ストーカーの変態男に転生しますた   作:クワルカン

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2話

 

 ええっと、公衆の面前で両親がイチャイチャし始めいたたまれなくなったシーモアだ。

 消えてしまいたいと思ったら、なんと体が半透明になってしまった…。いや、中途半端すぎないか?と周りを見ると、誰も私に気づいていない。目の前で人間が、半透明になれば驚くと思うのだがこれはどうなっているんだ?

 こんな現象を引き起こすのは、未だ詳細不明のチートのはずだ。そう5歳になった私だが、依然チートは分かっていない。少なくとも、ゲート・オブ・バビロンや無限の剣製などではない。あまりにも何も分からないため半ば諦めていたのだが、これがそうなのか?半透明になって人に認識されない能力?まあ、便利だと思うが……。しょぼいな。

 

「ぼ、坊ちゃま?」

 

って、おい。認識されてるじゃないか。今、話しかけてきたのはトワメル。原作でシーモアに仕えていたグアド族の老人だ。現在はジスカルに仕えている。ジスカルの護衛に加わっていたようだな。

 

「坊ちゃま?大丈夫ですか?」

「え、ええ。大丈夫ですよ。トワメルには私は今、どんな風に見えていますか?」

「そ、それが…坊ちゃまが、半透明になっているように見えます。このトワメルの目がおかしくなったのでしょうか?」

「正常だと思いますよ。私自身も半透明に見えますから。ただ、それにしては妙なんですよね。トワメル以外は、誰も騒いでいない。それどころか気づいてすらいないようです」

「……そのようですな。これは一体?坊ちゃま、こうなったのはいつから?」

「先程からです。とりあえず危険は無いようですので、大きな騒ぎになる前に一度人の少ない所に、寺院の外にでましょう。護衛をお願いします」

「その方が良さそうですな」

 

 

 と、いうわけで外に出たんだが……

 

「戻りましたね……」

「戻りましたな……」

 

 正確な時間は、分からないが1分ほどと。短いな。それ以前にトワメルに認識されたのは一体?

 

「ふむ。坊ちゃま、先程の現象に心当たりは?」

「全くありませんね。今までに、同じことが起こったことも無いです」

「では何かきっかけは?」

「まあ、ちょっと姿を消したいと思いました」

「同じことをもう一度できますかな?」

「やってみましょう」

 

 どうせチートであれば、トワメルには完全には理解できないだろうから、検証を手伝ってもらうとしよう。

 

「……どうですか?」

「そうですな。確かに半透明になっていますが、それ以上になんと言うか、気を抜くと見失ってしまいそうですな」

「そうですか。……これは!」

「如何なさいました?」

「いえ、ほんの少しですが魔力が減っています」

「なんと、ではこれは魔法だと?」

「かもしれません」

 

 実際にはどうだろうな。魔法なのか、それともチートの代償が魔力なのか。まあ、周囲には魔法と説明する他ないんだ、好都合だと思っておこう。

 

「むう。姿を消したい思えば消せる。それならば」

「どうしました?トワメル?」

「いえ、中途半端だと思いましてな。姿を消したいではなく、より強く相手に見るな、と思えば完全に透明になれるのでは?と」

「……試してみましょう」

 

 相手といってもトワメルしかいないし大事にはならないだろう。"見るな"

 

「ぬ、ぬおおぉぉ!こ、これは"暗闇"状態!」

「落ち着いて下さい。今、治します。"エスナ"」

「ありがとうございます。それにしてもこんなことになるとは」

「……そうですね」

 

 トワメルには分からないだろうが、私は気づいたあれは"ブライン"だ。"ブライン"は、FFの魔法ではあるがFF10には存在しない魔法だ。今にして思えば、姿が半透明になったのも恐らく敵に見つかりにくくなる"バニッシュ"だったのだろう。"バニッシュ"は、あくまで見つかりにくくなるだけだ。トワメルが気づいたのは偶然か、他の人は両親に注目していたんだろうな。

 チートの内容に大体の見当はついた。実験してみたいが、そろそろ戻った方が良いな。

 

「坊ちゃまの魔法は、今までにないものですな」

「そうですが、魔法と分かれば自分で制御できます。一旦、父様と母様のところへ戻りましょう。いないことわかれば、心配させてしまいます」

「……そうですな」

 

 

 

 で、戻ってきてんだが……

 

「おまえ……」

「あなた……」

 

 状況はなにも好転していなかった。寧ろベタベタして悪化しているぐらいだ。周囲の皆さんも、僧官たちは逃げ出し、護衛達の目は完全に死んでいる。

 現実に戻ってもらわねば。

 

「んんっ。父様、母様、それぐらいでいいのでは?」

「ん?そうだな。本来の目的を忘れるところだった。私は、いずれシーモアに跡を継ぎこの寺院を管理してもらいたいと思っている。勿論、ずっと先のことだが、今のうちに寺院を案内しようと思ってな」

「まあ、それは素晴らしいですね。シーモア。しっかり学ぶのよ」

「では行こう」

「はい」

 

 

 

 案内の最中も、暇さえあればイチャつきムカついたが無事に終わった。

 ジスカルも忙しい筈、漸く解放されるな。

 

「さて、グアドサラムに帰るとするか」

「あなた?まさか?」

「ああ。一緒に帰ろう」

 

 護衛達と私の表情は……死んだ。

 

 

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