Tales of Rezar ~祈りが導くRPG~   作:0maru

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*ワンクッション的な←




…戦闘あります。
少々暴力的な表現あるので、苦手な方はご注意を(><;)





第一章
第一話 "力"


「お、…俺が…”(みこ)”…?そ、そんなわけ…!」

 

エンゼはかなり動揺していた。

自分の身に何が起きた?

自分は今何をした?

あの光が自分の元に来て、そして自分の首元に何かがある。

……”月詠ノ玉”。

そうあの守護武者は言ったが、…これは一体何だというのか。

 

そう考えていると彼女は言った。

 

「言っただろう。

その首元の勾玉、それは”(みこ)のみ”持つもの。

それを持つという事はお前は(みこ)だという証拠。

今更言い逃れは出来んぞ」

 

「だから俺は…!!」

 

「問答無用!!」

 

「……っ!!!」

 

女性?の守護武者は一気に詰め寄りランスを振り上げた。

それに対しエンゼは大扇子を閉じ受け止めようと構える。

 

…が、

 

「はああああっ!」

 

「!」

 

受け止める前にアルマが二人の間に入り、女性?へ大刀を大きく振り回した。

ちっと舌打ちをしながら彼女は後ろに一旦下がる。

 

「エンゼ、あの人はあなた一人で相手しちゃダメ。

あの人の武器の攻撃は一つ一つが重いから」

 

「…ああ」

 

里での戦闘で彼女は女性?と武器と武器とで交わってる。

だからこそ一撃の重さが分かる。

エンゼは素直に頷いた。

 

それを見てふっと笑う女性?。

 

「二対一か。

二人いようが我に勝てると思えんが」

 

明らかに馬鹿にしている。

否、力の差は明らかだ。

彼女にとって一人だろうがが二人だろうが関係ないのかもしれない。

 

それでもここには今、里の皆がいるのだ。

いずれ女性?を追ってこの場に他の守護武者達も来てしまう。

……その前に、

 

「そんなの、やってみなくちゃ分からないわ!…エンゼ!」

 

「ああ!…風よ、切り刻め!ウインドカッター!」

 

地面を蹴り、女性?へ向かうアルマ。

彼女を援護する為に風の刃を放つ。

 

「…また魔術か」

 

不快そうな声で一言言い、女性?はランスを構えたと思えば、

 

「…旋風槍!」

 

「「!」」

 

風には風を、ということか。

振り回した彼女のランスから放たれた真空波がエンゼの放った風の刃を相殺した。

それと同時に前に素早く前進。

 

「!」

 

「…瞬迅槍!」

 

「っ!」

 

アルマへ攻撃を仕掛ける。

アルマはそれに何とか受け止め、そしてまた押し返した。

けれど彼女の攻撃は止まる事はない。

何度も何度もアルマに仕掛ける。

 

「…ライトニング!」

 

「!」

 

雷を落とし距離を置かせようとしても直ぐにまた前進してくる。

 

おそらく分かっているのだ。

二人は疲れているのだと。

数人いた守護武者達を二人で相手していたのだ、体力がなくなっているのは無理もない。

それが分かっているからこそ彼女は魔術を放たれようが、大刀で攻撃されようが、先程のように様子を窺うなどせず反撃に出るのだ。

 

「っ、くそ…!魔神風!」

 

「はぁっ!断激波!」

 

「ふっ、当たると思うか?」

 

疲れた二人の攻撃は明らかに威力が落ちている。

それではどんなに攻撃しても意味がない、躱されてしまう。

 

「…はあっ!」

 

「なっ…!きゃっ…!」

 

「!アルマ!!」

 

ランスを大きく横へ振り回すと、そのままアルマを吹き飛ばす。

吹き飛ばされた衝撃でアルマは地面に叩きつけられた。

体の限界が近いのか、叩きつけられてしまった体が上手く動かないようだ。

地面に手を付け、力を入れようとしているのに入らない。

 

エンゼは彼女に駆け寄ろうとしたが、

 

「よそ見しているとは余裕だな!」

 

「っ!!」

 

鎧の面は女性?の顔を隠している。

けれどそれでも分かった。

 

彼女は”笑っている”と。

 

女性?は容赦なくランスを振り回す。

 

「ぐっ!」

 

上手く受け流そうとしたけれど、…やはり重い。

一つ一つの攻撃が重いのだ。

受けるだけで手が痺れそうで……これを何度アルマは受けていたのだろうか。

戦って、疲れて、それでもなお。

 

「……っ、ライトニ…」

 

「させるわけないだろう!」

 

「かはっ…!」

 

何度も攻撃されそれを受け止めた状態で魔術を放とうとして、彼が予想していなかった事をしてきた。

女性?は両手でランスを持っていた。

おそらくこのランスは重いのだろうと想像していた。

勝手にそうだと思っていた。

 

……そのランスを片手で持ち、…そして左手でエンゼの守りの薄い腹を殴ったのだ。

 

「…っ」

 

「ふっ、弱いな。

我に我が主直々に命じられたから巫というのは皆強いのかと思えば…こんなものか」

 

「がっ!!」

 

腹を殴られ疲れ果てた体は意識が飛びそうな程辛い。

それでも意識を保とうとしていたエンゼに、今度は女性?がその身を手加減なしに蹴る。

 

……一瞬でも意識が飛んだ気がした。

 

彼は仰向けになり、目を細め女性?に視線を向けた痛みに耐える。

まずい、これじゃやられる。

 

「あの小娘もそれなりに我の攻撃に耐えてはいたが、それだけでつまらん。

……ここには年寄りと何もできない女子供だけ。

まぁそんな所に我に勝てる程強い者などいる訳はないな」

 

「―――………」

 

なんだよ、…こいつ。

 

ただその言葉にエンゼは思った。

この女性?の主に命じられてここにきたとは言っていたが…、まさかこの女性?は…。

 

「お…前、は」

 

「なんだ?まだ喋れるのか」

 

もう言葉も話せない程痛めつけたとでも思っていたのか、彼女はエンゼへ目を向けて言う。

 

「お前は………まさか、ただ………戦う、為だけに…皆を」

 

「…、……悪いか?」

 

「!!」

 

エンゼの言葉に、彼女は肯定した。

つまり、

 

「我は強くあらねばならん。

だからこそ強者と戦う。それが我が強くある為に必要な事であり、そして生き甲斐」

 

強くなければいけない。

 

「それを主は分かっておられる。

だからこそ我に命じられる命は主にあだなすやもしれん強者を討ち取るというものばかりだ。

だというのに、この隠れ里にはがっかりだ。

 

……弱者しかおらんのだからな」

 

「…………っ!!」

 

ただ、…ただそれだけの為に、里の者が犠牲になったのか。

巫と、…”(おれ)”と戦う為だけに。

 

「ふざ、けんな…!」

 

そんなことの為に。

 

「お前の、お前の自己満足の為に…!皆を…!!」

 

痛みも忘れて、エンゼは大声で叫ぶ。

何故皆を、家族も同然の皆を。

 

 

 

 

 

けれど………怒りと同時に、それが自分のせいだということも理解した。

 

「…お前が巫だと隠していたからだろう」

 

「―――……っ!」

 

”巫”、そう…自分が”巫”という存在なのだという。

知らなかった。知りもしなかった。

両親は小さな頃にはもういなかったし、そんな話をされた記憶さえない。

違う、両親さえも知らない事だったのかもしれない。

 

だから知らなかった、知らなかったんだ。

だけどそんな理由で、そんな言い訳で…皆が帰ってはこない。

自分のせいで……殺されたのだから。

 

そう他でもない、”(おれ)”のせいで…―――

 

「さて、…下らん話はもういいだろう」

 

女性?はまたエンゼを思い切り蹴り飛ばす。

その勢いで彼の体は蹴った方へ転がった。

 

「か…っ、げほっ…」

 

息が蹴られた瞬間一気に吐き出され、彼は咳き込む。

その間にも足音は近づいているのが分かった。

 

ああ、自分はここであの守護武者にやられて死ぬのか。

嫌だと思うけれど、自分のせいで家族が殺された。

なら…自分がいなくなれば。

そうすれば皆殺されなくてすむだろうか?

(おれ)”さえいなければ…。

 

エンゼは自分を責める。

女性の自己満足もあるけれど、自分が一番悪いのだと、ならいなくなればいうのだと。

そう責めながら、彼に近づく足音を聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けれど、…その足音が止まった。

 

そして何故か里の皆のざわめいた声がする。

それに気づきエンゼは視線を上げる。

そこには、

 

「………、……そこを退け」

 

「い……、いや…いやだ……!」

 

(……!パ、パゥリ…!?)

 

そこには必死に小さな両手を広げ、涙を流し、震えながら、けれど女性?へ目を背けることなく立ち塞がるパゥリの姿があった。

 

「もう一度言う、……そこを退け」

 

「やだったらやだ…!…絶対退かないもん!!」

 

「パゥ、リ…!やめろ、退くんだ…!」

 

「やだぁ!!」

 

女性?の言葉のみならず、パゥリはエンゼの言葉すら嫌と拒否した。

そして何処にそんな声がと思う程、彼は叫んだ。

 

「エンゼお兄ちゃん、何も悪い事してないのに…!

なんでいじめるの…?!

お兄ちゃんは僕達守ってくれてるのに!!

お、お兄ちゃんを……お兄ちゃんをいじめないでよ…!!」

 

(………、お前…)

 

怖いはずなのに、泣いて震えて逃げたい。

そのはずなのに。

 

この小さな体で必死に自分を守ろうとするその姿にエンゼは泣きそうになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

と、エンゼとパゥリの足元に影が一つ増えた。

それに続く様にまた一つ、また一つと増えていく。

 

そう、

 

「み、んな…」

 

里の皆が二人の前に立っていた。

まるで彼を庇う様に、守る様に。

 

よく見ればアルマの元にも数人傍に駆け寄っているのに気が付く。

 

「…巫を庇う気か」

 

「ここにそのような名の者はおらぬ」

 

その長老の言葉に周りも肯定する様に頷いた。

それに女性は少しばかり苛立った声で、

 

「先程から言っているだろう、今更隠しても」

 

けれど最後まで言う前に長老がそれを邪魔する。

あの優しい、いつもの顔で。

 

「隠すも何も、…ここにおるのはわしらの家族じゃ。

…お主らの探しとる巫ではない、”エンゼ”じゃ。

 

だからの、エンゼよ。

…………自分のせいだと、そう責める事はないのじゃ」

 

「…!」

 

また、…泣きそうになった。

その言葉が、ゆっくりと、じんわりと、心に染み入っていく。

 

知らなかったせいで皆を傷つけた、死なせてしまった。

それなのに。

 

「…何もする気配もなかった癖に、何を今更。

戯言まで言うとは…下らん」

 

「そうじゃな、お主の言う通りじゃ。

わしらはこんな年寄りが多い、だからずっと二人に頼ってしまっておった。

だというのに、わしらはエンゼが巫と聞いて、…この子がいたからと無意識に責めておったのかもしれん。

 

…じゃがの、その子に、パゥリに気付かされた。

……この子は何も悪くない。いつも一生懸命に、わしらを助けてくれた、守ってくれていた大事な家族じゃとな」

 

長老の言葉に、ついに女性?は下らんことをこれ以上いうな!と大きく振りかざした。

このままでは長老に、…けれどまた。

 

 

 

 

―――ガキンッ!!

 

 

 

 

「ちっ!」

 

「……やらせないわよ!」

 

エンゼの時の様に、アルマがそれを受け止め、そして弾いた。

先程まで動けない状態だったはず、それなのに彼女は再び女性?のランスを。

長老は自ら彼女に近づき心配そうに聞く。

 

「お主、怪我は…」

 

「回復術ならあたしにだって少しは出来るからねぇ!」

 

「…ということです」

 

「…そうじゃったな」

 

長老も他の者の皆、カルハが回復術を使えたということを忘れていた。

アルマはその彼女に助けられたという。

 

もう一度カルハへお礼を言うと、アルマは女性?へ向き言った。

 

「あなたみたいな人にエンゼは差し出さないし、やらせもしないわ」

 

それに答えるように里の皆が女性に向けて、そうだそうだ!、出ていけ!など言葉を投げかける。

そんな声にエンゼはこんな状況であるが嬉しいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――本当に俺が”巫”という存在なら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――特別な何かがあるのなら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――お願いだ…、皆を…………助けたいんだ…守りたいんだ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――だから、……だから!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然彼の心の叫びに、彼の願いに答えるかの様にそれは起こった。

 

「…!エンゼ!?」

 

彼を包み込むような光、その光の元はあの勾玉からだった。

 

(あれ……なんだ?………体が軽い…?)

 

勾玉の力なのだろうか。

エンゼは先程まで動けない程ボロボロであった体の変化に目を見開く。

痛みが消え、体が軽い。

それだけじゃない、…体の中から何か、力が溢れるような…そんな感覚。

 

「…!まずい!…今すぐそこをどけええっ!!」

 

「っ!」

 

しまった…!そう思った時には遅い。

女性がアルマにランスを振りかざす。

 

…けれど、

 

「烈風陣!!」

 

その前にあの風が、つむじ風の様な風が起こった。

否…いつもとは比じゃない、これはもっと大きな、強い風。

その風に後方へ女性は飛ばされる。

今どんな顔をしているのだろうか、女性は一点を見つめ貴様!と叫んだ。

 

そして彼女の前に、ボロボロのまま立てずにいたはずの彼がいた。

 

「アルマ、サンキュな。

…あとは俺が自分でやるから」

 

そう一言彼女へ残して、エンゼは大扇子を広げる。

何が起きたのかは分からない。

先程の光は既になく、代わりに彼がここにいるのだから。

 

…彼の体がほんのりと光っている様に見えるのは気のせいだろうか。

 

「…俺の家族を、皆を傷つけたお前を、俺は絶対に……許さない!!」

 

「戯言を…!!…ここで死ぬがいい!!」

 

女性は苛立つその感情を隠すことなくそのまま突っ込んできた。

何を苛立ち、そして焦っているのだろう。

先程までの彼女とは違う冷静さのない行動にエンゼは驚くも、

 

「魔神風!!」

 

「っ!」

 

近距離での衝撃波、冷静を失っている今の彼女にそれは一瞬の隙を作るのに十分な攻撃だった。

 

「…なっ!」

 

衝撃波をぎりぎり躱した彼女は瞬間目を見開く。

女性が躱している間、その隙に彼女の懐にエンゼが入っていたから。

 

彼女の懐に入ったエンゼはこの好機を逃さない。

 

大きく大扇子を構えると、次の瞬間素早く上へと振り上げた。

 

疾風(はやて)っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

―――それは激しい、一瞬の風だった。




はい、今回は戦闘の回です!
…ちょっと(…以上に)暴力的な感じで申し訳ないです;;;
あとやっぱり戦闘シーンは難しい;
どう書こうか今回も悩みに悩みました…はいー…。


中途半端に終わってるのは、あとは回想でと思ったからです。
と言う事で、この後どうなったかは次の話でということで!
(もう出来てるので後々出しますです)
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