あれから5年経ちシーモア=グアド(5)だ。
私が今何をしているかというと
「…………」ヒソヒソ
「…………」ゴニョゴニョ
「…………」ザワザワ
「…………」ハァハァ
遠巻きにグアド族の大人たちから滅茶苦茶ヒソヒソされている。ん、なんかおかしいのが混じっていたような?まあ、いいか。
現在は、グアドサラム(グアド族の本拠地)で母様と暮らしている。父ジスカルは、グアド族にエボン教を広めるために、グアドサラムとベベル(エボン教の本拠地)を行ったり来たりしていてあまり会えない。私は、普段から避けられているのでグアドサラムの外に出て魔法の練習をしている。今もその帰りだ。っと家に着いたな。
「ただいま帰りました、母様」
「お帰りなさい。シーモア。今日は、どこまで行っていたの?」
今日は、顔色も良く調子が良いようだ。
「今日は雷平原までいって、水属性の魔法を練習していました」
「そう、あなたも魔法に慣れてきたようだし、今度私と一緒にマカラーニャ寺院に行ってみましょうか」
マカラーニャ寺院とは、召喚獣シヴァの祈り子様が安置されているエボン教の寺院で、ジスカルの管理下でもある。極寒の地にあり、本来なら護衛もつけずに母子が行ける場所ではないのだが、特に問題はない。
理由は、私が魔法を使えるから……のはずもなく、
「久しぶりにモンスターを殴り飛ばせるわ。腕が鳴るわね」
母様が強いからだ。
そして数日後……
「はあっ」ドガッ
「キャインッ」
「やあっ」バキッ
「クルルルッ」
「……ゴホゴホッ」…ペチン
「ギャアアアッ」
マカラーニャ寺院への道中なんだが、虐殺が行われています。というか、咳き込みながらのビンタで硬い特性のモンスターを一撃っておかしいでしょう!?
実は、原作を考えるとそれほど違和感はない。原作でシーモアの母は、シーモアを連れユーナレスカの元、つまりFF10で終盤のダンジョン エボン=ドームにたどり着いている。ティーダたちが7人で到達した場所に、死が迫っている状態の上子連れでだ。その戦闘力は計り知れない。また、母様が召喚獣となった姿のアニマの必殺技は、なんというかオラオラだ。ゲームである以上どこへ行っても、魔法に強い敵、
物理攻撃に強い敵と様々いるが、この様子では、すべて殴って突破していそうだ。
「ふう。大丈夫?シーモア?」
「え、ええ。大丈夫です」
「そう。あともう少しよ。頑張りましょう」
「はい」
母様…返り血を付けたまま微笑まないで下さい。怖いです。
そんなこんなでマカラーニャ寺院に到着。なお、私は道中一発の魔法も撃たず、一体の魔物も倒していない。
「さあ、シーモア。ここがマカラーニャ寺院よ」
「綺麗な景色ですね。母様」
「そうね。この光景も寺院自体もシヴァ様のお力で成り立っているのよ。さあ、入りましょう」
中に入るとそこには、ジスカルがいた。何故いる!?
「やあ、よく来たな。おまえ。シーモア」
「あなた。どうしてここに?」
「なに。トワメルから今日、ここにおまえたちが来ると聞いていてな。驚かせようようと待っていたのだ」
……やっていることはおかしくないはずなんだが、どことなくストーカー臭がする。結婚前から同じことをやっていそうだ。原作シーモアのストーカー癖は遺伝説!
「普段からあまり時間を取れないこと申し訳なく思っている。寂しい思いをさせてしまっているな。不満があれば言ってくれ」
「そんな、不満だなんて…。あなたは、グアド族のため、エボンのため、そして世界の未来のため頑張っているではありませんか」
「だが、そのためにおまえやシーモアをないがしろにして良いはずがない!」
「わたしは、そのようには思っておりません。あなたは今日、こうして来て下さった。それだけで十分です」
「おまえ」
「あなた」
安っぽいメロドラマしているところ悪いが場所を思い出して欲しい。ここは寺院の中である。寺院には歴代の第召喚士様の像が、中央を囲むように祀られており、周りにはエボン教の僧官やジスカルが連れてきたと思われるグアド族の護衛達がいる。そのど真ん中でコレである。家でやれ!!
「さあ、シーモアもおいで」
呼ぶな阿呆!恥ずかしすぎる。原作シーモアはどうしていたんだろうか?とりあえずここは空気に徹する。
「あら?どうしたのかしら?」
「なに、少し早い気もするが難しい年頃なんだろうさ」
「そうね。あなたの子供だもの。きっと早熟なのよ」
少しは疑問に思え。まだ5歳児だぞ。ていうか抱き合ってキスを始めるな!こっちまで恥ずかしくなってくる。一部の人たちが目の光を失っていく……。
ああ、消えてしまいたい。…んん?どうなっているんだこれ?