雪風の青髪少女   作:【時己之千龍】龍時

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第04話 決闘

──ヴェストリ広場

 

「諸君、決闘だ」

 

 周りには観戦に来た生徒達が囲んでいた。

 

「あれがギーシュか」

「ああ」

 

 龍燕(シエン)は才人を見た。

 

「武器はないのか?」

「無いけど」

「奴は貴族だ。魔法を使って来るだろう。そうなれば太刀打ち出来なくなるが」

「でも…気に入らない。この世界の貴族とかメイジとか…」

 

 龍燕(シエン)は少し考える。

「何だね君は?君も参戦するかね?まぁ二人でかかって来てもいいよ、万に一つと僕が負けるはず無いからね」

 

 ギーシュは余裕の表情で言い放った。

 

「随分と余裕な事を言うな」

龍燕(シエン)さんは下がっいてもいいですよ」

「いや、シエスタが酷い目似合ったとなれば俺は引かん」

 

 龍燕(シエン)はニヤッと笑った。才人も笑って返した。

 

「さぁ、準備はいいかね?」

「ギーシュ、お前は貴族と言って『魔法』を使うだろう」

「フン、何を当たり前な事を」

「決闘なら平等に。こちらは『刀剣』の使用を認めて貰おうか」

 

 龍燕(シエン)の言葉にギーシュは嘲笑し始めた。

 

「刀剣?剣で僕に勝てると思っているのか?」

「そうだな……呪文を唱えるよりも早く振るえるからな」

 

 余裕に勝てると思っているギーシュへ、龍燕(シエン)が笑みを浮かべながら言う。

 

「なに?いいだろう…そこまで言うならもがき苦しめ!」

 

 ギーシュは造花の杖を振り、二体の戦乙女を出した。

 

 龍燕(シエン)は一振りの太刀、『皇鳴(コウメイ)』を出した。

 

「才人、この太刀を使え。普通の大太刀よりは軽めだから、才人でも扱えると思う」

龍燕(シエン)さんは?」

「あれくらい素手で十分だ」

 

 才人に太刀を手渡され、それを掴むと手の甲が輝いた。

 

「体が軽い…」

 

 一瞬その才人の異変に龍燕(シエン)は気づきいたが、それについては今は考えないことにした。

 

「行こうか」

「ああ」

 

 まず才人が動き、一体の戦乙女を両断した。続いて龍燕は向かって来た戦乙女の腹部を掌で触れる。

 

寸掌(スンショウ)

 

 精神力で瞬間的に強い衝撃を飛ばし、戦乙女は吹き飛んでギーシュの脇を通り過ぎた。

 

「え、あ…」

 

 ゆっくり振り返ったギーシュは、壁に減り込んだ戦乙女を見た。戦乙女は形状を留められず、徐々に崩れていき土と還った。

 

「自己紹介が遅れたな」

 

 ギーシュは振り返った。その顔は恐怖の色と変わっていた。

 

「俺は眞羅暁帝王国(シンラギョウ)、陸上総統本部特戦部所特務二課特務機動隊課長。灼煉院(シャクレンイン)龍燕(シエン)。二つ名を──」

 

 龍燕(シエン)の両手に真紅の炎に包まれた。

 

「──『灼装(シャクソウ)』の龍燕(シエン)だ」

 

 ギーシュは気圧され、一歩下がってしまう。

 

「君は平民じゃないのか?」

「俺は、『平民』とは一言も言ってないが?それに俺は、俺のいた国では貴族の上、帝王皇家だ」

「皇家?龍燕(シエン)ってまさか」

 

 才人が『皇家』に反応し始めた。

 

「王の子だったのか?」

「正しくは帝王の子だな」

 

 才人の言葉に訂正した龍燕(シエン)は、ギーシュの方に視線を戻す。

 

「どうする?まだ続けるか?」

「う…う、うわあぁぁ」

 

 ギーシュは造花の杖を振り、残りの戦乙女を出すが、龍燕(シエン)によってすぐに土へ戻される。

 

「終わりか?」

 

 龍燕(シエン)瞬動(シュンドウ)でギーシュの眼前に移動した。驚いたギーシュは尻餅を着く。

 

「決めろ。続けるか、終わりか。どっちだ?」

「お、終わりです!どうか命だけは!!」

 

 ギーシュは泣きながら言った。それを龍燕(シエン)はその姿を見て軽く笑った。

 

「何が『命だけは』だ」

「へ?」

「決闘は殺し合いとは違う。ギーシュ、負けを認めるか?」

「はい!」

 

 ギーシュは身体を震わせながら答えた。

 

「なら約束しろ」

「約束?」

「まず『シエスタへ謝罪』。次に貴族だからと『平民』を見下すな。わかったな」

「はいっ、わかりました!!」

 

 ギーシュは走って行った。

 

龍燕(シエン)さん!」

「才人、呼び捨てで構わん」

「え、でも…」

「歳もそんなに変わらないだろう?」

「はい」

 

 龍燕(シエン)と才人はギーシュに勝ち、ギーシュは負けた後すぐにシエスタのところへ薔薇の花束を持って謝罪しに行ったようだ。

 

 その後龍燕(シエン)と才人は学園長に呼ばれてた。

 

 

 

 

 

 龍燕(シエン)にはタバサが付き添い、才人にはルイズが付き添った。

 

「早速だがまず、ミス・ヴァリエールの使い魔…名は何と言ったかの?」

「平賀才人です」

「うむ。ミスタ・コルベール、簡単な説明を」

「はい」

 

 コルベールは話し始めた。

 

「サイト君の左手の甲に刻まれたルーンを調べましたところ、何と始祖ブリミルの使い魔、ガンダールヴであることが決闘の時にわかりました」

「始祖ブリミルの!」

 

 ルイズは大きな声をあげた。

 

「シャクレンインシエン君」

「はい」

 

 学園長は真面目な顔になった。

 

「決闘の時、王の子とか帝王の子とかを申していたが…それは本当か?」

「はい。しかし、証明できるのは…今は能力くらいしかありません」

 

 学園長は眉間に皺を寄せた。

 

「あれだけの力を見れば証明したと同じじゃ。それにお主は本気を全く出しておらんかっただろう?」

 

 他は皆驚いていた。

 

「シエン、それは本当?」

「ああ。百分の一も出してはいない」

「やはりな……。しかし、お主がそれだけ強いと王はさらに強いのだろう」

「そうなのか?」

 

 するとコルベールが口を開いた。

 

「君はどんな世界から来たのかね?」

「科学の進んだ世界…と言って間違えないな」

「科学が進んだ?例えば今何かありませんか」

「そうだな。(レン)(アカツキ)

 

 龍燕(シエン)籠手(コテ)から紅の炎が溢れ、人型を二人形成し、少女になった。

 

「おお、これが!」

 

 コルベールは(レン)(アカツキ)に目が釘付けになった。

 

「俺の武己の煉双暁。二人はその電子精霊(デンシセイレイ)だ」

「私は(アカツキ)っていいます。よろしく!」

(レン)といいます」

 

 コルベールはますます釘付けになる。

 

「どういう作りになっているんだ?何処をどうみても人と同じだ!凄い!!」

「あ、あと隊舎がありますが…」

 

 するとコルベールは顔をあげた。

 

「隊舎?」

「はい、この学園より広い隊舎があります」

「どこにあるのだね」

 

 コルベールは目を見開いて言った。

 

武己(ブキ)の中にあります。がここ数週間使っていなかったため調整したら招待します」

「是非招待したまえ!」

「ミスタ・コルベール?」

 

 学園長の声にコルベールはハッと正気に戻り、学園長は咳ばらいをして続ける。

 

「シエン君のルーンは、『イーヴァルディ』と言うそうじゃの?」

「はい」

「『イーヴァルディ』…よく物語に出て来る勇者じゃ。ミスタ・コルベールが調べたところ、『始祖ブリミルの隣で不可思議な炎の魔法を操り、一度(ヒトタビ)共に前に出ると始祖ブリミルの使い魔達を越える強さを誇った』そうじゃ」

 

 それからそれぞれの主、ルイズとタバサを見た。

 

「『ガンダールヴ』と『イーヴァルディ』…その『二人』が再びこの世に現れたのはなにか、運命的なものかも知れない」

 

 すると学園長はまた咳ばらいを始めた。

 

「よって、この事は王宮には報告はしない」

「なんですと?」

 

 学園長の言葉にコルベールが声をあげた。

 

「何故王宮に報告しないのですか?」

「馬鹿もん。そんなことをすれば引き渡せなどと言って大騒ぎになるじゃろう。よってこのことは『内密』とする。良いな?」

「わ、わかりました」

「はい」

 

 ルイズとタバサが答えた。

 

「サイト君とシエン君もそれで良いな?」

「はい」

「構いません」

 

 話しを終え解散すると、タバサと龍燕(シエン)は才人達と別れ部屋に戻った。

 

「シエン」

「なんだ」

「あの能力は魔法とどう違うの?」

「どう、か」

 

 龍燕(シエン)は思案し始めた。

 

「俺の…使う能力は……いうならば『その家系の者しか使うことのできない能力』だ」

「シエンの世界には魔法はあるの?」

「ああ、ある。が戦いで使う人は見たことは無い。回復薬を作って売ったりしてると聞いたな。あ、科学魔法とか言うのは以前少しだが見たな。試作品を貰ったが説明だけで使ったことはなかったが」

「どうして?」

 

 タバサは本から視線を移し、聞いた。

 

「その科学魔法というのは、私達貴族の使う魔法とどう違うなの?」

「確か…『使用者の精神力は使用しないこと』と。そして……『呪文の詠唱は基本ない』だったな」

 

 タバサは龍燕(シエン)の話しを興味津々に聞いていた。

 

 

 

 

 

 

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