そして再び深夜投稿するカスはここです。
どうでもいい報告:平成ジェネレーションズのガシャット付きサントラがまだ売ってたんで衝動買いしました。
人生初ガシャットがプロトギリギリチャンバラとはこれいかに。
短い赤毛に焼けた小麦色の筋肉質な体を持った男は海の見える断崖絶壁から、ただ一点を注視していた。
そこには何もない。あるはずのものが、通常の視覚では捉えられないように細工されているのだ。
「あれか……よっと」
何を思ったのか、男は崖から飛び降りる。しかし、男はこの程度で死ぬような弱者ではなかった。
『正義の味方』を志して早十数年、少年の頃より焦がれた夢を現在も抱き、『衛宮士郎』は今日も誰かの為にその命を使う。
今宵の悪は……ダークマター一族だ。
背中に確かな
なぜ実力のある飛彩と大我が前座でしかない戦場に残ったのか、分からない永夢ではない。
それはゼロを倒すのが永夢であると、そうでなければならないという一つの確信を持っての行動に他ならないからだ。
つまり、普段から厄介者扱いで協調性などまるでない二人が珍しく永夢を信用しているということ。
その信頼に答えるためにも、永夢は先に進むと決めた。
しかし、またもや『闇』から現れたダークマター軍団は再び彼らを妨害せんとする。
鎮守府の入口は目と鼻の先だというのに、彼らを執拗に妨害する行動はまるでボス戦直前の雑魚ラッシュのようだ。
「しゃーねぇ、先に行けお前ら」
「貴利矢さん!?」
『ガッチョーン』
レーザーはレベル1となって、永夢の背中を強く叩いた。
「ここは自分にまかせろって。お前がやんなきゃダメだろ?カービィのためにもな」
「貴利矢さん……ここはお願いします!」
「おう。すぐに合流するから待ってな」
そう言うと、レーザーは車輪を地に着け逆立ち回転蹴りをピンボールのようになりながらダークマターに浴びせ、道を切り開く。
永夢、響、ポッピーはレーザーの作った道から鎮守府まで一気に走り抜ける。
彼らを追従するべくダークマターも視線を鎮守府へ向けるが、そうは問屋が卸さない。
「さーて、ノリノリでいくぜ?」
レーザーは鎮守府に繋がる道を守るように、ダークマターに立ちはだかった……。
敵陣を突破し、ついにやってきた鎮守府で待ち受けていたのは、一人の平凡な少女だった。
白黒のシンプルなセーラー服に身を包み、黒髪を後ろで一つにまとめた素朴な姿は真面目で勉強熱心な女学生のようだ。
「お待ちしていました、CRと『S.O.N.G.』のみなさん。現在別件で不在の最高責任者である司令官……じゃなくて、提督に代わって接待をさせていただく、特型駆逐艦娘の吹雪と申します」
少女、否、艦娘の吹雪はそう言って丁寧に腰を折る。死にかけの貴利矢を除いた三人も釣られて頭を下げた。
「CRのドクター、宝生永夢です。あの、いきなりで悪いけど、昨日の事故のことで話を聞きたいんだ。いいかな?」
「はい!それでは中へ。歩きながら話します」
吹雪はそう言って背中を向け、永夢達の追従を許可した。
アポ済とは言え、わざわざ部外者を内部へ入れる。これは脈アリ……ダークマターに関する手がかりを掴める可能性が大いにある、という解釈をしていい。
一行は頷き合うと、永夢、響、ポッピーと、順に鎮守府に足を踏み入れる……。
案内されたのは、原型を留めていない工廠の前、そのさらに先に広がる、母なる海。
吹雪は、引き込まれそうになるほどの水平線を指差した。
「表向きは事故ということになっているんですけど、爆発の瞬間を偶然目撃した川内さ……えっとここに所属している艦娘の話によるとですね。工廠はこの先から真っ直ぐに飛んできたビームのようなものによって破壊されたそうなんです」
ビーム……先日ゼロと対峙した際、奴はレーザーと称して赤黒い血のようなエネルギー光線を放とうとしていたことを、ふと思い出す。この話が本当であるならば、目の前に広がる大海原の何処かにダークマターの拠点があるということになるが……。
「広すぎるよ……」
「う~~ん、流石に泳いでは捜せないよね」
仲間に後を託されたにも関わらず、まだまだ道は遠かった。遠すぎた。
思わず肩を落とす永夢。
手がかりはあった。しかし決定打には程遠いという現実。
(いったいどうすれば……)
思考は、これ以上の有益な情報をもたらすにはいたらなかった。
「あの……もしかしたらなんですけど、見当付いています、私」
その時聞こえた吹雪の一言は、まさしく暗雲の中に射した一筋の光だったと言っても過言ではない。
ポッピーが吹雪に顔をぐっと寄せ、尋問のように肩を揺する。
「どういうこと!?」
「わわっ、落ち着いてください!ちゃんと話しますから!!」
「あ、ごめん……」
びっくりしたためか、吹雪は呼吸を整えてから口を開く。
「私、太平洋の航路はほとんど覚えているんですけど、ビームが飛んできた方向には一つの無人島が存在するはずなんです。そこ以外に陸の生き物が隠れることが出来るような場所はありません。海中だったらまた違ってくるんでしょうけど」
「けど吹雪ちゃん、それだと偶々ダークマターがそこにいただけって可能性もあるよね?」
「根拠はもう一つあります。その島は本来であれば深海棲艦に占領されている海域の中にあるので、毎日偵察部隊が動向を監視しているんですけど……ここ数日の間に、深海棲艦の動きが全く確認できなくなりました。私達はまだ侵攻していませんし、移動したという事実も確認されていません。けれど深海棲艦が一度占領した海域から突然消滅するということも有り得ないんです。だから」
「ダークマターが深海棲艦を倒して、海域ごと自分達の拠点に……?」
「はい。あくまで推測ですけど」
永夢は確信した。
彼女の推測が正しければ、ダークマターはこの先にいるということになる。いや、必ずいる。
「……行くんですか?」
吹雪が険しい表情で問いかけてきた。
「うん。友達の為に、ここまできたんだから」
吹雪はそれを聞くと、柔らかい笑顔を向けて、
「分かりました。すぐに船を用意します。少しだけ待っていてください」
「いや、これ以上君達に迷惑をかけるわけには……」
「協力させて下さい。私達も大切な工廠をめちゃくちゃにされたんです。黙っているわけにはいきません!」
吹雪は走り去っていく。
距離が離れ切る寸前、くるりと永夢を見て微笑んだ。
「友達の為に戦える……それってとっても、凄いことなんですよ?」
あの瞬間、立ち上がらなければならないと思った。
目の前で起きたのは、戦闘などという表現は当てはまらない、一方的な蹂躙。
倒れ伏す人間達。この世界を支配しようとする悪から守ろうと挑み、傷ついた者達がついに地に両手をついた。
自分は地球の住人ではない。守る義務なんて負っていない。命を賭す必要なんてない。
でも―――と彼は当然を否定する。
生命溢れるこの場所には、自分の故郷と同等の美しさがある。平和がある。美味しい食べ物がある……。
そして何より、大切な友達がいる。
だったら、やることなんて一つしかないじゃないか。
心の中で『ごめんね』と、謝罪の念を強くしながら、彼は傷ついた体を引きずり、立ち上がる。
星のカービィは、最愛の友・宝生永夢を守るためにゼロの放った最悪の一撃を受け止めると、どこか納得したように小さく微笑みながら星屑へと還った…………。
――――本当にそれで満足?
目覚めると、カービィは真っ白で退廃的な空間にいた。
そこは足が着き、感覚もあって、まるで現実の世界そのもの。
自分は消えてしまったはずなのに、どうして?
もしやここが死後の世界というものなのだろうか……。
困惑しながらもカービィはとにかく歩いてみることにする。自分が向かう先は本当に真っ白で、何も見えなかった……。
いや、何かがぼんやりとだが見えてくる。
さらに距離を詰めていくと、そのシルエットから詳細がよく認識できた。
左右非対称のツインテール。黒衣のパーカーを羽織り、そのスレンダーな肢体を直接覆うものは黒いビキニとホットパンツ、手袋にロングブーツ。その黒ばかりの格好は周囲の白さと相まって余計に目立っていた。
しばらくカービィは音を発することなく呆然と
――――君はだれ?
「私は…………」
カービィの心の声が聞こえるのか、少女の姿をした
「――――ブラック★ロックシューター」
ついに傾いていた天秤に変調が起こり始める。
はたして勝者は誰と成り得るのか。
微笑むのは神か悪魔か、それとも…………。
衛宮士郎の容姿はFGO概念礼装「リミテッドゼロオーバー」のイメージです。