(なお、超速で終わる模様)
ここに到達するまでにISのソシャゲやら最新刊やらで情報が増えましたが、それとは関係なしに超操縦要素が本格的に混ざり始めて来ました。
~side 正晴~
「・・・・・・何だ今の光は?ん?」
「束、正晴、飛び乗れ!」
「んなっ!?ちーちゃん!?ちょっと待って!」
「ぐずぐずしてる場合ではないか!」
白騎士がやって来たと同時に光に包まれた私達、光は直ぐに収まったのだが今度は千冬が見たことない機体に乗り込んで飛び乗れと叫んでいる。
千冬の機体にできている羽、その後ろにはIS本体とあまりにも不釣り合いな大きさのバックパックがあり、数人の人は余裕で乗れる位のサイズが確保されていた。
「こうなりゃヤケだ!俺も便乗するぞ!」
「私も乗るぞ!」
「私も乗るわよ!」
「えっ!?、一春さん!?オーレンドルフ首相にロレッタさんまで!?」
私と束が千冬に促されて乗り込むと同時に、一春さんとオーレンドルフ首相にロレッタ中将まで便乗してきたのだ。
「ちーちゃん大丈夫!?乗り込む人三人も増えちゃったけど?」
【大丈夫です!お母さん謹製のバックパックの改良品ですよ?この倍いても余裕です!】
「ISがしゃべった!?」
【細かいことは後です!マスター!】
「ああ!最初からフルスロットルでいくぞ!しっかり掴まれ!」
「千冬!」
「どうした義照!」
「一夏君達の避難は私に任せてくれ、だから千冬・・・無茶するんじゃねぇぞ!!」
「わかっているさ、やっと家族みんなが揃ったんだ、こんなとこで立ち止まるものか!」
「白騎士・・・・・・・・・?、出るぞ!!」
千冬のなんとなく歯切れの悪い一言を区切りに、私達は5人を乗せたバックパックごと、千冬のISは空を舞い始めた。
「うぉぉっ!?早い!?ってか軌道が無茶苦茶だこりゃ!」
「・・・・・・ウェップ、コリャヤバイ、チーチャンカゲンシテ……」
「た、束さーん!?」
「イカンイカン、流石にこの老骨にこの変態機動はきつい・・・ヤバイワタシモオジョウサントオナジク・・・・・・」
「大丈夫ですかオーレンドルフ首相・・・」
機体は白騎士に勝るとも劣らぬ加速と最高速で空を舞い始めた。
・・・・・・のだが、状況説明のためここで簡単に解説を加える必要がある。
実のところ、白騎士は根本的にロケットの延長線で運用することを決めていた結果、基本的に一旦停止してから方向を定めて超加速で突進するスタイルをしていて、機動中の方向転換を無理なく行うには、白騎士事件の時に使ったフライングボードが必要だった、と言う側面がある。
・・・が、白騎士と違い、今千冬が纏っているこのISは、全速力で突っ走りながら急な方向転換やら急加速からの急速後退など、自由自在といって良いの程の機動性を備え白騎士と比べると特に小回りが良くなっていた。
(暮桜の機動に非常によく似ているが、仕様上あれには白騎士にあったバックパックが無いので千冬本人以外は体感できない)
そのため千冬が肩慣らしと言わんばかりの変態機動をしたことと相まってで束とオーレンドルフ首相が早くも酔い始めたのである。
「・・・にしてもお二人はISに初めて便乗された筈なのによく無事ですね…」
「私は基本、業務の都合でいつもは空母の上にいるからね、揺れには慣れっこなのよ」
「私は特にそうだからと言えるような要素は持ってないな・・・・・・」
「いや、一応仮にもブリュンヒルデの父親だしなぁ・・・と、外部からは見れる気もする」
「やれやれ、これでも私は肩慣らし運転でまだ本気じゃないんだぞ?」
「マジかよ・・・ほんと知らない間に恐ろしいスペックになっていたのな・・・」
「さて、まずは空をふよふよ浮いている魚みたいなのから片付けるか」
「・・・やっべ、取り敢えず便乗したけど特にやれることがないぞ」
「私は護身用の拳銃がありますが、正直このバカデカイの相手に通用するわけないですしねぇ」
【そんなご同乗の皆さんに朗報だ、今だけ特別に私達の武器をお貸しするので私達の力を見る序に是非ともその威力を自らの手で試してみて欲しい】
「うわわっ!なにこのゴツいの!」
「・・・コレは、成る程なぁ」
「コレを俺に渡すとは・・・・・・さては白騎士、私の本業を知っているな?」
「ねぇねぇ、何で俺はこんな薄っぺらい小冊子持つ羽目になったの!?」
「私に至っては何も貰ってないよ!?」
【ロレッタさんには元レールガンの遠近万能兵器(名称未定)を、オーレンドルフさんには運用しやすい短射程の大型ショットガンを、一春叔父様には暮桜が使っていたプラズマブレードの改良品を、お父様にはとある筋から送りつけられてきたあの機械に関する書籍をお渡しいたしました】
【父上と母上は本来戦うべき人ではないからな、父上には情報の引き出しと分析を、母上には機体の調整確認をお願いしたいのだ】
【それに、お父様とお母様は後でじっくりと私達のこと調べるだろうからね】
「「ムムムム・・・」」
白騎士(?)から中身の武装を供給されるロレッタ中将達、それと比肩して、私に渡されたのは何か薄っぺらい小冊子、束に至ってはなんもなしと言う格差が見られたので抗議しようとしたが、白騎士に難なく受け流されてしまった。
あと、さりげなく束とオーレンドルフ首相は酔いが収まったようだ、この状況下ではよかったと言うべきか、無理してないか心配すべきか。
「・・・にしても目の前のロボットに関する書籍か……なかなか興味深い代物だしなぁ、よし、ちょっと待ってろ一気に冊子から情報を集め込むから」
「あー、そういえばこの機体完成したばっかで誰の調整も受けてないんだっけ?なら私の出番だね!、でもさぁ、そう言うことなら先にいってよね~」
「……そういうことらしいですので、機体の援護は私たちに任せて篠ノ之ご夫妻は機体の方をよろしくお願いします」
「はいはい、任された、っと!やるよ!はるるん!」
「白騎士は任せたぞ束!早いとこ奴の弱点を調べあげてやる!」
「さて、白騎士、暮桜、私は先にどれからやっとくべきか・・・?」
【まずは制空権を確保するのが先決かと】
【下のロボット、ミサイル射つ奴は損傷してるし、片腕の奴は跳躍しないと対空は困難みたいだしね、取り敢えずお空のお魚さんを乱獲しちゃいましょう】
「よし、先に空を飛んでる奴を目標にするぞ!」
こうして私は目の前のぺら紙に集中し、千冬達が空の機械を攻撃し始めたのであった・・・。
~side out~
~side 義照~
「流石ちふー、機体強度の問題が解決されて本気出せればこんなもんだよね~」
「……凄まじいな、空を飛び回っていた青いのがあっという間に駆逐されていく、」
「千冬……私たちがいない間にそこまで・・・・・・」
「お二人とも何感慨深そうに見てるんですか!取り敢えず千冬さんに言われた通り、避難優先ですので急いでください!」
「凄い・・・あれが姉さんの力……!」
「・・・この様子なら千冬姉達は大丈夫か、円香、母さん、急ぐぞ!」
空へと上がった千冬さんと白騎士っぽい謎の小型ISは、ロレッタ中将や束さん達の助力を借りつつ、恐ろしい勢いで青い魚を撃墜していっていた。
(・・・・・・あの青い魚、大きく分散しつつ遅滞戦術に入っているのか、緑のも青いのも白騎士に対して遠巻きになるように移動している……予想以上に知力があるな)
「白騎士がやってくるまでに、独軍戦車隊は緑のと交戦してまともにダメージを与えられず弾薬を多数消耗、対空戦車隊は青いのに有効打を引き出すら困難で火力不足・・・根本的に対ISに振りすぎたのが裏目って完全に警備体制をミスった形になったなぁ、戦車隊も2個小隊しか用意してなかった様子だし、独軍は根本的にテロ関係はIS部隊に任せてISが沸いてきたら対空戦車で対処の方針だったからなぁ」
完全に千冬さん達に対して遠巻きになるように動き始めた大型ロボット群を見た私は、早くもロボット群が方針転換したのに気がつく。
そして、軍に一通りの命令を伝えて一息ついたアルバン元帥に気になったことを聞くことにする。
「・・・さて、と、アルバン元帥、少し話がある、しばらく良いか?」
「私からも元帥に聞きたいことがあるさね」
「・・・・・なんです?今回の失態についてですか?」
「んなわけないだろう、あんなもん予測しろと言う方が酷だ、後で元帥に関してあーだこーだいってくるやつらに関しては火消しを頼める奴に頼ってみるさ、私はこう見えてIS委員会にデカイ伝があるからな」
「・・・では何を「
「・・・・・・・・・・・・・・・」
便乗したみとり技師の割り込み指摘にアルバン元帥が黙り混む。
「そもそも行動が早すぎるね、アルバンさん、あなたロボット出現から10分足らずで大会の中止を決めたでしょ?下手したら見た直後に様子を見るまでもなく決断してないかい?」
「・・・あれだけ巨大なロボットが出てくればそう判断するのは間違ってないと考えますが?」
「ちがうちがう、何で
「・・・・・・そして何よりもさ、その目付きが気になるんだよね、アルバン元帥、あなたあのロボットに
「・・・・・・・・・まさか、何で誰が見ても初見であろうあんな物に既視感を覚えるんですか?アニメの見すぎじゃあるまいし」
「片手を懐に突っ込んでモゾモゾさせたまま言っても説得力が無いさね、」
「・・・・・・私の悪い癖が出ましたか」
私が指摘しようとしたところのだいたいをみとり技師に取られたが、アルバン元帥はなにか観念したかのように懐から一つの小さな本を取り出した。
「・・・・・・・・・ウォーダンの日誌?」
「【シャルンホルストの悪魔】となんの関係があるの?」
「この日誌に、私の曾祖父ウォーダンが
「え?」
「・・・マジか」
彼が取り出したのは独語で書かれたウォーダン・ラインラントの日記。
彼の名を聞くのはバミューダの件以来だなと思っていたら予想外の繋がりを教えてもらうに至った。
「嘘だと考えるのなら後で確認してみてください、私もコレが本当だったとは思いもよりませんでしたが、お陰で対応は多少気楽に行えましたよ」
「・・・義照さん、」
「・・・だな、情報省に収集を依頼しとこう、失礼した元帥、情報提供感謝する」
「いえいえ、私も早いとここの謎の答えが知りたくなりました、真実の追求はお任せします」
「ところで元帥、展開していた部隊は?」
「今いる既存の部隊は郊外へ避難した人々の警護に回しました、IS部隊が壊滅状態なのが痛いですが、代わりに比較的近めの演習場で演習していた主力の機甲大隊を呼んでいます、最も、到着前に千冬さんが大体終わらせるだろうと踏んでますが」
「・・・・・・だろうな!」
「ですよねー、あっ魚が全滅した。」
予想外の情報を仕入れつつ、私達は先に避難している織斑夫人達の後を追いかけるのであった。
~side out~
~side 束~
「よしっ、これで空のは片付いたな」
「ううむ、この記述通り、あの青い魚が上への攻撃方法を有していなかったとはな・・・・・・」
はるるんと一緒にちーちゃんの機体の乗り込んでからしばらくが経った、ちーちゃんとはるるん、ショットがんで応戦したオーレンドルフさんのお陰で空の青いのが片付き、次の目標に狙いを定める。
「・・・と、言うよりあの緑の奴の腕固すぎないか!?、このロケランを何発も打ち込んだのに大した損傷を与えられてないぞ!?」
「ならばあの腕ごと切り落とすまでだ!」
【っち!まさかオートマンの腕があんなに固いとは思いもよりませんでしたね・・・少なくともこのロケラン、独軍の戦車砲よりも威力はあるんですがそれすら耐えるとは・・・】
白騎士(?)にとっても一春さんに渡された武器が緑色のロボット・・・・・・ちーちゃん曰くオートマンに通用しなかったのは意外だったようで、ちーちゃんは接近戦に切り替えようとする。
「ちょっと待ってくれないかしら?ほんの少しだけこの場に留まってくれる?」
「ロレッタ中将?」
「・・・・・・これでよし、かしら?、まあいいや」
緑のを切るために接近しようとしたちーちゃんを引き留めたのはロレッタさん、彼女は機体をこの場に引きとどめたあと、機体から提供された大型ライフルと思われるものを構えた。
「3.2.1・・・・・・fire!!」
バックパックの構造上の関係で実質的な立射状態でライフルから放たれたビームは、近くにいた緑のロボットを貫き、そのまま奥にいた同じもう一機の胴体に直撃、両方とも大爆発して機体が爆散するに至った。
「・・・・・・ヒュー、汚い花火ね、ロマンに溢れてて良い武器じゃない」
「・・・凄まじい威力だな、この武器」
【ロレッタさん・・・CSモード最大チャージにしてたんですか?】
「いや、その辺よくわからなかったからテキトーに弄ってたんだけど、いざ構えて使ってみたら日本ゲームによくある溜めのモーションに入ったからね、千冬さん引きとどめて後は良い当たりになるようにスナイプしただけよ?」
「一撃って・・・恐ろしい威力してるなぁオイ・・・」
「間接部分が弱点と言おうとしたらそんなの関係なく瞬殺されてるじゃん・・・・・・」
「私の借りたロケランの意味・・・・・・」
「ねぇロレッタさんさりげなく怖いこといってると思うの私だけかな?」
「それはともかくとしましょ、後はあの青いのだけだし」
大型ライフルから放たれたビームの威力に驚きながら、ロレッタさんに促されて私達は残った最後のロボットの方向を向く。
そこには横にあったミサイル発射口をただひたすらくるくる回しながら後退する青いロボットの姿があった。
「あれ?ミサイル撃ってこないね」
「ああ、あれ弾切らしたんだわ多分、この冊子によるとあれこの場にない補給用のオートマン随伴が前提らしいし、多分白騎士が出てくる前に対IS用改修された対空戦車隊があれから放たれるミサイルを尽く打ち落としてたからそのタイミングで持ち合わせの大半を使っていたんだろうな」
言われてみればミサイルの保有量が無限なわけないし補給がないまま撃ち続けていればそうなるか・・・あれ?そうしたらこの機体・・・
「じゃあ要するに・・・・・・」
「煮るなり焼くなり・・・と言ったところですね、デカイだけの案山子みたいなもんです」
「・・・・・・白騎士!暮桜!」
「ちーちゃん?」
ちーちゃんはなにか思い付いたのか剣を構えて何かの体勢に入る。
【姉上、最終兵装の準備完了、いつでも行けるぞ】
【やっちゃってください!お姉様!】
「え?何々!?何が起こるの!?」
「剣身から・・・・・・極光!?ここは極地じゃないんだぞ!?」
「何か知らんがそれで決めてしまえ!千冬!」
「・・・オーレンドルフさん、私達はさりげなく飛んでもない光景を目の前で見てるのかもしれませんね」
「・・・のようだな、ロレッタ中将、」
白騎士がちーちゃんへ何かの準備が終わったことを告げる、直後、ちーちゃんの持つ剣から光がこぼれ始める。
そして・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・【夕凪極夜】!」
・・・・・・ちーちゃんがそう叫んだ直後、遠くに離れていた青いロボットを瞬時に通り抜けた。
「・・・・・・・・・我が剣、ここに至れり」
「・・・ちーちゃん?、うわわわわっ!?」
通り抜けた後、何処からともなく腰につけられていた鞘に剣を納めた直後、青い機体は縦に真っ二つの切れ目が入る。
(ガガ…ガ…最終通信…ガ…ガガガガ
真っ二つに切られ、崩壊を始めた青いロボットは最後に小さなアンテナを伸ばすと、そのまま光を放ちつつ、爆発四散していった。
「千冬・・・・・・」
「・・・終わったね、ちーちゃん」
「ああ、やっと、やっと終わったんだ、一夏、束、正晴、義照・・・・・・私はやったぞ!」
はるるんと私がちーちゃんを呼ぶ、ちーちゃんは感慨深そうに剣を引き抜き、空に向かって掲げることでそれに答えた。
こうして、モンド・グロッソで起こった巨大ロボットの事件は、この時、ちーちゃんの手で幕引きを迎えたのだ。
~続く~
次回、事件の後始末と新キャラ登場でモンド・グロッソの出来事は終わりを迎えます。