千冬、束、正晴が乗るISはあっという間に成層圏に達し、用意されたフライングボード(Zガンダムのフライングアーマーみたいな物)で滑空体勢に入り、あっという間に多数の弾道ミサイルが飛ぶ地点へと到達することが出来た。
「確認できたぞ・・・凄いな、ここにあるだけで千と数百発と言ったところか」
「はるるん、後どのくらいで到達する?」
「えーっとGPS機能が示す現在位置と、ミサイルの目測距離からすると・・・後15分で本土上空に到達するね」
正晴がケータイのGPSと飛んでいる弾道ミサイルを確認しながら呟くと同時に、幾つかの発砲音、爆発音と共に凡そ30発前後の弾頭が撃墜される。
「撃ち落とされている?下が海上と言うことは・・・」
「砲弾の炸裂音・・・えーっとあそこ辺りから・・・・・・見えた、やはり自衛艦隊か」
バックパックから頭を出しながら空の上から海上を見る正晴達に見えるのは夥しい数のミサイルの他、多数の護衛艦とヘリコプター護衛艦などで全力での迎撃を行っている海上自衛隊の主力、自衛艦隊の姿もあった。
その全力っぷりたるや凄まじく、総勢100隻近くを展開しているのだが、その割りには迎撃できていない。
「可笑しいなこれだけの艦艇があるのに何で全然迎撃できていないんだ?」
「いくらなんでも可笑しいよ~、イージス艦とか沢山あるんでしょ?」
「う~ん、考えられる理由は多分・・・・・・あーあった、あれを見ろ」
「ん?」
正晴が束と千冬に見るよう促したのは他よりも少しだけサイズの大きいミサイルであり、よく見ると海自艦船から放たれたミサイルに反応して、ミサイルの胴体部分から金属片のようなものや、火の玉と思われる物体を大量にばら蒔いているのが見えた。
「アメリカが最近更新した弾道ミサイル、トライデントXだな、自分にミサイルが接近するとフレアとチャフを自動で盛大にばら蒔いて自衛するやつだ、こいつが妨害しているせいで迎撃効率が落ちているわけだな」
「じゃあアレを最初の目標にするか・・・よし、いくぞ」
「え?ちーちゃん、それ射撃武器なんだけど?」
「何で急降下して接近する必要があるんですかねぇ?」
正晴の解説を受けた千冬は機体を急降下させ、どんどんミサイルへと近づく、そしてレールガンを突然おもいっきり降り下ろしたかと思うと、そこには真っ二つにされたミサイルが出来上がっていた。
一方、千冬達の眼下にいる海自自衛艦隊の臨時旗艦(本来、自衛艦隊は旗艦を有していない)
「いずも」艦橋にて。
「ダメです、トライデントの妨害が激しく迎撃が間に合いません!!」
「クソッタレが!一ヶ所に集まって迎撃しやすくなったと思ったら今度はミサイルの自衛機能か!!」
「不味いわね・・・このペースじゃあ800発前後は本土に到達することになるわね・・・・、どう考えても間に合わない」
「後ここにあるのを落とすだけで日本は救われるって言うのに、コレじゃあどうしようもねぇ!!」
配備されて半年も経ってないらしいのに、こんな形で噂に聞いた「トライデントX」の実力を見ることになるなんてね・・・さすがの私もお手上げかしら・・・・・・。
「いずも」艦橋にて怒りをぶちまける自衛艦隊司令官、早川 重造(はやかわ じゅうぞう)と対照的に状況を絶望視している南丞 純香(なんじょう すみか)統合幕僚長。
この時、実は日本海側の艦隊、日本各地の自衛隊、他国への領空侵犯を辞さずにミサイル迎撃を行った独軍、旗艦「ジェラルド・R・フォード」艦載機や他の米軍第七太平洋艦隊等の奮戦あってここにある弾頭が今日本に向かっているすべてになっていた。
だが太平洋艦隊は先に300発前後を迎撃して弾薬が底をつき、自衛艦隊も半年前にアメリカで配備されたばかりの新型弾道ミサイル「トライデントXの熾烈な妨害ににっちもさっちもいかない状況であり、このままだと弾薬が底をつき迎撃が間に合わなくなってしまう確率が高かった。
(残っているトライデントXは30発前後・・・此を何とかしないと・・・)
「・・・・・・何だアレ?幕僚総長、あれを見てください」
若くして統合幕僚総長に至った秀才である南丞は、持てる頭脳をフル活用して光明を探すが見当たらない、だがそんなとき、突然上空を飛んでいたトライデントXのうち1つが、真っ二つになって撃墜される光景を、重造共々目撃することとなる。
「・・・何?あの白銀のロボットみたいなのは?」
「白銀の・・・騎士・・・か?アレはまさかミサイルをぶった切っているのか?」
「幕僚総長!詳細不明の飛翔物体の反応がレーダーに!!その物体によって次々とミサイルが撃墜されています!!」
「何で気づけなかったの!!どう言うことよ!?」
「申し訳ありません・・・ミサイルの方に気を取られていて完全に見落としていたようで・・・」
「それは・・・・・・仕方ないわね」
「それと・・・破壊された弾頭の破片が大量に・・・・・・」
「あっ」
「たっ、退避ぃぃぃぃィィィィィィ!!!」
見えた謎の飛翔物体は白銀の騎士のような姿に見えたのだが、物凄いスピードで次々とミサイルを真っ二つにしていっており、そのせいで下の艦艇群は落下する破片から必死になって逃げ回る羽目になっていた。
幸いにも謎の機体が、落下する破片から逃げ回る艦艇に代わってミサイルを処理してくれているので迎撃に問題はないのだが、プライド的にはクるものがある。
それはともかくとして、白銀のロボットと思われる飛翔物体の登場により、あれほど沢山あったミサイルは、必死になって避けた自衛艦隊の奮闘もあり、すべてにおいて無事に迎撃され切ったのであった。
「チーチャン…アッ…コレハマズイ…スゴクキモチワルイ」
「ダイジョウブカタバネ……オレモアカンジョウタイダケド…アトチフユサンムチャシスギ……」
「二人とも大丈夫か!?」
一方こちらは千冬達「自分は撃つよりも切る方が性に合うからな」と言う一言でレールガン(束特製の合金製)を刀代わりにすると言う無茶苦茶をしながら(たまにレールガンをまともに使って撃ち落としてはいたが、殆どレールガンを刀みたいに使っていた)ミサイルの迎撃が完了した。
だがバックパックにいた二人は千冬がミサイルを切るために(レールガンでミサイルを切ること事態がおかしい話なのだが)到底人間業とは思えない変態機動に振り回されたせいで完全に乗り物酔いを起こしていたのである。
「さて、他の所のミサイルは?」
「束さんふっかーつ!えーどれどれ・・・・・・残って…無いね、いつの間にか全弾迎撃されていたみたい」
「・・・・・・束、正晴、私は・・・・・・守れたんだな……日本を……みんなを・・・・・・」
「・・・・・・うん!ちーちゃんのお陰だよ!!」
「ああ!!・・・ありがとう!千冬!!」
束が開いたパソコンでは速報でミサイル全弾撃墜と千冬の活躍が謎の白銀の機体の活躍としてこれ以上に無いくらい大々的に報道されており、歓喜に沸き立つ人々のネット上のやりとりで溢れかえっている。
千冬達の登場については、ミサイル迎撃の途中で、ミサイルの破片を必死こいて避けてる「いずも」から統合幕僚総長と自衛艦隊司令官の実況つきで、千冬の活躍や、破片を避けながら迎撃ミサイルを打ち上げる自衛隊の護衛艦の勇姿、「いずも」の真後ろをミサイルの破片が落ちて行く様などを生放送していたらしく、
「守護神降臨(赤太文字)」だとか、「自衛隊の新兵器宣伝だ」とか「仕事しろよ統合幕僚総長」(放送中でも一応ちゃんと命令は出していた)だとか「白銀さん(某動画サイトで付いた仮称)破片に関しては考慮してあげてwwww」だとか、なかには「これJAXAが二年前から特別予算で作ってたやつじゃねーかなぁ?」だとか?「あの機体が振り回してるの銃器っぽいんですけど・・・」だとか「今一瞬、凄い顔してる篠ノ之束博士と村ノ瀬正晴理事長が見えたんだけど」等、おもいっきり正体をある程度察した凄まじく聡明なコメントまで確認することができた。
だがそんなことはどうでもいい三人にとっては、日本を、自分の家族を、守りたいものを護り通せた事に喜び合うことが先であった。
(なお、見られないように雲に隠れている)
「んでさ、千冬、あれ見える?」
「一応見えるが・・・・・・」
「んー?モールス信号かな?」
感動の分かち合いもひとまずとして気を取り直した千冬達だが、ここで「いずも」からモールスが千冬達に向かって放たれる。
「えーっと、内容はどうなんだ?」
「ハクギンノエイユウヨ、ワレライチドウ、キコウヲカンゲイシタクオモフ、ツキマシテハホンカンニチャッカンシテクダサイオネガイシマスナンデモシマスカラ! だって」
「うわぁ・・・物凄い数の人が船の上で敬礼している・・・・・・」
「・・・・・・ちょっと恥ずかしいな(/-\*)」
「ねぇねぇはるるん、超恥ずかしいから逃げない?」
「・・・・・・それは無理そうだ、燃料を見ろ」
「「・・・・・・・・・・・・あ゛っ」」
正晴に促されるまま二人は燃料メーターを見る・・・・・・・・殆ど残ってない!!!
「・・・・・・降りよっか?」
「・・・・・・・・・だね」
「・・・・・・・・・だな」
こうして半ば嫌々ながらも、三人をのせたISは、ゆーっくりと「いずも」甲板へと降りたって行くのであった。
原作からの変更点。
白騎士の武装変化&同行者追加。
この世界ではISは普通に宇宙開発用なので、武器も対隕石用のレールガンになって、近接武器は不自然なので削除、バックパック足して束と正晴を白騎士事件に直接的関わらせるのは突然の思い付きです。
白騎士「事件」での千冬の活躍が減少。
今作では白騎士事件が比較的穏当に解決される予定なので、原作に出てたミサイル以外の被害はこちらでは発生しない予定です、また、ミサイルそのものも自衛隊とかが頑張ってある程度迎撃したので撃墜数が減っています、まぁそれでも英雄扱いされるだろう事に代わりはありませんが。
最後にこの世界での白騎士のデータ張っときます。
「白騎士」
ISの存在を認められ、首相、槇田義照と、JAXAの理事長、村ノ瀬正晴が集めた人材達と提唱者である束、協力者の千冬を含めた開発チームの手による二年の月日を掛けた共同開発でもって完成した世界で最初のインフィニット・ストラトス。
(正式にいえば義照は開発チームの人員ではないが、自身に仕事が殆ど回ってこないので理由をつけて束達に様子見序でに良く会いに行っていたので、開発にある意味大きく関わっている。)
ISの基礎となる機構が多数盛り込まれており、
実はPIC等一部は理論段階では盛り込まれておらず、後に必要に迫られ開発、登載された物もあった。
機体カラーは白銀、これは千冬が好みとしているカラーリングであり、彼女をテストパイロットとしてるわけだしと言う理由でカラーリングされたものである。
実は本機が完成し、白騎士事件を解決したタイミングでは核となるISのコアの特徴と問題点を把握しておらず、コアその物も
「何故かサイダーで酔っぱらった束と正晴理事長が深夜テンションで何か作り出したと思ったら完成していた」
などと言うふざけた代物であるため、いろんな意味で危うい代物であったりする。
(注、二人は未成年です、そして当然二人が酔っぱらった時に飲んだこのサイダーにアルコールは一切ありません、)」
なお、作者は燃料周りの設定を一切合切思い付かなかったので、燃料に関しては「一応必要である」と言った程度で、これ以上深く掘り下げずご都合主義で通す予定なので注意。
武装、
隕石迎撃用レールガン
「打鉄」、「蝉時雨」
隕石迎撃用として開発されたレールガン、後の世代のISと比べると随分と普通な性能のレールガンなのだが隕石迎撃用なため射程は40㎞越えで、隕石と衝突しても耐えられるように凄まじく硬い合金で作られたため、千冬はコレを二刀流して弾道ミサイルをぶった切っていた。
大型バックパック「箱庭」
高校生くらいの少年少女を3人ほど乗せられるようにした大型バックパック、宇宙空間に物資を持ち込むときに使う予定であり、間違っても人をのせる予定は無かったのだが、今回束と正晴が乗り込み、千冬の為した偉業を見届けることとなった。
フライングボード「銀幕」
大気圏突入時、落下軌道を違えた時用に空中を高速で滑空するために用意された、が、途中で操作のコツを掴んだ千冬は途中から使わなくなっていた。(それで燃料を余分に使った結果が燃料切れである。)