今回幕間ということもあり退屈かとは思いますが、お付き合い下さい^^*
壮絶な戦いを終え初めての夜が明ける。
あんなことがあったにも関わらず暁家の面々はいつも通りの朝を過ごしていた。いつもと違うことがあれば雪菜と古城があまり話さないことぐらいだろうか。
昨日の被害もあり、絃神島はほぼ全域で学校が臨時休業ということになり、それに合わせて延期されていた春休みへと入ることが決まった。
長期休暇の1日目ということと昨日の疲れもあり古城たち3人は午前中をダラダラと過ごした。
「凪沙ー、昼はどうするんだ?」
「凪沙ちゃんなら、先輩のだらだらとした雰囲気に耐えかねて友達と遊びに行っちゃいましたよ」二度寝から起きてきた古城が昼飯の催促をしたが、凪沙は休み初日から時間を浪費することを嫌ったらしく早々といなくなっていた。
「仕方ない、なにか作るか…」
「お手伝いします」古城はこれでもなかなかに料理ができる。気だるげにキッチンへと向かう古城はシャツを引っ張られ、足を止めた。
「こ、古城は休んでおきなさいよ。料理なら私と雪菜でするから」
「煌坂って、料理できるのか!?」
「なによ、それ。出来ないと思われてたわけ!?」古城を気遣ったというのに失礼なことを言われた紗矢華は機嫌を悪くしてソファーに座ってしまう。
「仕方ない、自分でするか…。姫柊手伝ってくれるか?」
「もちろんです」そう言うと2人はそれぞれ作業を始めていく。
「あっ…」黙々と作業を進めていた古城に雪菜の声が聞こえた。
「どうした?」
「少し手を切っちゃいました…」
「絆創膏どこにあったかな」
「大丈夫です…ほら…」呆れながら絆創膏を探しに行こうとする古城に切れた指を古城に見せる。
「あっ」雪菜の切れた指が徐々に治っていっていた。
古城は昨日のことを思い出し、気まずくなる。傷が勝手に治るということはほぼ間違いなく雪菜が古城の『血の伴侶』となっていることを示していた。
申し訳ない顔をする古城をよそに雪菜は1人で料理の続きを進めていく。
「先輩、ぼうっとしてないで手伝ってください」
「ああ、悪い」それからは話すこともなく料理を終え、不機嫌な紗矢華を呼び3人で昼食を食べる。
テレビから流れてくるニュースはどれも昨日の事件の話で持ちきりだった。どうやら国民の中には昨日のことで第四真祖という存在を疑問視する声がちらほら上がっているらしい。
「これから、大変になるわね」
「まあ、仕方ないさ。1週間は休みをくれる人工島管理公社の人達には感謝しないとな」
「そうですよ、それが終わったらたっぷり働いてもらうので覚悟しておいてくださいね」お情けでこの大変な時期に休みをもらっている古城だが、その休みが終わればまた不眠不休での公務が待っているのだ。
休みのあることに喜んでいいのか喜ばない方がいいのか迷いながら、今日はひたすら寝ることにした古城は自室のベッドへと向かっていった。
「紗矢華さん?」
「どうしたの?雪菜」古城が寝静まったことを確認して雪菜は話しだす。
「2日くらい先輩を1人にしてあげませんか?最近色々と大変そうですし…」
「それは、そうしてあげたいけど監視役はどうするの?」
「それは…少しの間
「1度上申してみるわ」
「ありがとうこざいます!紗矢華さん」紗矢華は雪菜に甘いため断ることが出来ない。すぐに携帯を取り出し師である遠藤 縁へと電話をかけた。
「どうでしたか…?」
「一応了承は得たんだけど…」
「何かあったんですか?」
「また罰ゲームを…」紗矢華はことある事に縁に罰ゲームと称してメイド服を着せられていたりする。
「そうと決まれば私達はもうどこかに行きましょう」
「そうね」そう言うと2人は分担して食器を洗い古城宛に置き手紙を書いて古城を起こさないように静かに外へと出ていった──
三度寝から起きた古城は喉の乾きを潤そうと冷蔵庫を漁りミネラルウォーターを口に含む。
「あれ、あいつらどこ行ったんだ?」そう言ってリビングを見渡すと一枚の手紙が置いてあった。
〈今日から3日間私達は家に帰らないので、先輩は少しの間ですがたっぷり休息をとってください。監視の方はなにかあれば
「なんだか気を遣わせちまったみたいだな」そう言いながらも雪菜と紗矢華と凪沙に感謝して久方ぶりの1人を満喫する古城だった──
前回の更新のあと感想を何件かいただきました!
この方向性や書き方でいいものか色々と考えていたので少しほっとしています( ̄▽ ̄;)
もしよければ他の方も批判要望等なんでもよいので書いていただければなと思います。評価の方も宜しければお願いします!
さて、次回から短めではありますが第2章へと入らせていただこうと思います。バトル要素は入れる予定はないですが、皆さんが大好きであろうあの子が登場する予定なので期待しておいてください!それではまた!