「子ギル。俺はな、メルトリリスを召喚したいマスターだったんだ」
静かになった武家屋敷の縁側。そこでは二人の男が並んで座っていた。一人は黒い外套を身に纏い、遠い彼方を見ているように目の死んだ男。彼の名前は黒鋼研砥。人理焼却を防ぐために尽力し、最後まで生にしがみ付いた男だ。子ギルと呼ばれた男の子は、絹のように美しい金色の髪を揺らしながら、隣に座った男を見上げた。
「だったということは、今はもう諦めてしまったんですか?」
「……ああ。彼女は期間限定サーヴァントでね。初登場した『深海電脳楽土
手元に置いてある湯呑に入っているお茶を啜る。少し冷めたお茶が喉を潤し、何気ない日々に安堵の溜め息を漏らす。ふと空を見上げると、爛々と美しい月が輝いていた。時折見る満月だが、今日は一段と大きくて美しい気がした。
「そうですか………。それは、仕方ないですね」
「ああ。そんな当たり前のこと、もっと早く気付くべきだったんだ………」
自嘲するように黒鋼は笑みを浮かべ、開いている瞼を閉じる。その中で、彼は多くのサーヴァント達のことを思い浮かべた。彼が向かった特異点で力を貸してくれたサーヴァント達。人理焼却を良しとし、彼やカルデアに立ちはだかった者たち。そのどちらでもなく、戦いの中で遭遇した人間たち。その身を獣に落とした人類悪。
多く、とても多くの人たちと彼は出会った。だが、そんな闘争の日々も終わりが近づいている。7つの特異点を超え、彼の王が作り出した時間神殿から逃亡を図った4柱の魔神。それが作り出した亜種特異点の修復も折り返し地点まできた。あと少し。あと少しでこの戦いの日々も終わりを迎える。そうすれば、存在しないはずの彼は
それでも心残りがある。たった一人、されど一人。彼が会いたいと願った少女がいる。それこそがメルトリリス。いつぞやの電脳世界で会い、カルデアのマスターを救うために奔走した黒衣の少女。彼女から愛情を向けられたわけではない。むしろ敵意を向けられたことさえあった。それでも、黒鋼が彼女を召喚したい理由はたった1つ。最期の見せつけられた、彼女の笑顔を見たかったからだ。
けれど、もうそんな機会は訪れない。何故なら、彼女と縁を結ぶことができた期間は既に過ぎ去ったのだから。だから、黒鋼研砥にはメルトリリスを召喚することはできない。できないというのに。それがなんだと、子ギルはクスッと笑った。
「なら、僕が招待してあげますよ」
「――――――え?」
縁側から地面に降り立ち、ルビーのように赤く煌く双眸を、マスターである黒鋼に向ける。幼い英雄王が浮かべているのは笑顔。嘲笑するような下卑た笑みではなく、年相応の子供が浮かべる優し気な笑みだった。
「お任せくださいマスター。マスターの願いは、僕が叶えてあげますから」
「…………そうか。ああ、安心した―――――」
「というわけで、この旅を初めて2年。この日を祝したパーティーを!! ここに開催するっ!!!」
「「「おぉ――――――!!!」」」
手に持ったマイクに声を当て、高らかに俺は宣言する。それに応じるようにこの場に集まった多く人たちが歓声を上げる。それはそうだろう。恐らく、ここにいる全ての人たちがこの日を待ち望んでいたのだから。それだけ長く、濃厚な2年だったのだ。加えて、去年はまだ人理焼却を防ぐ闘争の中に身を置いていたのだ。祝い日だったとしても、心から楽しんでいた人は多くはいなかっただろう。亜種特異点を消滅させる戦いは続くが、以前よりはマシな状況にはなっている。今日の祭りを、心から楽しめる人も多いことだろう。
「7月30日。それは、この人理焼却を防ぐ旅が始まった日。……その戦いが始まって2年。この日を祝して、カルデアにいる万能の天才。レオナルド・ダ・ヴィンチさんと、我が組織を代表する最強キャスター。ギルガメッシュ王が作り出した素晴らしきイベントをここに紹介する。この度、この企画を進行させていただくのは私、この組織にて多くのサーヴァントと契約し、マスターをさせていただいておりますこの黒鋼研砥と」
「最初期から彼のサーヴァントとして共に戦ってきた私。ライダーのブーディカでお送りさせていただきます」
いつぞやの新年ガチャと同じような作りになっている召喚場にて、普段着から正装に身を包んだ俺とブーディカさんが、カメラを前にして挨拶をする。今回はいつものようなお遊びではなく、真面目に取り組むべき仕事だ。なので、いつもより身だしなみを整えている。整えているのだが、隣に座るブーディカさんの衣装が余りにも神々しすぎて直視できない。
彼女の姿を横目に見ることで精一杯な俺は、気を取り直して手元にある資料を見る。流石は二周年というめでたい日を迎えたためか。以前の一周年と比べても大差がない、ひょっとするとそれ以上に豪華な内容に驚きながらも、1つずつ読み上げる。
「ーーーとまぁ、少し真面目ぶってみましたが、そろそろやめてもいいかな?」
「良いんじゃないかな。こういうのは最初が肝心だしね」
自分たちの机に設置されているお茶を飲みながら、詰まりそうになった息を吐きだす。新年はノリと勢いに任せてやってしまったが、さすがに2周年は真面目にしろとエミヤに怒られたので、こうして慣れないスーツに身を包んでいる。装備できる魔術礼装の中に『ロイヤルブロンド』があって助かった。装備を切り替えるのは一瞬でいいし、そう簡単に破けやしない。その上で能力も一級品と来た。とても使い勝手の良い礼装だ。
「さてと、2周年ということもあって色々と豪華な内容なんだが、今回はそれを省略させてもらう。最初からフルスロットルだ………!! これより、
指を鳴らすと同時に召喚サークルが勢いよく立ち上がり、虹色の光を伴いながら複数の英霊のデータを表示する。今回のために特別に拵えた演出だ。あまりに膨大なデータ数だから一段では収まりきらない。なので、二段構造で表示される英霊達のデータ達。その中にある一部のホログラムデータには色が付いている。
「色が付いているのは、俺が既に召喚している
「いや、それは少し言い過ぎな気が……。え~今回の福袋召喚は、一定の金額を払うことで購入した特殊な聖晶石を使って行います。さっき研砥が普通の福袋召喚と違うって言ってたのは、今回の福袋召喚はなんと、今まで登場した
ホログラムに表示されているサーヴァントの数は51。それは、俺が今まで召喚できるかもしれなかった最上級レアリティを誇るサーヴァント達のデータだ。これは、今まで出会った彼らのデータを表示している。ちなみに、色が付いているサーヴァントの数は14人。つまり、全体の3割程度は既に召喚に成功している。
「今年………。特に、6月に入ってからの俺のガチャ運はやばいことになっている。去年はいくら召喚しても応じてくれなかった玉藻さんが、ランサーとキャスターにそれぞれ2人ずつ来てくれたり、モリアーティーにケツァル・コアトルさんといった、ハイスペックなサーヴァント達の召喚に成功してしまっている。――――だが!! それでも! 今だ俺のガチャは終わらない!! そんな俺が誰を召喚したいのか紹介しよう!」
手元にあるタブレットを操作して、英霊達の一部のデータを表示する。表示されたデータが光を放ちながらその姿を1分の1スケールで投影する。現れたのは全部で5人のサーヴァント達だ。
「まずはセイバーから3人、ブリテンの『騎士王』こと『アーサー・ペンドラゴン』と、『アルトリア・ペンドラゴン』! それから、その息子である『モードレッド』!! どちらも英国サーヴァントということで凄く欲しいぞ! サーヴァントのスペックがなんだ。そんなものは愛で押せばいいんだよ!!」
「次にキャスターから『花の魔術師』こと『マーリン』。ってあれ? 研砥はマーリンは孔明みたいな使ったら誰でも勝てるサーヴァントは絶対に使わないって言ってなかったけ?」
「いや、ただ単に英国サーヴァントだから欲しいだけだが? というか英国サーヴァントっていいよね。全員が欲しいんだよね。俺」
確かに、期間限定のサーヴァントたちも欲しい。というか、セイバーならアルテラ以外の☆5がいないから誰でもオッケーだが、とりわけあの三人は来て欲しい。俺が喜ぶというのも理由だが、そろそろ彼女たちを呼んでブーディカさんを喜ばせてあげたいのだ。去年なんて、円卓の騎士の中で来てくれたのがランスロットだけだし。いや、とてつもなく強いから助かってるんだが。個人的にガウェイン卿が欲しかったんだよなあ。
「で、次はランサーのアルトリアな。ここまで来たら、やっぱり英国サーヴァントコンプリートを目指さないとな!」
「いや、さすがにそれは業が深いと思うんだけど。あ、そういえば。研砥が嫌ってる『諸葛孔明』の依り代になった『ロード・エルメロイⅡ世』もイギリス人なんだよね? なら、そういうことで彼が来てもいいんじゃ………」
「はい? 速攻でケツァルさんで地球投げして、金時で轢き逃げした後、倉庫番してもらいますが何か?」
首を親指で一閃。つまり『来たら絶対に殺す』という意味を笑顔で表現してみる。何故かブーディカさんが苦笑いをしているが、あまりに気にしたら負けだと思って次に移ることにする。
「残りはエクストラクラス、アルターエゴの『メルトリリス』だ。………いつか、また会おうって約束したからな。狭間のところにはもう呼ばれてたが、やっぱりリップに会わせてあげたいしな!」
「優しいなぁ研砥は。あ、そういえば今回は特別にお便りももらってます!今回のために、ここにいるサーヴァントに、わざわざ来て欲しい☆5サーヴァントのアンケートを募ってみました!」
「まぁ、70近い数お便りなので、その中から3件ほど抜粋してみたので読みますね〜。まずはこちら。
「………ペンネームの意味ってなんだっけ? それで? 何て書いてるのかな………」
P.N. 劇場と剣を作った天才すぎるローマ皇帝さん
―――我が愛するマスターよ。既に其方は多くの
話が逸れたな。とにかく、余が何を言いたいか分かるか? 分かるな? そう! 今度こそ白い方の余を召喚するのだ!!!
「以上、P.N.『劇場と剣を作った天才すぎるローマ皇帝』さんからのお便りでした~。いやぁ、まさかここまで自己中心的な便りは初めてだな。まぁ、これが記念すべき第一回なんだけど」
「頭痛くなってきた………。全く、あの馬鹿皇帝は死んでも変わらないわね。相変わらずどこまでも我儘なんだから。というか、白いネロ公なんて呼ばれた日なんて、あたしが『頭痛持ち』になりそうだよ」
思いっきり溜め息を吐きながら次のお便りを手に取るブーディカさん。しかし、ペンネームを見たせいなのかわからないが、何故か頭を抱えてしまった。
「え、何どしたのブーディカさん? そんなに酷いお便りだったのか?」
「え!? い、いや別に何も!! と、とりあえずこれは最後に読もうね! ほら! 先にこっちから読むよ! P.N.『舞い踊る毒娘』さんからのお便りです! お便りありがとね!!」
「な~んか気になるな……。それにしても、このペンネームだと絶対静謐だよな。どれどれ………?」
P.N.舞い踊る毒娘さん
え………? 来て欲しい☆5サーヴァントの方、ですか? いえ、私は特に誰でも良いとお思います。我が主は、私のような英霊に聖杯を2つも注いでくれました。なので、どのような方が来ても、その方以上の働きをしたいと思います。
ただ、誰が来ても良いというのではあれば。私事ではありますが、初代様を推させていただきます。冠位の位は既に捨てたと仰っていましたが、あのお方こそ最強の
「以上、P.N.『舞い踊る毒娘』さんからのお便りでした。それにしても“山の翁”さんかぁ。仰々しい格好して何考えてるから分からないから、少し苦手なんだよねぇ……」
「まぁ、クラス相性的な意味でも相性最悪だしな。でも、あの人の
渡された便りを丁寧に仕舞い、取り合えず召喚されて欲しいサーヴァントの中に追加しておく。さて、残りの便りは1通。さっきのブーディカさんの様子を見る限り色々とおかしいと思ったが、さてさて。一体何が書いていることやら。
「………とりあえず、読んでもいいかな? これ?」
「あ~………うん。読んでもいいけど、驚かないでね?」
「え、ちょっと待てよそれ。すげぇ怖いんだけど。え~と……
P.N.怪人てけてけ娘さん
お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様
「って、ホラー映画かコラァ!!!」
渡された便りを破りそうになったが、ギリギリの所で破らずに机を殴りつける。というか、怪人てけてけ娘っていう名前は、絶対ブリュンヒルデだよな。いつまで贋作英霊のイベントのことを引きずってるんだよ………。
「とりあえず、今のところ来て欲しいサーヴァントの数は8人だな。はぁ、51人中の9人か。確率的には17.6%。大方2割か。まぁ、来ないだろうな」
「とりあえず、諦めずに回してみなよ。結果は自ずと付いてくるよ。きっとね」
「それもそうか。それじゃ、福袋召喚! セットアップ!!」
召喚したいサーヴァントのデータを投影した時と同じように指を鳴らす。いつもは普通に石を投げてガチャを行うが、今回は年に2回程度しかできない特別な英霊召喚だ。なので、今回のために特別な召喚を行うことになっている。
『英霊召喚システム・フェイト』が起動し、その背景に巨大なスクリーンが複数出現する。画面には召喚サークルによって排出されるカードが映し出されている。その目の前に立ち、購入した特殊な聖晶石が詰め込まれた袋を持って俺は宣言する。
「さて………それでは参ろうか!! 福袋召喚! スタート!!」
「今……有償石30個の入った袋が………召喚サークルに…………入りましたっ!!」
新たな☆5サーヴァントを呼ぶため―――――たとえ同じ人が来ても、宝具レベルが上がるから問題ない―――――の負けられない戦いの火蓋が切って落とされた。この手のガチャは、大体最初に☆5確定演出が発生するものだ。つまり、最初の弾き出されたカードが肝心となる。だが、召喚サークルが示した光のラインは1本。概念礼装である『アトラス院』が排出された。
「…………俺の見間違えか? どこからどう見ても☆3の概念礼装にしか見えないんだが」
「あ、あれ? 福袋って一番最初に☆5サーヴァントが来るものじゃなかったんだっけ?」
いきなり現れた概念礼装に戸惑いを隠せない俺たち。だが、一度起動してしまったシステムは何も告げず、命じられた事をこなしていく。続く第2、第3の召喚も☆5サーヴァントが出現しないままで終わっていく。システムが狂ったのかと思い始めたその時、眩い黄金の光が部屋の中を照らし出す。
「これは☆4以上のサーヴァントが確定したシステムの演出! ということは、これが俺の元に来る☆5サーヴァントか!!」
「弾き出されたカードは……
この場にいる誰もがこれから登場するサーヴァントの召喚に固唾を飲む。金色の暗殺者が描かれたカードから光を伴いながら、遂に召喚が行われる――――!!
登場した時に目が付いたのはとても長い黒髪。後ろの方で1つだけ結った黒髪に、6つに割れた腹筋。そこを彩る鮮やかな入れ墨に、両手に装備された籠手。顔はとても格好良くイケメンの部類に入るだろう。
「いよー! という訳でクラスアサシン、燕青だ! ところで黙っていれば色男って、褒め言葉なのかね、アレ?」
「って、本当に☆4サーヴァントかい!!」
「おっ、あんたはアーチャーとか雀蜂の大群とタメ張ってた兄ちゃんじゃねぇか。いや久しぶりだねぇ! しっかし、どうやら俺に来て欲しくはなかったみたいだ。そいつは悪いことをしたなマスター?」
「いやいや、初めて来てくれたサーヴァントだから問題ないよ。これからよろしく頼むよ、燕青君?」
亜種特異点Ⅰ。『悪性隔絶魔境 新宿』にて、俺たちの敵として立ちはだかった『新宿のアサシン』こと『燕青』。シャーロック・ホームズの変装スキルをも超える超変化の能力を駆使して、俺たちの邪魔をしまくった強敵だ。もし味方になった時のためのデータを見たが、大変優秀なスキル構成だ。仲間になったら即戦力になるだろう。
「さてと、次に召喚される人の為にも、俺は降りるぜ?」
「おう、んじゃとっとと次だ次。にしても、今回の☆5サーヴァントらどんな奴が来るのかね………?」
燕青がサークルから降りると同時に、再びシステムが新たなカードが排出される。だが、通常の演出とは違い、さっきの燕青と同様、黄金の光が溢れ出した。☆4以上の高レアリティサーヴァントが召喚されることが確定したのである。そして、その光の中から出現したのは、鎖に繋がれた囚人のようなイラスト。エクストラクラス、
「!? 高レア演出でアヴェンジャーだと!? こ、これはまさか、ブリュンヒルデの要望に応えるようにジャンヌ・オルタが来るのか!?」
「おやまぁ、これはまたいいタイミングで召喚されたねぇ俺は。あのべっぴんさんに会えるんなんて、嬉しいったらありゃしねぇ」
金色のカードから光が溢れ出す。それと同時に、青い黒炎が召喚サークルから迸る。それは一瞬にして召喚場の全てを覆いつくし、膨大な魔力に当てられたせいか照明が点滅する。たった数秒の出来事だったが、異常な出来事だと判断した俺は、すぐに指示を飛ばす。
「ブーディカさん! 燕青!!」
「分かってる! 研砥は後ろに居て!」
「まったく、人使いの荒い主なことで!」
ブーディカさんがすぐに複数の車輪を展開し、燕青が腰を低くして構える。中国拳法。家にいる書文先生と同じ、中国出身のサーヴァントである燕青はとんでもない武術家だ。十分強力なサーヴァント2人の頼もしさに安堵しながら、次に召喚されるサーヴァントに備える。
カードからも青い黒炎が奔り、その中から現れたのは、色の薄い緑髪の上に乗った帽子と真紅の瞳。瞳と同じ紅いネクタイに、凶悪な笑顔を浮かべた青年。だが、凶悪な笑顔の裏には、とても楽しそうに笑っているのが分かった。特徴的な笑い方と共に、召喚が完了する。
「俺を呼んだな! 恩讐の化身を! そうとも、俺こそ黒き怨念。―――エクストラクラス、
召喚が終わると同時に青い黒炎が収まる。高笑いと共に現れた身長の高い青年。フランス、いや、全世界にその名を轟かせた復讐者。虎の如く獰猛な笑みを浮かべて立つアヴェンジャー。その姿を見た直後、俺たちは警戒を解いた。
「なんだ巌窟王か。焦らせんなよ全く……」
「クハハハッ! 貴様も我が共犯者と同じことを言うのだな。なに、すぐに慣れるだろうさ。俺を従えるということはそういうことだ」
ニヤリと笑いながら煙草に火を付ける。その場で一服吸ってから、それを握り潰した。握った拳を開くと、青い塵になった煙草の成れの果てが掌の中に納まっている。無駄な能力の使い方に呆れながらも、巌窟王に向けて手を差し伸ばす。
「まぁ、俺は
「無論だ。貴様はあの時に言っただろう? 最期を迎えるその時まで、
差し伸ばした手を握り返した巌窟王は、青い黒炎を全身に纏う。一瞬で燃え盛った炎が消え去ると同時に、いつも着ていた深緑色のインバネスを着用し、いつものように高笑い。する。
「行くぞ我がマスター! 我らが往くは恩讐の彼方!! 闘争の果て、その先の向こうに行くためならば、俺は全力で貴様を導こう!!」
「おう!! 今度は、一緒に戦おうぜ! 巌窟王!!」
こうして、我らの元には幻霊から生まれた新宿のアヴェンジャー。ヘシアン・ロボから二人目のアヴェンジャー、巌窟王がやって来た。新たなる即戦力にありがたみを感じながら、これからの戦いに思いを馳せるのだった。
「あの…………私の出番はどこなのでしょうか?」
「ごめんね
「では、次回予告をさせてもらうぜ? 次は、家のマスターが会った元魔術師のサーヴァント。『シャーロック・ホームズ』と、各特異点のピックアップサーヴァントのガチャ報告をするぜ! 楽しみに待っていてくれよな!!」
というわけで、今回の福袋の召喚は新規サーヴァントとしてアサシン、『燕青』。アヴェンジャー、『巌窟王』。既存からバーサーカー、『源頼光』が来てくれました! 福袋の☆5サーヴァント2人抜きはこれで2回目ですね。今回は期間限定サーヴァントも混入してるので、ダブっても宝具レベルが上がって威力が上昇するのはありがたい。それにしても、スキルレベルカンストしてる頼光さんの火力が上がって、より殺意が上がりました。ありがたいことこの上ないです!!
ここまでの読了、ありがとうございました!
次回もお楽しみに!!