今回、薄目ですが喫煙描写がなされています。
ご注意下さい
イギリス、オルコット家邸宅
「・・・・・・此処がオルコット邸か……中々に大層な邸宅じゃないか」
イギリスを代表する貴族の1つ、オルコット家の邸宅前、広大な土地を有するオルコット邸の門に、1人の男がやって来ていた。
「さて・・・・・・そろそろか」
「失礼します、槇田 義照氏で間違いございませんね?」
「ん、一応身分証明も用意したよ、」
「必要ありません、変装かどうかは見破る事ぐらいできますので、主人が邸宅にてお待ちです、こちらへどうぞ」
屋敷の使用人につれられ、彼はオルコット邸の中へと入って行く・・・・・・
「・・・こーりゃまた凄いもんで」
中に入った義照を待っていたのは、凄まじい広さを誇る建物の内部であった。
「・・・やっと来てくださったのですね?ずぅーっと、お待ちしておりました、義照さん」
「・・・初めましてですね、セシリア・オルコット嬢」
内部に入った直後出迎えたのは1人の少女、非常に長い金髪と碧眼であるその少女は、名をセシリア・オルコットと言った。
「・・・ご両親はどちらに?」
「部屋の奥で待って貰っていますわ、義照さんについては私一人で出迎え致したかったので・・・立ち話も何ですし、どうぞこちらへ」
セシリアに連れられ、槇田は部屋へと向かう。
「おお!義照さん!ようこそお越しくださいました!」
「あの件はどうもありがとうございます、あの事故に巻き込まれていたらと思うと・・・」
「カレンさん、お気になさらず、こうして貴方は生きているんですから、あのときの事を引きずってもどうしようもありませんよ」
義照はセシリアによって部屋へと通された。
そこにはチャールズ夫妻が待っており、早速歓待を受けることとなった。
「はぁ・・・どうもすいませんね、わざわざ風呂まで貸して頂くことになるとは」
「いえいえ、このくらいは、それよりも槇田さん、1つ宜しいですか?、娘が槇田さんと一人でお話ししたいそうなので」
「ほう?」
オルコット家からの歓待を受けた義照、風呂まで貸して貰った後、セシリアが二人きりで話がしたいとチャールズから言われ、思わずセシリアの方をみる。
「折角の娘のお願いですし、お願いできますか?」
「まぁ構いませんよ」
「ありがとうございます、ではお手数お掛けするのですけど、此方へ宜しいですか?」
「ああ、はいはい、」
槇田が再びセシリアに連れられやって来たのは書斎と思われる部屋であった。
「何でまたこんなところで?」
「私が槇田さんに個人的にお伺いしたいことばかりなので・・・」
そういうとセシリアは部屋の鍵を閉めおもむろに本棚を漁り初める。
「セシリアさん?」
「・・・・・・父からお話を伺った時、
「それで、槇田さんと会えた今日この日までの数年間、私は一人、槇田さんがどのようなお方かを知るため、ありといろいろな手を尽くして槇田さんの事を「刑事時代」を中心に調べたんですの」
「・・・・・・それで?」
槇田の目が急に真剣なものへと切り替わる。
「・・・・・・最初こそ、単に私の恩人がどのような人物かを知るための物だったんですが・・・・・・だんだん
「・・・・・・その様子だと、私に聞きたいのはおよそ
「どうして数を正確に!?」
「・・・・・・ただの勘だ、私も今当たるとは思わず軽く驚いているよ……」
セシリアは己の思惑の一端を把握されていたことに驚くが、槇田自身も、自分の勘が当たっていたことに自ら驚く。
「・・・・・・勘だとしたら、恐ろしい物ですわね、あっさりと正確な疑問数を当てられるとなると」
「私はこういうのあまりアテにしない方だからなぁ、あたってたらいいやぐらいの感覚で」
「・・・コホン、槇田さん、お話の続きをしても宜しいですか?」
「…ああ、済まない、本題を忘れていたねそれじゃあまぁ聞くが、私に質問したいことはなんだね?」
「1つ目は簡単です、貴方は何故、
「おいおい、冗談は止してくれ、単純に私はあのとき
「白々しいですわよ?あの時
槇田はセシリアの問いに何か反論しようとした様子だったが、セシリアが今の自分と同じくらいに真剣になっているのを確認し、そのまま目を瞑って言葉を紡ぐ。
「・・・理由はただ1つ、
「あの時、
セシリアは槇田の返答に多少呆れ返る、だがすぐに顔をもとに戻し、次の質問へと移る・・・
「二つ目なのですけど・・・・・・バミューダでは何であんな馬鹿な事をしたんですの?後、凄まじい面子の顔に書いていた落書きの数々は何を理由に・・・・・・」
「・・・それは聞かないでくれー!!!」
二つ目の質問を聞いた槇田、その場で椅子から転げ落ち恥ずかしさで悶絶する。
どうやら、彼にとってバミューダで千冬達に追いかけ回されたあの日の事は、思いっきり黒歴史になっているらしい。
「私、あの時の生中継を見て軽く失望しかけたのですよ?私の両親を助けた恩人はこんな阿呆だったのかと・・・・・・」
「裏話をすれば、あの日はフランスのブレスト港の埠頭から始まり、ジブラルタルから飛行機でバミューダへ落ち延びるまで、ひたすら続いた追っかけとの逃走劇で、丸5日間飲まず食わず寝ずの修羅場潜った直後に等しかったからさ・・・・・・」
「成る程・・・・・・どうりでニコ○コ生放送でも義照さんに対しての同情的だったんですね・・・・・・」
セシリアの言葉にちらりと出ていたが、普通だったら色々と大変なことになるであろう槇田が千冬達の顔に油性ペンで落書きしたあの事件も、前日まで、しかも5日間ぶっ続けの生放送で、ブレストからはるばるジブラルタルまで追いかけられているシーンが流れ続けていたために、評判を大きく削ぐ事はなかったのである。
「あと、割りと謎にされているどうでも良いことのネタバレとして、あのときの女性陣の落書き(ズボラ13と、むらさき、う☆さ☆ぎ、と、貧乳は(ry)に関しては、最近流行りのゲーム、IS/VS(インフィニット・ストラトス/ヴァーサス・スカイ)《以後、ヴァーサス・スカイかIS/VSで表記》でのハンドルネームだな、千冬が個人専用データで、束とみとりが管理人データのだ」
「ああ・・・あの《一周回った神ゲー》と評判のですか・・・・・・」
さて、話がそれるが此処でヴァーサス・スカイについての軽い解説を加えよう。
この世界での本ゲームは、篠之瀬製作所の人員の趣味で、主に二つのテーマをベースに作成されている全世界同時オンライン型で、専用のデータカードを使用するアーケードゲームである。
本ゲームが神ゲーとされる由縁は、「ゲームの中なので男でもISが操縦出来る」ことと、「《IS対通常兵器をリアルに再現している》《ISが弱体化して戦場に投入されたらこうなる》を割りとリアルにプレイする事が可能できる」事にある。
・・・と言うのも、本ゲームでプレイヤーが操作できるのはISだけでなく、
戦車(現代から補正のかかった第二次世界大戦期のまで様々)
軍艦(護衛艦から大幅補正のかかった戦艦、航空母艦に潜水艦まで)
航空機(現代の戦闘機や補正のかかった第二次世界大戦期の戦闘機、爆撃機や、高性能CPUの兵士やプレイヤー操作の空挺戦車などを空挺投下出来る輸送機など)
架空兵器(スーパーロボットとかは無理だが、鋼鉄の咆哮の超兵器とか、エスコンに出てきた架空の戦闘機とかを一挙収録、神ゲーと呼ばれる由縁の1つ)
等々、実に数千を越える兵器数を収録し、操作可能性にしており、(ウィキペディアに載っているのは大体収録されてる、戦艦とかも艦名別にステータスが多少変化している)とまで言わせしめるほどの操作可能兵器数を誇り、更に使用兵器を自分向けにカスタマイズして専用としてデータカードに保存、登録することが出来るのである。
(その代わり、兵士として参戦することは不可能であり、それを考慮して行動不能やそこからの復帰に関してはファンタジー染みることとなっている。)
次点の凄いこととして、物凄い数の家庭用ゲーム機コントローラーに対応している点が挙げられる。
つまり、ゲーム○ューブコントローラーやプ○イ○テーションのコントローラーとかで本ゲームをプレイすることが可能と言うわけである。
その他、マップは(世界地図の一部分を丸々持ってきたかのような広さ)と、(このデータだけで古いゲーム機の容量全部食いそうなレベルの豊富さ)と言われたり、挙げ句の果てに一部では《ISをダシに開発されたリアル戦場シミュレーターゲーム》とまで呼ばれる始末、それがここで話題に上がった《インフィニット・ストラトス、ヴァーサス・スカイ》なのである。
「まぁ、二つ目の返答としてはそんなところかな、3つめは何だ?」
さっきの質問ですっかりと気の抜けてしまった義照、三つ目の質問が何かを聞くのだが、聞かれているセシリアはさっきよりも更に真剣な眼差しで槇田を見ていた・・・・・・
「槇田さん、これは私の思い過ごしかも知れないのですが・・・・・・
「・・・・・・へ?」
セシリアが凄まじく思い詰めた表情で放った言葉は、義照を困惑させるに十分な代物であった。
「・・・いやー何、ISの登場で変化した世界を見て回るのも良いかと思ってな、政界から引き下がった訳だし、なら世界中を巡るのも有りかなと」
「・・・・・・それ、
「なっ!!!」
「だってそうじゃないですか!確かにISによって世界は変化しましたが、それは
「なのになんで義照さんはアラスカ条約締結
「…………・・・・・・・・・・・・・・・」
セシリアの指摘は、よほど槇田の響いたようで、一瞬、観念したかのように話をし初める。
「・・・・・・今から
「なっ!それはいった」
「・・・・・・(スッ)OK?」
「・・・解りましたわ、」
義照の口調が急に悪くなる、セシリアが驚いて反論しようとするが、聞く耳持たぬと言わせんばかりに、義照はセシリアの目の前にいつの間にか竹刀を突きつけていた。
義照らしからぬ脅迫を受け、セシリアの混乱は一瞬加速しかけたが、義照の顔を見て引き下がることとなる。
この時、義照の左目は
「
「へ?」
「・・・場所を変えよう、何処か空を見上げるのに良い場所はないか?」
「・・・でしたら此方に…………」
セシリアに連れられた義照がやって来たのは邸宅のバルコニーで、この時、この地域では珍しく、星の輝く夜になっていた。
槇田は到着すると、懐から何かを取り出して口にくわえた。
「……電子タバコさ、23の頃からこうして
「義照さん、確か貴方は……」
「
(タバコは吸わない御方でしたよね?)と聞こうとして、セシリアは槇田に先手を取られてしまった。
義照は自身の過去を懐かしむ位には落ち着いたらしいが、未だに左目は血に染まったままだ。
「さて、話を戻そう、私が何故、世界を巡っているかだが…………簡単だ、
「やはりでしたか…………でもどうして?」
セシリアが何故にどうしてと言うのかと言えば、白騎士事件の真相解明等は、ICPO、国際刑事警察機構(現実のではなく、ル○ン○世の奴を想像すればOK)がいまなお捜査し続けている事である、彼がわざわざ個人的に世界巡りに扮してまでやる必要性が無いように思えるからだ。
「確かに、ICPOに丸投げしといても良いんだが……それだと私の腹の虫が収まらんのでね、捕まえるまでのお膳立て位はしたくなると言う物だ・・・・・・それに」
「それに?」
「殆どそいつらと言う方が正しいと思うが、そいつ、あるいはそいつらのせいで、
「義照さん・・・」
セシリアは何も返すことが出来なかった。
ISは元々宇宙開発の為に産み出された代物である。
それが、白騎士事件によって兵器に仕立て上げられた経緯を考えると、彼の怒りも理解できる・・・出来てしまうからだ。
「・・・・・・そこのメイドの嬢ちゃんも、盗み聞きしたのは見逃してやるから、オルコット夫妻以外には口外しないでくれよ?相手がどう動くかわかったもんじゃない」
「・・・・・・気づかれていましたか……お客様のご厚意に感謝します。」
「チェルシー!?」
「申し訳ありませんお嬢様、様子がおかしいと感じ、後をつけさせて頂きました」
槇田に呼び掛けられ姿を表したのは、セシリアの幼馴染で、彼女専属のメイドであるチェルシー・ブランケットであり、彼女はさっきから変わっていない槇田の表情に多少取り乱しつつも、基本的には冷静な様子で彼に応対していた。
「話の秘匿に関しては、遵守させて頂きます、お嬢様の大事な客人からの信用を裏切るわけにはいきませんので」
「私も、今回の件については秘めさせて頂きますわ」
「すまないね・・・今日はもう遅いし、寝るとしますか」
「あっ・・・確かにもうこんな時間、チェルシー、悪いのですけど、義照さんを寝室まで連れていってくださいませんか?」
「了解いたしました、では義照様、此方へ」
チェルシーに寝床まで案内される義照、最後に彼はセシリアに一枚の紙を渡し、こう言った。
「セシリア、もしも私の事をこれ以上知りたいと言うのであれば、その電話番号にかけると良い、その電話番号で出てくる私の親友は、
「解りましたわ、そして、
「・・・・・・そうしといてくれ」
(・・・・・・すまんな、流石にもう1つの目的は言えんからな、この辺で勘弁してくれ)
この後、義照は寝室に連れられ、セシリアは自分の寝床に戻ることとなる。
こうして、1人の元首相は1人の貴族の家にて、夜を明かすこととなったのである。
翌日、波乱が巻き起こるとも知らずに・・・・・・
~続く~
タバコ描写は不味かったら消して修正します。