ストライク・ザ・ブラッド〜空白の20年〜   作:黒 蓮

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幕間なので短いです( ̄▽ ̄;)


第37話 幕間

事件から数日が経ち、混乱していた絃神島も普段の落ち着きを取り戻した。

4月に入ったこともあり、学生の春休みも昨日で終わってしまった。

今日から新学期を迎える暁 古城は登校1時間前にも関わらずまだ深い眠りについている。

「古城くん、起きて!今日から新学期だよ、始業式だよ!」

「あと5分…」

「もうー、早く行かないといけないからもう行くからね!雪菜ちゃんたちもいないんだからちゃんと起きてね!」

凪沙のうるさい声が消え、家の玄関のドアが開く音が古城の耳に聞こえてくる。

そのすぐあとにまた玄関のドアが開く音が聞こえてきた。

「忘れ物でもしたか?」

「なに、寝ぼけたこと言ってんのよ。早く起きなさいよ!」

凪沙のものではない声とともに古城の布団が引き剥がされる。

「なにすんだよ…」

「早く行かないと遅刻するからわざわざ起こしに来てやったんじゃない」

古城の目の前に浅葱が立っていた。

浅葱に急かされ古城は一瞬で用意を終わらせ朝食も食べずに家から叩き出される。

「乱暴だな…」

「遅刻しないで済むんだから感謝しなさい。姫柊さんも煌坂さんもいないんでしょ」

「まだ帰ってきてないな」

雪菜と紗矢華は前回の事件のあとすぐに獅子王機関へと帰還したのだ。

監視役を続けられるよう上申すると言っていたがそんなことが出来るのかは分からない。

「基樹のやつも昨日から連絡ないのよね、一体どうなってるんだか」

「矢瀬はまたサボりか公社の仕事だろ…影でコソコソやってんのはいつものことだ」

2人はそれぞれ好き勝手な愚痴をこぼし合い学校へと急ぐ。

「えっと…教室は…」

「こっち、昨日ネットでクラス分けの発表あったでしょ」

「そうなのか!?」

「古城も基樹も私と一緒。煌坂さんも一緒よ」

最後だけ少し嫌そうに付け足し走っていく浅葱へと古城はついていく。

この学校のクラス分けはかなりテキトーだ。

仲がいいメンバーや部活等で関わりがある者をまとめてシャッフルする。

普段一緒にいると教師に判断されれば、クラスが離れることはほぼないのだ。

なんとか間に合った2人は席につく。

ホームルームの時間になり担任の教師が教室へと入ってくる。

「あれ?」

「どうした?腹でも減ったのか?」

「そんなわけないでしょ…、担任は那月ちゃんのはずなんだけど…」

浅葱が疑問の声を上げてすぐ、教壇に立つ教師から理由が説明された。

どうやら那月はここ数日間いないらしい。

そして、代わりとして臨時で今いる教師が担任をすることになるということだった。

「どうもきな臭いわね…。古城あんたこのあと暇よね?」

「暇だけど何するんだよ」

「調べるに決まってるでしょ」

「まじかよ…」

古城たちの通う彩海学園は中高一貫の学校だ。

普通の高校なら入学式は始業式とは別日に開催し、盛大に祝ったりするものだが中等部が高等部に進むだけということもあり、始業式のついでにすぐに終わらせてしまうのがこの学校の風習だ。

体育館で眠たくなる話を聞き、始業式と簡易的な入学式があり新学期初日が終わる。

そのまま2人は食堂へと向かい、昼食を済ませた。

「それで、調べるって何を調べるんだよ」

「出国履歴とか入国履歴とかそこら辺かな」

「それ勝手にいじって大丈夫なのか…?」

「何かあったらどこかの夜の帝国(ドミニオン)の領主のせいにするから」

「そうか、それなら…ってそれオレじゃねぇか!」

古城のツッコミも虚しく浅葱は黙々と愛用のノートパソコンへと向かう。

「おかしいわね、姫柊さんたち2人の出国履歴はあるけど入国履歴はないんだけど…」

「獅子王機関の方に直接行ったんじゃないか?プライベート機で行くって聞いたし」

「だといいけど…、那月ちゃんはこの島には今いないみたいだけど出国履歴はないわね」

「那月ちゃんには空間転移があるしな」

浅葱はそれからも次々と色々な情報を掴んだが特にこれといって決定打になるものはなかった。

「仕方ない、帰ろうぜ」

「ちょっと待って」

「まだなにかあったのか?」

「SDCが2日前から広範囲でなにかの捜索を始めてる」

「それって獅子王機関のダミー組織だったか?」

「うん、京都を中心に検問とかいろいろ…」

「それで帰れなくなってるんじゃないか?考えても仕方ないさ、もう少し帰ってくるのを待とう」

「私は気になるからもう少し調べてみる」

「あんまり、無理するなよ」

古城はそれだけ浅葱に言うと家へと帰る。

高校生になって浮かれた凪沙も誰かと遊んでいるのかまだ家に帰ってきていない。

古城は部屋着に着替えるとすることもなくすぐに眠ってしまった。

日も暮れ始め、帰ってきた凪沙に無理やり起こされた古城は夕食の準備に駆り出される。

「こうやって2人でご飯食べるのも普通だったのに、今は逆に違和感あるね」

「そうだな、姫柊も煌坂もいないからな」

「そういえば、優ちゃんに会ったんだよね?今どこにいるの?」

「ああ…、今はライラと公社の方で取り調べを──」

凪沙のマシンガントークに圧倒されていた古城の隣で携帯の着信音が鳴った──




個人的な話ですが、今日久しぶりにRe:ゼロから始める異世界生活のWeb版が更新されてテンションが上がったり──

そんな感じで節分ネタを入れたいところですが、物語的には4月入ったところなのでSSの方でエイプリルフールネタを入れようかなと思っています。

数日の間に更新するのでよければそちらもどうぞ。

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