東方霊術伝   作:モン太

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人が希望を持ちえるのは

死が目に見えぬものであるからだ


襲いかかる最初の試練

走る。走る。

 

はえー!前世の俺とは比べ物にならんくらい速い!ウ○ン=ボ○トってこんな感じだったんだろうか?

 

って、いかんいかん。また、現実逃避してしまった。いくら、人類最速でも四足歩行の動物に足で勝てるわけねー。クッソ、囲まれた。

 

瞬歩使えるかな〜と思って使おうとしたんだが、全然使えない。あのジジイの言う通り、修行しないとできないって事か。もう、息切れで呼吸苦しいし、走る体力も無い。こうなったら、この人類最高スペックのこの体で肉体言語に訴えるか?

 

『グラァァァ!』

 

飛びかかって来る狼をしゃがんで回避して、その時に手に持った石を次に来る狼に投げる。よっしゃ!ヒット!

 

狼は軽く吹っ飛びながら地面を転がる。残り六匹。まだまだ、多過ぎるわ!

 

また、飛び掛かって来る1匹を躱しながら、遠心力を乗せた拳を狼の横っ腹めがけて、ぶん殴る。

 

『ぎゃあああぁ!』

 

残り5匹。結構効いたな。そんでもって、俺の拳も超痛い。涙出そう。って、いてええええ!

 

拳の痛みの何倍もの痛みが俺の左足に伝わる。見ると、足首に狼が食らいついていた。

 

「ちぃ!」

 

足に食いついてる狼を全力で蹴飛ばす。吹っ飛んだ狼は木にぶつかって動かなくなる。残り4匹。これなら、いけるか?

 

しかし、俺が足首に噛み付く狼に気を取られてる隙に、残り4匹が一斉に飛びかかる。俺は躱しきれずに、4匹が馬乗り状態になる。

 

「クッソ!離せ!この野郎!」

 

俺は必死にもがくが、狼達の力は強く、抜け出せない。そのまま、狼達はトドメを刺す様に俺の首筋に噛み付いた。

 

「ぐあああああああああああぁぁぁぁぁぁ!」

 

堪らず、絶叫する。俺の血液が噴水の様に溢れ出る。

 

「があああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

痛みで冷静さを失いかけるが、気合いで恐怖を押さえつける。そして、俺は残りの力で地面を思いっきり殴る。

 

殴った地面は、蜘蛛の巣状にヒビが入り、地面を揺らす。揺れた地面に気を取られた狼達の隙をついて、離脱。全力疾走で近くの大木に登る。下を見ると狼達が、俺を睨みつけている。どうやら、登れない様だ。

 

「はあ、はあ、はあ」

 

最後の地面へのパンチは、いくらなんでも人間の力じゃ無理だ。やっぱり、藍染スペックのお陰かな。

 

『グルルル』

 

まだ、あいつらいやがる...........そうだ!原作では、霊圧で傷口を塞いだり、皮膚を硬化したりしてたな。試してみるか?確か、こうやって.........

 

....................

 

全然塞がらないな。やっぱり、回道は修行しないと無理か〜。神聖滅矢はどうかな........おお!弓はできた!あとは、指をかけて、弦を引き、離せば......おお!速っ!弱っ!

 

勢いよく水色の矢が飛翔するが、対象を捉える前に空中で飛散してしまった。

 

最後に鬼道はどうかな?瞬歩は駄目だったし、あんまり期待できないけど。えーと、

 

「縛道の一 塞」

 

狼達が一斉に地面に転がり、のたうち回る。

 

お!上手くいった!じゃあ、この調子で!

 

「破道の四 白雷」

 

……………うんともすんとも言わないな。

 

............うん。そんな気はしてた。

 

「破道の一 衝」

 

『グラァァァ!』

 

狼の1匹が吹っ飛び、動かなくなる。

 

こっちは上手くいったか。多分、気絶したのかな?破道の一じゃ、流石に殺せないよね。

 

ふう。しんどー。まじで、一般人に毛の生えたレベルじゃん。強敵に殺されるとかじゃなくて、何の霊圧も感じない、野生動物で死にかけたよ。今の俺じゃ、鬼道のそれぞれ第一番しか使えない。とりあえず、修行だな。それよりも、今は体力回復かな。血を流しすぎたし。

 

俺は下の様子を確認する。早くどっか行ってくれないかなぁ。もう絶対下には、降りるつもりないから、このまま睨み合ってるのは勘弁して欲しいんだけど。

 

しばらく睨み合っていたが、諦めたのか知らないけど、突然狼達が走り去って行った。はあ。これで、命は助かったかな。なら、すぐにここからトンズラすっかな。結構騒いだから、狼の次は蛇とか勘弁だよ?

 

俺は木から木へ飛び移りながら、移動する。まるで、NARUTOみたいだな。

 

少し移動した所で、小さな川を発見する。さっきの血を洗い流すか。

 

「ふう。いてぇ。」

 

血で汚れた。手や首、服を洗う。首と足の傷はもう塞がっている。さすが、超速再生。そう言えばこの服、白いせいで血の汚れが目立つな。どんな服装なんだろ?

 

俺は自分の容姿が気になり、水面に写る自分の姿を確認する。

 

って、この顔...........やっぱり藍染様じゃん!

 

そこに写る自分の姿は、藍染惣右介の顔に市丸ギンの白い死覇装を纏った男の姿だった。

 

この顔でこの死覇装は、違和感が半端ないだろ!ん?..........これって.......

 

羽織のポケットに手を入れると何か物が当たった。出してみると、藍染様の眼鏡だった。

 

試しに前髪をおろして、眼鏡をかける。

 

うん。めっちゃヨン様だ。..............まあ、これならまだ違和感は、ましだな。てか、この顔でさっきまで、叫んだり、泥臭く戦ってんたんか〜。原作の様にOSRに戦える様になるには、100年以上の修行が要りそうだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

暫く服を洗っていると、急に身体全体に重圧を感じる。何だ、この感じ?..................これって、所謂霊圧ってやつか?結構やばくね?俺より全然強い感じがするんですけど...........

 

そして、その霊圧の主が現れる。コウモリの様な羽、顔は猫で体は蛇、尻尾は2本と言うキモい生き物だった。

 

『ニン...ゲン........タ...ベル......』

 

は?こいつ、喋れんのか⁉︎ しかも、食べるって.........とにかく、逃げるか。連戦する体力無いし、幸いな事に相手は川の対岸。

 

僕は地面に転がっている石を、化け物に向けて蹴る。

 

化け物はそれを何でも無い様に避ける。

 

「破道の一 衝」

 

化け物の気がそれている間に、鬼道で川の水を巻き上げる。僕の姿が水飛沫で隠れた瞬間に走り出す。

 

これなら..................

 

僕はこの時、自身の身体能力や相手の渡河能力を考えて、逃げれると考えていた。しかし、現実は僕の考えを嘲笑うかの様に、現実を突きつけてきた。

 

「ぐっ!」

 

背中を斬られた!? ちくしょー!なんて速さだ!

 

『ニ.....ガ..サ.....ナイ』

 

化け物は、既に僕の目の前まで周り込んでいた。

 

クソ!圧倒的に相手が強い。さっきの狼達も、こいつの気配を感じて逃げたのか?だとしたら、正に野生の勘って奴だな。結果論だが、狼達が逃げた方向に行くべきだったって訳だな。まあ、あの時はどう考えてもその思考には、行き着かないだろうけど。..........て、また現実逃避しちゃってたね。まじで、どうしよう?相手の霊圧が強すぎる。狼とはレベルが全然違う。つまり、逃げると言う選択肢は実質無し。ここで殺すか、殺されるか...........それだけだ。

 

今着けたばかりの眼鏡を外し、再び髪の毛をオールバックにする。やっぱり、本気で戦うならこっちのスタイルだな。

 

「........................」

 

『........................』

 

一体、何時間経ったのか?もしかしたら、まだ数秒かもしれない。睨み合ってるだけで、時間の感覚がわからなくなる。

 

『グラァァァ!』

 

「っ!」

 

同時に相手に向かって飛び出す。私は、霊力で身体能力を底上げする。化け物が大口開けて、向かってくる。俺は相手に向かって、左腕を突き出す。そのまま左腕は、化け物の口に吸い込まれ、噛みつかれる。

 

「痛っ!」

 

気合いで痛みに耐えて、右手を相手の左目に叩きつける。

 

『ギャアアアアア!』

 

化け物は叫び声をあげて、私を振り解こうとするが、俺は必死にしがみ付いて離さない。

 

このまま、脳を破壊する!

 

「破道の一 衝」

 

鬼道を使った瞬間、化け物の頭が弾け飛び、そのまま巨体は倒れた。

 

「はあ、はあ、はあ」

 

破道の一でこんなに威力出たっけ?...............いや、考えるより先に安全な場所へ移動しよう。いつまでも、ここにいたら、また襲われる。

 

また、血で汚れてしまった。少し、水で流して直ぐに移動するか。長時間一箇所に居るのは不味い。

 

私は血を洗い流して、直ぐに移動を開始した。

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