しかし、この授業の先生を務めていた人は『教師』にしては少しズレていた。
「──つまり、四大系統の中で一番強いのは『風』の系統。理由はどんな魔法でも吹き飛ばす事が出来るからである」
先生は何故か自分の系統を自慢げに話しているのか?何故風の系統を一番強いと言い切れるのか?理由もおかしい。どんなものでも相性があるから、一番強いと言うのは納得がいかない。
国にいた頃自分も人に教える仕事もやっていた
「何かね?ああ、君はミス・タバサの」
「先程の授業を見せてもらいました」
「そうか。でも平民の君には難しいかっただろう?何か知りたい事があるのかね?」
「先程の授業で腑に落ちないところがあったのでいいにきました」
すると先生の顔が一変した。
「腑に落ちないところ?」
「授業中にキュルケの炎を掻き消していたが、使い方次第でその『風』を『炎』で防ぐ事が出来る」
「魔法も使えん平民が何を言っているんだ?」
「確かに俺はここの魔法は使えないが『炎を操る能力』はある」
「何かねそれは?」
疑うような顔で
「
「平民が魔法を?」
「魔法とは違うが。先生自慢の風で攻撃してみるといい、俺はそれを防ぎ、風が一番とか何が一番とか、そういう頂点系なものが消える」
先生は嘲笑した。
「それは本気で言っているのかね?」
「出来ないんですか?」
「ぐっ…いいだろう」
先生は呪文を唱え、杖を振るった。
「エア・ハンマー!」
「
「なんだ今のは?」
「次だ。それくらいの魔法なら能力は必要ない」
「なんだと!」
さらに杖を振り、エア・ハンマーを飛ばした。
「
「そんな馬鹿な」
「先生の魔法は中身が空だからだめなんだ。精神力をもっと上手く使って行けば強くなる。魔法も能力も使い方次第で強さが変わる。例えば『火』が『水』に勝つこともやり方次第で可能のようにな」
「蒸発……か。どうやら私は間違っていたようだ」
先生はフッと笑った。
「私は……自分の魔法を過信し過ぎていたようだ。他に私に言うことはないかね?」
「他はない」
「そうか」
先生は背を向き、歩き始めた。
次の授業の先生はごく普通の先生のようだった。がしかし、授業の途中生徒の皆は机の下に隠れた。
「シエンも早く」
タバサが
「タバサ、隠れないでいい」
「え?」
「ルイズ」
教卓の前に移動しようとするルイズを
「何よ!あんたも私に「杖を持った手を出せ」?」
「なにこれ?」
「お守りだ。急いで作ったから何度もは使えない」
ルイズは「もしかしてあの時の?」と思い出したように頷いた。
「有難う」
ルイズは先生の前に立った。
「ではミス・ヴァリエール。始めて下さい」
「何を付けたの?」
「お守りさ」
「お守り?」
タバサは?を浮かべた。
ルイズは錬金の呪文を唱えた。周りにいる
呪文詠唱を終え、ルイズは石に杖を振り落とした。同時に石は変わった。
「良く出来ましたね」
先生はニコッと笑い、ルイズに言った。
「え…私、出来たの?」
ルイズは机の上に乗る石を見た。
「
「
「はい!」
机の下に隠れていた生徒達は顔を出した。
「どうやら爆発は起きなかったようだね。不発だったのかな?」
誰かが言うと他が叫んだ。
「おい見ろ!ゼロのルイズが石を
「何だって?」
教室内はざわつき始めた。
「皆さん!授業中ですよ?次に関係ない事を言った人は『口』に土を詰めますよ」
先生の言葉に生徒は黙り込んだ。
「質問があります」
「何ですか?」
「その錬金は
「スクウェアクラスです」
「そうか。そのくらいか」
「?そのくらい、とは?」
先生が聞いてきたため、
「
「簡単?」
「
「わかった」
「すみませんが…こんな小さい子ができるはず「変わって」え?」
「まさか…」
そんな筈はと先生は思いながらも、その塊をじっと見て驚きの声を上げた。
「…そんな、本物だわ」
先生は驚きの表情をすると同時に教室内はおおーと声が上がった。
「
「変わって」
紅の光りを放ち、すぐに石に変わった。
「まさかこんな小さい子が、錬金を……やすやすと出来るなんて…」
「休んでていいぞ」
昼食より少し前、
「この辺りか…ん」
少し広い中庭で人盛りがあった。
「
「ギーシュっていう貴族の奴がシエスタを突き飛ばした挙げ句に、落とした物を拾ったら激怒したんだ!」
「それは酷いな。それでそのギーシュというふざけた者は何処にいるんだ?」