兎に優しいIS世界   作:R.H.N

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第二章の始まりです、ようやく原作キャラが関わってくるようになります。



~第二章、「流浪元首相と優しくなった白兎」~
~束の独白と流浪の元首相~


《Side、束》

 

 

 

白騎士事件が終結してから数年が経過した。

 

 

ISの管理を行うための条約として「アラスカ条約」が締結され、国連内部にISの管理に関する主要機関として「国際IS委員会」が設立されてから、世界中は()()が生み出したISの話題で一色となった。

 

 

ISが女性にしか乗れない代物であると判明してから、世の中がかなりの女尊男卑へと傾いていってしまったが、これは元々女性と男性が名実共に対等に近かった社会であったが故の一時的な物だと私は見ている。

 

 

元々、ISが世の中に出回るまでに、女性が男性と同じように働ける社会の構築がほぼ完全に済み、結婚した女性が正社員で働くのに支障が無い程度には改善されていたのだ。

 

 

女性の社会的地位がこれまでになく高まっていた頃のIS出現・・・これこそ、メーターが振り切るかのように、かつて男尊女卑であった社会は女尊男卑へと早変わりした理由なのだろう。

 

 

私自身が発案した発明品がこんなことの引き金になってしまうとは、正直思わなかった。

 

 

そして、「もしもこの世界に、はるるんとよっしーがいなかったら・・・」そんな事を想像して、白騎士事件の事を思い浮かべては恐怖で泣き出しそうになってしまう。

 

 

あの事件、恐らくISに誰も見向きしてくれなかったら・・・恐らく実行者は()()()()()()()()、ISを認めてほしい私は《白騎士》を何とかして独力で完成させて・・・ちーちゃんを利用して・・・マッチポンプを・・・・。

 

 

でもそれは・・・その行為は「私の夢」を()()()()()()へと導いてしまう。

 

 

確かに、その方法ならISの存在を認めさせることができるだろう、だけどそれは()()()()()()()()()()()()()としてじゃなくて、あくまで()()()()()()としてだ。

 

 

宇宙へ行くために開発したのに、誰も本来の用途では使おうとしなくなる・・・・・・そんな事になったら、ちーちゃんの存在があるとしても、私の心はそこで()()()()()()()()

 

・・・・・・()()()()の私自身に関しては・・・・・・想像したくもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、束、どうした?」

 

 

・・・まずい!考え事が長すぎてボーッとしていた様だ、何とかして取り繕わないと!

 

 

「・・・はるるん!?、いや、何でもないよ!、ちょっと眠気がね・・・」

 

 

「束、今は真っ昼間の午後一時だぞ?、それに・・・涙声で言われても説得力皆無だ、どうした?顔に涙浮かべて、また怖いこと想像しちまったのか?」

 

 

「・・・そ……、それは・・・・・・」

 

 

「・・・たーばーねぇー?」(ムギュッ!)

 

 

「わっわっわっ!はるるん!?」

 

 

・・・取り繕うのに()()失敗しちゃった、これで何度目だろうか。

 

 

私がたまに()()()()()を想像して恐怖で怯えては、その度にはるるんに気づかれ、こうして慰めてくれるのだ。

 

 

「・・・・・・良くなったか?」

 

「・・・・・・うん、毎度毎度、本当にありがとう、こうして慰めてくれて」

 

 

ホント、この点でははるるんに敵わないや。

 

 

「気にするなって、それよりも、サクッと第二世代機の性能評価とモンド・グロッソのリプレイ鑑賞を始めようや」

 

 

「うん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ束、ひとつ聞きたいんだが、いいか?」

 

 

「ん?なになに?何を聞きたいの?」

 

 

「束は今、幸せか?」

 

 

「・・・・・・そんなの聞かれるまでも無いけど・・・、とっても幸せだよ!!、はるるんはどうなの?」

 

 

「それこそ愚問だろ!?、・・・これ以上に無いであろう幸せを感じているよ。」

 

 

「そっか、……良かった!はるるんも幸せで!」

 

 

願わくば、この幸せが長く、永く続きますように・・・・・・

 

 

 

 

《side out》

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・《Side 義照》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここはフランスのブレスト港、突然の大雨に降られ、町外れの軒先にて雨宿りをする男が一人いた。

 

 

 

「・・・・・・ふいーっ、まさかこんな時に雨とはなぁ、後、やはり雨が降っても傘を使う人少ないのな、」

 

 

男は日本人であり、たまたま傘もレインコートも有していない状況で雨に遭遇したために軒先にて雨宿りしていたのだが、小雨であるからか、他の観光客や住民と思われる人々は殆ど気にせずに歩いていっているのが伺え、男が異文化を目で見て取る貴重な光景となっていた。

 

 

 

「中々日本じゃ見ない光景だよなぁ・・・ん?・・・またトラブルですか(達観)」

 

 

男は暫しフランスの異文化に見とれていたが、直ぐ様に現実へ引き戻されるように近くの道を見る。

 

 

そこは裏路地に繋がる道であり、そこでは髪を後ろで束ねたスリム体型の金髪美少女が、いかにもチンピラな男3人ほどに今にも連れ去られようとしていたのだ。

 

 

そんな危険が危ない光景を見た男は1つため息をつくと、まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()軒先を颯爽と去って行く・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方裏路地、先程の少女は三人組のチンピラ男に口を塞がれ、なにもできないままに裏路地へと連れていかれていた。

 

 

 

「~~~~~っ!~~~~~ッ!!」

 

(・・・・・・何?どうして私こんな目に遭っているの?怖い・・・苦しい)

 

 

「へへへ・・・この嬢ちゃんを誘拐すればデュノアの社長からたんまり・・・」

 

 

(・・・デュノアの社長?それってお父さんのこと?でもどうして・・・私はお父さんの顔を直接見たことさえ無いのに・・・・・・?)

 

 

「おい、折角だからよ、此処等で()()()()といかないか?」

 

 

不意に男の一人がこう呟く

 

 

「そうだなァ・・・・・・せっかくのパツキン美少女だし・・・アリだなぁ」

 

 

(え?何?この男たち何を話しているの?、私、どうなっちゃうの?)

 

 

「「「ぐへへへへへへ」」」

 

 

少女は自分の身になにをされようとしているのかが分からない、抜け出そうにも、拘束自体は素手で行われている簡易的なものながら、男女比の筋力に差がついていて抜け出せない、これから何をされるか分からない故に、よりいっそう恐怖は増し、それがピークに達そうとしていた時の事である。

 

 

「・・・やれやれ、さらった少女に対してゲスな思考働かせる割には、連れさらう時まともに回りも見ようとしないのか、人間の産業廃棄物らしく、素人未満の注意力だな。」

 

 

(・・・・・・え?)

 

 

直後に、少女を拘束していた三人組のチンピラは、一人が背中を蹴飛ばされ、一人は背中を棒のような物でド突かれ、一人は棒のようなものを脳天に思いっきり叩き込まれて失神してしまう結果となった。

 

 

「へぶっ!!」

 

「ぐはぁ!!」

 

「あべしっ!!」

 

 

 

 

「・・・・・・えっ?、えっ??」

 

 

当然、少女と距離が離れ、少女の拘束も解ける、その時少女が見たのは、右手に竹刀を携え、左手をズボンのポケットにいれっぱにしている、ずぶ濡れの男性の姿であった。

 

 

「・・・テメェ、何しやがる!!」

 

「・・・ハァ、そっちの方こそ()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「俺達の邪魔をするってか?ならばテメェを血祭りにあげてやる!!」

 

 

「・・・・・・ハァァ……」

 

チンピラと竹刀の男が多少の問答(とは言っても竹刀の男はため息をついてばかりだが、)をした後、チンピラ二人が懐からナイフを取り出した。

 

 

 

 

「・・・ちょっと危ないから少しだけ後ろに下がってな?」

 

「・・・・・・わかりました。」

 

 

 

「覚悟しやがれ!」

 

 

「・・・それは誰に対していっているのかね?」(ゲシッ)

 

 

チンピラ二人が同時に竹刀の男へと襲いかかる、対する男は、そのままの体勢で少女に呼び掛けて少女を下がらせた後、気絶しているもう一人の男をチンピラの方へ蹴り転がして少女から距離を取らせた後・・・・・・

 

 

「当てる気あるのか?」(ベチーン!!)

 

 

「あ゛いだっ!」

 

 

「そっちは取り合えず気に入らんから寝てろ」 (ベチベチベチベチベチベチベチーン!!)

 

 

ナイフのリーチに入る前に一人の顔面の顎を竹刀で突いた後、もう一人のナイフをさらりと避けて、そのまま顔面を竹刀で連続殴打した。

 

 

「これで二人目ッと、」

 

 

「テメェ・・・いったい何者・・・ヒッ!!」

 

 

顔面を竹刀で連続で殴られてチンピラが無事なはずもなく、二人目は顔面がボコボコになってその場で失神、残った一人も竹刀の男の顔を見て突然萎縮し始めた。

 

 

「そんなことよりも良いのか?さっさとしないと警察来るよ?」

 

 

「何だと!?」

 

 

「・・・ホントだ!!」

一連の流れで気づかなかったが、警察のパトカーが数台こちらに来ているようで、けたたましいサイレンがなっている。

 

 

「ひ・・・ヒィィィィィィィィッ!」

 

 

「・・・・・・() () ()() () ()() () ()() () ()() () ()() () ()() () ()() () ()() () ()() () ()() () ()() () ()() () ()() () ()() ()() () ()

 

 

チンピラは錯乱して逃げようとするが、男に胸ぐらを捕まれナイフを取られて捨てられた挙げ句、マウントポジションで一方的に殴られる羽目になる。

 

 

そして、警察が到着した頃には完全に失神しているチンピラ三人、竹刀を入れ物に仕舞った男、それと先程多少離れてから動けなくなった状態の少女がいるだけの状態となっていた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()貴方ですか、フランスにプライベートで来ては問題に首突っ込みすぎですよ・・・・・・」

 

 

「すまんねぇ警官さん、此方もこういった出来事は見逃せる性分じゃないし・・・・・・、あ、産業廃棄物処理三人前で」

 

 

「ですよねー・・・まぁ今回は何が起きたのか殆ど明白だし、あなたもそこのお嬢さんもずぶ濡れだし、お嬢さんのご両親も心配してるだろうから、特別に二人とも事情聴取ナシで良いですよ、次は無いことを願いますね。」

 

 

警官はそう告げるとチンピラ三人組を連行して帰っていったのだが・・・・・・

 

 

「あの・・・・・・さっきはどうもありがとうございます!」

 

 

「あぁ、あのチンピラの件はあんま気にしないほうが良いよ、それよりも嬢ちゃんの方は大丈夫か?」

 

「は・・・・・・はいっ!」

 

 

少女が男の方を見ると、彼は他の人と比べると随分と特徴的な姿をしていた。

 

 

よくよく観察すれば男の左腕はポケットに入れたままで動いておらず、また右目を失明していると思われる状態であったのは、すぐ見て取れる程である。

 

 

「あの・・・その左腕と右目は・・・」

 

 

「気になったかね?左腕は動かなくて、右目はほぼ失明してるんだよ、見苦しい姿見せてるようで申し訳ないね。」

 

 

「いえっ、そんなこと無いです・・・こちらこそデリカシーの無い質問を・・・・・・」

 

 

少女は後悔した、いくら自分を助けてくれた人の事が気になったとはいえ、相手のいやがりそうな質問をしてしまった事に、そこで彼女は別の質問へと角度を変える。

 

 

「あの・・・・・・お名前を教えてくれませんか、お礼をしたいので。」

 

 

「ああ私、話せばどんな人か直ぐわかるから、先に嬢ちゃんの名前を教えてほしいな、何時までも嬢ちゃん呼ばわりするのもいかんと思っててな」

 

 

「ええっ!?」

 

少女は一瞬、彼の返答に驚いた様子ではあったが、直ぐにこう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シャルロット・・・私の名前はシャルロット・デュノアと言います。」

 

 

 

男はそれを聞いて簡単に一言。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シャルロットか・・・良い名だ、申し遅れたな、私の名前は義照、日本元首相、槇田義照その人さ・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここにまた、奇妙な出会いがまた1つ………。

 

 

 

 

 

 

 

~続く~

 

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