九天の王となった操炎者   作:【時己之千龍】龍時

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第07話 時の流れ……

 

 旅を始めてから一年が経った頃、詠春が結婚すると聞き出席することになった。

 

 詠春の結婚相手は結構な気の使い手のようだった。

 

「出席してくれてありがとう、龍燕」

「いやなに、共に戦った仲だ。仲間の結婚式に出席しないわけはないだろう」

「ハハハ、そうか。ところで、龍燕は結婚しないのか?」

「……以前、旅を始めてすぐの頃に気になる女性…いや、少女にはあった」

「ほう。どんな人なんだ?」

 

 詠春が興味深そうに聞いてくる。

 

「輝くような金髪で、肌は純白のように白かった。名はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。闇の福音だ」

「やっ、闇の福音!?そうか…」

 

 一瞬驚いたような声を出す詠春。しかし何か納得したようだ。

 

 

 

 

 

 龍燕は時に身を置く事はしないで旧世界を旅をして回った。

 

 そんな時不幸な知らせが飛んできた。

 

 ガトウが死んだと聞き、急いでタカミチのところへ向かった。

 

「記憶を消すだと?どういうつもりだ、タカミチ!」

「そうするしか平和に暮らす方法がないんだ!」

「平和に暮らす方法?平和に暮らせれば、アスナの意思は無視するのか?そんな独善的な行為、俺は認めん!」

「それが師匠の意思だからです!」

「師匠の意思、か。アスナの人生を師匠の意思で変えるのか?アスナの記憶はアスナのモノ。消すか、消さないかはアスナが決めることだ」

「けど…!」

「お前が紅き翼に入ったのは誰の意思だ?他人に言われて入ったのか?それとも、自分で決意し入ったのか?」

 

 タカミチは頭を抱えた。

 

「最後に。本当の『幸せ』とは誰が決める?『幸せ』とはどうやってできる?」

 

 タカミチは泣きながら両膝を着いた。

 

「幸せとは、自分の選択から得られるものだ」

「……分かりました……僕も、少しばかり気が立ってたみたいです……」

「いや、俺も少し熱くなっていた。悪かったな……」

「いえ、僕も悪かったんです。わかりました。さ、行きましょう」

 

 タカミチに促され、龍燕はアスナが居る部屋へと入る。アスナは相変わらずの無表情だった。いや、少しばかり表情が暗い。ガトウが死んだ場所を見ていたか……。

 

「久しぶり、だな。アスナ」

「シエン…?」

「覚えていたか。突然だが君に聞きたい事があるんだ」

「なに?」

 

 アスナは首を傾げた。

 

「君には今、二つの選択肢がある。一つ、戦いの記憶を全て消し、平和に生きる道。二つ、記憶を消さずにこのまま魔法に関わり抜く。どちらを選んでもいい。記憶を消しても消さなくてもいい。俺達は君を軽蔑したりはしない」

 

 龍燕はそういうとアスナの目から涙が流れた。

 

「消さないっ!忘れたくない!皆のこと!忘れたくない!」

 

 龍燕は目を閉じて頷いた。

 

「わかった」

 

 龍燕は目を開け、アスナの目を見て言った。

 

「アスナは記憶を消したくない、か。俺達は君の記憶を消さない。それでいいな、タカミチ」

「えぇ……それが本人の意思なら……」

 

 タカミチは頷いて言った。

 

 その後、アスナはどうするかと話しをした。

 

 結果、アスナは自分の意思で龍燕の一時的な養子となる事になった。アスナは灼煉院

明日奈と言う名前になった。明日奈の字は龍燕が決めた。

 

 

 

 

 

 

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