いやぁ、活動報告を見てくれた方ならわかると思いますが。今年の3月から心機一転! ここまで積み上げたストックをあまり消費していかない程度に頑張ろうと思います!!
それにしても1200万DL記念がキアラとは…………巌窟王とかだと思ってましたよ私。正月から課金しまくりだなぁ(白目)
さて、今回の話は今さから感が凄まじいですが、パールヴァティのガチャ報告回です! 頑張って書き続けてはいますが、やはりブランクがあるのでコレジャナイ感が凄い。そんな話ではありますが、よろしくお願いします!!
一面の荒野。まるで某世紀末漫画に登場してくる荒廃した地にて、二人の少女が決闘を行っていた。二人の容姿はまるで鏡合わせのように似通っており、違うとすれば互いの服装と武器、そして顔に浮かんだ表情くらいのもの。
片や赤と黒を基調とした鎧に身を包み込み、まるで死体のように淡白い肌に金の髪と同色の瞳の少女。表情に浮かぶのは愉悦に満ちており、この決闘を心の底から楽しんでいるかのように笑うその表情は、まるで戦闘狂のようにも見える。だが、その表情とは別にある剣士としての在り方が黒い少女の格を落とさないでいる。
もう一人の少女は対照的に青と銀の鎧着込んでおり、今を生きる人間のように綺麗な肌に金の髪。それから豊かな森を表すかのような翡翠色の瞳をしている。表情に浮かべるは怒り、焦燥といった危機感に満ちたもの。それもそうだろう。盤面だけを見れば青い少女の方が圧倒的に不利なのだから。
焦点を彼女達に合わせていたが、そこから少し下がってみれば彼女達が率いる軍の姿が見える。青い少女の近くには傷つき、今にも息絶えそうに苦しそうに啼く龍が一体。対する黒い少女の場には蠢く死霊、そしてそれを率いる様に戦闘に立つ馬に乗った男性。腰に差した剣を抜き放ち、男は自分の元にいる死霊共に命令を告げる。
『行進せよ! 果ての果てまで!!』
その一言と共に、死霊の体徐々に巨大化し、青い少女を通り過ぎて満身創痍な龍へと迫る。体の至る所から伸びる魔の手は翼を、喉元を、足を引きちぎらんと力を籠め始める。それに龍は最期の力を振り絞り、憎悪に満ちた黒い閃光を放つ。それは自分を掴んだ死霊を跡形もなく消し飛ばしたが、その一撃を放った代償として龍の体は粒子となって消え失せる。数舜の後、粒子は一枚の札となりて青い少女の手元に納まる。彼女はそれを悔恨の念に満ちた目で手元に戻った龍を見て、新たな札を手にする。
「ふっ、これで勝負ありだな騎士王。既に貴様は我が術中に嵌っている。このターンで私を倒せなければ敗北に至ると知るがいい」
「黙るがいい。貴公も忘れてはいまいな。この時、私は『天界の階段』より新たなカードを手にすることができるということを!」
黒い少女の声を遮るように青い少女が力強く腕を振り切る。振り切った手元には新たに四枚ものカードが加えられていた。それとほぼ同時に、少女の周り瞳と同じ色の宝石が浮かび上がる。先ほどの龍と合わせればこれで五枚。これほどあれば大抵のことは対象が可能となる。
――――そして。それは当然のように姿を現した。
「これで終わらせる! 我が力を喰らい姿を現せ! 『魔海の女王』!!」
少女の周りに浮かんだ10個の宝石から光が溢れ、天高く掲げた一枚の札へとそれが注がれる。直後、全てを押し流すかのような激流葬と共に異形の女が姿を現す。不敵な笑みを浮かべながら青い少女の手元から二枚のカードを抜き取り、他のカードが芥のように崩れ去る。
『泡沫の夢、叶えてやろう』
「これにより、私は手札にある種族二枚を対価無しで行使できる! 今こそ地上に舞い降りて、暴虐の翼で全てを薙ぎ払え! 『バハムート』!!」
今だ湧きおこる膨大な水。その全てを蒸発させながら地中から地上へと何かが飛び立つ。土色の翼に同色の瞳。地上の全てを睥睨しながら咆哮する龍は、その巨体に見合うだけのエネルギーを口内に貯めていく。
「『バハムート』が降臨したことにより、自身以外の全てを焼き払う!!」
暴虐の龍が主の命の下に口に留めた力を解き放つ。闇を斬り裂くやもしれぬ閃光は味方の女王をも飲み込み、敵対する死霊。それらを指揮する将軍といった自身以外の全てを焼き払う。文字通り、一切合切を焼き払った。だが、まだ青い少女の手番は終わらない。何故なら、まだ彼女には一手残っているのだから。
「これで仕上げです! 再び力を貸してください! 『ウロボロス』!!」
万物を破壊し尽くした龍に並ぶように、先ほど死霊に倒された龍が蘇る。その瞳には、先ほど倒された怒りの様な念が込められている。そして、お返しとばかりに火球を作り出してそれを無造作に放つ。さすがの黒い少女も直撃は不味いと思ったのか、どこからか鎧と同色の剣を取り出してそれを打ち払う。しかし、完全にまでダメージを受け流せなかったのか。目に見えて消耗した少女は剣を杖代わりにする形で立ち留まる。
「これまでです。今の貴方の手札は、次の引きで3枚。たったそれだけでは私の龍達を倒すには至らない。貴方の命運は既に――――」
「いいや。尽きてなどいないさ。私にはまた勝利を掴む策がある。貴様には分からないだろうがな」
「…………本気で言っているのでしたら、ついに気でも狂いましたね。良いでしょう。この盤面をひっくり返せるというのであれば、試してみるがいい!!」
青い少女の猛る声に合わせ、二体の龍が咆哮する。傍から見ても圧倒的に黒い少女の方が不利だ。それでも。どんな絶体絶命な状況であっても、少女の表情には愉悦の色が消える事は無い。それは去勢なのか。それとも、本当にこの状況を覆す一手を残しているからなのか。どちらにしても、次が彼女に残された最後の手番になることに違いはない。だというのに――――
「私の番だが、新たな札は既に不要だ。この二枚で貴様を葬り去るのだからな」
新たに手にすべき札を投げ捨て、残る二枚の札を順に掲げる。緑色の宝石から力を注ぎこまれ、二枚の札に描かれた物が姿を現す。この場合、当然のことだが先に翳した札から順に実体化する。
「では、この戦いの幕を下ろそう。まずは一枚目、『魂の番人―ミント』を出す!」
10ある宝石のうち、4つの光が集まって一人の少女の姿が形作られる。まだ幼い少女にしては大きすぎる杖を両手に持ち、瞳には生気が宿っていない。だが、それとは逆に杖からは紫色の炎が猛っている。そして、そのカードを見た青い少女は息を飲むようにハッとした。
『魂の揺り籠が………揺れる』
「まさか、貴方が次に出そうとしているのは」
「今更気づいても遅い。さあ、今こそ姿を晒す時だ。暴虐の龍の骸よ。新たな生を謳歌し、我が敵に滅びを齎すがいい! 『デスタイラント』を召喚する!!」
残る宝石。六つに籠められた輝きを喰らって姿を現したのは全身が骨で構成された龍。龍骨鬼という言葉が自然と思い浮かびそうなそれは、何かを求めるかのように黒い少女の周囲を漂う。すると、先ほど呼び出された少女の持つ杖に目が映る。同時に、杖から迸る紫色の炎も勢いが増し、骨の龍の全身をそれで覆いつくす。その在り方はまるで、鉄を熱して名刀を作る工程の様にも見えなくはない。
「本来、『デスタイラント』は墓場にある札の怨念を喰らうことでその真価を発揮する。しかし、それを使うためには膨大なまでの札が必要となってくる。しかし――――」
「『魂の番人―ミント』の能力は、墓場を利用する効果を使う際。そのコストを踏み倒すことができる………! この状況を見越して、私に『バハムート』を使うように仕向けたというのですか………!?」
「当然だ。死霊と龍では火力が違うからな。回りくどい手を使う羽目になってしまったが、お前はこちらの思い通りに動いてくれるから助かったぞ。褒美だ、我が至高の一撃を手向けとして受け取るがいい――――!!」
黒い少女の声に応じるかの如く、紫色の炎にて体を鍛えた骨の怪物が雄叫びを挙げる。細身の骨だった全身が、まるで鉄パイプのように太く力強く。なにより逞しくなっていた。本来、見えることのない瞳はより不気味に。けれど憎悪に満ちた赤い眼光が青い少女へと注がれている。それを一身に浴びた彼女は、数舜先にある自分の末路を幻視した。
「本来、あらゆる魔物は出したターンには攻撃することは出来ない。だが、『デスタイラント』には速攻能力が備わっている。故に、場に出たターンから攻撃を仕掛けることが可能! さぁ、我が宿敵に引導をくれてやれ!」
黒い少女の命令の下、骨の暴龍が蛇の様にしなやかに。獲物に向けて疾走する猛虎の如き速さで青い少女の下へと迫る。彼女のを守護せんと阻もうとする二体の龍など眼中になく、凶悪な顎を開きながら少女の立つ地面ごと暴龍は喰らい尽くした。その最期を見届けながら、黒い少女は顔に浮かんだ笑みを消し、瞼も閉じて祈るように一言だけ呟いた。
「終わりだ。せめて、優しい夢の中で眠れ。正しかった私よ――――――」
「というやり取りがあってな。その時の戦いに勝利した私が体の所有権を得たという訳だ」
「そんなはずがないでしょう! 一体何を言っているのですか黒い私は!!」
場所は先ほどと変わり、もはや見慣れた場所である召喚場。新たなサーヴァントの反応を感知し、それが今回集まってもらったサーヴァントの人たちにかかわりがある知った俺は、せっかくなのでここに集まってもらって召喚を行おうと思ったのだ。ちなみに、最初に言葉を開いたのはセイバー・オルタ。もう一人がアルトリアさんだ。
「ふぅん、別に良いではないか。今回は『劇場版Fate/Stay Night Heaven‘s Feel』の公開記念ピックアップなのだ。事実やそうでもないものの一つや二つ。織り交ぜてしまっても構うまい」
「大いにあります! いえ、それ以前にさっきのカードバトルは何ですか! 確かに他のゲームとコラボはしていましたが、ここでいう必要もないはずでしょう!」
「いやなに、我らがマスターがこれを機に再開したといっていたのでな。私も少し齧ってみたのだが、これが中々面白い。正直な話、一部のカードパワーが可笑しいとは思うがそこは笑って流そう。というわけで、これを読んだ者たちもこの本格スマモカードバトル(笑)。『Shadow verse』をプレイしてみるといい。今頃、新クラスと新パックで賑わっているはずだからな」
「…………君たち、結構メタメタしいことを口にしているということを理解しているのかね?」
口を開くなり喧嘩をする。というよりも宣伝紛いのことをしている二人のセイバーに頭痛がしたのか、
「まぁまぁ、お前さんの気持ちを組んでやらんこともねェけどよ。結局召喚するかしねェかはマスターが決めんだから、あんまり気を落とすなっての。お前がそんな殊勝な態度でいられると、こっちまで気が狂うぜ」
「確かに。エミヤ殿はこう、さり気なく女性との高感度を上げてそのままゴールインする女たらし気質である故。暗い表情は似合わぬよ」
「そこまで行くとただの人でなしなのだがなぁ。持ち前の家事能力の高さがそれを無かったことにしている。だというのに、最終的には『女難の相』のせいで愉快な別れ方をする故、見ていて愉快なことこの上ない。酒の肴には相応しい話題の男よ」
「君たち、自分に飛び火することがないと踏んでここぞばかりに口撃しているな? 良いだろう、今なら特別にその安い挑発に乗るが、どうするかね」
「おいこらそこ、勝手に喧嘩しようとするなよ? 頼むから、ここで喧嘩するのはやめろよ?」
喧嘩の口火を切ろうとしていたエミヤを抑えながら、煽っていたクー・フーリンと術ギル。あと突然攻撃モーションが一段と雅になった小次郎を注意しておく。それぞれは笑ってそれを了承していたが、どことなくぎこちない表情のそれに白い目を向けるしか出来ない。それはそれとして、未だに口を開かない人が二人いる。いつもは下ろしているフードを被ったままの女性と男性が一人ずつ。どこかぎこちない感じで佇んでいる。
「メディアさんと呪腕さんもどうかしたんですか? いつも着こまないフードまで被って。なんか、らしくないですよ?」
「むっ、研砥殿にはそう見られますか。いやなに、此度の集会はあの時あの場所に居合わせたサーヴァント達が揃っております故。それにちなんだ格好で集まるべきかと思いまして」
「ええ。そこに関しては呪腕のハサンと同じ意見よ。というか、今回の映画酷くないかしら!? 確かに本編でもそうだったけど私の出番一瞬だけじゃない!!」
「いやぁ、拙者の出番ももう無いのは辛いところだが先に大活躍してしまったからなぁ! 女狐めは相当無残な最期を迎えたようで多少溜飲も下がった! これほど心地よいことはないなぁ!」
心の底から愉快そうに笑う小次郎を見て、手をわなわなとさせながら怒りの余り魔力を周囲にばら撒き始めるメディア。こっちはこっちで喧嘩が起こりそうな雰囲気になっていることに頭を痛めながらも、マスターである彼は再びその仲裁に入る。その場で堂々巡りを繰り返すこと数分、ここにはいない最後の一人がようやく入ってきた。
「申し訳ありません。少々遅れてしまいました」
「大切な用事があったのにごめんねー。ちょっとそこで話し込んじゃっててさ」
「ん、ブーディカさん? どうかしたのか? 何か問題でも?」
紫色の長い髪を腰どころか床すれすれにまで伸ばした高身長の女性、ライダーのクラスで召喚されたメドゥーサには今回の召喚に付き合うように言ったから問題ない。だが、隣にいるブーディカには何も言ってなかった。そのことについて聞いてみると何故かメドゥーサの顔が青ざめていく。
「えっとね……そのヒント。メドゥーサのお姉さんたち」
「OK把握。メドゥーサさん、いつも苦労してるもんな……」
「い、いえ。姉上様たちに命令されるのはいつものことですから。特に問題は無いのですが! その、今回は色々と独断で動いてしまったせいで余計に絡んでくるといいますか、なんといいますか………」
メドゥーサの表情が、青ざめた顔からどこか遠い所を見るようなものに切り替わる。彼女の姉、ステンノとエウリュアレによるメドゥーサへのいびりは召喚された時から続いているのは知っている。それが彼女たちなりの家族愛の発露ということも。けど、どこか行き過ぎた愛情表現という感じもしなくはない。時折メドゥーサが一人で溜め息を漏らして哀愁漂う空気を醸し出しているのを見て、やっぱり苦労人だと何度思った事だろうか。
「とまあ、今回はメドゥーサを連れてきただけだからここで帰るね。新しい人、召喚できると良いね!」
「いや、せっかくだしブーディカさんも見て行ってくれよ。多分だけど話は合うと思うし」
「そう? それじゃ、お言葉に甘えまして、と」
何はともあれ、今回の召喚に参加する人は揃った。それでは、今回の召喚を行うとしよう。だが、その前に大切なことを一つ。
「少し遅れてしまったけれど宣伝! 『劇場版 Fate/stay night heaven's feel 第一章』は絶賛公開中! Blue-ray&DVDは2018年5月18日発売!!」
「ちなみに作者も当日買いに行くつもりだ。第二章を楽しむためにもこれを購入し、存分に復習しておけよ雑種共!!」
「ちなみにPlay Station Vita、並びにアプリケーションソフトとして『Fate/stay night Realta Nua』が発売と配信中だ。アプリケーションの方ではFate/シリーズの原点、セイバー・アルトリアの物語を無料で配信中だ。学校や通勤の片手間でプレイできるから、時間がある時にコツコツ進めると良いぞ」
「姑息な販促をするでござるなぁ……………」
研砥とキャスターのギルガメッシュ。そしてエミヤの三人でFate/シリーズの宣伝をしっかりと行っておく。正直な話、劇場版を見る前にはある程度原作のストーリーをあらかじめプレイ。ないし、アニメを視聴しておかないと付いていけない人もいるので大切なことなのである。さて、色々とあったがようやく召喚の方へと話が切り替わる。今回用意したのは十連ガチャ三回分。もはや課金をするということに戸惑いが無くなり始めた今日この頃だが、とりあえず諭吉を一枚リリースして167個の聖晶石をアドバンス召喚するつもりは毛頭ない。
「さて、彼女は召喚に応じてくれるでしょうか………」
「来てくれたら真っ先にスキルレベルをカンストさせるだけのQPと素材は集まってるんだけどな。ま、うちのマスターのくじ運はそれなりに高い方だし行けるだろ」
「幸運値がEの君に言われると不安なんだがね」
「あァ? そういうテメェもEランクだろうがよ。なんだ、やっぱ喧嘩売ってンのか?」
「あ~もう! 二人して喧嘩しないの!!」
何やら後ろの方で賑やかになってきているがこちらとしてはそんな余裕はない。目の前で行われていく十連召喚を固唾を飲んで見守るが、次々に召喚されて現れていくのは既に召喚されているサーヴァント達や、今回初登場となる礼装ばかり。結局、高い出力を持つサーヴァントが召喚されることなく、一回目の召喚は終わってしまった。
「この間の召喚が響いているな。あの短期間に☆5のサーヴァントを3人も呼び寄せたツケが返ってきたというわけだ」
「いいやまだだ! まだ二回召喚できる!! ここで召喚出来れば一気にスキルマに出来るだけの素材は残ってる!! 諦めないぞ俺はァ!」
続いて二十連目の石を投げつける。事前に投げつけた呼符もろくな物を出さなかったので、今回は真面目にあと二十連で召喚するしかないのだ。スキル能力を見させては貰った、NP供給にクリティカルスター製造量に自前のNP回復率。その上HP回復や魅了による妨害まで何でもできる彼女はこれから先の戦いでも大いに活躍してくれるに違いない。ランサーだけでなら既に大勢いるので召喚する必要もないのだが。そこはそれ、これはこれというやつなのである。
そんなこんなで召喚を続けていると、突如として黄金の光が開店するサークルを彩り始める。これまで何度も見た高い能力を備えたサーヴァントが召喚されたというが証明された瞬間だ。
「よっしゃぁ! これ絶対パールヴァティさんだよ! 召喚されてもないのに霊衣開放券マナプリ1000使ってゲットしちゃったし、絶対パールヴァティさんだよ! 間違いない!!」
「残念だなマスター。召喚されたのは弓兵のカードだぞ」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(号泣)」
「あははは………それにしても、本当に今年に入ってからアーチャーが召喚されることが多かったよね。人理修復するまでは大変だったなぁ」
懐かしいことを思い出したブーディカがしみじみと言いながらも、サークルの中央に顕れたカードから新たなサーヴァントが姿を晒す。せめて未だ召喚されていないアタランテが来いと願うマスターではあったが、その願望はいつものように裏切られる。
逆立てた白髪に赤い外套。白と黒の中国双剣『干将』と『莫邪』をそれぞれの手に持った弓兵のサーヴァント。そんな人は一人しか存在せず、それを見た直後。研砥はサークルに目掛けて走り出した。
「サーヴァント・アーチャー。召喚に応じ参上した」
「お前これで四人目だろうがいい加減にしろォッ!!」
「ぐほぉぁっ!?」
召喚された新たなエミヤの胴体に、魔力ブーストした研砥の李書文直伝。なんちゃって鉄山靠が炸裂する。ここにいた八極拳を極めた武術家が教え、曲がりなりにも未来を取り戻す戦いを二年近く続けてそれなりに成長したマスターが放つそれは、召喚されたばかりでスペックが最低値である彼には想像を絶するダメージが叩き込まれる。現に、召喚されたばかりのエミヤがその場で痛そうに蹲っている。
「くっ、っ、いきなりなんだね! 確かに、召喚されたのが私だったのは不服かもしれないが、君はもう少し温厚な性格だと思っていたのだが!」
「うるさいばーか! なんなんだよ! 2017年の正月まで全然来なかったのに今更になってポコスカポコスカ出て来やがって! 驚き以前に腹立つはボケェ! セイバー相手に何度も出撃させられてたロビンとクロエに謝れ!」
「酷い言いがかりだな!? たんに君のガチャ運が悪いだけだろう!」
「おーし禁句言ったなこの野郎! もう一発なんちゃて鉄山靠お見舞いしてやらぁ!」
召喚されたばかりの低スペックサーヴァントに、低レベルな喧嘩が始まりそうな空気ではあったが。見るに見かねたギルの魔仗がマスターとエミヤの足元を貫く。そして、見るからに不機嫌そうな表情を浮かべてはいたが何も言わずこちらをジッと見ている。あれは何も言っていないが、暗に「これ以上見るに堪えん物を見せつけるなら、我が魔仗の藻屑と消えよ」と言っているに違いないと察知し、仕方なく開いた魔術回路を閉じながら溜め息を漏らした。
「………とりあえず、あとでこっちにいるエミヤの強化にするから待機しておいてくれ。呼ばれて早々で申し訳ないけどな:
「別に問題は無いが、これ以上暴走するのはやめておけ。収拾がつかなくなったら元も子もないないからな」
「言われないでも分かってるよ。さてと、それじゃ最後の十連ガチャに行きますかねぇ!」
ここで召喚された四人目のエミヤを見送りながらも、最後に残った聖晶石30個を放り込む。泣いても笑ってもこれが最後だ。ここで召喚できなければ何かイベント、ないし『劇場版 Fate/stay night heaven's feel 第二章』が公開でもされない限りピックアップはやってこないだろう。勿論、ストーリーガチャの方に追加されるわけでもなく恒常入りだから、何かの拍子で召喚されることもあるかもしれない。
けれど、もしチャンスがあるというのであれば。ここで召喚しておきたいという研砥の石に変わりは無い。そして、それに応えるかのように再び黄金の輝きがサークルを覆う。
「よし! 今度こそパールヴァティさんだ! 間違いねぇ!」
「はっ、残念だったなマスター。今度はキャスターのカードだ」
「ぬわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「…………なんでしょう。召喚運は悪くないんですが、ここ一番というところで駄目ですよね」
今度こそはと思っていた最後の召喚も、終ぞ報われることなくすり抜けという結果に落ち着いた。大抵のサーヴァントは召喚済みの筈なので、どう頑張っても宝具レベルが上がるという結果になる。そのことに少しだけ肩を落としながらも宝具の効果が少しでも向上するのは良いことだと思い直し、召喚されたのは誰なのかとサークルの中央を見据える。
「キャスター、ギルガメッシュ。ウルクの危機に応じこの姿で現界した。貴様の召喚に応じたのではない。付けあがるなよ、雑種」
「け……賢王ギルガメッシュ………!?」
「む、なんだ貴様か小間使い。この我を何度も呼び寄せるとは中々強情な奴よな。まあ良い、貴様の道中はそれなりに見ごたえがある。存分に我を楽しませるがいい」
愉快そうに笑いながら黄金の斧を波紋の中にしまうのは、第七特異点にて終わりを見てもなお抗うことを決めたウルクの王。いつもの財宝を投げ放ち、至宝たる
しかし、ここでは既に3回目の登場となるので宝具の威力が上がるだけなので少しだけ残念な結果となってしまっている。いや、そもそも狙った
「さて……どうやら、我を呼んだにも拘わらずその腑に落ちんとう表情。さては目当てのサーヴァントを呼ぼうとしたが出来なかったといったところか」
「あ、いや、別にそういうわけじゃ」
「別に構わん。普段の俺ならば不敬と一蹴し、財を以て即座に首を切り落としていたであろうが、貴様は我の小間使いで既に我を呼んだ男だ。多少の不敬は水に流してやるともさ」
笑いながらサークルの中央から降り立つ賢王。その優雅な態度は最近の日常でも見てはいたが、相変わらずのその在り方に見惚れてしまう。いつぞやの話だが、目の前にいる王に我が玉体に見惚れて魂を奪われたかと言われたことがあった。だが、その美しい在り方は万人を魅了する魔力があると思う人が多い。尤も、アーチャーとしての彼を知っている者。彼の既知の者ならその限りではないだろう。
「さて、此度呼ばれた我は早々に強化へと回すが良い。少しでも貴様の下にいる我の助けとせよ」
「では、御身の案内は私がしましょう。こちらへどうぞ、バビロニアの賢王よ」
三人目の賢王を強化室へと案内する。その役目を率先してやって来たのは青いエプロンドレスに見を包んだ男装の麗人。意外な人物が前に出たことにさしもの賢王も、いやこの場にいる人の全てが目を開く。
「……よもや、貴様が我の案内を買って出るとはな。どういう心境の変化だ騎士王?」
「別に、私は貴方という王の在り方の全てを否定しているわけではないのです。英雄王の貴方なら話したいとも思いませんでしたが、賢王としてなら話は別です。それに、ここでは嫌でも顔を合わせていますから。もう慣れました」
「ふはははは! そうかそうか! これはアーチャーの俺が呼ばれた時が愉しみよな! ならば我を強化室へと案内する役目、存分に果たすが良い」
「言うまでもありません。さっ、こちらですよ」
口を動かしながらテキパキと行動する二人。こちらは意外過ぎる展開に驚いて引き留めることを忘れ、その場で突っ立ていることしか出来なかった間に彼女達は召喚場を出て行った。とりあえず、今回持ち得る全ての石は投げ込んだ。残念ながらパールヴァティという新たな人を呼ぶことは出来なかったが、これからの戦いが少し有利に働くようになるという結果に落ち着いた。少しだけ残念だが、今までの召喚結果だけを見れば当たりすぎも良いところ。こういう日もあって然るべきだと思い直し、集まって人たちに礼を言う。
「………というわけで、なんかこんな形になっちゃたけど今回はここまで! 集まってくれてありがとう!」
「ああ、別に構わないさマスター。さて、私は厨房に戻るとしよう」
「なんだ、嬢ちゃんが呼ばれなくて良かったって顔してんじゃねェか。ま、おめぇの女難の相は今に始まったわけじゃあねェけどよ」
「よし喧嘩を売っているのだなランサー。良いだろう、今日は私も機嫌が良い。表へ出るがいいクー・フーリン、その槍。完璧の投影して貴様の心臓へ刺し返してやろう」
「はっ、上等だアーチャー。今度こそテメェの体を穿ってやるよぉ!」
「だーかーらー! どうして二人とも喧嘩っ早いかなぁ!!」
「あはは…………でも、偶にはこういうのもいいねぇ」
さて、今更感が凄いパールヴァティ召喚篇でしたが。いかがでしたでしょうか? 30連でエミヤ&術ギルという結果ではありましたが、二人とも大好きなので個人的には大当たりです! 次回も今更感が凄いハロウィンイベント3rdですが、お付き合いくださいませ!