女子力は、神をも屠る物理破壊力   作:麻婆牛乳

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今度はレイジバーストまで衝動買いしてしまい、楽しんでプレイしております

ゴッドイーター2はプレイ済みなので、その後の展開が楽しみです





宙を飛び交う重戦車

 

 

 

目を開けてベッドから飛び起きうぅーんと1つ、大きな背伸び。

 

鏡を見ると、やっぱりあたしの髪は跳ねまくってまるでハリネズミみたいだ。

 

シャワーを浴びても直らないくせっ毛を見つつ、バッグに入れてある箱から髪留めを取り出す。

 

無くしたら大変だと仕舞っておいた、父からの最初で最後のプレゼント……ルビーの髪留めで前髪を上げ、軽くストレッチ。

 

 

 

「さあ、今日も頑張るかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ任務が無いことを確認したあたしは射撃訓練場に来ていた。

 

昨日の弾切れを反省し、撃てる弾数の把握等を行う為である。

 

 

 

「モルター弾、3発しか撃てないんや……」

 

 

 

確認して驚く、あまりにも装弾数が少ない。

 

これなら威力を上げて1発のみ撃てる弾の方が使い易いのに、等々考えた所で後ろから声が掛かる。

 

 

 

「いい心掛けじゃないか」

 

「あ、エリック」

 

 

 

髪を掻き上げてエリックが訓練場にやってきた。

 

 

 

「いや何、ブラスト使いの先輩として華麗な僕の力が必要かと思ってねぇ」

 

「あっはい」

 

 

 

昨日の今日だが、絶好調な彼の仕草を眺めながら問題点を話してみた。

 

兎に角装弾数の少なさがネックだ、旧型のブラスト使いともなれば、戦場で何も出来ない事が多いのではないか。

 

 

 

「ふむ、それは確かに僕達の1番の問題点とも言えるね……だが安心したまえ!恐らく君はブラストの機能を知らないだけだ!」

 

 

 

そう言うと、あたしの神機を指差した。

 

 

 

「ここのレバーを引きたまえ、オラクルリザーブという機能が使えるよ」

 

「オラクル……リザーブ?」

 

「そう、予備タンクに今のオラクルが入り、また溜められるという訳だよ」

 

 

 

成る程、分かり易い説明だと思いながらレバーを引くと、液体の入った瓶を差し出される。

 

 

 

「そしてこれがOアンプル、コレを飲めばオラクルがチャージされてすぐに弾が撃てる。ちょっと高めの消耗品だが……ま、僕には些細な問題さ」

 

「なるほど、便利やねー……ってコレ、穴が開いてないけどどうやって飲むの?」

 

「アンプルはこの窪んだ部分を折って飲むのさ、なんでも外気に曝してはいけないらしくてね」

 

 

 

勉強になる、アンプルといえば大抵医療目的で使用する物だから知らなかった。

 

また後でよろず屋に行こう。

 

 

 

「後は1番大事な部分、バレットエディットだ。自分のやりたい事に合わせて調整する事で、用途に応じた弾が撃てるようになるんだよ」

 

「何1つ知らなくて大ショック」

 

 

 

弾を調整だって?

 

銃はそんな事まで可能なのか……と驚愕しつつも、すぐに弄ることを決意する。

 

 

 

「後は実戦で磨くと良い、そうすれば君は華麗な僕のように活躍できる筈さ!」

 

「正直期待してなかったけど、めっちゃ為になったわ……あんがとさん」

 

「要らない言葉が聞こえた気がするが気にはしない、僕は華麗だからね!」

 

 

 

高笑いを残して、エリックは去って行った。

 

腕前や言動は兎も角、あのメンタルの強さはあたしも見習わなくては……

 

 

 

「じゃ、早速バレットエディットってのを試してみよっかなー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妙にハマり込んでしまったあたしが射撃訓練場を出たのはそれから1時間後だった。

 

成果は得られ、後は実戦あるのみと言った所だが

 

 

 

「うーん、今の所エレナさんに紹介出来る任務はありませんね」

 

 

 

とヒバリさんに告げられる。

 

新兵だし仕方ない、他の人の任務に相乗りでもするかな……等と考えていると男の人が歩いてきた。

 

 

 

「おっと新型じゃないか、どうした?」

 

「へっ?」

 

 

 

誰だろう、初対面の筈だけど……

 

 

 

「この方は第2部隊、防衛班隊長の大森タツミさんです……丁度良かった、顔合わせも兼ねて一緒に出撃されてはどうでしょうか?」

 

「ええの?あたしまだ新兵やよ?」

 

「ハッハッハッ、どこも人手不足だから俺達は大歓迎さ。お前の腕前も見ておきたいしな」

 

 

 

極東支部は本当に気さくな人ばかりだ、馴染みやすくて嬉しいが親切過ぎて申し訳なくなる。

 

頭を下げ、同行を願い出た。

 

 

 

「おいおい畏まんなって、頼むのはむしろ俺達なんだから気軽に行こうぜ」

 

「ソレ皆に言われてる気がする」

 

「アナグラで敬語を使う奴は滅多に居ないからな、精々支部長やツバキさんに対して使うくらいじゃないか?」

 

 

 

それは現場第一主義特有の連帯感から来る物だろうか……それなら言葉遣いも気にしないのだろう。

 

 

 

「じゃあ、今日は宜しくね?」

 

「おう、任された!じゃあヒバリちゃん、今日の俺達の任務とその後一緒に食事する予定を……」

 

「今日は居住区周辺でグボロ・グボロと小型のアラガミを討伐して頂きます、後業務がありますので一緒の食事は難しいかと……」

 

 

 

ああ、タツミさん一目で分かるくらいに肩を落としてやる気無くしてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という事で今回の任務にご一緒させて頂きます、よろしゅうなー」

 

「ああ、宜しく」

 

「宜しくお願いします!」

 

 

 

第2部隊の他の2人と顔を合わせたあたしは居住区を抜け、徒歩で目的地へ移動しながら自己紹介をしていた。

 

ブレンダンさんという硬派そうな人と、カノンさんという明るい女性は優しく接してくれた。

 

 

 

「で、タツミは相変わらずか」

 

「あれ、いつもなん?」

 

「タ、タツミさん!ファイトですよ!」

 

「下手な同情はよしてくれ……」

 

 

 

遅れてついてくるタツミさんの肩に手を置く。

 

 

 

「いつか彼女も振り向いてくれるよ」

 

「……すまん、ありがとう」

 

「で、こんな感じに10歳近く年下のあたしに慰められる気分はどう?」

 

「死にたい」

 

「あまり苛めないでやってくれ、こんなのでも俺達の隊長なんだ」

 

「こんなのってお前……」

 

 

 

そんな限りなく苛めに近い様な会話を繰り返していると、卵の様な物が浮いているのが見えた。

 

瞬間、ブレンダンさんが身構える。

 

 

 

「タツミ、ザイゴートだ」

 

「居たか、よーしカノンはザイゴートを頼む」

 

「お任せ下さい!」

 

 

 

そう言うや否や、カノンさんはザイゴートに向かって突っ走って行った。

 

ターミナルで見たことがある、ザイゴートは弱いが他のアラガミを呼び寄せる性質があるとか。

 

 

 

「あたし達は寄ってきたアラガミに対処?」

 

「ご明察、新人と聞いていたが戦術という物を分かってるじゃないか……ブレンダンは向こうを頼む、エレナは遊撃だ」

 

「分かった」

 

「りょーかい」

 

 

 

その言葉を合図に、カノンさんを挟むようにタツミさんとブレンダンさんが動き出す。

 

あたしはカノンさんについて行き、2人の方を交互に見ながら銃形態の神機のレバーを引く。

 

タツミさんの方にはオウガテイルが数体、慣れた手つきで捌いており、ブレンダンさんの方には何も来ていない様だ。

 

よし、とオラクルリザーブを完了させてタツミさんの方へ向かった。

 

 

 

「援護するよー!」

 

「おう……ってストーップ!!!」

 

 

 

あたしは既にトリガーを引いていた為タツミさんの制止が間に合わず、弾丸は射出された。

 

オウガテイルが爆音と共に活動を停止した。

 

 

 

「お前もブラスト使うのか!」

 

「大丈夫、巻き込まない様に注意するー!」

 

「お、おう……」

 

 

 

従来のモルター弾と違い、重力の影響を受けない遠方まで届く爆発弾、ブラストの射程の短さを補う為に作ったのだ。

 

何故か青い顔色のタツミさんに疑問を感じつつ、神機を剣形態に切り換えブーストを吹かす。

 

 

 

「ってやぁぁぁ!!」

 

 

 

距離を詰めてハンマーを叩き付けると、メシャッと嫌な音を立ててオウガテイルの頭が砕け散る。

 

ソレを見届ける前に更に近くのオウガテイルに横殴りを仕掛けると、綺麗な放物線を描いた。

 

 

 

「お前、何か……凄いな」

 

「語彙力無さ過ぎやん?」

 

 

 

頭の無くなったオウガテイルを踏みつけて残りを睨むと、心なしか怯えているように見えた。

 

アラガミも怖がったりするものなのか……なんて事を考えていると、突然通信が入った。

 

 

 

『グボロ・グボロが来た、援護頼む』

 

『アハハッ!纏めて吹き飛ばしてあげるわ!』

 

 

 

討伐対象がブレンダンさんの方に現れた様だ。

 

目を向けてみると、増えたザイゴートを吹っ飛ばしているカノンさんの向こう側に不格好なアラガミが居るのが見えた。

 

それにしても、ブレンダンさんの通信の後に割り込んできた人は誰なんだろう。

 

もしかして増援の人かな?等と思いながら神機に火を入れる。

 

 

 

「タツミさん、先に行ったって」

 

「おう、ここは頼むわ」

 

 

 

その声を聞き取り、オウガテイルを1体潰した。

 

残りの1体はフルスイングで体が千切れ飛び、赤黒い液体を飛ばして頭部だけがその場に残る。

 

 

 

「さて……」

 

 

 

おおよそ目的地まで90mといった所か、カノンさんの方はもう終わりそうだ。

 

脚に力を込めて踏ん張る。

 

 

 

「3……2……1……!」

 

 

 

空気を振るわせて跳ぶと、タツミさんがこっちを向いて唖然としているのが見えた。

 

そんなにあたしはおかしいのだろうか……と考えている間にも飛距離はぐんぐんと伸びていき、高度が最高点に達した。

 

その瞬間━━

 

 

 

「あだーっ!?」

 

 

 

ドカンという音と共に体が真上に舞い上がった。

 

混乱していると、視界に活動を停止したザイゴートが一緒に飛んでいるのが見え、下から━━

 

 

 

「射線に出て来るのが悪いのよ、マヌケ!」

 

 

 

そんなカノンさんの罵声が聞こえた。

 

カノンさんの射線入ってしまったか……というかカノンさん、性格変わってない?

 

何となく、タツミさんがブラストを恐れる訳が分かったような気がする。

 

 

 

「エレナッ!」

 

 

 

タツミさんの声で我に返る。

 

そうだ、カノンさんの性格なんて考えている場合では無かった。

 

 

 

「ぬおおおっ!」

 

 

 

ブーストを再度解放して姿勢制御、前を見据える。

 

グボロ・グボロがブレンダンさんと対峙して膠着状態にあるのが見えた。

 

即刻決断を下し、ブーストを全開!

 

 

 

「いくでえええええ!!!」

 

 

 

かなりの高度となったが問題ない、多少のズレならブーストでカバー出来る。

 

目標は斜め下、グボロ・グボロのド真ん中に向けて全力の振り下ろし!

 

 

 

 

 

鈍い音を響かせた後、あたしはぐにゃりと背ビレがひん曲がり、喚き立てるグボロ・グボロの背に立っていた。

 

一撃では倒せなかったが、ここはあのバレットを試すチャンスか……と銃形態に切り換えて叫んだ。

 

 

 

「ブレンダンさん、離れて!」

 

 

 

呆けた表情をしていたブレンダンさんが飛び退いたのを確認し、銃口を背に当てる。

 

深呼吸を1つ、トリガーに指を掛ける。

 

 

 

「……終わり……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あたしはまたもや宙を舞っていた。

 

視界に入ったグボロ・グボロは四散しており、離れたところから呆然としている3人が見える。

 

 

 

「……あぁ……」

 

 

 

力を抜き、流れに身を任せる。

 

爆発弾や放射弾を詰められるだけ詰めて全て零距離から発生させるバレットは、グボロ・グボロはおろか反動と爆風で体重が3桁あるあたしの身体でさえ吹っ飛ばした。

 

全身の痛みを感じながら、あたしの〈着弾〉地点となるであろう湖を見て、心に誓った。

 

 

 

 

 

 

 

「このバレット、もう使わん」

 

 

 

 

 

 

 




 


突き詰めればOP消費が500を超える弾まであるらしいですね……奥が深い物です



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