ストーカーの変態男に転生しますた   作:クワルカン

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プロローグ

 唐突だが、私は所謂転生者というやつだ。

 死んだ記憶はないが、ベッドで眠り目を覚ますと真っ白な空間にいてテンプレよろしく神を名乗る老人に「めんごめんご」と謝られ転生することになった。(死因は神のミスだそうだが詳細は話せないとのことでだ)

 心残りは多々有ったが、こちらの意思はガン無視され話は進んでいった。転生する世界は、神がランダムで選びその世界を壊さない程度のチートを与えるとほざきやがった。私は文句を言う間もなく落とし穴に落ちるように転生を果たした。

 

 そして、その転生先というのが……

 

「……生まれてきてくれてありがとう。あなたの名前はシーモア。シーモア=グアドよ」

 

 ストーカーの変態クソヤローみたいです。(白目)

 

 

 とりあえず、状況を整理してみよう。

 まず私の名前だが、先程の母のものと思われる言葉によるとシーモア=グアドというらしい。……その名前には聞き覚えがある。好きだったゲームに出てくるキャラクターの名だ。シーモア=グアドと言うキャラクターは、かの有名なFINAL FANTASYシリーズでも名作と言われるFINAL FANTASY Xに登場する敵キャラクターだ。

 しかし、この世界がFF10の世界だとすると非常に危険だ。当然、RPGの世界である以上街の外にはモンスターが存在している。そしてなによりFF10の世界に『シン』がいる。『シン』の詳細な説明は省くが、簡単にいうと人が集まっている場所を襲撃する超ド級のモンスターだ。しかも不死身。……うん、無理だな。もしチートが金ピカ王のアレだったら戦ってみよう。私がシーモアであることも更なる危険を呼び寄せる。シーモアは、BOSSとして主人公 ティーダたちと戦う。…4回も。最初に登場した時には既に若干胡散臭いが、共闘の機会もある。だが登場する度に胡散臭くなっていき、遂に敵対! 戦闘! 死亡! そうシーモア=グアド享年28歳である。しかし、死人というよく分からない存在として蘇りヒロイン ユウナ(17)を付け狙い続ける変態ロリコンストーカー、それがシーモアだ。…話がずれたな。私は原作のシーモアと同じ行動をするつもりは毛頭ない。それでも、世界の修正力というものが実在すればシーモア=私はティーダたちに、殺され、吹き飛ばされ、消滅させられ、成仏させられる可能性がある。何としても回避したい。原作シーモアに関しては自業自得だ。むしろ生ぬるいくらいだ。シーモアの悪行は、ざっと挙げるだけでもこれだけある。

 

・グアド族の族長であった実の父、ジスカル=グアドの暗殺。

 

・グアド族と自らの影響力を増す為、ブリッツボールの大会(FF10の世界では唯一の娯楽がブリッツボールであり世界中の人々が注目し、楽しんでいる)で魔物を放ち、それを討伐するというマッチポンプを行う。

 

・ジスカルの死の真相を知った主人公パーティを殺害しようとする。(1回目)※死亡

 

・死人として蘇り、ヒロインであるユウナと無理矢理結婚式を挙げ唇を奪う。(死ねばいいのに……)

 

・自分の意に沿わない主人公パーティを抹殺しようとする。(2回目)

 

・ユウナを手に入れる為、立ち塞がった主人公パーティの一人であるキマリの同族であるロンゾ族を皆殺しにし、主人公たちを殲滅しようとする。(3回目)

 

・『シン』というFF10世界の最大の敵に吸収され主人公たちの前に立ち塞がる。(4回目)※強制成仏

 

 

 原作シーモアがどうしようもないのはもういいが、シーモアとして生きていく上で決まってきたことがいくつかある。

 1つ目は、主人公パーティと敵対しないことだ。主人公パーティ7人 ティーダ ユウナ ワッカ ルールー キマリ アーロン リュック 誰の恨みを買ってもいけない。とは言っても原作が始まらなければ会うこともないので、今は気にしなくて良いだろう。

 2つ目は、チートの確認および魔法の訓練だ。シーモアは魔法使いタイプだったので、無理に接近戦を鍛えるよりも魔法の訓練をした方が良いだろう。チートに関しては、世界を壊さない程度としか分からないので早めに確認しておくべきだ。何らかの危険がせまったとき最後に身を守るのは自身の力である。……強力なチートだったら良いなあ。

 3つ目は、原作シーモアと同じ立ち位置に就くことだ。つまりエボン教の老師に。理由はいくつかあるが、大きな理由としては、ティーダたちにストーリーをクリアしてもらわなければないからだ。色々と説明しなければならないな。FF10の最終目的は『シン』を倒すことだが、『シン』の倒し方は世界中の人が知っている。召喚士が究極召喚を使うことだ。ただし、召喚士は必ず命を落とし、倒された『シン』も10年後に復活する。しかし、FF10のストーリーでは『シン』を完全に倒すことになる。その鍵は、ティーダとその父ジェクトにある。つまりこのタイミングを逃すと『シン』を完全に倒す機会が永遠に失われるかもしれないのだ。『シン』がいる限り本当の平穏は訪れない。まあ、それで何故私が老師になるかというと、原作シーモアの死がきっかけでエボン教の異常な部分に気付くんだよなぁ。本当に死ぬつもりは無いので、証拠を見せるなり説得するなりしてティーダたちに信じてもらうしかない。ただその時に一般人とエボン教の老師、どっちが良いかというと選択肢が無い。

 

 今のところの大まかな行動方針はこれでよしと。

 

 後はシーモアの個人的な部分だな。

 シーモア=グアドは、グアド族の族長ジスカル=グアドと人の間に生まれたハーフだ。

ジスカルは、排他的な部分があるグアド族にエボン教を受け入れさせ他の種族との友好を訴えようと自ら動いたが反発は強く、シーモアと母は迫害され反発を抑えきれなくなったジスカルにより島流しにされてしまう。このことや、後に死期を悟った母がシーモアの召喚獣となったことがシーモアの歪みの原因だな。

 

 精神年齢が30過ぎの私が歪むとは思えないが、何とかする方法は無いのか?

 迫害は…いっそジスカルに辛いと当たり散らしてみるか?最初からグアド族の近くにいなければ問題も起きないような…ああ、ジスカルとしては自分は受け入れていると周りにアピールしたいのか。妻子よりグアド族全体、と父親としては最悪だな。母の体のことは何も分からない以上どうすることもできないし、召喚獣になろうとするのは逆にどうとでもできるな。無論、召喚獣にさせるつもりはないが。

 

 とりあえずできることは、魔法の訓練、チートの確認、母の体調に気を付けるぐらいか。

 

 目指すのは原作での犠牲を減らしつつ生き残る、かな。

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