最近投稿した話は大分UA数に差がなくなってきて安定さんが多いのかなー?と笑
より多くの方に楽しんでもらえるよう頑張らせて頂きます!
それではどうぞ!
「ふんふんふ〜んっ♪」古城が寝てから2時間が経とうとしているにも関わらず零菜は鼻唄を歌いながらCMの間でもテレビから目を離さない。自分が生まれる五年ほど前の番組に新鮮さを感じるのは仕方ない。
画面の左上に表示される時刻が10時を過ぎたところで零菜はテレビを見るのをやめて古城の寝ている部屋へと足を運ぶ。
「古城くーん、起きてーお昼過ぎちゃったよー?」
「なっ…おい零菜!昼前に起こせって言っ…」
「目覚めた?」零菜の言葉に飛び起きた古城だったが、隣にある目覚まし時計を見るとまだ10時を少し過ぎたところだった。
「お前…しょうもない嘘つくなよ、焦るだろ」
「ごめんね、古城くん。だって早く古城くんと外行きたかったんだもん」
「それなら普通にそう言えよ…」舌を出しながら可愛く笑う零菜に負けた古城はすぐに彼女を許してしまう。零菜は雪菜とはいつも言い合ってはいるが古城との仲はいい方だ。もっとも、古城が忙しいせいもありなかなかかまってもらえず古城にベッタリな所があったりもするのだが。
「ふーん、古城くんってこの時から女の子に甘いんだね」
「甘いのか…?」
「でも、みんな言ってるよ?まあ、そんなことは置いといてさ起きたなら早く行こうよ!」
「ああ」ルンルンで古城の手を引っ張り外へと連れ出す零菜になす術もなく古城はあとをついていく。
「なあ、どういうところに行きたいとかないのか?」
「うーん、さっき色々テレビで見てて気になるところはあったんだけどね、古城くんと2人ならどこでもいいよ」
「どこでもいいっていうのが一番困るんだよな…」そう言いながらとりあえず歩いていく2人。
昨日もそうだったが春休みなので昼前と言えど人は多い。
「どうした?気になるのか?」その中でも一際賑わいを見せているゲームセンターを見つめる零菜に古城は聞く。
「んー、ちょっとね。ママはあんまりああいう所行くといい顔しないし」
「なかなか厳しい人なんだな、お前の母親は」
「そうなんだよ!毎日毎日、稽古稽古勉強勉強ってあれはダメ、それはダメってママがあなたと同じくらいの頃はそんなことしてませんでしたって。ママの時代とは違うんだから仕方ないじゃん!それに、ママだってどうせ隠れてしてたんだろうしー」
「おいおい、落ち着けよ零菜。お前の母親の厳しさと頑固さはよく分かったから」古城は人混みの中で母親の文句を次々と言い目立つ零菜を必死で宥める。零菜には暁家の血が混ざっているのだ。凪沙のおしゃべりなところが遺伝していてもおかしくない。
「で、ゲーセンに来てなにかやりたいもんでもあるのか?」
「うーん、1通り見て回りたいかな。あ、古城くん!プリクラ撮ろうよ!」
「えっ…、まじかよ…」
「ダメなの?」
「いや、ダメってことはないんだがな?」そう言いながら古城は年頃の男子特有の恥ずかしさというか照れくささを感じる。
「なら、行こうよ」零菜の予想外に強い腕力でプリクラの機械の中へと突っ込まれた古城は諦めて100円硬貨を4枚機械へと投入する。
上機嫌な零菜は古城の腕をつかみ身体をくっつけ楽しそうに数枚の写真を撮り裏に回って写真に簡単な落書きをしていく。
「古城くーん、はい、これあげる」零菜は恥ずかしさに負け外で零菜が出てくるのを待っていた古城に写真が印刷されたシールの片方を渡す。
「お前もねこまたんが好きなのか?」写真の端の方に書かれたキャラを見た古城は微笑みながら零菜に問う。
「うん、好きだよ?でもお前もって?」
「いや、なんでもない」それからゲームセンターの中を1通り回り2人は外に出る。
「で、次はどこに行くんだ?」
「……」
「零菜?もしかしてあれが欲しいのか?」
「別にそんなのじゃ…!」
「いいよ、取ってやる」そう言うといつぞやの雪菜に取ってやったねこまたんのストラップのUFOキャッチャーに古城は近付いていく。
コインを入れ狙いやすそうな場所へとアームを動かしていき、古城の操作で絶妙な位置へとアームが下ろされていく。
「「やった!」」不格好に頭をアームに掴まれ首を吊るような形で運ばれてくるストラップを見て2人がガッツポーズをする。そこから落ちることもなく取り出し口へと出てきたストラップを取った古城は零菜にくれてやる。
「ほんとにもらっていいの?」
「よくなかったら、渡さないだろ」あまりにも零菜が喜ぶため照れる古城は足早に道を歩き始める。
「ありがと!古城くんに何かもらうなんて久々だから嬉しい、大事にするね?」
「なにかあげたことあったか…?」
「まあ、気にしないの。ほらお腹空いたからご飯食べに行こ?」
「自由だな…お前は」奔放な零菜に振り回されながらもそれなりにこの状況を楽しむ古城は零菜の後を歩いていく。
「めんどくさいから簡単なものにしよっか、あそこ行こっと」
「おいおい、パンなら朝食べただろ…」
「古城くんってパンの次はご飯じゃないとダメとか硬いこと言う人だったの?それにパンであってパンじゃないようなものでしょ?」
「なんなんだよそのなぞなぞみたいな言い分は…」呆れながらも零菜が向かったハンバーガーショップへと入る。
それぞれ頼んだものを食べていると零菜が思い出したように話し出す。
「ねえねえ、古城くん。バレンタインデーって誰にもらったの?」
「バレンタイン?」
「チョコとかお菓子とか、1ヶ月前にくれた人覚えてないの?」鈍い古城に少しイライラしだす零菜。
「あー、浅葱と姫柊と煌坂からもらったような…」
「え、ドクとママと紗矢華さんから!?」
「ドク?ママ?」
「いいから、何貰ったの?」零菜の呼び方を気にする古城に興奮気味の零菜はそう言いながらグイグイ近づいてくる。
「確か…浅葱はスーパーの特売品で姫柊と煌坂は非常食って言ってたな」
「古城くん…」古城が鈍すぎて哀れみの目で見つめる零菜。
「なんだよ…」
「今日は何日?」
「13日だな」
「明日は何日?」
「そりゃ、決まってる14日だ」
「もう…ここまで言ってなんで気づかないのよ…。いい?古城くん。明日はホワイトデーなんだよ!?」
「ああ、そうだな」
「それ知っててその反応なの!?ママ達も苦労する訳だよ…。仕方ない色々楽しませてくれたお礼に助けてあげるか…」
「古城くん、お返し買いに行こっか。1人じゃ不安だから私がついていってあげるよ」
「おお…」
「そうと決まれば早く行こ!」
そうやって古城はまた零菜に腕を引かれ外へと出ていった──
今回短くてすみません( ̄▽ ̄;)
色々と忙しくて…
次回でこの章も終わるかと思います!
明日が忙しいので、今日の夜更新がなければ多分明日の更新はないです…。
よければその間過去話を見直したりなどして感想書いていただけると嬉しいです。
それではまた!