今回は感想の方にて心配されている人がいた槇田首相のその後です。
R15の範疇で済むのかR18(Gになるっぽかったら修正致します)になってしまうのかわかりませんが、今回かなり残酷な描写がなされます、ご注意下さい。
視点は移り変わってニューカッスル国際空港、事故現場付近。
けたたましいサイレンの音が鳴り続ける、「白騎士」事件解決から数十分が経とうとしているのに、まだ本格的な救助作業はスタートさせることができていなかった。
そんななか、一人の男が現場付近に急途設立された災害対策本部へと入ってきた。
「対策本部長、被害はどのようになっている?」
「ハロルド閣下!?」
やって来たのは時の英国首相、ハロルド・バーミンガム氏、先程まで事故とミサイルの両件を一度にまとめて聞かされて、半狂乱になりかけながらも大使を通じての謝罪等、宰相としてやるべきことはやっておいて、ミサイル事件解決と共に急ぎでこっちの現場にやって来たのだ。
「状況に関しては最悪の一言を優に越えています」
以下、ハロルドが聞き上げた現場の状態を纏めてしまうと、まず一番最初に話に挙がったのが鉄道車両の行方である。
ニューカッスル国際空港へと入る高速鉄道の駅は普通に地上にあり、鉄道も普通に地上にあったのが脱線して事故を起こした結果、列車の連結部分が一部破壊されてしまった。
そして計9両の車両の内、先頭の2両が道をそれて空港内部に突入、火災を起こしており、1両は市街地を暴走、民家に突入して大惨事、更に1両は空港駐車場に突入して多数の死傷者を発生させていると言う未曾有の大被害がまず最初に話に挙がった。
次に不味いのが槇田義照首相の安否が不明なことである。
同乗していたオルコット夫妻は無事に災害対策本部へと到達したのだが、何故か車内に残った(何で夫妻共々車内から飛び降りなかったのか?)槇田首相の安否が解らない。
首相が乗っていた最後尾車両を含む前述されていない列車の残り鉄道5両はお団子状態で駅近くの線路で横転しているために、市街地と空港駐車場の2両、撥ね飛ばされた車や建物の瓦礫、空港火災が道の邪魔をして人員輸送車両を近づけることが出来ず、途中から徒歩で向かっているのでまだ救助隊が現場に到着できていないのだ。
そして何よりも・・・・・・
「・・・・・・それは本当かね?」
「ええ・・・間違いありません、事実、先程警察が駅から300m程手前の地点から
「そんな・・・・・・じゃあ今回の出来事は・・・・・・」
「今回の出来事は決して事故ではなく、オルコット両公、或いは首相の《暗殺》を狙った
「……事件に我が英国の軍が関わっている可能性があるのか・・・・、最悪と言える要素の詰め合わせだな、この件の後始末のことを考えると人目を無視して泣き出したくなってしまうよ」
「ハロルド首相・・・・・・」
ハロルドは聞き出した内容の酷さに思わず天を仰ぎ見る、ちょうどその頃本部に人がやって来て、とある報告を為した。
「首相!お待たせいたしました、救助隊が現地に到着し、間もなく槇田首相のいる列車で救助作業が開始されます」
「よし、なるべく急がせてくれ。」
「間もなく救助隊との通信がつきます」
ここでやっと、救助隊が現地へと到着し、車内へと突入して行く、その様子は救助隊員の一人に渡されたカメラで鮮明に写し出される。
・・・が、そこに写し出された映像は……
「これは・・・・・・首相だ!!首相がいたぞ・・・っ!?うわあああああああああああああああああああ!!」
「おい、どうした、なにがあった!?」
この時、カメラ持ちの男に先行して救助隊員が二人が入っていったのだが、その二人は首相視認直後に何を見たのか、発狂して車内を飛び出してそこで泡を吹いて失神してしまった。
慌てて中に入るカメラと別の救助隊員、そこでカメラが写したものは・・・・・・
「・・・Jesus‼ fucking‼ christ‼」
「・・・はぁっ(ドサッ)」
「ウッ・・・カレン?大丈夫かカレン?、カレン!!」
視点は移り変わり、少し前の車内へと視点は変化する。
「はぁ……はぁ……疲れた~。アイタタタタ!!・・・マジでそろそろ体が限界だな……左腕が取れかかってやがる、マジで不味いな」
列車事故にて生存していた槇田は、防衛大臣にミサイルの件を託してからこの時まで、他の車両に残っていた人々を自身のいた最後尾車両へと運び込んでいた。
「・・・・・・まさか人生でこんな大量の仏さんを見る羽目になるとは思わなんだなぁオルコット夫妻は大丈夫かなぁ?」
なるべく生存者を優先して運び込んでいるのだが、事故の死体がそのままと言うのは彼自身到底見過ごせることではないので、綺麗に身だしなみを整えて安置したりしているのだが、いかんせん人が足りない。
事故の影響で自分の車内にいたSPは全滅、かろうじて繋がっていた他の車両も生存者がいれば気楽な方であり、表現のしようがない惨状を呈している車両もあった。
序でに、意識があり、まともに立って体を動かせるのは一貫して義照のみ、そんな自分自身も両足は何ヵ所かを骨折し、左腕は潰れかけ、右目は完全に失明、服も合わせて身体中血まみれと言う酷い状況もあり、救助隊が来るまで彼は孤独な戦いを強いられる事となった。
「一人しかおらんのは寂しいもんだが、本国にはもっと厳しい状態のあいつらがいるんだし、私も頑張らなくてはな・・・・・・」
・・・何人もの人の最期を見届けた。
何人もの死者の前で、霞んだ目を酷使してでも十字を切って冥福を祈った。
車内の、地獄すら生ぬるく感じるその惨状を孤独にあり続けるのは、恐らく普通の人間には到底耐えられないものであろう。
だが、そんな孤独の中でも、彼は狂うことなく、ただひたすら霞んだ目とマトモに動かぬ四肢を酷使し、動き続けた。
そうしている内に時間が経過し、外から救助隊のものと思われる声が聞こえてきた。
「おっ・・・・・・救助隊が来たか・・・おーいこっちだこっち(ボトッ)・・・・・・あ」
「これは・・・・・・首相だ!!首相がいたぞ・・・っ!?うわあああああああああああああああああああ!!」
それは起こった。
救助隊がやって来て安心し、居場所を知らせるため左腕を降る義照、だが、ここで彼の左腕が
限界を迎えたのか、
そして救助隊員はよりにもよってその瞬間を目撃してしまったのだ。
続け様にカメラを持ったのと先程のとは別の救助隊員が直ぐに中に入ってくるが、その二人もこちらを見たまま固まっている、そりゃあ確かに片腕がすぐそばに落ちている満身創痍の国賓なんか見た暁にはそうなるのも無理はないが。
「おおう、すまんな・・・・・・こっちもそろそろ限界で・・・・・・あっそうそう、一番奥と三番目に生存者が何人か残っている、早く助けてやってくれ・・・・・・仏さんを供養するのも忘れずに・・・な…………(ドサリ)」
「・・・はっ!首相だ!!此方救助隊、槇田首相と何名かの生存者を確認、首相は意識不明の重体です!!」
「応急手当急げ!!おい!早く担架に乗せて首相を!!」
「槇田首相・・・槇田さん!!」
「落ち着けカレン!画面からでは何をいってもどうにもならん!!」
(生き残ってくれ槇田首相・・・貴公にこれ以上があればオルコット夫人が保たん・・・・)
後に、「ニューカッスル高速鉄道脱線、首相爆殺未遂事件」として歴史の教科書に記載される事となるこの事件、この事件において、事故車両にて一人救助隊が活動しやすいように列車内を動き回った日本国首相、槇田 義照は心の内で母国の事を案じながら、救助隊到着直後に意識不明の重体になる。
結果として懸命の救急措置のため一命を取り留める物の、彼が目を覚ますのはそれから凡そ一ヶ月も後の事なのであった・・・・・・
~続く~
原作からの変更点。
セシリア両親生存&鉄道事故が鉄道爆破事件に。
原作にて鉄道事故にて死亡したセシリアのご両親を生存させ、ついでに鉄道事故は何者かが仕組んだ大事件になりました、セシリアの両親を生存させる代わりかの如く、(一応の)主人公格で用意されたオリキャラが大変なことになっています。