東方霊術伝   作:モン太

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※R15描写あり。胸糞展開。グロ描写

これらが無理な方はブラウザバックしてください。


※初めての弟子②

私は課の国の奴隷だった。両親は居ない。物心着いた時から、幼児売買でこの課国の農奴だった。

 

毎日、朝日が登る前に起床。朝早くから畑と田んぼの仕事をして、昼に僅かな水と餓死しない程度の粟が出された。日が沈む前に気絶する様に眠る。

 

とても辛いけど、働かなければ生きていけない。国のために働けば、いつか.......。

 

と言った淡い目標を持つ事で精神を保っていた。

 

「大変だー!袮国が攻めて来たぞ!」

 

「なんだと!男は門に集まれ!女子供は、倉に隠れろ!」

 

唐突の出来事だった。隣国の袮国が課国に攻めて来た。戦争が始まった。

 

戦争は2日間続いたが、不意を着いた袮国が課国の兵士を破り、国内に侵入し、課国の王は降伏した。

 

その翌日、袮国の兵士が私達奴隷の住まう家にやってきた。

 

「おい、生口(この時代の奴隷の呼び名)!ここから出ろ!」

 

「きゃ!」

 

私は髪の毛を掴まれて、無理やり外に出さされる。

 

「お前達の所有者は、我々袮国に敗れた。課国の王は命乞いにお前達の所有権を提示した。寛大であられる我ら袮国の王、比王様はその条件をのまれた。よって、これからは比王様に仕えるのだ。」

 

こうして、私の身柄は課国の奴隷から袮国の奴隷に変わった。そして、住む場所の移動も強要された。

 

課国から袮国への移動が始まった。

 

私は失意のドン底だった。

 

なんで?私は国のために働いていたのに、王様は自分の命惜しさに私達を見捨てたと言うの?これまで解放されたいが為に努力した事は全て水の泡となったの?

 

こんな事は色々な国で日常茶飯事な事だが、当時6歳の私には受け入れる事ができなかった。日々の労働で限界だった私の精神に亀裂が走る。

 

「はあ〜、だり〜。なんだよ〜。折角勝利して休めるかと思ったら、すぐにとんぼ返りなんてよ〜。攻める時も急に徴兵されるし、この国の王様は俺達をなんだと思ってる!」

 

「全くだぜ。こんな生口達の移動に付き合わされるなんてよ〜。」

 

私を運ぶ袮国の兵士達が愚痴を零している。彼らもまた、奴隷では無いけどかなり扱いが悪いようだ。相当不満が溜まっているようだ。こちらを睨んでくる。

 

その目は、まるで邪魔な物を見るような温度を感じさせない視線だった。無価値で無感動な人間とは思っていない、家畜を見るような視線に恐怖を覚えた。

 

突然、1人の兵士がニヤリといやらしい笑みを浮かべた。

 

「じゃあさ、仕事を無くせばいいじゃん。」

 

「はあ?お前何言ってんだ?」

 

いやらしい笑みを浮かべた兵士がこちらに近付いてくる。

 

「本日、我々袮国の兵士は生口輸送任務を行なっていた。当初は順調に進軍していた。しかし不運にも妖怪の襲撃に遭い、生口は全滅。我々は妖怪と交戦。なんとか撃滅できた。こんな筋書きはどうだ。」

 

男の言葉の意味を理解した他の兵士達も、同様にニヤリと笑う。

 

「.........決まりだな。」

 

次の瞬間、一番近くにいた女性が兵士の剣に切り裂かれた。

 

「うわあああああああ!」

 

「きゃああああああ!」

 

「た、助けてーーーーーーーーー!」

 

1人の兵士の奇行により、一瞬で阿鼻叫喚の地獄絵図に変わる。

 

私は逃げようと走り出そうとしたが、足を躓いてこけてしまう。

 

それに気付いた兵士が私を捕らえる。

 

「なに逃げようとしてる!」

 

兵士が私の右手を掴み、剣を振り上げる。

 

私は恐怖で詰まる声を振り絞って、命乞いをする。

 

「や、やだ。お願いします。た、助けて.......」

 

だが、私の声は聞こえていないように淡々と剣を振りかぶる。

 

死ぬ!

 

だが、剣は振り下ろされる事は無く、兵士の腕を大柄な兵士が止める。

 

「まあまあ、そいつは俺に任せろよ。」

 

「はあ〜、いいだろう。だが程々にしろよ。」

 

「ああ。」

 

大柄な兵士は、屈んで私に視線を合わせる。

 

「怖かっただろう。もう安心していいよ。ここは危険だ。着いてきて。」

 

「ほ、ほんと?」

 

「うん。さ、早く。」

 

私は恐怖から解放されたくて、すぐに着いて行った。この時、よく考えて行動すれば良かったと後悔する事になるとは、全く思ってもいなかった。

 

「.........全く。あの幼女好きめ。........あいつも可哀想に。さっき死んでいればまだ幸せだったものを。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここまで来れば、大丈夫だろう。」

 

「あ、ありがとう。」

 

「お!ちゃんとお礼が言えるんだね。偉いね〜。うん。感謝の気持ちは大切だよ。」

 

「う、うん。」

 

「だからね。感謝の気持ちとして、」

 

大柄な兵士が私の服を掴んだ。

 

「おじさんを楽しませてくれよ。」

 

私の服が破かれた。

 

「.......え?」

 

「う〜ん。いいねぇ〜。やっぱり、穢れの無い身体は最高だぜ〜。」

 

そのまま、地面に組み伏せられる。

 

「きゃっ!」

 

大柄な兵士は、地面に倒れた私に覆い被さり、私の首筋を舐めた。

 

「い、いやぁ。」

 

私は必死に逃げようともがくが、子供の力では大人には勝てない。

 

「こらこら、暴れちゃいけないじゃないか。」

 

大柄な兵士は、背中から弓矢の矢を取り出し、私の両手の掌を地面ごと貫いた。

 

「い、いやああああああああああ!」

 

手が焼けるように熱い。地面に磔にされて身動きが取れなくなる。

 

私が泣き叫ぶと、男は熱の篭った声を上げた。

 

「ああ〜。いい!その声が聞きたかったんだ!」

 

今度は剣を抜き、太腿を刺してくる。

 

「ああああああああああああ!」

 

「はあ、はあ。」

 

男は恍惚とした表情をする。彼の目には完全に理性と言うものを失っていた。

 

泣き叫ぶ事が、男の行為を助長する事を理解してもなお、私は叫び続けた。声を抑える事ができなかった。

 

男の蹂躙は続いた。何時間も続いていたかのような地獄。全身を切り刻まれ、男の体液でドロドロにされた。

 

「も、もう、殺して.......」

 

私の心が折れた時にようやく解放された。

 

「あーあ、もう壊れちゃったか〜。」

 

「おーい。こっちは終わったぞー。って、まだやってたのか。全く幼女趣味も大概にしろよ。」

 

別の兵士がこちらにやって来た。

 

「全くはこっちの台詞だぜ。この誇り高き性癖がわからんのか!」

 

「わかってたまるかよ。いいから、行くぞ。」

 

「わかったよ。」

 

再び、兵士がこちらに向いて剣を抜く。

 

「ごめんね。もう時間みたいだ。誰も生かす事は許されない。だから、ここでお別れだ。」

 

どうやら私はここで殺されるようだ。だが、私に恐怖は無かった。

 

殺すなら、早く殺してくれ。

 

私は自身の死を受け入れ、兵士を眺めていた。

 

しかし、次の瞬間

 

「ガハッ!」

 

男の胸から銀色の刃が生えた。

 

男は口から血を流し、地面に倒れた。男の背後にには、黒髪で黒い着物を着た、私と同じぐらいの男の子が地に濡れた剣を握っていた。

 

「え?」

 

「な!何者だお前達!」

 

近くの兵士が慌てて剣を抜くが、

 

「隙だらけだよ。」

 

「ぐわっ!」

 

その兵士も倒れた。今度は、茶髪の目元に何か着けていて白い着物を着た男の人だった。

 

その人は男の子に自分の上着を脱いで渡す。

 

「レン君、その娘を介抱してあげてくれ。僕はあちらを片付けてくるよ。」

 

「はい、わかりました。藍染さん。」

 

藍染さんと呼ばれた人は、一瞬で目の前から消える。消えた事に対して、多少の驚きはあったけど、それのリアクションする余裕は無い。

 

レン君と呼ばれた男の子が、白い上着を私にかけて着た。そのまま剣を両手の矢に向かって振り、切り落とす。そこまでを見届けて私は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

背後から沢山の悲鳴が聞こえる。おそらく藍染さんが暴れているのだろう。

 

俺は震える手を抑えて、気絶している女の子の手から矢を抜く。

 

手に開いた穴を布で巻いて、藍染さんの羽織を裸体に被せる。

 

ちくしょう.....ちくしょう....

 

「ちくしょう!」

 

俺は思わず地面を殴りつける。だが、それでもこの衝動は抑えられそうに無い。

 

「ちくしょう!」

 

もう一度腕を振りかぶるが、藍染さんに手を取られる。

 

「やめるんだ。」

 

「.......藍染さん。」

 

「彼女を早く安全な場所に移動させよう。」

 

「すいません。御見苦しい所を見せました。」

 

「いいんだ。彼女をもっと早く救えたのではないかと思っているんだろう?」

 

「.......はい。俺がもっと早く異変に気付いていたらこの娘だけじゃ無く、他の人々も救えたんじゃ無いかって.......」

 

「レン君。気持ちはわかる。でも、僕達は神様では無い、人間だよ。なんでも救えると思うのは、思い上がりだよ。常にそれを覚悟しなければならない。だからと言って、それを言い訳に努力を怠る事も許されない。......より多くを救えたのなら良し。救えなければ、それを背負って更に力を磨き、努力する。立ち止まる事は許されない。君が選んだ道は、そういう道だ。」

 

「......わかっています。」

 

「心配する事は無いよ。君が一人前になるまでは、僕も君のお手伝いをすると約束したからね。」

 

「ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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それから、私は藍染さんの元で各地を転々と移動しながら暮らした。私は助けてくれる相手が実はもっと酷い人間だったというトラウマから、藍染さん達にもずっと威嚇するかのように過ごしていた。今思えばかなり迷惑をかけていたのだろう。

 

それでも、藍染さん達は私を見捨てる事は無かった。

 

私が1人で逃げ出して、妖怪に襲われた時も助けてくれた。崖から落ちた時も拾ってくれた。いつも私の分のご飯を用意してくれた。

 

そんな生活が1年ぐらい続き、私は漸く心を開いた。

 

「僕は藍染惣右介。彼はレン君だ。君の名前を教えてくれないかな。」

 

「.........生口に名前なんて無い。」

 

「そうか。」

 

「そうだな。では、君はサクラ。これからはそう名乗るといい。」

 

「........サクラ。」

 

「そう。よろしくね、サクラ君。」

 

名前をくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

課国と袮国の戦争から2年後。その両国は突如滅亡する。実しやかに噂されるのは、8歳の女の子が1人で2国を滅ぼしたと言う荒唐無稽なものであった。

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