言い訳をさせてもらえれば、将来の準備とか勉強とかで執筆の時間が取れなかったのですはい。
長くなったので前後編に分けました。
助っ人にきた―――貴利矢はそう言って永夢の前に立っている。
友人のこと、黒いエグゼイドのこと……これまで多くの嘘が付きまとってきた貴利矢の言葉は信用するに値しない。しかしなぜだろう。共通の敵を前にしているためか、危機を救ってくれたからなのか。
今だけは心から信じてもいいと、永夢は思った。
「あんたがゼロ?話は聞いたぜ。大層な事企んでるみたいだな」
「貴利矢さん!?どうしてここに!?」
「ポッピーピポパポから名人と、カービィだっけ?お前らの監視を任されたんだよ。ていうか、これだけ大騒ぎな事件、黙ってるわけないじゃん」
ああそうかと、永夢は納得する。飛び出した自分をカービィが追いかけてきたということは、外に出たカービィがゼロの標的にされる可能性は大いにあった。そう考えて明日那が手を回してくれたということかと理解し、彼が責任を感じて俯いていると、貴利矢に背中を叩かれた。
「しゃんとしろよ。敵は目の前だぜ。嘘ならともかく、失敗した分は、取り返せる」
貴利矢は爆走バイクのガシャットを持って笑う。
『爆走バァイク!』『マイティアクションエーックス!』
二人は、ガシャットをベルトに挿入した。
「大変身!」「変身」
『ガシャット!レッツゲーム・メッチャゲーム・ムッチャゲーム・ワッチャネーム!?アイム ア カメンライダー!』
『ガッチャーン!レベルアーップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティ・マイティアクション!エーックス!!』
「いくぜ名人!」
「おう!」
永夢扮するエグゼイド レベル2と、貴利矢扮する仮面ライダーレーザー レベル1は言い合うと巨悪の前に立ちはだかる。
しかしゼロは退屈そうに欠伸をすると、ついに輪と羽を顕現させた。
「「うわ!?」」
その余波だけで吹き飛ぶエグゼイドとレーザー。ダークマターを片付けエグゼイドの下へ駆けつけようとしていたカービィも、感じたこともない圧迫感に足を止める。
これは、以前戦った時よりも、ずっと……。
「……人の皮を被り地球の恩恵を受けたことで、皮肉にも私の力は増している。今こそ復讐を果たす時だ。覚悟せよ、星のカービィ!!」
『闇』への宣誓が木霊し、再び相まみえる戦士と支配者。
翼を肥大させ猛スピードで突撃するゼロをかわし、カービィは風圧で吹き飛ばされそうになりながらも上空から自身の愛機―――ワープスターを呼び寄せ掴み乗った。
ワープスターはカービィの移動手段としてあまりにも優秀過ぎる性能を誇る。プププランドから地球へ来るという惑星間の移動など容易いものだ。
カービィは旋回し東京のビル群をぬうようにして、ゼロと逃走劇を開始する。
「仮面ライダーの相手は任せるぞ」
「「「はっ!」」」
飛び去り際、ダークマターに告げたゼロはすぐさまカービィを追跡する。
「カービィ!」
「行かせませんよぉ。お二人の相手は我々が致します」
カービィを助けようと走り出したエグゼイドだったが、Dミラクル、Dマインド、Dソードが命令通り、エグゼイドとレーザーの前に立ち塞がったためにそれは叶わない。
DマインドとDソードと戦闘経験のあるエグゼイドは三体の強敵から逃れられないことを悟る。戦って勝つしかない……レーザーがいるとはいえ、彼はレベル2ではまともに戦えない状態だ。
覚悟を決め、ガシャコンブレイカーを手にするエグゼイド。
『タドル・メグル・タドル・メグル・タドルクエスト~!!』
『ババンバン!バンババン!yeah!バン・バン・シューティング!!』
エグゼイドとレーザーの前に、新たな戦士の影が現れる。
鏡飛彩―――ブレイブと、花家大我―――スナイプ。二人の仮面ライダーが、エグゼイドとレーザーの下へ集った。
「ブレイブ、スナイプ!」
「こいつらは研修医には荷が重い。下がっていろ」
「大丈夫なの?おたくら、昨日かなりボコられたって聞いてるけど?」
「てめぇは口にチャック付けて寝てろレーザー。足でまといだ」
「何でもいいじゃねえか。四人同時プレイだ!」
エグゼイド、ブレイブ、スナイプ、レーザー……四人のドクターライダーが一堂に会した。その会話から絆は感じられない。しかし、悪を打倒すべく集ったことは紛れもない事実である。
Dミラクルはライダー集結を訝しく表情を歪めながらも、胡散臭くニヤけながら言った。
「いいでしょう、全員まとめて、殺してあげますよ」
三体のダークマターは、手にした眼魂で異形の姿へと変貌する……。
単眼剣士の如きDソード。
甲冑を纏う魔王の如きDマインド。
全身が無数の眼で覆われた百目の如きDミラクル。
相手にとって不足はない。
エグゼイドは左腰のキメワザスロットホルダーから、狩猟ゲーム『ドラゴナイトハンターZ』のガシャットを取り出した。
「超協力プレイで、クリアしてやるぜ!!」
『ドラゴナイトハンター!ゼェェェェット!!!』
ガシャットの起動と同時に、重甲な装備を携えたドラゴンが空を悠然と飛び回った。
すると残りの三人の手にも同じガシャットが出現し、それぞれが起動する。
『ファング!』『ブレード』『ガン!』『クロー!』
「大大大大・大変身!」
「術式レベル5」
「第5戦術」
「5速!」
『『『『ガシャット!ガッチャーン!レベルアーップ!アガッチャ!ド・ド・ドラゴ・ナ・ナ・ナ・ナーイト!ドラ・ドラ・ドラゴナイトハンター!!』』』』
『エグゼイド!』『ブレイブ!』『スナイプ!』『レーザー!』
エグゼイドは胸部から頭部にかけてドラゴンの頭と翼が合体。
ブレイブは右腕右足に、スナイプは左腕左足にそれぞれパーツを装着。
レーザーはレベル2が特殊ゆえ両腕両足にブレイブとスナイプと同様のものが収まった。
――――ハンターゲーマー レベル5
現時点の、ライダー達の最強形態だ。
『ステージ!セレクト!』
遠目から見て、それは紅と黄金に輝く人魂が粒子を撒きながら凌ぎを削っているようだった。
ワープスターに搭乗したカービィは星型の弾幕を射出しながら追撃をかわしていくが、ゼロはそんな牽制をものともせず一気に差を詰めると、思い切り蹴り飛ばす。
しかしビルに激突する前になんとか体勢を立て直し、互いに距離を計りながら再び鬼ごっこを始めた。
ゼロはカービィの背後に迫りながら次々と弾幕を繰り出す。
カービィは巧みにワープスターを操ってビル群を駆け抜けていく。
「いつまで逃げるつもりだ?」
背後から、ゼロが問いかけてくる。しかし攻撃の手は緩めない。
「逃げてばかりでは守ることなどできないぞ?」
「!」
分かりやすい挑発だ。素直に乗ればゼロの術中に嵌るだけ……マイペースなのはカービィの短所であり、長所でもある。相手や状況に流されない強固な精神力は大きなアドバンテージだ。
「私は容赦しない。生物は等しく資源だ。邪魔する者は皆殺しだ」
「っ!!」
「他者の命の為に自分の命を張るなど、愚者の極みだ。愚か愚か愚か愚か!戦う価値すらない。そうだな……エグゼイド、宝生永夢だったか。我らに反旗した愚者として、一生笑い話にして語り継いでやろう」
しかし、友達を侮辱されて冷静でいられる程、彼は完璧な戦士ではない。
急ブレーキと同時にゼロに向き直り、怒りを露わにする。本気で対峙することを覚悟する。
永夢は大切な、思いやりに満ち溢れた、大切な友達なのだ。
嘲笑など、許容してなるものか!
「―――こい!」
「!!」
ステージを地球に変えて、三度ゼロと激突する。
初手は共に同じ。弾幕を張りながらの突進だ。
ゼロの拳がカービィに届く直前、彼は直角に急上昇、急降下を連続で行い真上からゼロを叩く。
しかしゼロは衝突を左翼で防御し逆に弾き飛ばす。
カービィは衝撃に耐えながらも、周囲に目を配りバンバンシューティングのゲーム内アイテムのドラム缶を破壊し、出現した星を吸い込むと勢いよく吐き出した。
ゼロはその攻撃を避けることも、かわすこともせず肉体で受け止め切り余裕の表情を露わにする。異常な耐久力は健在、否、全てがパワーアップしていた。
カービィは考える。ゼロと戦うには、現状あまりにも力不足だ。出来る事は限られている。なぜならここは地球。住み慣れた故郷とその周辺宇宙惑星とはあまりにも異なる環境だ。唯一の頼みは、ライダー達のゲーム内アイテムの中に秘められた自らと呼応する星型アイテムのランダム出現である。なぜかは分からないが、ライダーガシャットには故郷と似たような物質を作り出すデータが詰まっているようだ。
ならば、ここは……。
カービィは、一旦ゼロから距離を取り、アイテム破壊を実行する。
一つ、また一つと破壊していくと、通常とは色の異なる星が出現した。まるで、燃え盛る炎を表すような……。
「!」
これだ。これを待っていた。言わんばかりに吸い込むカービィ。
「……ああ、貴様にはまだ、それがあったな」
ゼロが呟くのとほぼ同時に、カービィは口に含んだそれを、飲み込んだ。
すると、カービィの姿に変化が起こる。
体全体にめらめらと炎がまとわりつく。しかしその炎がカービィを焼き尽くすことはない。むしろ、肉体そのものであるかのように、一体化していた。
カービィには、唯一無二の特殊能力がある。
それはコピー能力
飲み込んだ物体・生物等の特性をそっくりそのままコピーする力。
そして今、カービィが飲み込んだ星には『バーニング』が宿っていた。すなわち、今のカービィは烈火の力を持ち合わせる。
自らが炎の塊となって、カービィはゼロに突進した。
ゼロはそれを真正面から受け止める……。