ブーディカさんとガチャを引くだけの話   作:青眼

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どうも青眼です。今回は『ぐだぐだ明治維新』のガチャ報告回ですよ〜。これの前に開催されたクラス別ピックアップは引いてませんので、省略しています。
ちなみに、サブタイトルは私の現状です(真顔)。
なんでや、俺ロリコンちゃうやろ…。俺はあれだ、遠くから小さい子供を見て癒されたいだけであってだな……

それより、今日から『Fate/EXTRACCC』コラボイベント記念のガチャが始まりますね!自分は日曜日の、ネロ(ブライド)と、弓ギル様の時を狙ってガチャります!石なんて、毎月1000円ずつ貯めて来た貯金を使って増やせばいいんや(5ヶ月分しかない)。

それでは、本編をどうぞ〜!



追記:皆さんは高難易度突破しましたか?私は玉藻がようやく来たので、斎藤千和さんが声を当てているキャラのみのパーティーでクリアしてきました!ツイッターにも貼っておこうと思いますので、返信してくだされば嬉しいです!


皆が俺の事をロリコンと呼ぶが、俺は決してロリコンなどではないっ!!

「むにゅ〜。ちゃちゃもう食べれないよぅ……」

「ふむぅ……。あん……ふぅ……」

「……………………どうしてこうなった」

 

 

やぁ、俺は黒鋼研砥。謎の電車に乗って移動すると特異点Fに到着していて、済し崩し的に人理焼却を防ぐ旅に出たマスターの一人だ。現在は四月。年齢的な意味で大学の勉強をして寝たある日の朝。何故か俺のベッドに茶々とクロエが入り込んでいた。しかも爆睡している状態で。

さて、改めて現在の状況を振り返ってみよう。

 

俺←簡素なパジャマ。中央で寝ていた。

クロエ←俺の右腕を枕代わりにして爆睡。しかも薄着。

茶々←俺の左腕を枕代わりにして爆睡。しかも涎を垂らして汚す。

 

 

つまり幼女二人に腕枕をし、その上で川の字に寝ているのである。………事案だ。誰がどう見ても事案である。現状を打破しようともがくも、両腕をしっかりと抑えられている以上何にもできない。今の正直な感想を言おう。

 

「詰んだ………誰がどこから見ても詰んだ………ッ!!」

 

もし、今の部屋の中に誰か入ってみろ。ま〜た俺のロリコン疑惑が復活するじゃないか。もういいって。そういうのはもうお腹いっぱいだから。というか、何で配布のサーヴァントが幼女なんですかね……。

 

(まずい……この状況は絶対にまずい!どうにかしてここから脱出しなくては……!!)

 

せめて片腕でも使えればと歯嚙みをするも、無い物ねだりをしても仕方だないと割り切る。ふと、レイシフト先が上空だったり、使役するサーヴァントがいない所に送られた時の頃を思い出してしまったが、まぁ是非も無しだろう。

 

「うにゅ………ふぁ〜あ。ううん?あれ、私どうして……」

「!! 目を覚ましたのかクロエ!良かった、本当に良かった!!」

 

俺の右腕で寝ていたクロエがぼんやりと目を覚ます。誰も来ていない状況でこれはチャンスだ。下手すれば最初で最後のチャンスかもしれない。

 

「あれ研砥?何で私ここに……」

「いいから!早く腕から離れろ!!あとついでに左腕で寝てる茶々も持って行ってくれ!」

 

茶々を起こさない様に静かに叫ぶという器用な事をする俺。俺の真剣さが伝わったのか、クロエはゆっくりと腕から離れ、そのまま茶々を起こさず(・・・・)、俺の腹の上に寝転がる。

 

「………何のつもりだクロエ。早く茶々を起こして」

「そんな事はいいから、ねぇ、このシチュエーション、もしかしてドキドキしてる?」

 

蠱惑的に微笑むクロエ。だが、その目が未だぼんやりとしている事に気づいた俺は、まだこいつが寝ぼけているのだと察した。

 

「なっ、おいこらクロエさん!?早くおきろうひゃぁ!?」

「あははは〜。もう、研砥ったらおもしろーい。あ、そ・う・い・え・ば♪」

 

何か思いついた様に顔を近づけてくるクロエ。まるで、獲物を見つけた肉食獣な目つきに、ふと特異点F(あの時)のアルトリア・オルタを思い出す。

 

「研砥のぉ〜。魔力はぁ〜。どんな味がするのかしらね〜♪」

「こ、んの……いい加減にしろ!!」

 

さらっと『キス魔』を使おうとするクロエの頭に指を当て、魔力を貯めて解き放つ。俺が使える数少ない魔術の一つで、名前は『ガンド』。某あかいあくまが使う簡単な魔術で、当たっても少し風邪を引く程度の呪いしか起こらない。

だが、今ここで放つのはただのガンドではない。カルデアのオカマな天才、レオナルド・ダ・ヴィンチが開発したガンドだ。その威力は、数瞬だがあの人類悪(クラス・ビースト)の動きさえも止める。つまり、普通の人間に向かって撃ったら間違いなく即死級の一撃なのだ。

 

「きゃん!?」

 

それをゼロ距離、しかも頭部に被弾したクロエは当然意識を失う。家の中でもスキルレベルカンスト勢(主力の一人)である彼女にこんな事をするのは申し訳ないが、事が事だ。今は眠っていてもらおう。

 

「……許せクロエ、後でエミヤになんか詫びさせるから」

 

とりあえず責任をエミヤに押し付けて、自由になった右腕でクロエを腹からどかす。後はゆっくりと左腕の茶々を退けようとしたその時。外の光が部屋を包む。突然の光源に目を細めるも、数秒のうちに回復する。そして、光の中から現れたのは俺の見知った人だった。

 

「研砥〜。そろそろ朝ごはんの時間………」

「………ははっ。終わた」

 

ようやくこの状況を打破できると言う時、部屋の外からやって来たのは我が家の料理長、ブーディカさんその人。性格は家庭的(・・・)なお姉さんであり、本質はオカンである。しかも優しい系の。

そんな彼女が俺の部屋に入って来た時、今の状況を見た時どう思うだろうか。幼女二人をベッドに持ち込んでいる現マスター。いや、俺としては、まず、どうやってこの状況が出来たのかを問いただしたいのだが、真実を知る二人は夢の中。

それにだ、現行犯がいる状況で、逮捕しない警官がいるだろうか。いないだろう?つまりはそういうことだ。

 

「ーーー研砥。理由は後で聞くから、さ」

「………はい」

「……少し、頭冷やそうか?」

「いや、ちょ、あの俺は今回に何もしてーーー」

 

俺の弁解も虚しく、容赦ない母の鉄拳(一撃)が突き刺さり、俺は痛みを感じることなく意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………痛い。まだ頭がズキズキする」

「大丈夫ですか?なら、やはり頭をスパッと」

「やっぱり大丈夫です〜!いやぁ、婦長の調合した頭痛薬は効きますねぇ!!…………凄い苦いけど」

 

朝の一件の後、俺が次に目を覚ましたのは医務室だった。どうやら俺は、召喚されてから一瞬で医務室を占領したバーサーカー。クリミアの天使で有名なあのナイチンゲールに看護されていたらしい。

目覚めた直後、ナイチンゲールの調合した頭痛薬を飲むか、それとも頭を切断するかの二択を選ばされ、渋々薬を飲んで今に至る。その間に、クロエと茶々が今回の事件の真相を教えてもらった。

 

まず、茶々が部屋にいた理由だが、どうやら朝食時だから起こしに来てくれたらしい。だが、今日に限って早起きをした彼女は、既に朝食を済ませてしまっていた。その後、何故か布団の中に入ってしまい寝落ちしたらしい。まぁ、本人の容姿からして子供なので、仕方がないだろう揉め事の仲裁役である調停者(ルーラー)のジャンヌが、厳重注意で済ませたそうだ。

 

次にクロエだが、本人が今回の犯行はわざとだと自供したらしい。何でも、俺の反応が見たかったからついやってしまったらしい。どこからどう見ても有罪(ギルティ)なので、エミヤによる投影魔術講座(物理)を受講させてられているそうな。それを聞いとた時は少し同情した。「お前はまだまだ基本骨子の想定が甘い!!」と言われながら、峰打ちされたのはいい思い出だ。

 

「そういえば司令官(マスター)。そろそろガチャを回せとミス信長が言っていました。弱小人斬りサークルの副長を早う召喚せい、とも」

「……無表情で言われると、結構堪えるな。了解、今から向かうと伝えてくれ。看病してくれてありがとな」

「いえ。それでは、本日もよろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお研砥!その様子じゃと体はすっかり良くなったようじゃの!では、早速ガチャをまわ」

「死ねこの第六天魔王がァ!!」

 

召喚場で優雅にお茶を飲んでいたノッブに、入ってすぐに問答無用の牙突(見様見真似)を放つ。が、それは横から現れた一人の少女によって阻まれる。

 

「退いてくれ沖田さん。そいつ殺せない」

「いや何ノッブに斬りかかってるんですか研砥さん!?ちょっと落ち着いてください!」

「五月蝿い!元はといえばこいつの性格が今朝の原因なんだ!とりあえず一回斬らせろォ!」

 

俺が召喚した剣を使う英霊を憑依経験し、その剣技を模倣して斬りかかるも、流石は幕末最強天才剣士(自称)。俺の剣戟の悉くが弾かれていく。

彼女の名前は沖田総司。新撰組と呼ばれる、日本の誇る有名な侍だ。菌糸類という謎の存在によって女体化しているが、まあ、それはどうでもいいだろう。顔も、誰もが知るあの人によく似ている点を含めて、だ。

 

「ったく、というか沖田さんが何でここに?狭間の所にいるサーヴァントだろ?」

「いや〜、(本編的な意味では)研砥さんの所に召喚される予定だったんですけどね〜。何ででしょうね?」

「俺が知るかよ……福袋の時、わざわざ神社まで行ってお祈りしたってのに……」

 

俺がFGOを始めたのは、今から二年前の十二月頃だ。なけなしの小遣いを貯めて新しい端末を購入した俺は、知り合いがやっていたこのゲームをする事になった。新年早々に行われた福袋ガチャという、大当たりガチャに参加した俺は、姉の分までガチャで沖田さんが当たるようにお祈りをしてきた。だというのに……

 

「おか〜さ〜ん!!」

「ーーっとと、おいジャック、いきなり飛び乗ってきたら危ないだろ?」

 

誰にも気づかれない気配の薄さ、そして、音も立てずに近づくスニーキング術。背中に抱きついてきた白髪緑眼の少女、アサシンの『ジャック・ザ・リッパー』に注意する。ちなみに、さっき言っていた正月の福袋で召喚できたのがこの子だ。そのせいで、俺はロリコン等という不名誉なあだ名を持つことになるのだが、それは置いておくとしよう。

 

「あ、ジャックちゃんだ〜!お久しぶりです〜!元気にしてましたか?」

 

肩から顔を出すジャックを見た沖田さんが、手を振りながら声をかける。それを見たジャックも嬉しそうに笑って返す。

 

「沖田さんだ〜!うん!わたしたちは元気だよ!沖田さんも大丈夫?喀血してない?」

「はい!今日の沖田さんは順調・快調・絶好調ですとも!あとでトリスタンさんを誘って一狩りゴフッ!?」

「言ったそばからそれかよ!?」

 

笑顔で吐血するという器用な事をしながら、ぶっ倒れかけた沖田さんを抱える。目を回しながら倒れるその姿はまさにドジっ娘という存在そのものだった。そして、それを引き立てるように何かが回る音がして……音?

 

「ってノッブてめぇ!なに人の呼符使ってやがる!?」

「む?いや、主らが回さんから儂が仕方なく回してやってたんじゃが。何か問題でもあったかの?」

「大有りじゃぼけぇ!もし星四以上のやつ出せなかったりしてみろ、パイ投げの要領で麻婆豆腐ぶつけんぞゴラァ!」

「お主さっきから儂に対する当たり強くはないか!?」

 

俺の狂化(バーサーク)っぷりに若干引くノッブ。お前は知らないだろうけど、今朝お前の姪が起こしてくれた事に若干根に持ってるから、仕方がないと思うんだ。

そんな事を思っていると、一枚のカードが現れてノッブの手に収まる。というか、既に何枚かカードを持っている所を見る限り、呼符で引いたのは全て概念礼装だったようだ。

 

「ほれ、『月霊髄液』と『春風遊歩道』が二枚出たぞ。良かったの!イベント礼装が二枚も出たぞ!儂に感謝せよ!」

「……何かノッブのくせにいい引きしててムカつく」

「なんじゃさっきから!?今日は何もしとらんじゃろ!?」

 

理不尽じゃ、と少し目に涙を貯めるノッブを見て、少しやり過ぎたと謝る。さてと、一応イベントだし一〇連しますかね。

 

「まぁ、イベントだから仕方なくガチャを回すんだけどさ。これで土方さん来たら嬉しいな。とりあえず大量のたくあんとマヨネーズと二五〇円竜を大量に用意して……」

「いや、それ別の時空の土方さんですから。というか最後の人に至っては別人じゃないですか!」

「ばっかお前、(中の人的には)同じ土方さんだろ。触媒には丁度良いだろうがよ」

「もうやだ研砥さんの思考回路闇鍋すぎ……」

 

『病弱』スキルから復活した沖田さんに何故か引かれながらも、とりあえずそれを無視して三〇個の石をサークルに放り込む。再び起動するシステムを見ながら、これから召喚されるサーヴァントに胸を膨らませる。

 

「今回のピックアップは直流・交流コンビと、その保護者(エレナさん)。あとは土方さんだったよな?」

「そうですね。まぁ、研砥さんの所には遂にアーチャーも揃い始めましたし、誰が来ても余剰戦力になりそうですが」

「うん!まだジャンヌのレベルも中途半端だしね!」

「ちょ、申し訳ないからそれ言うのやめてくれない!?」

 

事実、十二月に我が家にやって来たランサー、『ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ・ランサー』という、エクストラクラス・復讐者(アヴェンジャー)である『ジャンヌ・ダルク・オルタ』の若い頃の彼女が召喚されたのだが、いかんせんランサーは結構揃っていたので、育成が後回しになっている。本当に心苦しい。

そんな事を考えていると、金色の光とともに三本の輪が広がる。出現したのは魔術師のカード、つまり高ランクのキャスターだ。眩しい光を伴いながら現れたのはーーー

 

 

 

「よくってよ。このキャスターが導いてあげる!」

 

短い紫色の髪を二つ結い、ガーターベルトを着用し、容姿は幼女というより少女寄り。第五特異点から追加された高ランクの魔術師(キャスター)。『エレナ・ブラヴァツキー』だった。

 

「お、エレナさんか。あ〜でも、申し訳ないんだが……」

「言わなくても結構よ。ここにはもう私がいる事を、マハトマが告げているしね」

「マジですか。マハトマってすげぇ〜」

「ええ。存分に崇め奉りなさい。気が向いたら、貴方にも私の魔術を教えてあげるわ」

 

彼女はそう言って召喚場を去って行った。ここはカルデアみたいにダ・ヴィンチちゃん工房なんて便利な物はない。あくまであれを意識して、メディアさんやバベッジさんが作った工房があり、普段はそこで霊器再臨や、種火の注入を行なっている。

 

「さて、これで今回のガチャも終わりだな。とっとと種火周回でも行って」

「ねぇねぇおかあさんおかあさん!!わたしたちもガチャしてもいい?」

 

まだ背中にくっついていたジャックが、自分も召喚してみたいと要求してくる。それに少し悩んだが、別に問題ないと思い直す。

 

「ああいいぞ。この間の新宿で、絆レベルが10になったご褒美だ。ただ、悪いが呼符ガチャでもいいか?」

「うん!ありがとうおかあさん!わたしたち、頑張って強力なサーヴァントを召喚してみるね!!」

「おう!気負わずに頑張れ!応援してるからな〜!!」

 

ノッブが回したせいで一枚しか残っていない呼符を渡す。そのやり取りを見た沖田さんに「やっぱりロリコンなのでは」と言われたが、気のせいだろう。

 

「それじゃいっくよ〜!それ〜!!」

 

黄金に輝く札を、サークルの中央に放り投げる。呼符の中に充填されていた魔力が解放され、聞き慣れた起動音を立ててサークルが回る。線はまたまた三本。これ以上高ランクのサーヴァントは出ないだろうな、思った俺だが、それは良い方の意味で裏切られる。何故なら、現れたのは金色に輝く槍兵だったからだ。

 

「なっ、ここで恒常星四以上のランサーじゃと!?ピックアップ仕事しておらぬな!?」

「土方さんじゃないのは残念ですが……これでフィンさんなら笑えますね!」

「笑えないからなそれ………!!」

 

冗談を言う沖田さんにツッコミを入れながら、新たに召喚される仲間に期待する。本当にフィンなら堪らず自害コマンドでも打ちそうになるが、間違ってエルキドゥさんでも来たら嬉しいなぁ(遠い目)。

そんな事を考えているうちに、遂に新たな英霊が顕現する。俺の淡い希望という光から現れたのはーーー

 

 

 

「貴方が新しいマネージャー?よろしく、大切に育てて」

「何度も出て来て恥ずかしくないんですか?」

「ちょ、最後まで言わせなさいよ!?」

 

 

さっき現れたエレナさんより赤みが増した紫色の髪。黒を基調としたフリルのついた服。頭部から生えた異形の角に、服と同じカラーリングの尻尾。ハロウィンでキャスターやらセイバーやら色々増えだした、エリザベート・バートリー(ランサー)だった。

 

「ねぇねぇおかあさん。わたしたち、強い人呼べた?」

「ああ!よくやってくれたなジャック!今日はエミヤに頼んで、ハンバーグにして貰おうな!」

「本当!?やったー!!わたしたちハンバーグ大好きー!!」

「ってあれ?ねぇマスター。その子、もしかしてネロの親戚か何かかしら?声が似てる気がするんだけど?」

「いや?別にそんなんじゃないが?まぁあれだ。丹下さんマジパネェっす事だ。分かれ」

 

歌ったり魔法少女になったり暴君(可愛い)になったり、花嫁になったり暗殺者になったりと、色々と忙しいよなあの人。あ、今言った四つ全部【Fate/】シリーズだったわ(白目)。

丹下さんの偉大さを振り返っていると、召喚場の入口辺りが大きな音を立てる。具体的に言うと、何かが鉄を切り裂く音だ。

 

「おお!やはり、その気配は赤ランサーであったか!!会いたかったぞ!我が親友(ライバル)よ!!」

「ネロじゃない!!貴方もいたのね!それじゃ、アメリカで果たせなかったツアーを始めようじゃない!!」

「うむ!研砥よ!我が奏者(マスター)よ!よくぞ赤ランサーを召喚した!褒美だ、賢王の援助によってより強化された黄金劇場よる、余とランサーによるデュエットを披露してやろう!!」

 

わざわざ自動扉を斬って入ってきたのは、セイバーウォーズとかいう謎のイベントでピックアップされた時に、奇跡的に召喚に成功したセイバー、みんな大好き丹下セイバー(ネロ・クラウディウス)だった。この二人、色んな所で共通点を持っているため、物凄く仲が良いのだ。

 

「ーーーって、これって結構やばいんじゃないか!?おい皆逃げるぞってもういねぇ!?」

 

ネロの宝具が展開される前に脱出しようとするも、既に沖田さんもノッブもジャックもいなくなっていた。ただ、彼女らがいた所にポツンと置かれた紙切れがある。手にとって読んでみると、俺は足が震えて動けなくなっていた。

 

『すまぬマスター。流石の儂もあれは相手しきれん。下手をしたらあの大英雄さえ倒しかねん、超音痴攻撃を聞くくらいなら、処罰覚悟で逃げさせてもらうぞ。とりあえず、気を楽にせよ。三途の河を渡っていなければ、怪物婦長に頼んで生還させてもらうからの』

『すいません研砥さん。あれは無理です。ジャックちゃんの事は私たちに任せて、二人の相手をお願いしますね。生きていたら、また一緒にお団子でも食べましょう!』

『おかあさん!ファイトだよっ!』

 

三人の心情が書かれた手紙を読み、堪らずその場で膝を折る。もうダメだ、けどまぁ……宝具で死ねるのなら、少しは箔が付く人生だったかな。

 

「おおマスター!そう泣くでない!余とランサーのデュオが嬉しすぎるのは当然だが、そこは泣くのではなくサイリウムを振り回す所であろう!!」

「そうよ子ウマ!さぁ!ライトを当てなさい!最高の舞台で、最高の歌で!いかせてあ・げ・る♡」

(違うんです。歓喜してるとかじゃなくてこれからの鼓膜の心配をしてるんです。というか生きて帰れるかさえ分からないんですがそこん所理解してるんですかねぇ………!!)

 

当然分かっていないだろうけど。内心諦めて、何故か手に握らされていたサイリウムを手に、精一杯の雄叫びをあげる。せめて、最期ぐらい派手に散って行こうという、自棄になったのが理由なのだが、まぁ、別にいいだろう。

 

直後、展開された黄金劇場にて開催された、エリザベート・バートリー(槍)と、ネロ・クラウディウス(赤)によるコンサートが、たった一人のマスターの為に開催された。

その結果、一体何があったのかは、当事者である俺たちしか知らない………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GO★JI★TU★DA★N!

 

「あ〜くそ。真剣に死ぬかと思った。あれ本気でヘラクレスのストック消し飛ばせるぞ。絶対ランクEXの対軍宝具だっての」

「あはは……大変だったね研砥。ほら、フローレンスが調合した薬だよ」

「また苦い薬を飲む羽目になるとは……とほほ、泣けてくるよ」

 

ブーディカさんが手渡してくれた薬を飲む。とてつもない苦味があり、『この世全ての苦味(アンリ・マユ)』と呼んでも過言ではないのだろうか。ちなみに、『この世全ての辛味』はF市在住のK峰神父が愛好している、紅州宴歳館・泰山の『麻婆豆腐』である。

 

「〜〜〜!!!ゲホッゲホッ!!がっ、うっ、あ〜〜〜!!ゲホッゲホッ!………ふぅ。死ぬかと思った」

「大袈裟だなぁ。ほら、水のお代わりだよ。いる?」

 

用意してくれていた水をすぐに受け取り、一気飲みの要領でがぶ飲みする。少し腹が冷たくなった気がするが、仕方がないだろう。

 

「ふぅ。お、流石婦長が直々に調合してくれた薬だ。効き目抜群だな」

「あはは。けどまぁ、ネロ公達にはきつ〜く言い聞かせて置いたから、こんな事はもう起こらないと思っていいよ」

「え……ちなみにどうやってですか?」

「うん?私とエミヤ君と頼光さんで食事を止めるって言っただけだよ?」

「鬼ですか!?」

 

家の食堂は、調理スキルがカンストしている人たちが料理を当番制で作っている。食堂の責任者組である彼らを敵に回すということは、食を断たれるという事も道理。エリザベートはともかく、ネロはブーディカの料理を特に気に入っているため、それは彼女に死ねと言われているのも道理だろう。止めるのも仕方がないと言える。

 

「あ、そうだ研砥。一つ聞いてもいいかな?」

「うん?別にいいけど、珍しいな。ブーディカさんが俺に質問だなんて」

「そうかな?いやさ、今回のイベントでエミヤ君もアルトリアも、頼光だってちゃんと出番があったのに、私だけなかったじゃない?だから、もし私が日本の偉人の名前を使った英霊になったのなら、どんな人物かなぁって思ってさ」

 

少し重いかな。彼女は少し苦笑しながら呟く。それに、俺はどう答えたらいいのだろうか。勿論、彼女に合いそうな日本の人物を俺は知っている。大学レベルの学歴を身につける際、世間の様子を知るためにも、よくニュースやら特集を見るようになったからだ。

 

そして、今放送されているドラマに、ブーディカさんとよく似ている人物がいた。でも、俺の身勝手だけどそれはーーー

 

「どうだろうな。ブーディカさんみたいに優しいお姉さん系の偉人なんて、そう数は多くないと思うし、下手したらいないかもな」

「もうっ、それって自分が知らないことを言い訳にしているだけじゃないの?」

「あ、バレたか。なら、一緒に探そうぜ。西暦だけで数えれば二〇〇〇年も続いてるんだ、探せば見つかるさ」

 

そう言って、俺はブーディカの手を取る。それに彼女は応じてくれて、「仕方ないなぁ」と愚痴をこぼす。

 

「それじゃ、これからネロも誘って図書室に行こうぜ!せっかくだし、エミヤも誘ってさ!」

「全く…分かったよ、行こっか研砥。私とよく似たその人を探しに、ね」

 

俺たちは部屋出る。その間に、俺は今までの人理焼却を防ぐ旅の中で、学んだ事の一つを思い出した。

 

 

 

それは、どんな人生にも意味があること。例えば、俺がこの世界に巻き込まれたのも、その言う風に仕組まれた運命(Fate)だとしてもだ。その過程に、多くの事を残せたのであれば。その歩んだ人生(物語)は、決して無意味な物ではない。

まだ十八年しか生きていない若輩者の考え方だが、それが、今の俺には一番しっくりと来た。




ここまでの既読、ありがとうございました!
設定の食い違い・誤字脱字・指摘したい点がありましたら報告をお願いします!

ちなみに、私がブーディカさんとよく似ていると思った人のドラマは、2017年4月現在、日曜日の20時から放送していますので、時間があれば是非見てください。個人的には面白いですよ。

さぁて、CCCコラボ記念ガチャ!逝くとしますかねぇ!!
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