーに鍵を開けてもらいました」

 

 

明らかに説明不足だが、

言わない、という事は言いたくないのかもしれないし、深く追求しないほうが良いのかも、

何て考えていると、

クロアは僕とは違った様で

 

 

「あの、下ろしてくれませんか?

周りの視線がとても恥ずかしいです。

多分、少し休めばちゃんと歩けると思うので」

 

 

恥ずかしいらしい。

恥ずかしいがるクロアがどこか新鮮で吹き出してしまう。

 

 

 

「そうは言っても、前はハリーにお姫様抱っこされてたじゃん」

 

 

と言うと、少し呆然としたクロアだったが、すぐにいつのことか気づいたのか

 

 

「あの時は寝てて意識が無かったのでいいんです、

いいから降ろしてください!」

 

 

流石にかわいそうなので降ろしてあげると

床に座ったまま赤い顔でこちらを睨んでくるが、無視して

 

 

「歩ける様になったら言ってね」

 

 

と言うと、彼女はため息を吐いて顔を隠す様に膝の上に頭を乗せる。

 

 

結局彼女が自分から歩き出したのは20分後だった。




クロア あんまり活躍しない

クロア? こいつ、脳内に直接‼︎

ハリー 彼なりに頑張った結果ですが、クロアからは不評の模様

ロン 土下座は日本の文化 ついカッとなっちゃった系男子

ハーマイオニー 原作と違いクロアの頑張りで心に余裕があった

トロール 密室で美少女に入るとはけしからん トロールなんかにはマクゴナガルで充分です。

クロアから見たハリー 急降下からの急浮上

クロアから見たロン ハーマイオニーが嫌いらしいからよく思ってなかっただけなので、ハーマイオニーがいいなら私もいいや、みたいな

クロアから見たハーマイオニー 変化なし

ペル・サルス オリジナル呪文 google翻訳が「護り通す」でラテン語にしたらこう言ってたから、でもたぶん「通す」が誤訳っぽい

アロホモーラ 鍵を開けます

はい、私です。 なんかこの話し方好き

ナンデナンデナンデ アイエーニンジャニンジャナンデ

よく考えたらトイレのドアに外から鍵がかかるはずないよね
でもここは二次創作の世界、そんな不都合ありません。

次回予告 ついにクロアの秘密の詳細に迫る‼︎
でも大体予想できてると思うんですよね。
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